横浜シンフォステージ

横浜市西区みなとみらいの複合施設(ウエストタワーとイーストタワーの2棟構成)

横浜シンフォステージ(よこはまシンフォステージ、YOKOHAMA SYMPHOSTAGE)は、神奈川県横浜市西区みなとみらいにある複合施設。2棟の超高層ビルで構成される[8][9]

横浜シンフォステージ
YOKOHAMA SYMPHOSTAGE
建設中の2023年9月撮影 地図
横浜シンフォステージの位置(横浜市内)
横浜シンフォステージ
情報
旧名称 みなとみらい21中央地区53街区開発事業(計画・開発段階の事業名仮称)[1]
設計者 大林組
施工 大林組
事業主体 大林組、京浜急行電鉄日鉄興和不動産ヤマハ、みなとみらい53EAST合同会社 [注 1][2]
構造形式 S造SRC造CFT造 [1]
制振構造 [3]
敷地面積 20,620.58 m² [2][4]
延床面積 182,937.70 m² [4]
状態 完成
階数 ウエスト:地上30階、地下1階
イースト:地上16階、地下1階 [2]
高さ ウエスト:約158m
イースト:約90m [2]
駐車台数 198台(自動車/一般利用可)[5]
トラストパーク横浜シンフォステージ)
バイク駐車場自転車駐輪場もあり
着工 2021年4月1日 [6]
竣工 2024年3月31日 [4][6]
開館開所 2024年5月9日低層部商業ゾーン[7]
所在地 220-0012
神奈川県横浜市西区みなとみらい5-1-2
座標 北緯35度27分41秒 東経139度37分39秒 / 北緯35.46139度 東経139.62750度 / 35.46139; 139.62750 (横浜シンフォステージ
YOKOHAMA SYMPHOSTAGE
)
座標: 北緯35度27分41秒 東経139度37分39秒 / 北緯35.46139度 東経139.62750度 / 35.46139; 139.62750 (横浜シンフォステージ
YOKOHAMA SYMPHOSTAGE
)
テンプレートを表示

本項では、ウエストタワーの高層階に入居している「京急 EXホテル みなとみらい横浜」についても記す(後節参照)。

概要 編集

みなとみらい地区53街区における当施設の再開発計画は2019年3月に公表され[注 2][10][11][12]2021年4月に着工した[13]デベロッパー大林組京浜急行電鉄日鉄興和不動産ヤマハ、みなとみらい53EAST合同会社[注 1]の5社[2]

当開発全体での総投資額は約1100億円規模となり、就業者数は1万2000人程を見込んでいる[14]。また、周辺企業との連携や音楽を活用した街づくりプロジェクトなどにより地域コミュニティの形成も目指している[10][13]。当計画は2020年3月に国土交通大臣民間都市再生事業計画に認定された[15]

その後、2022年8月に街区名称が「横浜シンフォステージ」に決定され[注 3][2][16]2024年3月末に竣工を迎えた[4]後述の低層部商業ゾーン(先行10テナント)は同年5月9日ホテルは同年6月24日に開業予定である[7]

2棟の超高層ビル 編集

当施設はウエストタワーイーストタワーの2棟の超高層ビルで構成される[8][9]

ウエストタワーは30階建て(高さ約158m)[8]で、5階より上の中層階にオフィスが入居し、そのうち5〜8階には事業者の1社でもあるヤマハグループがオフィスや研究開発拠点「首都圏R&D拠点」を開設する。低層部には商業テナントが入るほか、ヤマハのブランドショップも開設される[17]後節参照)。また、26階より上の高層階には横浜エリア初出店で、新築としても初出店となる「京急 EXホテル」ブランドのホテルが入居する[2][7]後節参照)。

イーストタワーは16階建て(高さ約90m)[8]で、こちらも5階より上はオフィスが入居し(3階の一部にも入居)、低層部には商業テナントが入るほか、ヤマハ発動機ショールーム[18]オープンイノベーションオフィスも開設される[7]後節参照)。16階には屋上テラスも設けられている[4]

両棟の間や周辺にはプラザ(広場)や歩行者空間があり(後節参照)、イベントや屋外ワークスペースなどの活用も想定されている[19]

災害対応・認証取得 編集

建物は制振構造となっており、コージェネレーションシステム (CGS) や非常用発電機停電時72時間供給可能)を備えている[2][20]。また、帰宅困難者の受け入れスペースも確保している[10]

認証取得では、CASBEE横浜のSランク認証や建築物省エネルギー性能表示制度 (BELS) の評価において建築物全体は最高ランクの星5つ、オフィス部分は当地区内初のZEB Ready認証を取得している[2][3]。この他、感染症対策のグローバル評価基準として「WELL Health Safety Rating」の取得も目指している[13]

当施設の立地特性 編集

当施設は前述のとおり、みなとみらい地区の53街区に所在するが、2015年1月に閉鎖した暫定施設「GENTO YOKOHAMA」(ゲント ヨコハマ)の跡地開発として計画されたものである。みなとみらい線新高島駅周辺に位置し、また当施設付近で同地区の重要な歩行者動線(都市軸)であるグランモール軸キング軸が交差する結節点となっている[9][13]。このうち、新高島駅周辺から同線みなとみらい駅方面までを結ぶグランモール軸は、当施設の開発によりすずかけ通り歩道橋と接続され完成を迎えている[注 4]。さらに横浜グランゲート(54街区)のデッキとも接続しており、はまみらいウォークNISSANウォーク、横浜グランゲートに接続するみなとみらい歩道橋を通って横浜駅東口方面からデッキレベルでのアクセスが可能となっている[8]

一方、2027年5月の完成に向け開発が進行中の52街区方面ともデッキレベルで接続する計画となっており、この開発が完了した際にはキング軸も完成を迎える予定である[注 5]

プラザ・歩行者空間 編集

ウエストタワーとイーストタワーの間や周辺にはコモンスペースとしてプラザ(広場)や歩行者空間が整備されており、当企業グループのノウハウを活かした様々なイベントも開催していく方針である[11][13][23]

以下の5か所のプラザを設置している[4][24]。詳細は公式サイト内の「PLAZA」も参照。

ゲートプラザ(1F)
西側の入口となる広場。芝生広場や大階段を設置し、ランチワークプレイス利用のほか、展示・体験イベントなども開催。
グランモールプラザ(2F)
ガラス大屋根やステージを設置し、全天候型の空間で様々なイベントや音楽イベントなども開催。
コーナープラザ(1F)
南西側のウエストタワー1階エントランスに誘導する空間。キッチンカーの設置も想定。
スカイプラザ(3F)
階下のグランモールストリートを見渡せる憩いの空間。両棟のスカイプラザはデッキで接続されている。
キングプラザ(1F)
キング軸沿いに整備された休憩もできる空間で、周辺店舗によるイベントやマルシェなども開催。

この他、両棟間の2階通路としてグランモール軸の一部でもある「グランモールストリート」が整備されており[13][21]前節のとおりグランモール公園方面と接続するすずかけ通り歩道橋や横浜グランゲートのデッキとも接続している[8]

各プラザ・ストリートのギャラリー 編集

ゲートプラザ
グランモールプラザ・ストリート
コーナープラザ / キングプラザ

テナント 編集

フロア構成とテナントは公式サイト内「FLOOR DIRECTORY」も参照。

ホテルフロア (W26-30F) 編集

京急 EXホテル みなとみらい横浜
KEIKYU EX HOTEL
MINATOMIRAI-YOKOHAMA
ホテル概要
ホテルチェーン 京急 EXホテル
運営 京急イーエックスイン
階数 26 - 30階
部屋数 150室
開業 2024年6月24日(予定)
公式サイト 公式サイト
テンプレートを表示

京急 EXホテル みなとみらい横浜は、「京急 EXホテル」ブランドの横浜初進出となるホテルとして2024年6月24日開業予定。ウエストタワーの高層階(26〜30階)を占めており、客室数は150室[7]。ホテルのエントランスは2階に設けられている。

大浴場露天風呂も同ブランドのホテルとしては初めて設けている。また、ホテルのロビーがある26階にはレストラン(オールデイダイニング「高ようじ」)も設けられている[7]

オフィスフロア 編集

オフィスのロビーは3階に(ウエストタワーは2階にも)設けられている。また、イーストタワー3階の一部にもオフィスフロアがある。

ウエストタワー (5-24F)
イーストタワー (3F/5-15F)

低層部テナント (1-3F) 編集

京浜急行電鉄が手掛ける低層部商業ゾーンは、ヤマハブランドショップとオープンイノベーションオフィスを除く計15テナントのうち10テナントが先行して2024年5月9日に開業予定である[7][注 6](下記一覧で「先行開業テナント」と表記)。テナントの詳細は公式サイト内「SHOP / SERVICE」を参照。

ウエストタワー
 
ヤマハブランドショップの2階入口(2024年4月撮影)
イーストタワー

アクセス 編集

公式サイト内「ACCESS」も参照。

建物のギャラリー 編集

建物の外観
建設中の様子

参考情報 編集

脚注 編集

注釈
  1. ^ a b みなとみらい53EAST合同会社は、大林組出資の特別目的会社
  2. ^ 2018年7月から実施されていた「みなとみらい21中央地区53街区」の開発事業者公募で当開発事業提案が選定されたことによる[10][11]
  3. ^ 調和や共鳴を意味する「シンフォニー (Symphony)」と舞台を意味する「ステージ (Stage)」を合わせた造語[2][9]
  4. ^ 両棟に挟まれた当施設内2階通路(デッキレベル)の「グランモールストリート[13]とすずかけ通り歩道橋(当施設の開発期間中は閉鎖していたが竣工翌日の2024年4月1日に再開通)が接続[8][21]グランモール公園方面へのアクセスが可能となった。
  5. ^ 52街区開発では高島中央歩道橋(52街区開発期間中は閉鎖)とも接続する計画[22]で、これにより臨港パーク方面へのアクセスも可能となる。これを以て同地区の3つの都市軸は全て完成を迎える予定である。
  6. ^ 5月9日〜13日にはオープニングイベントを開催。横浜シンフォステージのロゴが入った記念品の抽選会や京急電鉄のマスコットキャラクター「けいきゅん」のグリーティングを実施する[4]
  7. ^ 横浜市のヤマハミュージック 横浜店(ピアノショールーム・総合楽器販売)、ミュージックアベニュー横浜(音楽教室)、ヤマハミュージック ピアノフォルテ上大岡(ピアノショールーム)、東京都中野区のベーゼンドルファー東京(ピアノショールーム)を閉鎖し、ウエストタワー1〜3階に開設されるブランドショップに移転集約[31]
出典
  1. ^ a b OBAYASHI Thinking「プロジェクト最前線」:横浜・みなとみらいに新たなランドマークをつくる(大林組 2024年3月12日)
  2. ^ a b c d e f g h i j みなとみらい21中央地区53街区開発事業の街区名称を『横浜シンフォステージ(YOKOHAMA SYMPHOSTAGE)』 に決定”. 京浜急行電鉄株式会社 (2023年8月29日). 2024年4月1日閲覧。
  3. ^ a b 横浜シンフォステージについて:SUSTAINABILITY / WELLNESS / SMART BUILDING(横浜シンフォステージ公式サイト内)
  4. ^ a b c d e f g h i j みなとみらい21中央地区に新たなランドマーク『横浜シンフォステージ(YOKOHAMA SYMPHOSTAGE®)』が竣工 ~5月9日より商業ゾーン、6月よりヤマハ体験型「ブランドショップ」、ホテルが順次開業~ - 京浜急行電鉄株式会社 (2024年4月16日)、2024年4月19日閲覧
  5. ^ 【ネットのみ予約可】トラストパーク横浜シンフォステージ(トラストナビ駐車場検索)
  6. ^ a b お知らせ看板情報:(仮称)MM53街区プロジェクト - 建設データバンクKDB、2024年4月1日閲覧
  7. ^ a b c d e f g h 【複合ビル】みなとみらい21中央地区53街区「横浜シンフォステージ(YOKOHAMA SYMPHOSTAGE)」 「京急 EXホテル みなとみらい横浜」・低層部商業ゾーンの開業日・出店テナント決定”. 京浜急行電鉄株式会社 (2024年2月28日). 2024年4月1日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g 横浜シンフォステージ”. みなとみらいエリアマネジメント. 一般社団法人横浜みなとみらい21. 2024年4月1日閲覧。
  9. ^ a b c d 横浜シンフォステージについて:OUR CONCEPT(横浜シンフォステージ公式サイト内)
  10. ^ a b c d みなとみらい21中央地区53街区の事業予定者を決定しました (PDF) (横浜市財政局 2019年3月28日)
  11. ^ a b c 「みなとみらい21中央地区53街区」の事業予定者に選定されました ~延べ面積約18万㎡の大規模複合ビルを開発~(株式会社大林組、京浜急行電鉄株式会社、新日鉄興和不動産株式会社、ヤマハ株式会社 2019年3月28日/PR TIMES版
  12. ^ みなとみらいに延べ面積18万m2の大規模複合ビル開発”. インプレス (2019年3月28日). 2022年10月14日閲覧。
  13. ^ a b c d e f g 「みなとみらい21中央地区53街区」が着工 みなとみらいを象徴する新たな拠点として2024年3月末に誕生予定 - 株式会社大林組 (2021年4月15日)、2024年4月1日
  14. ^ 横浜・みなとみらいの新高島駅前に大型複合ビル(日本経済新聞 2019年3月28日)
  15. ^ みなとみらい21地区53街区の開発事業が、国土交通大臣の民間都市再生事業計画の認定を受けました/詳細資料〈記者発表資料〉アーカイブ (PDF) (横浜市都市整備局 2020年3月10日)
  16. ^ 街区名称、「横浜シンフォステージ」に決定、2024年3月末完成予定”. BCN (2022年9月1日). 2022年10月14日閲覧。
  17. ^ a b c 2024年に首都圏に誕生する二つの新ランドマーク 「横浜シンフォステージ」と「Shibuya Sakura Stage」にブランド発信と新価値創造(R&D)の拠点を整備(ヤマハ株式会社 2023年12月22日)
  18. ^ a b c 横浜新拠点の設置について~首都圏での人材確保を進め、先進技術開発・新事業探索を加速、ブランド発信を強化~(ヤマハ発動機株式会社 2023年12月25日)
  19. ^ 横浜シンフォステージに名称決定!みなとみらい21中央地区53街区開発事業”. はまこれ横浜 (2022年8月29日). 2022年10月14日閲覧。
  20. ^ 横浜シンフォステージについて:SAFETY / SECURITY(横浜シンフォステージ公式サイト内)
  21. ^ a b グランモールストリート2Fデッキ通路の開通のお知らせ(横浜シンフォステージ公式サイト内 2024年3月28日)
  22. ^ みなとみらい21中央地区 52街区開発事業計画(工事関連の公式サイト)
  23. ^ 【歩いて楽しい】みなとみらい21地区53街区開発 高層ビルの間に新たな空間を整備へ(建設通信新聞Digital〈公式ブログ〉 2021年1月10日)
  24. ^ 横浜シンフォステージについて:PLAZA(横浜シンフォステージ公式サイト内)
  25. ^ 横浜シンフォステージについて:ART(横浜シンフォステージ公式サイト内)
  26. ^ a b 二つの「ヤマハ」が横浜の同じビルに拠点 人材獲得・新たな協業へ(朝日新聞デジタル 2023年12月23日)、2024年4月24日閲覧
  27. ^ ヤマハサウンドシステム株式会社 本社および蛎殻町事業所 移転計画のお知らせ - ヤマハサウンドシステム株式会社 (2023年9月19日)、2024年4月1日閲覧
  28. ^ 【フィード・ワン】本社事務所移転のお知らせPR TIMES〉 - フィード・ワン株式会社 (2024年3月1日)、2024年4月1日閲覧
  29. ^ 企業立地促進条例に基づき 5件の事業計画を認定 (PDF) - 横浜市経済局 (2022年12月5日)、2024年4月1日閲覧
  30. ^ アイネット、横浜・西区に30日移転(日刊工業新聞〈電子版〉 2024年4月11日)
  31. ^ ヤマハ銀座店に続く、首都圏でのブランド発信拠点 音楽や楽器を誰でも気軽に楽しめる体験型の「ブランドショップ」を横浜シンフォステージに、2024年春オープン ブランド体験エリアをはじめ楽器販売や音楽教室などの機能を集約(ヤマハ株式会社 2023年8月29日)

外部リンク 編集