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男子プロテニス協会(だんしぷろてにすきょうかい 英語:Association of Tennis Professionals ATP)とは男子プロテニスツアーを運営する団体である。1972年に男子プロテニス選手の権利・利益を保護する為にジャック・クレーマークリフ・ドリスデール英語版らが中心となって創設した。 現在の会長は2013年11月20日よりクリス・カーモード(英)が就任している。

ATPツアー編集

ATPに加盟するプロ選手は、1月から始まる毎週世界各地で開催されるトーナメント方式のテニス競技大会を転戦しながら世界を回る。競技大会はグランドスラムを頂点に規格が決まっており、規格が大きい程に大会の規模が大きく、獲得賞金やランキングに繋がるポイントが多くなる。プロ選手がツアーに参戦するためには、チャレンジャー大会やフューチャーズ大会といった下部大会に出場し、勝利(ツアーポイント)を重ねる事で各々の大会規模あるいは規定に基づく一定の世界ランキングにつく必要がある。

前年度のランキング上位30位以内の選手については出場義務のある大会があり、グランドスラムは4大会すべて、マスターズ1000は9大会の内モンテカルロを除く8大会、500シリーズは13大会中4大会(内1大会は、全米オープン後の大会であること)が該当する。(ただしモンテカルロ・マスターズは、500シリーズ相当として大会出場条件にカウントされる)[1]

選手は年初にスケジュールを組むが、移動の利便性や自国開催の大会の参加も考え合わせると毎年ほぼ同じ大会を戦うことになる。[1]

1月、ツアーのスタートはオーストラリア及び中東。真夏のハードコート全豪オープンが開催される。2月はヨーロッパ、北米、南米で大会が開催され、3月はアメリカでハードコートのマスターズ2連戦がある。4月からはヨーロッパでクレーコートのシーズンとなる。その締めくくりが全仏オープンである。6~7月は短いの季節で、伝統のウィンブルドンを戦う。その後は8月最終週にスタートする全米オープンを目指してアメリカでハードコートを戦う。全米オープン以降はアジアシリーズ、ヨーロッパで室内ハードコートの大会を経て、1年の締めくくりは11月のツアーファイナルでシーズン最後の戦いが繰り広げられる。[1]

トーナメントカテゴリー編集

  1. グランドスラム
  2. ATPファイナルズ(不定期に開催地が変わるたびに名称が変更される)
  3. マスターズ1000
  4. 500シリーズ(旧インターナショナルシリーズゴールド)
  5. 250シリーズ(旧インターナショナルシリーズ)
  6. ATPチャレンジャーツアー[2]
  7. ITFワールドテニスツアー
イベントカテゴリー 大会数 賞金総額(USD) 優勝賞金(USD) 運営団体
グランドスラム 4 18,100,000 ~ 23,100,000[3] 2,100,000 ~ 3,500,000[4] ITF
ATPファイナルズ 1 7,500,000[5] 2,390,000[6] ATP
マスターズ1000 9 4,500,000 ~ 7,000,000 895,000 ~ 1,190,000 ATP
500シリーズ 13 1,460,000 ~ 3,150,000 315,000 ~ 678,000 ATP
250シリーズ 40[7] 437,000 ~ 1,240,000 78,000 ~ 210,000 ATP
チャレンジャーツアー 166[8] 54,160 ~ 162,480 7,200 ~ 21,600 ATP
ITFワールドテニスツアー 646[9] 15,000 または 25,000[10] 2,160 または 3,600 ITF

ランキング編集

ATPエントリーランキング編集

従来のランキング形式で在り、世界ランキングとして扱う。選手のシード権はこのランキングを元に決定される。算出法は過去52週に出場した大会で獲得ポイントが高かった上位18大会の合計(ただし、ツアーファイナル出場者は、ツアーファイナルで獲得したポイントが19大会目のポイントとして加算される。また出場義務のある大会は、ポイントが加算対象の18大会での最少ポイントより低い場合でも優先して加算される。)で決める。
加算ポイントは、年始に獲得ポイントを「0」にリセットせず、大会毎の更新が施される点でレースランキングとは異なる。例えば、ウィンブルドンで優勝し、2000ポイントを獲得したとする。その後、翌年のウィンブルドンまで2000点が保持され、決勝で敗退した場合は1200点(この場合ポイント増減で-800点)となり、来年のウィンブルドンまで保持される。

大会のカテゴリー 優勝 準優勝 準決勝 準々決勝 ベスト16 ベスト32 ベスト64 ベスト128 予選通過 予選3回戦 予選2回戦
グランドスラム 2000 1200 720 360 180 90 45 10 25 16 8
ツアーファイナル +900 +400 ラウンドロビン3試合、1勝につき200pts
決勝進出で左記ボーナスポイント加算。最大で1500pts獲得する。
マスターズ1000(96S) 1000 600 360 180 90 45 25 10 16 - 8
マスターズ1000(48/56S) 1000 600 360 180 90 45 10 - 25 - 16
500シリーズ(48S) 500 300 180 90 45 20 - - 10 - 4
500シリーズ(32S) 500 300 180 90 45 - - - 20 - 10
250シリーズ(48S) 250 150 90 45 20 10 - - 5 - 3
250シリーズ(32S) 250 150 90 45 20 - - - 12 - 6
チャレンジャーツアーM125 125 75 45 25 10 5 - - - - -
チャレンジャーツアーM110 110 65 40 20 9 5 - - - - -
チャレンジャーツアーM100 100 60 35 18 8 5 - - - - -
チャレンジャーツアーM90 90 55 33 17 8 5 - - - - -
チャレンジャーツアーM80 80 48 29 15 7 3 - - - - -
ワールドテニスツアーM25 20 12 6 3 1 - - - - - -
ワールドテニスツアーM15 10 6 4 2 1 - - - - - -

※ 予選通過の場合は、本戦ポイントに予選通過ポイントが加算される。

※ ITFワールドテニスツアー$25,000+H及び$25,000は、ワールドテニスツアーM25。

  ITFワールドテニスツアー$15,000+H及び$15,000は、ワールドテニスツアーM15。

※ 2019年より新ポイントに改定(2018年獲得のポイントは、新ポイントへ換算)。

  2019年8月5日に再改定(再改定以前に獲得のポイントは、新ポイントへ換算)。

  再改定前は$15,000はポイントの対象外、$25,000+Hは準決勝以上、$25,000は決勝進出者のみポイントの対象[11]。下記参照。

※ オリンピックは、2016年リオデジャネイロオリンピックよりポイント対象外。(優勝の場合、750ポイントだった。)

※ デビスカップは、2016年よりポイント対象外。(2015年獲得のポイントは、失効日まで対象だった。)


下記は、2019年改定~2019年8月5日に再改定まで使用のポイント。

トーナメントカテゴリー 優勝 準優勝 ベスト4 ベスト8 ベスト16
ワールドテニスツアー $25,000+H 5 3 1 - -
ワールドテニスツアー $25,000 3 1 - - -
ワールドテニスツアー $15,000+H
ワールドテニスツアー $15,000
- - - - -


下記は、2017年改定以前のチャレンジャーツアー・フューチャーズのポイント。(~2016年)

トーナメントカテゴリー 優勝 準優勝 ベスト4 ベスト8 ベスト16 ベスト32 予選通過
チャレンジャー $125,000+H 125 75 45 25 10 0 5
チャレンジャー $125,000
チャレンジャー $100,000+H
110 65 40 20 9 0 5
チャレンジャー $100,000
チャレンジャー $75,000+H
100 60 35 18 8 0 5
チャレンジャー $75,000
チャレンジャー $50,000+H
90 55 33 17 8 0 5
チャレンジャー $50,000 80 48 29 15 7 0 3
チャレンジャー $40,000+H 80 48 29 15 6 0 3
フューチャーズ $25,000+H 35 20 10 4 1 0 0
フューチャーズ $25,000
フューチャーズ $10,000+H
27 15 8 3 1 0 0
フューチャーズ $10,000 18 10 6 2 1 0 0

ATPレースランキング編集

2000年に開始されたレース形式のランキングであり、いわゆる年間ランキングと呼ばれるものである。1月1日から一律0ポイントより始め、シーズン終了までに出場した大会で、獲得ポイントの高かった上位18大会の合計ポイントにより順位を決める。また、レース上位8名および8組は年間最終戦の出場権を得る事が出来、出場選手はこれを含めた19大会の合計で順位を決める。 ただし現在は、レースランキングも「エントリーランキングと同様のポイント配分」で行われている。


歴代チャンピオン編集

チャンピオン
2000   グスタボ・クエルテン
2001   レイトン・ヒューイット
2002   レイトン・ヒューイット
2003   アンディ・ロディック
2004   ロジャー・フェデラー
2005   ロジャー・フェデラー
2006   ロジャー・フェデラー
2007   ロジャー・フェデラー
2008   ラファエル・ナダル
2009   ロジャー・フェデラー
2010   ラファエル・ナダル
2011   ノバク・ジョコビッチ
2012   ノバク・ジョコビッチ
2013   ラファエル・ナダル
2014   ノバク・ジョコビッチ
2015   ノバク・ジョコビッチ
2016   アンディ・マレー
2017   ラファエル・ナダル
2018   ノバク・ジョコビッチ

記録編集

歴代シングルス1位選手編集

順位 選手 在位総週
1.   ロジャー・フェデラー * 310
2.   ピート・サンプラス 286
3.   ノバク・ジョコビッチ * 272
4.   イワン・レンドル 270
5.   ジミー・コナーズ 268
6.   ラファエル・ナダル * 196
7.   ジョン・マッケンロー 170
8.   ビョルン・ボルグ 109
9.   アンドレ・アガシ 101
10.   レイトン・ヒューイット 80
11.   ステファン・エドベリ 72
12.   ジム・クーリエ 58
13.   グスタボ・クエルテン 43
14.   アンディ・マレー * 41
15.   イリ・ナスターゼ 40
16.   マッツ・ビランデル 20
17.   アンディ・ロディック 13
18.   ボリス・ベッカー 12
19.   マラト・サフィン 9
20.   フアン・カルロス・フェレーロ 8
  ジョン・ニューカム
22.   エフゲニー・カフェルニコフ 6
  トーマス・ムスター
  マルセロ・リオス
25.   カルロス・モヤ 2
26.   パトリック・ラフター 1
* - 現役選手

在位総週は2019年10月7日時点での記録*
太字 は現役1位

歴代シングルス優勝数編集

順位 選手
1.   ジミー・コナーズ 109
2.   ロジャー・フェデラー * 102
3.   イワン・レンドル 94
4.   ラファエル・ナダル * 84
5.   ジョン・マッケンロー 77
6.   ノバク・ジョコビッチ * 76
7.   ピート・サンプラス 64
  ビョルン・ボルグ
9.   ギリェルモ・ビラス 62
10.   アンドレ・アガシ 60
11.   イリ・ナスターゼ 58
12.   ロッド・レーバー 52
13.   ボリス・ベッカー 49
14.   アンディ・マレー * 46
15.   トーマス・ムスター 44
16.   ステファン・エドベリ 41
17.   スタン・スミス 37
18.   ケン・ローズウォール 35
19.   ジョン・ニューカム 34
  マイケル・チャン
21.   アーサー・アッシュ 33
  マッツ・ビランデル
23.   マニュエル・オランテス 32
  アンディ・ロディック
25.   レイトン・ヒューイット 30
26.   ダビド・フェレール * 27
* - 現役選手

現役選手の優勝数は2019年10月7日時点での記録*

引退者はATP公式個人ページの優勝数を記載[12]

歴代シングルスマッチ勝利数編集

順位 選手
1.   ジミー・コナーズ 1274
2.   ロジャー・フェデラー * 1231
3.   イワン・レンドル 1068
4.   ラファエル・ナダル * 967
5.   ギリェルモ・ビラス 949
6.   ノバク・ジョコビッチ * 884
7.   ジョン・マッケンロー 881
8.   アンドレ・アガシ 870
9.   イリ・ナスターゼ 846
10.   ステファン・エドベリ 801
11.   ピート・サンプラス 762
12.   ダビド・フェレール 734
13.   ボリス・ベッカー 713
14.   アーサー・アッシュ 699
15.   ブライアン・ゴットフリート 683
16.   スタン・スミス 672
17.   アンディ・マレー * 672
18.   マイケル・チャン 662
19.   マニュエル・オランテス 641
20.   トマーシュ・ベルディハ * 640
21.   ビョルン・ボルグ 639
22.   トーマス・ムスター 625
23.   レイトン・ヒューイット 616
24.   アンディ・ロディック 612
25.   エフゲニー・カフェルニコフ 609
26.   ゴラン・イワニセビッチ 599
* - 現役選手

現役選手の勝利数は2019年10月14日時点での記録*

引退者はATP公式個人ページの勝利数を記載[13]


生涯獲得賞金編集

順位 選手 生涯獲得賞金 (US$)
1.   ノバク・ジョコビッチ * 135,259,120
2.   ロジャー・フェデラー * 126,840,700
3.   ラファエル・ナダル * 115,178,858
4.   アンディ・マレー * 61,280,130
5.   ピート・サンプラス 43,280,489
6.   スタン・ワウリンカ * 33,586,706
7.   ダビド・フェレール 31,483,911
8.   アンドレ・アガシ 31,152,975
9.   トマーシュ・ベルディハ * 29,491,328
10.   マリン・チリッチ * 27,302,364
11.   フアン・マルティン・デル・ポトロ * 25,889,586
12.   ボリス・ベッカー 25,080,956
13.   エフゲニー・カフェルニコフ 23,883,797
14.   錦織圭 * 23,846,631
15.   ジョー=ウィルフリード・ツォンガ * 21,892,901
16.  /  イワン・レンドル 21,262,417
17.   レイトン・ヒューイット * 20,879,934
18.   アンディ・ロディック 20,640,030
19.   ステファン・エドベリ 20,630,941
20.   ゴラン・イワニセビッチ 19,878,007
* - 現役選手

獲得賞金総額は2019年9月30日時点での記録*

組織編集

組織は大きくBoard of Directors (役員会)、Tournament Council (大会協議会)、Player Council (選手協議会) に分かれている。Board of Directorsが最終決定権を持ち、Tournament CouncilPlayer Councilは助言を行う。[14]

Board of Directors はチェアマン1名、Player Representatives(選手代表)3名、Tournament Representatives(大会代表)3名で構成され、Tournament Counci lはヨーロッパ代表5名、インターナショナルグループ4名、南北アメリカ4名で構成される。

Player Council は世界ランキングのシングルス1位から50位までの選手で4名、51位から100位までで2名、ダブルスの1位から100位までで2名、全体から2名、コーチ1名、引退選手から1名の計12名選ばれる。

現在の選手会メンバー

2019年8月15日現在[15]

脚注編集

  1. ^ a b c 『Number』869号(2015年1月22日号)
  2. ^ かつてはチャレンジャーツアーとフューチャーズの間に同一国で4週に渡って開催される「サテライト」と呼ばれるカテゴリが存在したが、2006年シーズンを最後に廃止されている
  3. ^ グランドスラムは男女共催の為、賞金総額の約半額として記載。(2016年)
  4. ^ (2016年)
  5. ^ (2016年)
  6. ^ 全勝による最高金額(2016年)
  7. ^ 2017年開催予定数
  8. ^ 2016年開催実数
  9. ^ 2016年開催実数
  10. ^ 2017年よりフューチャーズの賞金総額の低限が$10,000から$15,000へ改定
  11. ^ ITF, WTA and ATP deliver optimised pro tennis structure”. ITF (2019年5月23日). 2019年9月16日閲覧。;
  12. ^ 引退者は閲覧の場所により優勝数にバラツキがある為、ATP公式の個人成績ページの優勝数を記載
  13. ^ 引退者は閲覧の場所により勝利数にバラツキがある為、ATP公式の個人成績ページの勝利数を記載
  14. ^ ATP 組織
  15. ^ ナダル、フェデラー、メルツァーらがATP選手会に選出されたと発表”. THE TENNIS DAILY (2019年8月15日). 2019年8月25日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集