マルティン・クリザンMartin Kližan, 1989年7月11日 - )は、スロバキアブラチスラヴァ出身の男子プロテニス選手。これまでにATPツアーでシングルス6勝、ダブルス4勝を挙げている。身長191cm。左利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。自己最高ランキングはシングルス24位、ダブルス73位。

マルティン・クリザン
Martin Kližan
2019年全仏オープンでのマルティン・クリザン
基本情報
愛称 クリチコ(Klizko)
国籍 スロバキアの旗 スロバキア
出身地 同・ブラチスラヴァ
生年月日 (1989-07-11) 1989年7月11日(35歳)
身長 191cm
体重 75kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2007年
ツアー通算 10勝
シングルス 6勝
ダブルス 4勝
生涯獲得賞金 5,524,410アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 3回戦(2014)
全仏 3回戦(2014・19)
全英 2回戦(2012)
全米 4回戦(2012)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 2回戦(2013)
全仏 1回戦(2013-17・19)
全英 2回戦(2014)
全米 1回戦(2012-16)
4大大会最高成績・混合ダブルス
全英 3回戦(2014)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 24位(2015年4月27日)
ダブルス 73位(2015年5月4日)
2024年6月3日現在

選手経歴

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2006年 ジュニア時代

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3歳からテニスを始める。ジュニア時代は2006年全仏オープンのジュニアシングルスで優勝。ジュニア世界ランキング1位を記録。

大会 2006 2007
ジュニアグランドスラム
全豪オープン A 3R
全仏オープン W A
ウィンブルドン 1R 1R
全米オープン 2R A

2007年 プロ転向

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2007年にプロに転向。同年からデビスカップスロバキア代表選手に選ばれている。

2010年 グランドスラム初出場

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4大大会では2010年全米オープンで予選を勝ち上がり初出場し1回戦でフアン・カルロス・フェレーロに1-6, 3-6, 0-6で敗れた。

2012年 ツアー初優勝 最優秀賞新人賞

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クリザンは2012年に躍進した。チャレンジャー大会で4勝を挙げ、ロンドン五輪でオリンピックに初出場した。シングルスでは1回戦でアメリカのアンディ・ロディックに、ルカシュ・ラツコと組んだダブルスでも1回戦でセルビアのヤンコ・ティプサレビッチ/ネナド・ジモニッチ組に敗れた。

2012年全米オープンでは1回戦でアレハンドロ・ファジャを6-4, 6-1, 6-2で、2回戦では世界ランキング6位で第5シードのジョー=ウィルフリード・ツォンガを6-4, 1-6, 6-1, 6-3で、3回戦ではジェレミー・シャルディーを6-4, 6-4, 6-4で破り4回戦に進出した。4回戦ではマリン・チリッチに5-7, 4-6, 0-6で敗れた。サンクトペテルブルク・オープンではツアーで初めての決勝に進出し、ファビオ・フォニーニを6-2, 6-3で破り初優勝を果たした[1]。2012年年頭の117位から29位までランキングを上げ2012年度のATPワールドツアー最優秀新人賞(Newcomer of the Year)を受賞した[2]

2013年 ツアーダブルス初優勝

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2013年7月の クロアチア・オープンではダビド・マレーロとのダブルスで優勝し初のダブルスタイトルを獲得した。

2014年 ツアー単複2勝目

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2014年4月のBMWオープンシングルスでは予選から勝ち上がり、決勝でファビオ・フォニーニを2-6, 6-1, 6-2で破りシングルス2勝目を挙げた。5月のニース・オープンでは、フィリップ・オズワルドと組んだダブルスの決勝で、ロハン・ボパンナ/アイサム=ウル=ハク・クレシ組を6-2, 6-0で破り、ダブルス2勝目を挙げた。全仏オープンでは1回戦で第9シードの錦織圭を7–6(4), 6–1, 6–2で破る。結果自己最高の3回戦まで進める。9月のチャイナ・オープンは準々決勝で第2シードのラファエル・ナダルに6–7(7), 6–4, 6–3で勝利した。

2016年 ツアー5勝目

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2016年のABNアムロ世界テニス・トーナメント500の大会では初めての決勝進出を果たす。決勝でガエル・モンフィスに6-7(1), 6-3, 6-1で勝利し、500の大会初優勝。その後、怪我のため欠場と低迷が続いた。しかし、7月のドイツ国際オープンでは決勝でパブロ・クエバスを6-1, 6-4で破り、500の大会で2勝目を挙げた。

2021年 引退

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スロバキアテニス委員会を通して、ウィンブルドン選手権を最後に引退を発表した。ウィンブルドン予選2回戦を最後に現役を引退した。

2023年 復帰

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引退後、スロバキアのペトルジャルカ市長選挙に立候補し、スロバキアテニス協会会長に立候補したが、どちらも落選した。引退後の余暇時間にはかつての試合を観返していた。[要出典]2014年のチャイナ・オープン準々決勝でラファエル・ナダルに勝利した試合を再び観た後、プロテニスへの復帰について考え始め、2023年9月から、IMGアカデミーで復帰の準備とトレーニングをしながら過ごし、ITF男子サーキットで復帰戦を飾った。[要出典]

ATPツアー決勝進出結果

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シングルス: 7回 (6勝1敗)

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大会グレード
グランドスラム (0-0)
ATPワールドツアー・ファイナル (0-0)
ATPワールドツアー・マスターズ1000 (0-0)
ATPワールドツアー・500シリーズ (2-0)
ATPワールドツアー・250シリーズ (4-1)
サーフェス別タイトル
ハード (2-1)
クレー (4-0)
芝 (0-0)
カーペット (0-0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2012年9月23日   サンクトペテルブルク ハード (室内)   ファビオ・フォニーニ 6–2, 6–3
優勝 2. 2014年5月4日   ミュンヘン クレー   ファビオ・フォニーニ 2–6, 6–1, 6–2
優勝 3. 2015年4月12日   カサブランカ クレー   ダニエル・ヒメノ=トラベル 6–2, 6–2
優勝 4. 2016年2月14日   ロッテルダム ハード (室内)   ガエル・モンフィス 6-7(1), 6-3, 6-1
優勝 5. 2016年7月17日   ハンブルク クレー   パブロ・クエバス 6-1, 6-4
優勝 6. 2018年8月4日   キッツビュール クレー   デニス・イストミン 6–2, 6–2
準優勝 1. 2018年9月23日   サンクトペテルブルク ハード (室内)   ドミニク・ティエム 3–6, 1–6

ダブルス: 4回 (4勝0敗)

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結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1. 2013年7月28日   ウマグ クレー   ダビド・マレーロ   ニコラス・モンロー
  シモン・シュタドラー
6-1, 5-7, [10-7]
優勝 2. 2014年5月24日   ニース クレー   フィリップ・オズワルド   ロハン・ボパンナ
  アイサム=ウル=ハク・クレシ
6–2, 6–0
優勝 3. 2015年2月22日   リオデジャネイロ クレー   フィリップ・オズワルド   パブロ・アンドゥハル
  オリバー・マラチ
7–6(3), 6–4
優勝 4. 2016年7月23日   ウマグ クレー   ダビド・マレーロ   ニコラ・メクティッチ
  アントニオ・シャンチッチ
6-4, 6-2

成績

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略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 通算成績
全豪オープン LQ A A 1R 3R 2R 1R 1R A 1R 3–6
全仏オープン LQ A 2R 2R 3R 2R 1R 2R 2R 3R 9–8
ウィンブルドン A LQ 2R 1R 1R 1R 1R 1R A 1R 1–7
全米オープン 1R A 4R 1R 2R 2R 1R A A 1R 5–7

大会最高成績

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大会 成績
ATPファイナルズ A 出場なし
インディアンウェルズ 2R 2013, 2015-2017, 2019
マイアミ 2R 2013, 2015
モンテカルロ 2R 2019
マドリード 1R 2013, 2015, 2019
ローマ 1R 2013, 2015
カナダ 2R 2013
シンシナティ 2R 2015
上海 2R 2012, 2014, 2015
パリ 1R 2012, 2015, 2016
オリンピック 1R 2012
デビスカップ Z1 2009-2012, 2017, 2018

脚注

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外部リンク

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受賞
先代
  ミロシュ・ラオニッチ
ATP年間最優秀新人賞
2012
次代
  イジー・ベセリー
(ATP Star of Tomorrow)