卒業 (尾崎豊の曲)
「卒業」(そつぎょう)は、日本のミュージシャン、シンガーソングライターである尾崎豊の4枚目のシングル。
「卒業 (GRADATION)」 | ||||
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尾崎豊 の シングル | ||||
初出アルバム『回帰線』 | ||||
B面 | 「Scrambling Rock'n'Roll」 | |||
リリース | ||||
規格 | 12インチレコード | |||
録音 | ソニー信濃町スタジオ | |||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | CBSソニー | |||
作詞・作曲 | 尾崎豊 | |||
プロデュース | 須藤晃 | |||
チャート最高順位 | ||||
尾崎豊 シングル 年表 | ||||
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背景編集
本作はアルバム『回帰線』の先行シングルとしてリリースされた。
この節の加筆が望まれています。 |
歌詞の一部が過激とされ、「不良」のイメージを植え付けられる一方で、若者に支持されることとなる。実際、当時の全国の中学校・高校で影響を受けた学生が歌詞の通り「夜の校舎 窓ガラス 壊してまわった」という[注 4]。尾崎自身はこの曲によってマスメディアから『反抗する若者のカリスマ』、『十代の教祖』と呼ばれるのを嫌い、また影響を受けて窓ガラスを割った若者に対して「みんなが窓ガラスを割ったとかそれで自己表現をしていると聞いてすごく罪の意識を感じる」「青少年の純粋な気持ちをコマーシャリズムやお金に代えられていくっていう危機感かな」と語っている[2] 。繁美夫人は尾崎の死後に、尾崎自身は「あの曲を書いていた時は、(窓ガラスを)割らなかった」と語っている[3]。
リリース編集
1985年1月21日にCBSソニーより12インチレコードで、回帰線の先行シングルとしてリリースされた。
B面「Scrambling Rock'n'Roll」は、表記されていないが2ndアルバム『回帰線』収録のものとは演奏や間奏が異なったアレンジとなっている。このバージョンは2度CD化され、1995年発売の『TEENBEAT BOX』内のボーナスディスク「RARE TRACKS」にだけ「12inch Version」と表記され収録されている。他に1999年の復刻版シングル(後述)のカップリングに収録されているが、ここにも別アレンジである旨は表記されていない。
1989年には、『Platinum Single SERIES』として8センチシングルCDでリリースされた。オリジナル盤のままで再発売された「DRIVING ALL NIGHT」も同時発売されている。「DRIVING ALL NIGHT」とは違い、4枚目のシングルとファーストシングルを両A面にしてコンパイルした企画シングルとなっており、収録内容の関係から、本作のジャケットに使われた『卒業』のオリジナル盤のジャケットからB面表記部分が除かれたものになっている。
1999年には、オリジナル盤の内容を踏まえて復刻された12cmシングルCDが発売されている。シングルに収録されるのは3度目、さらにベストアルバムも含めたアルバム作品に既に何度も収録されているため、セールス的には伸び悩んだ。本作にはオリジナル盤の内容にボーナストラックとして1991年10月30日に代々木オリンピックプール第一体育館での事実上、最終となったライブでの演奏が収録されている。
アートワーク編集
ジャケットデザインは田島照久が担当している。
ジャケットは教科書をイメージしたものとなっている。
ミュージック・ビデオ編集
この曲で2作目のミュージック・ビデオが制作されている。監督は佐藤輝。
内容は、水の中でもがく尾崎の映像をバックに、尾崎自身の歌う姿やピアノを弾く姿が写り、その中にさらに松葉杖をついて歩く尾崎の姿等が写るものとなっている。後にビデオ『6 PIECES OF STORY』(1986年)に収録された。
ライブ・パフォーマンス編集
カバー編集
- 高田梢枝 - 『"GREEN" A TRIBUTE TO YUTAKA OZAKI』(2004年)
- 今井麻美、原由実、沼倉愛美 - 『THE IDOLM@STER STATION!!! SECOND TRAVEL 〜Seaside Date〜』(2010年)
- Water - 『Water Covers』(2011年)
- 玉井詩織(ももいろクローバーZ)-ももいろ夜ばなし第二夜『玄冬』 (2014年)
シングル収録曲編集
オリジナル盤編集
全作詞・作曲: 尾崎豊。 | |||
# | タイトル | 編曲 | 時間 |
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1. | 「卒業」(GRADUATION) | 西本明 | |
2. | 「Scrambling Rock'n'Roll(12inch Version)」 | 西本明 | |
合計時間: |
1989年盤編集
全作詞・作曲: 尾崎豊。 | |||
# | タイトル | 編曲 | 時間 |
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1. | 「卒業」(GRADUATION) | 西本明 | |
2. | 「15の夜」 | 西本明 | |
合計時間: |
1999年盤編集
全作詞・作曲: 尾崎豊。 | |||
# | タイトル | 編曲 | 時間 |
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1. | 「卒業」(GRADUATION) | 西本明 | |
2. | 「Scrambling Rock'n'Roll(12inch Version)」 | 西本明 | |
3. | 「卒業 (Live Version)」(GRADUATION) | 西本明 | |
合計時間: |
スタッフ・クレジット編集
参加ミュージシャン編集
- オリジナル版
- 「卒業(Live Version)」
- 「Yutaka Ozaki & THE BIRTH TOUR BAND」
- 尾崎豊 - ボーカル、ギター、ピアノ、ブルースハープ
- 西本明 - キーボード
- 長田進 - ギター
- 鈴川真樹 - ギター
- 渡辺茂 - エレクトリックベース
- 滝本季延 - ドラムス
- 里村美和 - パーカッション
- 関誠一郎 - サクソフォン、キーボード
- 岩本章子 - コーラス
- 山根栄子 - コーラス
スタッフ編集
- オリジナル版
- 「卒業(Live Version)」
リリース履歴編集
No. | 日付 | レーベル | 規格 | 規格品番 | 最高順位 | 備考 |
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1 | 1985年1月21日 | CBSソニー | 12inchEP | 12AH1826 | 20位 | |
1 | 1989年3月21日 | CBSソニー | 8センチCD | 10EH-3248 | 8位 | 「15の夜」との両A面 |
1 | 1999年11月25日 | ソニー・ミュージックレコーズ | 12センチCD | 12AH1826 | 64位 | 「卒業 (Live Version)」収録 |
ライブ版編集
- 「卒業」
- ライブ音源
- 『LAST TEENAGE APPEARANCE』(1987年) - 1985年11月15日の代々木オリンピックプール公演から収録。
- 『約束の日 Vol.1』(1993年) - 1991年10月30日の代々木オリンピックプール公演から収録。
- 『MISSING BOY』(1997年) - 1985年11月14日の代々木オリンピックプール公演から収録。
- 『OSAKA STADIUM on August 25th in 1985 Vol.1』(1998年) - 1985年8月25日の大阪球場公演から収録。
- 『LIVE CORE LIMITED VERSION YUTAKA OZAKI IN TOKYO DOME 1988/9/12』(2013年) - 1988年9月12日の東京ドーム公演から収録。
- ライブ映像
- 『約束の日 LAST APPEARANCE』(1993年)
- 『OZAKI・19』(1997年) - 1985年1月12日の日本青年館公演から収録。
- 『LAST TEENAGE APPEARANCE』(1997年)
- 『AFTER THE BIRTH』(2001年)、『もうひとつのリアリティ “LIVE + DOCUMENTARY”』(2004年) - 1991年8月27日の郡山市民文化センター公演から収録。
- 『625 DAYS』(2005年) - 1985年8月25日の大阪球場公演から収録。
- 『OZAKI FILM ALIVE AT ARIAKE COLOSSEUM IN 1987 THE TWENTY-FIRST SUMMER』(2006年) - 1987年8月29日の有明コロシアム公演から収録。
- 『LIVE CORE 完全版〜YUTAKA OZAKI LIVE IN TOKYO DOME 1988・9・12』(2013年)
- 『復活 尾崎豊 YOKOHAMA ARENA 1991.5.20』(2014年) - 1991年5月20日の横浜アリーナ公演から収録。
- ライブ音源
- 「Scrambling Rock'n'Roll」
- ライブ音源
- 『LAST TEENAGE APPEARANCE』(1987年)
- 『約束の日 Vol.1』(1993年)
- 『MISSING BOY』(1997年) - 1985年8月25日の大阪球場公演から収録。
- 『OSAKA STADIUM on August 25th in 1985 Vol.2』(1998年)
- 『LIVE CORE LIMITED VERSION YUTAKA OZAKI IN TOKYO DOME 1988/9/12』(2013年)
- ライブ映像
- 『約束の日 LAST APPEARANCE』(1993年)
- 『LAST TEENAGE APPEARANCE』(1997年)
- 『もうひとつのリアリティ “LIVE + DOCUMENTARY”』(2004年)
- 『625 DAYS』(2005年) - 1984年12月3日の秋田市文化会館公演と1985年8月25日の大阪球場公演、1985年11月15日の代々木オリンピックプール公演から収録。
- 『OZAKI FILM ALIVE AT ARIAKE COLOSSEUM IN 1987 THE TWENTY-FIRST SUMMER』(2006年)
- 『LIVE CORE 完全版〜YUTAKA OZAKI LIVE IN TOKYO DOME 1988・9・12』(2013年)
- 『復活 尾崎豊 YOKOHAMA ARENA 1991.5.20』(2014年)
- ライブ音源
収録アルバム編集
- 「卒業」
- 「Scrambling Rock'n'Roll」
- 『回帰線』(1985年)
- 『TEENBEAT BOX[4]』(1995年)
- 『愛すべきものすべてに』(1996年)
- 『SATURDAY 〜ROCK'N'ROLL BEST OF YUTAKA OZAKI』(2008年)
- 『ALL TIME BEST』(2013年)
脚注編集
注釈編集
出典編集
- ^ “器物損壊:歌詞で思いついた…母校のガラス割る 小田原”. 毎日新聞. (2013年5月13日). オリジナルの2013年6月17日時点によるアーカイブ。 2014年3月15日閲覧。※現在はインターネットアーカイブに残存
- ^ 日本テレビ系列「知ってるつもり?!」1997年4月13日放送分より
- ^ “尾崎豊さんは割らなかった…繁美夫人証言”. 日刊スポーツ. (2013年5月14日). オリジナルの2013年6月8日時点によるアーカイブ。 2014年3月15日閲覧。※現在はテキスト部分のみインターネットアーカイブに残存
- ^ 12inch Versionが収録されている