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南海8000系電車 (2代) > 南海8300系電車

南海8300系電車(なんかい8300けいでんしゃ)は、南海電気鉄道の一般車両(通勤形電車)。4両編成9本、2両編成10本の計56両が在籍。2015年10月8日から南海線で営業運転を開始した[1]

南海8300系電車
南海本線の普通で運用する8300系2次車 (2017年7月26日 粉浜駅)
南海本線の普通で運用する8300系2次車
(2017年7月26日 粉浜駅
基本情報
製造所 近畿車輛
製造年 2015年 -
製造数 56両(2018年7月現在)
主要諸元
編成 2・4両編成
軌間 1,067(狭軌) mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h
編成定員 588名
車両定員 先頭車141名
中間車153名
全長 先頭車20,765mm
中間車20,665 mm
全幅 2,830 mm
全高 先頭車4,140mm
中間車4,050 mm
車体 ステンレス
(前頭部のみ普通鋼
主電動機 全閉内扇式かご型誘導電動機
東洋電機製造製TDK6315-A
主電動機出力 190kW
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
歯車比 85:14 (6.07)
制御装置 IGBT素子VVVFインバータ制御
VFI-HR1421D
保安装置 南海型ATS
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目次

概要編集

本系列は、老朽化が進んでいる南海線用の7000系7100系を置き換える目的で導入された。主電動機は国内で初めて狭軌用の全閉内扇式かご型誘導電動機[2]を本格採用し、車内外への騒音低減を図っている。

これまで南海の車両は長らく東急車輛製造[3](2012年4月より総合車両製作所[4])でのみ製造されていたが、本系列は1973年製の7100系以来となる近畿車輛で製造されている。

車体編集

車体はステンレス製であるが近畿車輛製の為、従来の南海のステンレス車系列とは若干異なる箇所がある。基本的な意匠は8000系に準じているが、車体側面の雨どいを屋根に内蔵させてすっきりとした外観にしている。先頭部分はFRP製であったものを鋼製に改めたほか、正面の貫通扉と、乗降ドア部分にあった青とオレンジの帯が本形式では省略されている。

車体側面には本車両の中央の戸袋部分に接合線があり、それを隠すために灰色の大型フィルムが戸袋部分に貼り付けされている[5]。なお、2次車ではフィルムが省略された。

塗装編集

 
側面比較
(左:2次車 右:1次車)

帯は南海の普通電車用車両と同じ色合いとなっているが、帯の部分は塗装ではなくカラーフィルムであり、青色の部分を濃くして紺色に近い色となっている。これは以前1000系に貼り付けたカラーフィルム帯の退色が激しかったことから、その対策として色合いが濃いものに変更された。

内装編集

車内の座席は質感の異なる2種類のクッション材を組み合わせた、従来より大きなドット柄で明るく暖かみのあるデザインとしている。また、袖仕切りの内側もシートに合わせた色調としている。

客用ドアは8000系のステンレス無塗装タイプから化粧板付のものに再び戻され、黄色の警戒色が印刷されている。窓ガラスは南海で初めて複層ガラスが採用された。

ドアチャイムは従来からの物を踏襲している。また、ドア開閉に連動して赤色に点滅する開閉予告灯とドアチャイムも引き続き採用された。ラインデリアは再び連続調となっている。

車内照明は、LECIP製のLED照明(直管型タイプ)を採用。照明器具の数を8000系電車より増加させて(1両あたり16本⇒24本)照度アップを図っている。また照明器具は各ソケットを連続調としてデザイン性を高めている。

旅客案内装置編集

 
車内LCD

当形式では近年増加する、空港線の需要に対応するため従来の旅客案内設備の見直しが実施された。客用ドア上部には、南海の通勤型電車としては初となるLCD車内案内表示装置が千鳥配置され、日本語英語中国語韓国語の4ヶ国語による情報案内が行われる[6]。 ソフトは三菱電機が開発したIPコア、セサミクロを使用しており、多彩なアニメーション表示が可能となっている。尚、広告ディスプレイについては2015年11月現在未設置となっている(取り付けられるスペースは確保されている)。

運用編集

2015年6月下旬から7月下旬にかけて8301F〜8305F(4両)は近畿車輛から出場し、単独での試運転や1000系の2両編成と連結した試運転も実施された。様々な試運転を終えて、2015年10月8日から第1編成と第2編成が[7]、同年11月からは第3編成と第5編成が、12月1日には第4編成がそれぞれ南海線での営業運転を開始した。これと入れ替わる形で7000系は2015年10月3日に実施された引退記念イベントをもって営業運転を終了している。

8000系と同様に、特急「サザン」でも自由席車両として12000系と併結して使用されることも前提としている[8]が、2018年2月までの時点では実績がない。2017年10月現在は2両と4両を併結した6両編成を中心に運行されている。

今後も7100系を置き換えるための導入が予定されており、2016年度は2両編成(編成番号は8701~)が登場し[9][10]、9月12日から営業運転を開始している[11]

千代田工場への定期検査入出場時に高野線を走行することがある。

編成編集

4両編成9本・2両編成10本の計56両が在籍する(2018年7月時点)[12]

なお、6200系50番台以降の新形式車については、系列のなかでの電動車・制御車・付随車等の付番を以前の「xxx1形」標準(例外あり)から「xxx0形」標準へ変更している[13][14]

編成表編集

4両編成

 
← 難波
関西空港・和歌山市 →
 
形式 モハ8300
(Mc1)
サハ8600
(T1)
サハ8650
(T2)
モハ8400
(Mc2)
製造年
車両番号
8301 8601 8651 8401 2015年
8302 8602 8652 8402
8303 8603 8653 8403
8304 8604 8654 8404
8305 8605 8655 8405
8306 8606 8656 8406 2017年
8307 8607 8657 8407
8308 8608 8658 8408 2018年
8309 8609 8659 8409
備考     弱冷車 8両編成
4号車の場合
女性専用車

2両編成

 
← 難波/
関西空港・和歌山市 →
 
形式 クハ8700
(Tc1)
モハ8350
(Mc3)
製造年
車両番号
8701 8351 2016年
8702 8352
8703 8353
8704 8354
8705 8355
8706 8356
8707 8357 2017年
8708 8358
8709 8359 2018年
8710 8360

「クハ870X」を名乗る形式は2代目。6200系50番台は8200系時代、両側の先頭車が「クハ8701形」を名乗っていた。

脚注編集

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  1. ^ 南海電鉄、新型車両8300系公開! 近畿車輛が製作、今秋デビュー - 写真83枚 - マイナビニュース、2015年9月2日、2015年11月1日閲覧
  2. ^ 東洋電機製のTDK6315-A型。定格出力190kW、定格回転数1,900rpm、端子電圧1,100V、定格周波数96Hz
  3. ^ 2014年より社名は横浜金沢プロパティーズで、2016年10月1日に東京急行電鉄に合併され解散。
  4. ^ 旧社名は新東急車輛
  5. ^ このステッカーは他の近畿車輛製ステンレス通勤形車両(JR西日本323系電車阪神1000系電車等)にも採用されている。
  6. ^ 通勤形以外では鋼索線コ11・21形客車および50000系のリニューアル車にLCDが設置されている。
  7. ^ 2015年10月8日 南海電鉄8300系が営業運転を開始 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 鉄道ニュース 2015年10月14日
  8. ^ 電気車研究会鉄道ピクトリアル」2015年12月号(No.911)、「南海電気鉄道8300系」87ページ
  9. ^ 南海電鉄8300系2連4本が甲種輸送される - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 鉄道ニュース 2016年7月21日
  10. ^ 南海本線で8300系2次車が試運転 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 鉄道ニュース 2016年9月3日
  11. ^ 南海電鉄8300系2次車が営業運転を開始 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 鉄道ニュース 2016年9月13日
  12. ^ 南海8300系8306編成+8707編成が千代田工場へ - 交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース 2017年6月9日
  13. ^ 「大手私鉄車両ファイル 車両配置表」、『鉄道ファン』2016年8月号特別付録、交友社、2016年。
  14. ^ 『鉄道ダイヤ情報』第366号、p44、交通新聞社、2014年10月号。

参考文献編集

外部リンク編集