南沙諸島(なんさしょとう)、スプラトリー諸島英語: Spratly Islands)は、日本語では新南群島(しんなんぐんとう)といい、南シナ海南部に位置する諸島である。岩礁砂州を含む無数の海洋地形(maritime features)からなり、これらの多くは環礁の一部を形成している。

南沙諸島(スプラトリー諸島)
Spratly Islands-CIA WFB Map.png
Paracel Spratly Islands.png
地理
場所 南シナ海
座標 北緯8度38分 東経111度55分 / 北緯8.633度 東経111.917度 / 8.633; 111.917座標: 北緯8度38分 東経111度55分 / 北緯8.633度 東経111.917度 / 8.633; 111.917 (南威島)
最高峰 サウスウエスト島[要出典]
行政
パラワン州
カインホア省チュオンサ県
直轄市 高雄市
海南省
サバ州
人口統計
人口 原住民なし
テンプレートを表示
南沙諸島
中国語
繁体字 南沙群島
簡体字 南沙群岛
発音記号
標準中国語
漢語拼音Nánshā Qúndǎo
粤語
粤拼nam4 saa1 kwun4 dou2
ベトナム語
クオック・グーQuần Đảo Trường Sa
チュノム群島長沙
マレー語
マレー語Kepulauan Spratly,
Gugusan Semarang Peninjau
フィリピン語
タガログ語Kapuluan ng Kalayaan

各国語での名称は、南沙群島(簡体字中国語: 南沙群岛拼音: Nánshā Qúndào)、カラヤーン群島(タガログ語: Kapuluan ng Kalayaan)、長沙諸島(ちょうさしょとう、ベトナム語Quần đảo Trường Sa / 群島長沙、クァンダウ チュオンサ)。

日本政府による正式な名称は第二次世界大戦前からの「新南群島」であるが[1]、日本はサンフランシスコ平和条約に伴って領有を放棄しており、中国語の「南沙群島」から南沙諸島、または英語の"Spratly Islands"からスプラトリー諸島という名称が使用されている[1]

中華人民共和国(中国)、中華民国台湾)、ベトナムフィリピンマレーシアブルネイの6か国・地域が全域または一部に付いて領有を主張している[2]

2016年7月12日オランダハーグ常設仲裁裁判所は、いわゆる九段線に囲まれた南シナ海の地域について中華人民共和国が主張してきた歴史的権利について、「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」とする判断を下した。

概要編集

本来、構成される海岸地形のうち最大のものでも陸上面積が約0.5 km2しかない。しかし広大な排他的経済水域 (EEZ) や大陸棚の漁業資源や石油・天然ガス資源を当て込み、また安全保障上の要地として利用する目的で、中華人民共和国中華民国台湾)、ベトナムフィリピンマレーシアブルネイが海岸地形全部または一部の主権領有)を主張している[3][4]

ブルネイを除く5か国が入り乱れて複数の岩礁・砂州を実効支配しており、その多くには各国の軍隊・警備隊などが常駐している[5]。2017年時点で、ベトナムが22か所、フィリピンが8か所、中華人民共和国が7か所、マレーシアが5か所、台湾が1か所を実効支配している。2015年にはアメリカ海軍が中華人民共和国の実効支配するスビ礁から12海里内の海域を航行するなど緊張状態が続いている。1988年にはベトナムと中華人民共和国との間で軍事衝突が起こったこともあるが、近年は軍事衝突には至っておらず、既に実効支配している岩礁・砂州を新たに埋め立てたり、各国が未占拠の岩礁・砂州を新たに占拠する形での勢力拡大が行われている。最近ではフィリピンがランキアム礁(Panata Island)を新たに占拠、台湾が中洲島を新たに占拠した。

中華民国政府および中華人民共和国政府では南沙諸島、中沙諸島西沙諸島東沙諸島を総称して南海諸島と呼び、国民党政権時代の1935年よりその全域の主権(領有)を主張している[6]。中華民国政府が主張する境界線はその線の数から「十一段線」、中華人民共和国政府が主張する境界線はその線の数から「九段線」、あるいはその線の形から「U字線」や「牛舌線」と呼ばれている[7][8]

「諸島」と言っても、南沙諸島には国連海洋法条約において「島」とみなせる領域は一つもない。自国管轄権を主張する幾つかの国は、岩礁・砂州を埋め立て浚渫して人工島を築いた。特に中華人民共和国による埋め立て・浚渫は大規模なものであり、貴重なサンゴ礁およびそこに生息する海洋生物など自然環境の不可逆的な破壊が行われた[9]

実効支配する政府による設備投資が行われており、スプラトリー島(チュオンサ島)ではベトナム政府による設備投資が行われ、ほとんど何もなかった島が、教育や電力のみならず大きな飛行場・病院・ネット環境を完備するなど本土並みの生活環境となっている[10]

実効支配を正当化するためにほとんど何もない所に漁民や部隊を居住させている島や、国防の最前線として軍事要塞と化した島もあるが、もともと美しい珊瑚礁に囲まれた地域であり、観光地化されている島も多い。ベトナムの実効支配地域ではスプラトリー島などが、フィリピンの実効支配地域ではノースイースト島などが、マレーシアの実効支配地域ではスワロー礁などが主な観光地で、釣りやダイビングが人気。2016年には、台湾(中華民国)で唯一の実効支配地域としてそれまで軍事機密となっていた太平島までもが「観光を通じた太平島権益の防衛」のために一般人に公開された[11]。ベトナムからはクルーズ船が出ており、ベトナムが実効支配している海域をクルーズすることが可能[12]。中華人民共和国からも2020年までにクルーズ船の就航が予定されている[13]。観光地として開発されることで、政府にとっては実効支配の正当性が強化されるという利点がある。

各島とも、各国の政府にとっては海洋の権益を確保する存在であり、軍にとっては国防の最前線であり、また観光業界にとっては有望な観光資源であるという複雑な状況にある。

領有権をめぐる歴史編集

中華人民共和国政府は、二千年前の『異物志』(後漢の楊孚の著)に基づいて「漲海崎頭」(南海諸島もしくは南シナ海沿岸地形)を中国人が発見したと主張している。しかし、その約200年後の『南州異物志』(三国時代・呉の萬震の著)には、「外徼大舶」(外国の大船)が「漲海崎頭」を発見したと記載されており[14]、中華人民共和国の南海研究院院長・呉士存が自著『南沙爭端的起源與發展』(2010年)で引用した「外徼大舶」が、英訳本では"boats used by foreigners"と訳されている[15]

の官修地誌では、領土の最南端は海南島とされており、南沙諸島は清の領土線の外であった。官修地誌以外の民間著作でも、清の中晩期の『南洋蠡測』(顔斯綜の著)中に「萬里石塘」の記載があり、「此の塘を以て華夷中外の界を分かつ」と記述されている。境界線の位置は海南島の南の西沙諸島付近であった。また清の乾隆年間の『吧遊紀略』(陳洪照の著)では、海南島付近と推定される「七州洋」を「中外之界」としている[15]

ベトナムを植民地支配していたフランスによる領有編集

清仏戦争後、フランス領インドシナとしてベトナムを植民地支配していたフランスが、1930年からいくつかの島々を実効支配し、1933年4月にフランス軍が現在の太平島を占拠し、日本人を退去させる。ベトナム南部の総督M. J. Krautheimerが、同年12月21日に4702-CP号政府決定により、当時のバリア省の一部とする。1935年4月フランスが30人のベトナム人を太平島に移住させる。1945年の日本の敗戦以降、空白となった南シナ海の島々をフランス軍はいち早く占領したが、ベトナム内戦の影響ですぐに撤収する[8]

日本による領有編集

1907年に日本漁船が現在の太平島付近で操業を開始し、1929年4月に日本人が太平島での硫黄採掘事業を開始した。世界恐慌の影響を受け間もなく採掘は中止となり、日本の業者は離島する。1933年4月にフランス軍が太平島を占拠し、日本人を退去させる。1935年に平田末治と海軍省台湾総督府が協力して開洋興業株式会社を設立。1936年12月に開洋興業が太平島で硫黄採掘調査を実施。1938年にフランス軍やベトナム漁民を追い出し占領した日本が領有を宣言し、「新南群島」と命名する。

1939年(昭和14年)2月中旬、日本軍は海南島を軍事占領し、中華民国蔣介石総統は「太平洋上の満州事変」と表現して反発、欧米列強も抗議の意志を表した[16]。この状況下、日本政府は「大正6年以来 我が国人は何国人にも先立って巨額の資本を投下し恒久的諸施設を設けて同島嶼の経済的開発に従事し来った」と主張して、新南群島の領有を宣言する[17]。3月30日付の台湾総督府令第31号により、新南群島が大日本帝国の領土として、台湾高雄市に編入される[18][注 1]。3月31日、外務省はフランス駐日大使のシャルル・アルセーヌ=アンリフランス語版を招いて本件を通告し、4月18日の官報で内外に公告した[17]フィリピンボルネオ島インドシナ半島マレー半島など近隣に植民地を抱える列強各国(アメリカ、イギリス、フランス、オランダ)に与えた脅威は大きく、特にアメリカは具体的な対日制裁措置を進めた[19]

1945年の第二次世界大戦終結まで日本が支配を続ける。ただし日本海軍は、終戦まで新南群島に有力な軍事基地の建設を行わなかった[17]。1939年の台湾総督府告示第122号による新南群島中における主なる島嶼は、北二子島南二子島西青島三角島中小島亀甲島南洋島長島(後に中華民国が太平島と命名)、北小島南小島飛鳥島西鳥島丸島である。資源開発としてリン鉱石採取の従事者が在住していたが、戦火の拡大により撤退し、終戦を迎える。

戦後の日本国政府の見解は「第二次大戦後の日本の領土を法的に確定したのはサンフランシスコ平和条約であり、カイロ宣言ポツダム宣言は日本の領土処理について、最終的な法的効果を持ち得るものではない。」との立場をとっている[20]

1952年(昭和27年)発効のサンフランシスコ平和条約の第2条では、台湾および澎湖諸島、新南群島(スプラトリー諸島)および西沙群島(パラセル諸島)の領土権(権利、権原および請求権)の放棄について明記されているが、放棄後どの国に帰属するかは取り決められていない。また、サンフランシスコ講和会議に招請されなかった中華民国との日華平和条約の第2条では、日本は台湾および澎湖諸島、新南群島および西沙諸島の領土権(権利、権原および請求権)の放棄について承認しているが、同条約第3条では、台湾および澎湖諸島としか記載されていないため、新南群島および西沙諸島が放棄後どの国に帰属するかは取り決められていない(サンフランシスコ平和条約、日華平和条約の条文を参照)。

中華民国による領有権主張編集

1945年に主権回復を宣言する。中華民国政府は「太平号」など4隻の軍艦を派遣して、1946年末までに主だった島々の占領を終え、測量も行って「南海諸島位置図」を作成する[8]。その後の中華民国(台湾)は、南シナ海は「中華民国の領土」との位置づけは変えずに、軍用空港を有する太平島(南沙諸島の北部に位置する南沙諸島最大の島でティザード堆の一部を形成。高雄市の一部として実効支配)と東沙諸島(実効支配)の現状維持に徹して、中華人民共和国政府のように新たな島の占領などは行っていない[8]

フィリピンによる領有権主張編集

1971年、マルコス政権が南沙諸島の領有を主張し、パグアサ島 (中業島) など6島礁に軍を送って占領した[21]。1994年に排他的経済水域に関する規定が定められた国連海洋法条約が発効すると、中沙諸島のスカボロー礁周辺海域の管轄権を主張した。2009年には「領海基線法」を制定し、南沙諸島の一部の島・礁(太平島を含む)および中沙諸島のスカボロー礁を正式にフィリピンの領土とした。フィリピンは、南沙諸島において滑走路を有するパグアサ島をはじめとする島や砂州を10か所近く実効支配している。数においては、ベトナム、中国に次ぐ3番目である。

南ベトナムによる領有権主張編集

1951年のサンフランシスコ講和条約で日本が領有権を放棄した後、1956年10月22日に南ベトナム政府が143/NV号大統領決定により、バリア省の一部と併せフックトゥイ省(Phước Tuy省、1956年 - 1975年。現在のバリア=ブンタウ省)とする。

中華人民共和国による領有権主張編集

1953年中華人民共和国は、中華民国の「十一段線」のうち、当時は関係が良好であった北ベトナム付近の2線を削除し、新たに「九段線」とする。1958年には「領海宣言」を出し、南シナ海の島々を含めた海域の領有を宣言する[8]。1973年9月に南ベトナムが、再度フックトゥイ省への編入を宣言したことに対し、翌1974年1月に抗議声明を出して領有権主張を本格化させていく。

中華人民共和国とベトナムとの軍事衝突編集

西沙諸島の戦い (1974年)編集

1974年1月に西沙諸島の領有権をめぐり中華人民共和国と南ベトナムが交戦し、西沙諸島の戦いが勃発する。この戦争に勝利した中華人民共和国は西沙諸島を領有する。

1988年、中華人民共和国は西沙諸島に2,600メートル級の本格的な滑走路を有する空港を完成させ、南シナ海支配の戦略拠点とし[22]、同年には中華人民共和国軍がベトナム支配下にあった南沙諸島(スプラトリー諸島)にも侵攻する。

スプラトリー諸島海戦 (1988年)編集

1988年3月14日、南沙諸島における領有権をめぐり中華人民共和国・ベトナム両海軍がジョンソン南礁(中国名:赤瓜礁)で衝突。このスプラトリー諸島海戦(中国名:赤瓜礁海戦)で勝利を収めた中華人民共和国が、赤瓜礁(ジョンソン南礁)、永暑礁(ファイアリー・クロス礁)、華陽礁(クアテロン礁)、東門礁(ヒューズ礁)、南薫礁(ガベン礁)、渚碧礁(スビ礁)と名付けられた岩礁または珊瑚礁を手に入れる[23]

ブルネイによる領有権主張編集

ブルネイは、1993年からマレーシアが実効支配している南通礁(英語名:Louisa Reef、マレー語名:Terumbu Semarang Barat Kecil)および周辺3万 km2の海域に対する主権を1988年に主張しているが、派兵による占拠行為は行なっていない[5][24][25]

1994年 - 2014年編集

1994年にフィリピンが実効支配していたミスチーフ礁(中国名:美済礁)を中華人民共和国が占拠して建造物を構築したことを、1995年2月にフィリピン政府が公表する[26]

2004年9月にフィリピンと中華人民共和国が海底資源の共同探査で2国間合意が成立する。

2005年3月には、フィリピンと中華人民共和国の2か国に続きベトナムも加わり、海底資源の共同探査が行われている。

2007年11月、中国人民解放軍が西沙諸島の海域で軍事演習を行ったことや同月中旬に中華人民共和国が中沙諸島だけでなく南沙、西沙の両諸島を含む領域に海南省に属する行政区画である「三沙市」を設置した(中国国務院が三沙市の成立を正式発表したのは2012年7月)ことをきっかけに、12月にベトナムのハノイにある中国大使館前で抗議デモを行われた[27]

2008年1月に中華民国(台湾)が、実効支配している太平島に軍用空港を建設して完成させる。滑走路は全長1,150メートル、幅30メートル。その後に中華民国総統が視察に訪れたことに対してフィリピン政府が抗議をする。

2010年3月にアメリカからスタインバーグ国務副長官とベイダー国家安保会議アジア上級部長が中華人民共和国を訪れた際に、中華人民共和国政府は、南シナ海を『自国の主権および領土保全と関連した「核心的利害」地域と見なしている』との立場を公式に通知したことが報じられる[28]

2011年2月末から5回以上にわたり、中華人民共和国の探査船がフィリピンが主張する領海内において探査活動を繰り返し、5月には無断でブイなどを設置したことから、フィリピンのアキノ大統領はこれを領海侵犯とし、6月に国連提訴する。

2012年7月11日、中華人民共和国国土資源部国家海洋局所管の海監総隊孫書賢副総隊長が、南沙諸島の領有権問題に関して、ベトナムやフィリピンと「一戦を辞さない」と発言した[29]

2012年12月9日、フィリピンのアルベルト・デルロサリオ英語版外務大臣 (フィリピン)英語版は『フィナンシャル・タイムズ』のインタビューに対して、「フィリピンはこの地域でバランスを保つ要素を探しており、日本は重要なバランサーになり得る。フィリピンは、これ(日本の再軍備)を歓迎する」と述べ、南シナ海で中国と領有権をめぐり対立しているフィリピンが、中国を牽制するため、日本の再軍備を歓迎すると表明し[30][31]インドネシア外務大臣 (インドネシア)インドネシア語版も同様の態度を示した[32]。『フィナンシャル・タイムズ』アジア版のデビッド・ピリング編集長は、かつて日本に侵略された歴史を持つアジアの多くの国が日本の再軍備を歓迎していることは意外だとして、「当時、暴行や虐殺が普遍的だった日本による侵略の歴史はフィリピン人の記憶の中に鮮明に残っているはずだが、アルベルト・デルロサリオ外務大臣はそれについて大したことではないと表明している。かつて大日本帝国に蹂躙された国の多くは、韓国のようには日本に恨みを抱いていない」と述べている[32][33]

2013年5月、中華民国総統であった李登輝は「(中国は)周辺国への内政や領土干渉を繰り返すことによって、自分たちの力を誇示しているのである。こうした中国の動きを説明するのに、私は「成金」という言葉をよく使う。経済力を背景に、ベトナムから西沙諸島を奪い、南沙諸島でフィリピンが領有していた地域に手を出し、そして日本領土である尖閣諸島の領海、領空侵犯を繰り返す中国は、札束の力で威張り散らす浅ましい「成金」の姿そのものである」と中国を批判している[34]

2015年編集

5月に国際空域(公海の上空)を飛行していたアメリカ軍のP-8ポセイドン対潜哨戒機に対して、中国海軍が強い口調で計8回も退去を命じる交信を行うなど軍事的緊張が高まった[35][36]

7月2日、アメリカのシンクタンクのCSIS(戦略国際問題研究所)が、中国が浅瀬を埋め立てて施設の建設を続けているファイアリー・クロス礁の様子を6月28日に撮影した衛星写真を公開し、駐機場や誘導路が整備されている様子が確認できると指摘して3,000メートル級の滑走路が「ほぼ完成している」との分析を明らかにし、さらに2つのヘリポートと10基の衛星アンテナ、レーダー塔とみられる施設などが確認できるとした[37]。 8月6日には、CSISは中国が埋め立てを進めているスビ礁の最近の衛星写真を分析し、人工島に幅200 - 300メートル、2,000メートル以上の直線の陸地ができていることが確認でき、ファイアリー・クロス礁と同じ3,000メートル級の滑走路が建設されている可能性を示唆した[38]。 さらに9月15日に衛星写真の分析から、中国が南沙諸島で造成した人工島での3本目となる滑走路をミスチーフ礁(美済礁)で建設している可能性があることを明らかにした[39][40]。10月10日、中国外交部が、赤瓜礁(ジョンソン南礁)と華陽礁(クアテロン礁)で5月から建設していた灯台(高さ約50メートルで照射距離は22海里)が完成したと発表[41][42]

9月25日の米中首脳会談後に、アメリカ海軍の艦船を中国が埋め立て造成した人工島から12海里内(国際法では、自国の領土領海基線からの距離で領海とされる海域)に派遣する決断をしていたオバマ政権は、10月27日にアメリカ海軍横須賀基地所属のイージス駆逐艦ラッセン」をスビ礁から12海里内の海域に進入航行させ、航行の自由を行動で示す作戦(「航行の自由」作戦、Freedom Of Navigation Operation)を実施した[43][44]

 
2015年10月27日、アメリカはイージス駆逐艦「ラッセン」を人工島から12海里内の海域に進入航行させた。

10月29日、オランダハーグにある常設仲裁裁判所は、フィリピンが2013年1月に南シナ海での領有権に関する中国の主張は国際法に違反するとして、国連海洋法条約に基づいて申し立てていた15項目のうち7項目について管轄権があるとし、中国との紛争の仲裁手続き(審理)を進めることを決定した[45][46]。仲裁裁判所に管轄権はないとして仲裁手続きを拒否していた中国は、仲裁手続きを受け入れない姿勢を示した[45][46][47]

アメリカ国防総省は、8月20日に「アジア太平洋での海洋安全保障戦略」と題した報告書を公表し、中国が2013年12月に南沙諸島での埋め立てを開始して2015年6月までに2,900エーカー(約12 km2)を埋め立て、その面積が周辺諸国による埋め立てを含めた全体の約95パーセントに当たることを明らかにした[48]。また、埋め立てから滑走路や港湾施設の建設によるインフラ整備に重点が移行していることも指摘した[48]

2015年10月時点で中国が埋め立てているとされているのは、実効支配しているスビ礁のほか、ファイアリー・クロス礁、クアテロン礁、ミスチーフ礁、ヒューズ礁、ジョンソン南礁、ガベン礁エルダド礁(安達礁)の7つの岩礁である[49][50]。各国は中国が岩礁を埋め立てた人工島を軍事拠点化し、地球上でやり取りされる原油や液化天然ガス (LNG) の半分近くが通る南シナ海の支配を強化することを懸念している[51]

2016年編集

 
2016年ハーグ仲裁裁判所が下した領海排他的経済水域(EEZ)の判断[52] [53]

1月2日、中国外交部が、ファイアリー・クロス礁で建設していた飛行場の完成と滑走路を使用して試験飛行をしたことを明らかにした。これに先立ちベトナムは、試験飛行に抗議する声明を発表している[54]

アメリカのCSIS(戦略国際問題研究所)は1月の報告書において、中国の空母打撃群保有の可能性と併せて、「2030年までに南シナ海が事実上中国の湖となる」と警鐘を鳴らしている[55]

4月15日、中国国防部が、軍制服組トップの范長龍中央軍事委員会副主席が南沙諸島を視察したことを明らかにした[56]。4月17日、中国の新華社通信が、ファイアリー・クロス礁に中国海軍の哨戒機1機が着陸したと報道。中国が軍による南沙諸島での飛行場利用を明らかにしたのは初めてである[57]

5月2日には、中国海軍が駐留兵士らを慰労するため、南海艦隊に就役している揚陸艦「崑崙山」を派遣し、ファイアリー・クロス礁に演劇団を上陸させた。同行記者によると、ファイアリー・クロス礁では飛行場や港、灯台、住居施設が既に完成しており、病院や海洋観測センターが建設されている[58]

7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は、中国が南シナ海のほぼ全域で領有権を主張する独自に設定した境界線「九段線」には国際法上「歴史的権利を主張する法的根拠はない」と認定する裁定をした。また、中国が南沙諸島などで人工島の造成などをしている岩礁はすべて「島」ではなく、「岩」または高潮時に水没する「低潮高地[59]であると認定する裁定も下した[47][60][61]

2017年編集

 
南沙諸島の各国実効支配状況(英語名)
 
2012年南沙諸島の各国実効支配状況及び領有権主張線(中国語名)

2月21日、ミスチーフ礁、ファイアリー・クロス礁、スビ礁の人工島において、中国が長距離地対空ミサイルを格納できる約20の開閉式の屋根が付いた構造物を建造しており、ほぼ完成しているとロイター通信が報道した[62]

5月25日(現地時間)早朝、アメリカ海軍のミサイル駆逐艦デューイ」が南沙諸島のミスチーフ礁の12海里内の海域を航行し、トランプ政権では初の「航行の自由」作戦が実施された[63][64]

6月6日、アメリカ国防総省の中国の軍事力に関する年次報告書(2017年版)が公表され、ミスチーフ礁、ファイアリー・クロス礁、スビ礁に軍用機24機を収容できる格納庫が建設されたことが明らかになった[65]

2018年編集

4月9日、『ウォール・ストリート・ジャーナル』が、ファイアリー・クロス礁、ミスチーフ礁に中国が電波妨害装置を配備したと報道した[66]。5月2日には、アメリカのニュース専門テレビ局CNBCが、ファイアリー・クロス礁、ミスチーフ礁、スビ礁に対艦巡航ミサイルと地対空ミサイルが配備されたと報道した[67]。5月8日、ベトナムは中国に対してミサイル撤去を要求し、ミサイル配備はベトナムの主権に対する「深刻な侵害」だと主張したが、中国は南沙諸島および周辺海域に対して主権を持つとした[68]

9月30日、アメリカ海軍のミサイル駆逐艦「ディケーター」が、「航行の自由」作戦としてガベン礁、ジョンソン南礁の12海里内の海域を航行した際に、中国人民解放軍のミサイル駆逐艦が約41メートルの距離まで異常接近し、海域から離れるよう警告した[69][70]

10月31日、ファイアリー・クロス礁、ミスチーフ礁、スビ礁に気象観測所を開設して運用開始したことを中国が公表した[71]

2019年編集

3月15日、フィリピンのアルベルト・デルロサリオ英語版外務大臣 (フィリピン)英語版コンチータ・モラレス英語版行政監察官英語版が中国の習近平総書記国家主席)、王毅外交部長趙鑑華中国語版駐フィリピン中国大使中国語版国際刑事裁判所に告発した[72]。中国が南シナ海の島や岩礁を埋め立てて環境破壊し、周辺国に深刻な影響を与えていることが「人道に対する罪」にあたり、中国が南シナ海で「大規模で半永久的な環境破壊」を進めて、関係国の漁師だけでなく、現在と将来の世代に不利益を与え、南シナ海から他国を排除し、食料・エネルギー安全保障を著しく損なったとしている[72]

6月9日、フィリピンのEEZ内にある南沙諸島のリード堆近くで、漁をしていたフィリピン漁船に違法操業していた中国漁船が衝突し、22人のフィリピン人漁師が海に投げ出された[73]。6月24日に「EEZで中国が漁をしている。止めるべきでは」と記者に質問されたロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、「中国がそうするとは思わない。なぜか? 我々は友だちだからだ」などと中国の行動を容認したと受け取れる発言をおこない波紋を呼んでおり、領域内の資源を守ることを定めた憲法に違反するとして、弾劾になる可能性が浮上し、フィリピンの中国大使館中国語版前で、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領と中国の習近平総書記(国家主席)の写真に火をつけるなどの抗議デモが起きている[73]。このロドリゴ・ドゥテルテ大統領の発言について、アルベルト・デルロサリオ元外務大臣は「いつ自国民を一番に考えるようになるのか」と批判した[74]

6月21日、南シナ海で中国が進める人工島建設などを「人道に対する罪」に当たると非難し、習近平総書記、王毅外交部長、趙鑑華駐フィリピン中国大使を国際刑事裁判所に告発していたフィリピンのアルベルト・デルロサリオ元外務大臣が非常勤取締役を務める企業の株主総会出席のために、香港の空港に到着したが、入国管理官から入国拒否された[75]。アルベルト・デルロサリオ元外務大臣は空港で約6時間取り調べを受けた後、帰国の途に就き、「明らかに嫌がらせだ」と反発している[75]。なお、5月にはアルベルト・デルロサリオ元外務大臣とともに習近平総書記、王毅外交部長、趙鑑華駐フィリピン中国大使を国際刑事裁判所に告発したコンチータ・モラレス元政監察官も「安全上の脅威」として入国を拒否されている[75]

7月12日、アルベルト・デルロサリオ元外務大臣が主宰する研究所が主催するフォーラムがマニラで開かれ、デ・ラ・サール大学英語版のデカストロ教授は、中国の要求をのむことがロドリゴ・ドゥテルテ大統領の方針になっており、「貿易交通で『海はみんなのもの』と考えてきた東南アジアの海洋秩序を壊そうとしている」として、南シナ海判決を生かそうとする地域各国との協力を邪魔していると批判した[74]フィリピン大学のオンダ助教授は、中国による人工島建設が生態系に悪影響を及ぼしており、将来的にフィリピン人の食生活にも影響を及ぼしかねないと警鐘を鳴らし、コンチータ・モラレス元行政監察官は、「南シナ海は中国のものでもドゥテルテ氏のものでもなく、フィリピン人のものだ」と強調した[74]

7月24日、中国は「新時代の中国の国防」と題した国防白書を4年ぶりに発表し、その中で南シナ海の諸島については「(中国)固有の領土だ」とし、人工島や施設などの建設は「法に基づき国家の主権を行使している」と主張している[76][77]

11月28日、中兼和津次は「中国は国民党時代に出した『九舌線』を引き合いに出して、『南シナ海は本来自分たちの領土だ』として、『古来』とか、『2000年前から』そうだと主張している。しかし、2000年前には領土領海概念はなかったため、論理としては成り立たないはず。地図歴史を持ち出しての主張も、有効でない。フィリピンが提訴した国際仲裁裁判所の判定では、中国側が全面的に敗訴した。しかし、中国政府はこれを無視。南シナ海の岩礁は誰のものか?参考資料にある通り、ヘイトン氏ベトナム語版が克明に調べたが、結論は『南シナ海の島は誰のものでもない』であった。私の理解では、『所有権』『領有権』の観点で見れば、一番近いのはフランスだろうか?各国とも法的、歴史的な根拠は無いのだから、EEZとして、あとは自由にしたらどうか、というのが私の提案」と提言している[78]

2020年編集

4月18日、中国は海南省に2012年に設定した三沙市において、南沙区西沙区の2つの行政区(市轄区)を設置すると発表し、中華人民共和国民政部によると南沙諸島を管轄する南沙区の行政組織がファイアリー・クロス礁(永暑礁)に置かれる[79][80]

2021年編集

3月7日、フィリピン政府は南沙諸島で約220隻の中国船が停泊していることを確認した[81]。中国は「悪天候を避けた漁船だ」と主張しているが、フィリピンは乗組員に民兵が多数含まれているとみており、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領に批判的なアントニオ・カルピオ英語版最高裁判所長官 (フィリピン)英語版は「(中国との対立が続けば)フィリピンのエネルギー安全保障に(悪い)影響を与えかねない」と指摘した[81]。ロドリゴ・ドゥテルテ大統領も「中国が石油鉱物の開発を始めた場合には行動に出る」と述べ、軍艦を派遣する意向を示してきたが、新型コロナウイルス感染症COVID-19ワクチン供給では中国の支援が必要なことから難しいかじ取りを迫られている[81]

5月3日、フィリピンのテオドロ・ロペス・ロクシン・ジュニア外務大臣 (フィリピン)英語版は南シナ海で多数の中国船が停泊している問題に関するいら立ちから、Twitterに「中国、わが友よ。どうすれば礼儀正しく表現できるだろうか。さて…」と記した後、アルファベット4文字の禁句を使用して、「消えうせろ」と発信した[82]。これに対して中国外交部汪文斌報道官は、「フィリピン側の特定の個人には、基本的なマナーを守ることと立場に見合った言動を望む」と批判した[81]

5月5日、南シナ海の地域について中国が主張してきた歴史的権利を否定した南シナ海判決についてフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、「ただの紙切れにすぎない」「(判決は)役に立たない。ゴミ箱に捨てよう」と述べ、中国政府と同様の言い回しで判決を否定した[83]

実効支配の状況編集

編集

国連海洋法条約において「島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものをいう。」と定められている。

本条約の島は「領海接続水域」に加えて「排他的経済水域及び大陸棚」を有する。

2016年7月12日の常設仲裁裁判所 (PCA) において、スプラトリー諸島(南沙諸島)には排他的経済水域、大陸棚を有する国連海洋法条約上の「島」は一つも存在せず[47][84]、「イツアバ島 (Itu Aba)、ティツ島 (Thitu)、ウェストヨーク島 (West York Island)、スプラトリー島 (Spratly Island)、ノースイースト島 (North-East Cay)、サウスウエスト島 (South-West Cay) も法的に排他的経済水域、大陸棚を有さない岩である」[85]との裁定が下された。

編集

国連海洋法条約において「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。」と定められており、本条約によれば、人間の居住または独自の経済的生活を維持することのできない岩は、領海は有するものの排他的経済水域および大陸棚を有さない。

常設仲裁裁判所は、2016年7月12日、中沙諸島スカボロー礁のほか、クアテロン礁ファイアリー・クロス礁ジョンソン南礁を含むジョンソン礁、ケナン礁ガベン礁(北礁)が排他的経済水域、大陸棚を有さない、すなわち国連海洋法条約上の「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩」であるとの裁定を下した[84][85]

以下、埋め立て面積が1 km2超になっているものについては、面積を太字表示する。

名称 英語名
中国語名
実効支配 備考
ノースイースト島 Northeast Cay
北子島
フィリピン
サウスウエスト島 Southwest Cay
南子島
ベトナム
サウス礁 South Reef
奈羅礁
ベトナム
ウェストヨーク島 West York Island
西月島
フィリピン
パグアサ島 Thitu Island
中業島
フィリピン 滑走路あり
フラット島 Flat Island
費信島
フィリピン
ナンシャン島 Nanshan Island
馬歡島
フィリピン
ロアイタ島 Loaita Island
南鑰島
フィリピン
ロアイタ礁 Loaita Cay
双黄沙洲
フィリピン
ランキアム礁 Lankiam Cay
楊信沙洲
(非占拠)
太平島(イツアバ島) Itu Aba Island
太平島
台湾 滑走路あり。自然形成された陸地面積は南沙諸島最大(約0.51km2)。
サンド礁 Sand Cay
敦謙沙洲
ベトナム 1975年にベトナムが占領。2011年から2014年にかけて、埋め立てにより元の面積の50%以上にあたる約2.1ヘクタール(0.021 km2)の陸地が新たに加えられた。そこに軍事施設も建設されている[86]。2011年から2016年の間では、埋め立て面積は約0.037 km2になる[87]
ナムイエット島 Namyit Island
鴻庥島
ベトナム
ガベン礁 Gaven Reefs
南薫礁
中国 ティザード堆 (英語名: Tizard Bank, 中国名: 鄭和群礁) の一部。2014年3月以降に埋め立てられ、CSISの分析では人工島の面積が約0.14 km2となっている[86]。2016年7月12日の常設仲裁裁判所による裁定では、フィリピンの低潮高地であるとの主張に対して北礁は排他的経済水域および大陸棚を有さない岩であり、南礁は低潮高地であるとの判断が下された[84]
エルダド礁 Eldad Reef
安達礁
中国
シンコウ島 Sin Cowe Island
景宏島
ベトナム 2006年から2016年の間に約0.106 km2埋め立てがなされた[87]
ジョンソン南礁 Johnson South Reef
赤瓜礁
中国 ユニオン堆 (英語名: Union Bank, 中国名: 九章群礁) の一部。1988年3月のスプラトリー諸島海戦で中国がベトナムから武力奪取したまま実効支配。2014年初めまでは、小さなコンクリート基礎上に通信設備・駐屯兵舎・桟橋だけが浅瀬に構築された状態であったが、その周辺が約0.1 km2埋め立てられた後、11月から12月に新たな建造物の建設の主要工程が行われ、人工島の面積はCSIS(戦略国際問題研究所)の分析では約0.11 km2となっている[86]
ケナン礁 Mckennan Reef
西門礁
(非占拠)
ディスカバリーグレート礁 Discovery Great Reef
大現礁
ベトナム
ピアソン礁 Pearson Reef
畢生礁
ベトナム
ファイアリー・クロス礁 Fiery Cross Reef
永暑礁
中国 1988年3月に中国がベトナムから武力奪取。2014年8月から埋め立てが開始され、人工島の造成は11月に終了し、CSISの分析では埋め立て面積が約2.74 km2[86]。2015年1月からは3,000メートル級の滑走路の建設が開始され、港湾施設の整備も続けられている[86]。2016年1月2日、飛行場の完成と滑走路を使用した試験飛行が明らかになった[54]
クアテロン礁 Cuarteron Reef
華陽礁
中国 1988年3月に中国がベトナムから武力奪取。人工島の大部分の造成・浚渫工事については2014年夏に実施されたとみられ、CSISの分析では埋め立て面積が約0.23 km2、建物・施設の建設が続けられている[86]
セントラル・ロンドン礁 Central London Reef
中礁
ベトナム
ウエスト・ロンドン礁 West London Reef
西礁
ベトナム 1975年以来、ベトナムが実効支配。1994年5月もしくは6月に灯台を建設。以後、コンクリート製監視哨を幾つか構築した。2012年8月以降に埋め立てにより新たに人工の陸地が作られた。その埋立面積は約6.5ヘクタール(0.065 km2)である。そこに建築物を建設し、港も構築した[86]。2013年から2016年の間では、埋め立て面積は約0.285 km2になる[87]
スプラトリー島 Spratly Island
南威島
ベトナム 滑走路あり。2014年から2016年の間に約0.151 km2埋め立てがなされ、600m級の滑走路が1,000m級に延伸された[87]
アンボイナ砂堆 Amboyna Cay
安波沙洲
ベトナム
スワロー礁 Swallow Reef
彈丸礁
マレーシア 1,400m級の滑走路あり[87]
マリベルス礁 Mariveles Reef
南海礁
マレーシア
(中国=中華人民共和国、台湾=中華民国)

低潮高地編集

低潮高地(英語:low-tide elevation)[59]とは、低潮時には海面上に露出するが、高潮時には水没する岩礁(干出岩)・砂州のことで、国連海洋法条約上、領海排他的経済水域 (EEZ) も有さない。ただし、自国のEEZ内であればその国が建造物を建設することができる。中国は現在、南沙諸島内で3か所の低潮高地およびその周辺の珊瑚礁を大規模に埋め立て人工島を建設しているが、どれも中国のEEZ内ではない。

常設仲裁裁判所は、2016年7月12日、ヒューズ礁ガベン礁(南礁)、スビ礁ミスチーフ礁セカンド・トーマス礁が国連海洋法条約上の「低潮高地」であるとの裁定を下した[84]。またミスチーフ礁およびセカンド・トーマス礁は、フィリピンのパラワン島を起点とする排他的経済水域および大陸棚に含まれることに加え、ガベン礁(南礁)の低潮位線がガベン礁(北礁)およびナムイエット島領海基線とすることが可能であるということ、ヒューズ礁の低潮位線がケナン礁およびシンコウ島の領海基線とすることが可能であるということ、スビ礁の低潮位線がティツ堆サンディー砂堆の領海基線とすることが可能であるという裁定も下した[84]

名称 英語名
中国語名
実効支配 備考
ミスチーフ礁 Mischief Reef
美済礁
中国 1994年までフィリピンが実効支配していたが、中国が占拠して建造物を浅瀬に構築したことを1995年2月フィリピンが公表。2015年初めから環礁の西環沿いを大規模に埋め立て、CSISの分析では埋め立て面積が約5.58 km2となり、最近は環礁の南口の拡幅をしており、環礁周辺で中国軍艦船も見受けられることから、将来的に埋め立てられたミスチーフ礁が海軍基地になると予想されている[86]。3,000メートル級の滑走路や多数の施設が建設され、完成している[88]
セカンド・トーマス礁 Second Thomas Shoal
仁愛礁
フィリピン 1999年にフィリピンが派兵して駐留[89]
スビ礁 Subi Reef
渚碧礁
中国 1988年3月に中国がベトナムから武力奪取。浅瀬にレーダーサイトを建設。2014年7月から人工島造成のために主要な埋め立てが開始され、CSISの分析では埋めて面積が約3.95 km2となっている[86]。2015年10月に着工した灯台(高さ55メートル)が完成し、2016年4月からジョンソン南礁、クアテロン礁に続いて運用を開始した[90]。3,000メートル級滑走路や多数の施設が建設され、完成している[88]
ヒューズ礁 Hugh Reef
東門礁
中国 1988年3月に中国がベトナムから武力奪取。浅瀬に建造物が構築されて軍隊が常駐。2014年夏から人工島の造成・浚渫工事が開始され、CSISの分析では面積が約0.08 km2となっている[86]。ベトナム国営紙によると、2016年4月に記者が船で近づき取材し、複数のレーダーアンテナ、通信用とみられる鉄塔型のアンテナの存在を撮影して確認した[91]
エリカ礁 Erica Reef
簸箕礁
マレーシア 1999年6月にマレーシア海軍インベスティゲーター砂州とともに建造物を構築し、兵員を駐在させた[92]

地理的状況編集

南沙諸島は、主に南シナ海を北から南に並んでいる6つの大群礁からなる。

  • ノースデインジャー堆英語版(英語:North Danger Reefs、中国語: 雙子群礁簡体字中国語: 双子群礁)) - ノースイースト島(北子島)・サウスウエスト島(南子島)などからなる。
  • ティツ堆英語版(英語:Thitu Reefs、中国語: 中業群礁簡体字中国語: 中业群礁)) - ノースデインジャー堆の南約17海里に位置しており、パグアサ島(中業島)などからなる。パグアサ島(中業島)の北西約26キロメートル(約15海里)にスビ礁(渚碧礁)がある[93]
  • ロアイタ堆英語版(英語:Loaita Bank、中国語: 道明群礁簡体字中国語: 道明群礁)) - ティツ堆の南東約20海里に位置しており、ロアイタ島(南鑰島)・ランキアム礁(楊信沙洲、簡体字中国語: 杨信沙洲)などからなる。
  • ティザード堆(英語:Tizard Bank、中国語: 鄭和群礁簡体字中国語: 郑和群礁)) - ロアイタ堆の南に位置しており、イツアバ島(太平島)・ナムイット島(鴻庥島)・ガベン礁(南薫礁)・エルダド礁(安達礁)・サンド礁(敦謙沙洲)などからなる南沙諸島最大の群礁である。
  • ユニオン堆(英語:Union Bank、中国語: 九章群礁簡体字中国語: 九章群礁)) - ティザード堆の南に位置しており、ジョンソン南礁(赤瓜礁)・シンコウ島(景宏島)・ヒューズ礁(東門礁)など多くの礁からなり、北東・南西方向に約14キロメートルの長さを有する紡錘形の環礁となっている。
  • ロンドン堆英語版(英語:London Reefs、中国語: 尹慶群礁簡体字中国語: 尹庆群礁)) - 南シナ海の南西部にあるスプラトリー島(南威島)の北東に位置しており、クアテロン礁(華陽礁)などからなる。この群礁だけが、比較的大きな距離間隔でユニオン堆から南西方向に離れて位置している。

中国人民解放軍の「六場戦争(六つの戦争)」計画編集

2013年7月、中国政府の公式見解ではないとしながらも、中国の『中国新聞網』や『文匯報』などに、中国は2020年から2060年にかけて「六場戦争(六つの戦争)」を行うとする記事が掲載された[94][95][96][97]。この「六場戦争(六つの戦争)」計画によれば、中国は2020年から2025年にかけて台湾を取り返し、2028年から2030年にかけてベトナムとの戦争で南沙諸島を奪回し、2035年から2040年にかけて南チベットアルナーチャル・プラデーシュ州)を手に入れるためインドと戦争を行い、2040年から2045年にかけて尖閣諸島沖縄日本から奪回し、2045年から2050年にかけて外蒙古モンゴル国)を併合し、2055年から2060年にかけてロシア帝国清朝から奪った160万平方キロメートルの土地(外満州江東六十四屯パミール高原)を取り戻して国土を回復するという[94][95][97][96]

オーストラリア国立大学研究員のGeoff Wadeは、この記事について一部の急進主義者の個人的な見解にすぎないという意見があるが、中国の国営新聞も報道しており、中国政府の非常に高いレベルで承認されたものとみなすことができ、また中国の「失われた国土の回復」計画はすでに1938年から主張されていたと指摘している[95]

インドのシンクタンクであるセンター・フォー・ランド・ワーフェア・スタディーズ英語版研究員のP.K.Chakravortyは、この記事では中国はインドのアッサム州シッキム州で独立運動や反乱活動を扇動して、パキスタンへの武器供与によるカシミール攻略などが示唆されており、それらが失敗した後にインドとの全面戦争という段階が想定されているが、シッキム州の現状は中国の執拗な工作が行われているにも関わらず安定しており、独立運動を扇動するのは困難であり、また中国がミャンマーを介して発生させたアッサム州の暴動はインド政府ミャンマー政府の交渉によって沈静化しているとしながら、2035年までにインド軍は近代化を推進して能力を向上する必要があると指摘した[96]

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 行政区分は、1938年(昭和13年)12月23日外甲第116号閣議決定により、台湾の高雄市の一部とされていた。

出典編集

  1. ^ a b 衆議院議員辻元清美君提出いわゆる南沙諸島における各国の領有権の主張と実効支配の状況に関する質問に対する答弁書 内閣総理大臣 安倍晋三
  2. ^ 南沙諸島に関するトピックス 朝日新聞
  3. ^ 李国強「中国と周辺国家の海上国境問題」 (PDF) 48-56頁
  4. ^ 浦野起央 「南シナ海の安全保障と戦略環境(二・完) (PDF) 」日本大学法学部 政経研究第49巻第2号(2012年9月) 35-60頁, 2018年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ
  5. ^ a b 李国強「中国と周辺国家の海上国境問題」 (PDF) 50頁
  6. ^ 浦野起央 「南シナ海の安全保障と戦略環境(二・完) (PDF) 」日本大学法学部 政経研究第49巻第2号(2012年9月) 35-36頁, 2018年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ
  7. ^ 李国強「中国と周辺国家の海上国境問題」 (PDF) 51頁
  8. ^ a b c d e 「南沙諸島」の領有権を中国が主張する理由”. Foresight. 新潮社 (2015年6月4日). 2015年7月13日閲覧。
  9. ^ Rachael Bale (2016年7月12日). “Giant Clam Poaching Wipes Out Reefs in South China Sea”. National Geographic. http://news.nationalgeographic.com/2016/06/south-china-sea-coral-reef-destruction/ 2017年7月5日閲覧。 
  10. ^ “平和なチュオンサ島”. ベトナムフォトジャーナル. ベトナム通信社. (2014年10月31日). http://vietnam.vnanet.vn/japanese/%E5%B9%B3%E5%92%8C%E3%81%AA%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%B5%E5%B3%B6/106872.html 2017年2月4日閲覧。 
  11. ^ “台湾・太平島の一日周遊が好評”. 東方網日本語版. 新華網 (東方網). (2016年8月16日). http://jp.eastday.com/node2/home/latest/gg/zg/u1ai128600.html 2017年2月9日閲覧。 
  12. ^ 南シナ海の中国を牽制するベトナム豪華クルーズの旅”. ニューズウィーク日本版. CCCメディアハウス (2015年6月16日). 2017年2月4日閲覧。
  13. ^ “中国、南沙諸島へクルーズ船の定期便を計画 国営紙”. AFPBB News (AFP通信). (2016年6月22日). http://www.afpbb.com/articles/-/3091358 2017年2月7日閲覧。 
  14. ^ 石井望(長崎純心大学准教授) (2015年12月22日). “假歷史又來了!「中國發現南海諸島兩千年之說」闢謬” (中国語). 台湾『民報』. 2016年6月30日閲覧。
  15. ^ a b 石井望(長崎純心大学准教授) (2016年6月27日). “【投書】石井望:南沙自古在界外──南海東海,是時候撇開假歷史了” (中国語). 台湾「天下雜誌獨立評論」. 天下雑誌中国語版. 2016年6月30日閲覧。
  16. ^ 戦史叢書79 1975, pp. 97–98海南島攻略の影響
  17. ^ a b c 戦史叢書79 1975, p. 98.
  18. ^ 【視点】日本の領土だった南シナ海「南沙諸島」 終戦まで実効支配”. zakzak by 夕刊フジ. 産経デジタル (2016年2月1日). 2016年4月29日閲覧。
  19. ^ 戦史叢書79 1975, p. 98=.
  20. ^ 日本の領土をめぐる情勢、Q11、日本国外務省、2016年9月29日閲覧
  21. ^ 佐藤孝一「南シナ海問題を概観する」、天児彗(編著)『習近平が変えた中国』2018年、80頁、ISBN 978-4093886147
  22. ^ 平松茂雄 『中国の海洋戦略』 勁草書房、1993年。[要ページ番号]
  23. ^ “スプラトリー海戦から25年、中国がベトナム海軍を破った艦艇を展示”. Record China. (2013年3月15日). http://www.recordchina.co.jp/a70334.html 2015年7月16日閲覧。 
  24. ^ 宋燕輝(中興大学国際政治研究所教授)「台湾の南シナ海南沙諸島太平島における滑走路建設をめぐる論争とその政策的含意」(PDF)2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ 10頁
  25. ^ タン・シュー・ムン「アジア太平洋諸国の安全保障上の課題と国防部門への影響(第2章 マレーシア ―安全保障に関する展望と課題)」 (PDF)2013年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ 31頁
  26. ^ 小谷俊介(国立国会図書館調査及び立法考査局外交防衛課)南シナ海における中国の海洋進出および「海洋権益」維持活動について(PDF) レファレンス 平成25年11月号 30 -31 頁
  27. ^ “ハノイで対中抗議デモ、数百人参加”. newsclip.be (NECOS (Thailand)). (2007年12月9日). http://www.newsclip.be/article/2007/12/09/7315.html 2015年7月6日閲覧。 
  28. ^ 熱くなるアジアの海…中国が海洋権益宣言” (日本語). 中央日報 (2010年7月5日). 2010年11月6日閲覧。
  29. ^ “尖閣問題で「日本と一戦も辞さない」中国高官”. 産経新聞. (2012年7月13日). オリジナルの2012年7月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120713004857/http://sankei.jp.msn.com/world/news/120713/chn12071300250000-n1.htm 
  30. ^ 車学峰 (2012年12月11日). “フィリピン外相「日本の再軍備を歓迎」”. 朝鮮日報. オリジナルの2012年12月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121214054924/http://www.chosunonline.com:80/site/data/html_dir/2012/12/11/2012121100584.html 
  31. ^ “Philippines backs rearming of Japan”. フィナンシャル・タイムズ. (2012年12月9日). オリジナルの2021年7月17日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/H4YlT 
  32. ^ a b “かつて侵略されたアジアの国々が日本の再軍備を歓迎することは意外―英紙”. Record China. (2013年11月30日). オリジナルの2021年7月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210717230056/https://www.recordchina.co.jp/b79872-s0-c10-d0046.html 
  33. ^ David Pilling (2013年11月27日). “China may have overplayed its hand on the islands”. フィナンシャル・タイムズ. オリジナルの2021年7月18日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/MnKEr 
  34. ^ 李登輝 (2013年5月). “台湾が感動した安倍総理の友人発言”. Voice (PHP研究所): p. 37. https://books.google.co.jp/books?id=Lrxf36yn1VwC&pg=PT37#v=onepage&q&f=false 
  35. ^ “「こちらは中国海軍、退去せよ」 南シナ海上空で米偵察機に警告”. イザ (産経デジタル). (2015年5月21日). http://www.iza.ne.jp/topics/world/world-6962-m.html 2017年5月28日閲覧。 
  36. ^ “中国海軍艦船、米対潜哨戒機に8回警告 南シナ海”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2015年5月21日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H2C_R20C15A5EAF000/ 2017年5月28日閲覧。 
  37. ^ “南シナ海の中国滑走路「ほぼ完成」、米シンクタンク”. AFPBB News (AFP). (2015年7月2日). http://www.afpbb.com/articles/-/3053467 2015年9月26日閲覧。 
  38. ^ “中国、南シナ海に新滑走路建設か 米シンクタンク分析”. 朝日新聞デジタル. (2015年8月6日). オリジナルの2015年11月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20151115003859/http://www.asahi.com/articles/ASH855W35H85UHBI01M.html 2015年8月8日閲覧。 
  39. ^ “中国、南沙諸島に3本目の滑走路建設か 米シンクタンク”. AFPBB News (AFP). (2015年9月16日). http://www.afpbb.com/articles/-/3060510 2015年9月18日閲覧。 
  40. ^ “中国、南シナ海で3本目の滑走路を建設か=米専門家”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2015年9月15日). http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKCN0RF06X.html 2015年9月26日閲覧。 
  41. ^ “【南シナ海問題】南沙諸島での灯台建設さらに進める 中国外務省”. 産経ニュース (産経新聞社・産経デジタル). (2015年10月10日). オリジナルの2015年10月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20151012233022/http://www.sankei.com/world/news/151010/wor1510100043-n1.html 
  42. ^ “中国、スプラトリー諸島で灯台完成 船舶誘導施設も建設”. 産経ニュース (産経新聞社・産経デジタル). (2015年10月10日). http://www.sankei.com/world/news/151010/wor1510100014-n1.html 2015年10月12日閲覧。 
  43. ^ “米、中国の人工島12カイリ内に軍派遣へ 南シナ海”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2015年10月22日). オリジナルの2016年3月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160309204125/http://www.asahi.com/articles/ASHBP3VTPHBPUHBI01C.html 2017年5月28日閲覧。 
    “米駆逐艦、人工島12カイリに 対中国「航行は自由」”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2015年10月27日). オリジナルの2016年3月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160309205801/http://www.asahi.com/articles/ASHBW2JGSHBWUHBI006.html 2017年5月28日閲覧。 
    “中国「米艦船を追跡、警告」 南シナ海派遣、米は継続へ”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2015年10月28日). オリジナルの2016年3月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160312192200/http://www.asahi.com/articles/ASHBW7DBQHBWUHBI04P.html 2017年5月28日閲覧。 
  44. ^ “中国が南シナ海の米艦派遣に抗議、米国は警戒活動を定例化へ”. ロイター. (2015年10月28日). http://jp.reuters.com/article/2015/10/28/south-china-sea-idJPKCN0SL2JL20151028?pageNumber=1 2015年10月31日閲覧。 
  45. ^ a b “南シナ海問題、国際仲裁手続きへ 中国は反発”. ロイター. (2015年10月30日). http://jp.reuters.com/article/2015/10/30/philippines-china-arbitration-idJPKCN0SO00U20151030 2015年10月31日閲覧。 
  46. ^ a b “【南シナ海問題】中国さらに逆風 仲裁裁判所、中国の主張退ける フィリピンの要求 本格審理入り”. 産経ニュース (産経新聞社・産経デジタル). (2015年10月31日). http://www.sankei.com/world/news/151030/wor1510300052-n1.html 2016年7月25日閲覧。 
  47. ^ a b c “【緊迫・南シナ海】中国の南シナ海支配認めず 仲裁裁判所「法的根拠なし」と初判断”. 産経ニュース (産経新聞社・産経デジタル). (2016年7月12日). http://www.sankei.com/world/news/160712/wor1607120031-n1.html 2016年7月12日閲覧。 
  48. ^ a b “南シナ海、中国埋め立て「全体の95%」 米国防総省”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2015年8月21日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H8I_R20C15A8FF2000/?n_cid=SPTMG003 2015年8月25日閲覧。 
  49. ^ 中国、南シナ海で「5カ所埋め立て」 習氏が「自ら選定」 台湾の情報機関 産経ニュース(産経新聞社)、2014年10月16日。
  50. ^ 焦点:中国が南シナ海で「人工島」拡大、実効支配を強化へ ロイター、2015年2月20日。
  51. ^ “中国、岩礁を「要塞」に南シナ海、揺れる海の大動脈”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2015年7月16日). http://www.nikkei.com/article/DGKKZO89358030V10C15A7NNS000/ 2015年10月27日閲覧。 
  52. ^ 南シナ海、中国の主張認めず=「九段線」に法的根拠なし-初の司法判断・仲裁裁判所”. 時事通信社 (2016年7月13日). 2016年10月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月11日閲覧。
  53. ^ PCA: The South China Sea Arbitration - The Tribunal Renders Its Award”. The Hague Justice Portal (2016年7月13日). 2016年7月13日閲覧。
  54. ^ a b “中国、南沙の滑走路試験飛行 実効支配進める動き”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2016年1月3日). オリジナルの2016年4月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160402022147/http://www.asahi.com/articles/ASJ134V3CJ13UHBI004.html 2016年1月6日閲覧。 
  55. ^ “南シナ海「2030年までに中国の湖に」米研究機関”]. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2016年1月21日). オリジナルの2016年10月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161005082821/http://www.asahi.com/articles/ASJ1P53LBJ1PUHBI016.html 2016年3月6日閲覧。 
  56. ^ “中国軍制服組トップ、南沙諸島を視察”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2016年4月15日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM15H8P_V10C16A4FF2000/ 2016年4月29日閲覧。 
  57. ^ “中国軍哨戒機、南沙諸島に着陸 実効支配をアピールか”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2016年4月18日). オリジナルの2016年4月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160422032916/http://www.asahi.com/articles/ASJ4L61BYJ4LUHBI020.html 2016年4月29日閲覧。 
  58. ^ “中国が揚陸艦派遣 ファイアリークロス礁 演劇団上陸、駐留兵士らを慰労”. 産経ニュース. 共同通信社. (2016年5月3日). http://www.sankei.com/world/news/160503/wor1605030039-n1.html 2016年5月4日閲覧。 
  59. ^ a b 国連海洋法条約(海洋法に関する国際連合条約)(全文) 第13条、データベース『世界と日本』 戦後日本政治・国際関係データベース 東京大学東洋文化研究所 田中明彦研究室
  60. ^ “南シナ海、中国の「九段線」に法的根拠なし 初の国際司法判断”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2016年7月12日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H5B_S6A710C1000000/?dg=1&nf=1 2016年7月13日閲覧。 
  61. ^ “南シナ海、中国の主張認めず=「九段線」に法的根拠なし-初の司法判断・仲裁裁判所”. 時事ドットコムニュース (時事通信社). (2016年7月12日). http://www.jiji.com/jc/article?k=2016071200745&g=int 2016年7月13日閲覧。 
  62. ^ “南沙諸島の人工島に地対空ミサイル施設か 中国が建造”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年2月22日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM22H8G_S7A220C1000000/ 2019年3月3日閲覧。 
  63. ^ “米海軍、南沙諸島で「航行の自由作戦」実施 トランプ政権下初”. AFPBB News (AFP通信). (2017年5月25日). http://www.afpbb.com/articles/-/3129570 2019年3月3日閲覧。 
  64. ^ “米、南シナ海で中国けん制 対中強硬派に配慮”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年5月25日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM25H81_V20C17A5FF1000/ 2019年3月3日閲覧。 
  65. ^ “南シナ海、軍事拠点化進展に懸念 米国防総省報告書”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年6月7日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM07H1H_X00C17A6MM0000/ 2019年3月3日閲覧。 
  66. ^ “中国、南シナ海の人工島に電波妨害装置配備か 米紙報道”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2018年4月11日). https://www.asahi.com/articles/ASL4C1T3TL4CUHBI003.html 2019年3月3日閲覧。 
  67. ^ “中国、南沙にミサイル初配備か 南シナ海の軍事拠点化を加速”. 産経ニュース (産経デジタル). (2018年5月3日). https://www.sankei.com/world/news/180503/wor1805030048-n1.html 2019年3月3日閲覧。 
  68. ^ “ベトナム政府、中国に南沙諸島のミサイル撤去要求 中国は反発”. AFPBB News (AFP). (2018年5月9日). http://www.afpbb.com/articles/-/3173995 2019年3月3日閲覧。 
  69. ^ “米中、偶発衝突のリスク 貿易戦争が軍事に波及か”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2018年10月2日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36028060S8A001C1FF2000/ 2019年3月3日閲覧。 
  70. ^ “中国駆逐艦、「航行の自由」作戦の米艦に異常接近 南シナ海”. AFPBB News (AFP). (2018年10月2日). http://www.afpbb.com/articles/-/3191722 2019年3月3日閲覧。 
  71. ^ 北村淳 (2018年11月15日). “中国の実効支配態勢が着々と固まる南沙諸島の人工島群”. 朝日新聞GLOBE+ (朝日新聞社). https://globe.asahi.com/article/11948006 2019年3月3日閲覧。 
  72. ^ a b 遠藤淳 (2019年3月21日). “習主席を国際刑事裁に告発 比元外相ら”. 日本経済新聞. オリジナルの2019年3月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190322190918/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42751500R20C19A3FF1000/ 
  73. ^ a b 鈴木暁子 (2019年7月1日). “中国は友達、だから違法操業もOK? フィリピンで波紋”. 朝日新聞. オリジナルの2019年7月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190701235345/https://www.asahi.com/articles/ASM6W4J2KM6WUHBI01V.html 
  74. ^ a b c 鈴木暁子 (2019年7月12日). “「中国の開発、生態系に悪影響」フィリピンの集会で警鐘”. 朝日新聞. オリジナルの2019年7月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190712164155/https://www.asahi.com/articles/ASM7D43XZM7DUHBI013.html 
  75. ^ a b c 森浩 (2019年6月21日). “フィリピン元外相、香港で入国拒否 南シナ海めぐり習氏告発”. 産経新聞. オリジナルの2021年7月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210720032052/https://www.sankei.com/article/20190621-F45XZR4X2JLXPP2WGY3R5D3E2U/ 
  76. ^ “対台湾「武力行使辞さず」 中国、4年ぶり国防白書 米にらみ「強軍」路線”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2019年7月24日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47744290U9A720C1FF1000/ 2019年7月25日閲覧。 同じ記事は2019年7月25日付朝刊の国際1面にも「台湾へ「武力行使放棄せず」 中国、4年ぶり国防白書 圧力鮮明、米にらみ強軍路線」のタイトルで掲載されている。
  77. ^ “尖閣諸島は「固有の領土」 中国が4年ぶり国防白書 台湾統一に「武力放棄せず」”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2019年7月24日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47712610U9A720C1000000/ 2019年7月25日閲覧。 
  78. ^ 中兼和津次. “日中関係学会研究会(2019年11月28日)講演者:中兼和津次先生(東京大学名誉教授、東洋文庫研究員)” (PDF). 日中関係学会. p. 5. オリジナルの2021年9月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210924032328/https://www.mmjp.or.jp/nichu-kankei/kenkyuukaiichirann/191128_headoffice_summery.pdf 
  79. ^ “中国 南シナ海の島に新たな行政区設置を発表”. NHK NEWSWEB. (2020年4月18日). オリジナルの2020年4月19日時点におけるアーカイブ。. http://archive.ph/Cz250 2020年4月21日閲覧。 
  80. ^ “中国が南シナ海に新行政区 「西沙区」「南沙区」…コロナ禍に乗じて実効支配強化”. 産経新聞電子版 (産経新聞社). (2020年4月20日). https://www.sankei.com/world/news/200420/wor2004200013-n1.html 2020年4月21日閲覧。 
  81. ^ a b c d “フィリピン外相「うせろ中国」 南シナ海ガス田に逆風”. 日本経済新聞. (2021年5月6日). オリジナルの2021年5月6日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210506110544/https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM050UB0V00C21A5000000/ 
  82. ^ “禁句使い「消えうせろ」 フィリピン外相、中国に”. 時事通信. (2021年5月3日). オリジナルの2021年5月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210503190757/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021050300546 
  83. ^ “南シナ海領有権巡る判決は「ただの紙切れ」…ドゥテルテ氏、中国との緊張緩和狙いか”. 読売新聞. (2021年5月6日). オリジナルの2021年5月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210507025815/https://www.yomiuri.co.jp/world/20210506-OYT1T50158/ 
  84. ^ a b c d e PCA a copy of the Award: The South China Sea Arbitration (The Republic of the Philippines v. The People’s Republic of China) PCA、p174, 259-260、2016年7月13日閲覧。
  85. ^ a b PCA Press Release: The South China Sea Arbitration (The Republic of the Philippines v. The People’s Republic of China) PCA、p9-10、2016年7月13日閲覧。
  86. ^ a b c d e f g h i j Island Building” (英語). Asia Maritime Transparency Initiative ISLAND TRACKER. AMTI and CSIS. 2016年3月18日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年8月5日閲覧。
  87. ^ a b c d e 参考文献、防衛省「南シナ海情勢(中国による地形埋立・関係の動向)」29頁
  88. ^ a b “中国、南シナ海の人工島に電波妨害装置配備か 米紙報道”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2018年4月11日). https://www.asahi.com/articles/ASL4C1T3TL4CUHBI003.html 2019年2月4日閲覧。 
  89. ^ 菲律宾宣布对仁爱礁完成例行驻军轮调”. BBC (2013年6月19日). 2019年3月3日閲覧。(中国語)
  90. ^ “スービ礁で中国の灯台完成 南シナ海、実効支配強化”. 産経ニュース. (2016年4月6日). http://www.sankei.com/photo/story/news/160406/sty1604060005-n1.html 2016年4月29日閲覧。 
  91. ^ “中国、南沙の人工島に「巨大レーダー基地」 ベトナム紙”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2016年4月21日). http://www.asahi.com/articles/ASJ4P4V5WJ4PUHBI00Y.html 2016年5月4日閲覧。 
  92. ^ 佐藤孝一「南シナ海問題を概観する」、天児彗(編著)『習近平が変えた中国』2018年、82頁、ISBN 978-4093886147
  93. ^ “南沙諸島に中国が新レーダー施設、フィリピン当局が確認”. AFPBB News (AFP通信). (2012年7月26日). http://www.afpbb.com/articles/-/2891610?pid=9288460 2016年7月26日閲覧。 
  94. ^ a b
  95. ^ a b c Geoff Wade (2013年11月26日). “China’s six wars in the next 50 years”. オーストラリア戦略政策研究所. オリジナルの2013年11月27日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131127105158/http://www.aspistrategist.org.au/chinas-six-wars-in-the-next-50-years/ 
  96. ^ a b c P K Chakravorty (2013年11月15日). “Responding to Chinese Article on the-Six Wars China is Sure to Fight in the next 50 Years”. センター・フォー・ランド・ワーフェア・スタディーズ英語版. オリジナルの2014年11月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141101055339/http://www.claws.in/1108/responding-to-chinese-article-on-the-six-wars-china-is-sure-to-fight-in-the-next-50-years-p-k-chakravorty.html 
  97. ^ a b “中国 対日・対ロ戦争開始の時期を明らかに”. ロシアの声. (2014年1月6日). オリジナルの2014年1月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140109033401/http://japanese.ruvr.ru/2014_01_06/126925942/ 

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集