大張 正己(おおばり まさみ、1966年1月24日 - )は広島県出身のアニメーターメカニックデザイナー監督スタジオG-1NEO代表。新日本プロレスリング代表取締役社長の大張髙己は実弟[1]

経歴編集

学生時代からアニメを自主制作し、広島県立宮島工業高等学校を卒業後、葦プロダクションに入社。『特装機兵ドルバック』の動画や『星銃士ビスマルク』の原画を経て、18歳で作画スタイルを完成。『超獣機神ダンクーガ』のメカニックデザイン(当時19歳)で頭角を現す。

葦プロダクションを退社後は南町奉行所の立ち上げに参加し、所属。その当時、『機甲戦記ドラグナー』の前期オープニングアニメーションにおいて、主役メカのドラグナーたち3機や敵メカたちを「オーバリズム」と称される[2]独特のデフォルメを加えて描いたが、スポンサーバンダイには受け容れられず、特にデフォルメの度合が著しかったドラグナー1の頭部が「製品とあまりに違う」という理由から第14話以降は設定画にほぼ忠実な作画に変更された[注 1]。しかし、大張は以後も数々の作品のオープニングアニメーションに起用され、同様のデフォルメを加える手腕を発揮している。

ロボットのデザインにおいては顔を重視するほか、目や鼻の形にもこだわっており、「ロボットは顔」とも語っている[3]。人間の顔に酷似して表情も変わることのある頭部、ふくらはぎや二の腕部分が筋肉のように見えるボディデザイン、人間のようなポーズを決めるなどの独特な絵柄を持つロボットは俗に「バリメカ」と称され、ドラグナーたちはやがてファンの一部から「バリグナー」と称されるようになる[4]

田村英樹の影響を受けた「中無し」(中割り動画をほとんど使わずにタイミングの良い原画だけで動かす作法)を多用する作画スタイルは、「勇者シリーズ」の合体バンクや、後に自身のフォロワーが参加した『機動戦士ガンダムSEED』などにも影響を見せた。自身が「勇者パース」と呼ぶこの技法は、周囲の優秀な先輩アニメーター[注 2]のいる中で自分なりの「技」として編み出したものと語っている一方、この技法から20年間変化がない部分については、描き手として長年問題視しているとも述べている[5]

活躍は作画業だけに留まらず、『バブルガムクライシス』PART5の監督(クレジット表記上は「演出」。制作当時の1987年時点ではまだ、21歳であった)を務めて以降は演出業にも進出。なお、それに先んじて1986年に原画やメカ作監として参加した『忍者戦士飛影』が、演出業への進出のきっかけとなっている[6]

自身の監督作品の大半に、池澤春菜桑島法子を主要キャラクター役で起用する傾向にある。

スーパーロボット大戦シリーズ」に協力的なクリエイターの1人でもある。自身が関わった作品のロボットのカットイン原画をゲーム用に描き下ろしたり、ゲームオリジナルロボットのデザインを担当しているほか、2010年にはテレビアニメ『スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター-』の監督を務めるまでになっている[注 3]。また、「スパロボ公式ブログ」における寺田貴信の記事内では、自身が関わった作品の1つ『超重神グラヴィオン』にちなんで「超重神」と呼ばれている[7]

自身が最も愛するロボットアニメ作品は『無敵鋼人ダイターン3』で、所持しているDVD-BOXの上下巻には、同作で主役を演じた鈴置洋孝サインがそれぞれ金と銀のペンで書かれている。大張がアニメ業界に入って、唯一サインを求めたのはこの一例のみという想い入れの強さを持つ[8]

石田敦子は元妻。中村謙一郎は直弟子。

2016年11月14日、自身のTwitterにて27歳年下のモデラー戸ヶ崎葎と沖縄で結婚(再婚)したことを報告[9][10]

主な作品編集

TVシリーズ編集

OVA編集

18禁OVA編集

  • ガイ -妖魔覚醒- (1988年)モンスターデザイン協力、原画
    • ガイ SECOND TARGET 黄金の女神編(1992年)ストーリーボード、モンスターデザイン、原画
  • それゆけまりんちゃん(2001-2003年)監督
  • エンジェルブレイド (2001-2003年)原作、原案、監督、キャラクターデザイン、アニメプロデューサー[注 7]、第1話:原画
    • エンジェルブレイド パニッシュ!(2004-2005年)総監督、キャラクターデザイン、アニメーションプロデューサー[注 7]、画コンテ、原画
  • VIPER -GTS-(2002-2003年)監督[注 8]

映画編集

Web配信編集

ゲーム編集

その他編集

声優編集

関係者編集

  • 江端里沙(愛姫みかん) - 元スタジオG-1NEO所属。所属当時の大張アニメには欠かせない存在で、大張の「若手からカリスマアニメーターを輩出したい」という近年のコメントの際にも、度々江端の名前が挙げられている[5][8]
  • うるし原智志 - 高校、および同じ学科の同期[27]

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ このデフォルメ版ドラグナー1は、バンダイが刊行していた模型情報誌「B-CLUB」よりガレージキットとして改造キットが発売され、2007年にはバンダイの超合金「魂SPEC」で玩具化された。
  2. ^ 大張が挙げた名前は金田伊功庵野秀明山下将仁板野一郎
  3. ^ 一部のメカニックデザインや、メカニック作画監督も担当している。
  4. ^ 第38話のみ「藤三桂」名義。
  5. ^ 「おーばりまさみ」「藤三桂」名義。
  6. ^ 「大張ちゃい丸」名義
  7. ^ a b 「愚麗闘破裏」名義。
  8. ^ 「おーばりまさみ」名義。

出典編集

  1. ^ "【新日本】大張新社長が表明 1.4&5東京ドームにリミット2万人入れる!!". 東スポweb. 東京スポーツ新聞社. 27 October 2020. 2021年3月9日閲覧
  2. ^ INTERNATIONAL SHIPPING AVAILABLE|こどもから大人まで楽しめるバンダイ公式ショッピングサイト”. p-bandai.jp. 2021年3月21日閲覧。
  3. ^ 『スーパーロボット大戦Z パーフェクトガイド』ソフトバンク クリエイティブ、2008年12月1日、574-575頁。ISBN 9784797351361
  4. ^ 「魂SPEC ドラグナー」製品説明書
  5. ^ a b 『超重神グラヴィオン グラヴィトンアートワークス』(発行:新紀元社)p145
  6. ^ 魂ウェブ | 魂の骨格 > 第12回 アニメーター 大張正己より。
  7. ^ 武道館で「スーパーロボ!」 そして「NEO」!|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2009年6月13日。2011年8月10日閲覧。
  8. ^ a b ゲーマガ 2008年11月号[要ページ番号]
  9. ^ G1_BARIのツイート(798112749611925504)
  10. ^ 黒木貴啓 (2016年11月14日). “アニメーター大張正己さん、27歳下のモデラーとの入籍&挙式を報告 「僕にとって最高&最強のパートナー」”. ねとらぼ. http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1611/14/news135.html 2016年11月15日閲覧。 
  11. ^ 超獣機神ダンクーガ|作品紹介 : 株式会社 葦プロダクション”. ashipro.jp. 2021年4月17日閲覧。
  12. ^ a b c d e f スタッフ・キャスト|獣装機攻 ダンクーガ ノヴァ”. www.ashipro.jp. 2021年4月17日閲覧。
  13. ^ スタッフ・キャスト|DreamHunter麗夢 Official Website”. www.dreamhunter.jp. 2021年3月27日閲覧。
  14. ^ a b c d J.C.STAFF オフィシャルホームページ”. jcstaff.co.jp. 2021年4月17日閲覧。
  15. ^ スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ” (日本語). srwog-md.suparobo.jp. 2021年4月17日閲覧。
  16. ^ G1_BARIのツイート(834389688446132224)
  17. ^ 機動戦隊アイアンサーガ公式 [@ironsaga_staff] (28 July 2020). "機動戦隊アイアンサーガ夏日CM公開!夏イベント「夏日ライン」間もなく開催!お楽しみに!" (ツイート). Twitterより2020年7月29日閲覧
  18. ^ a b 機甲戦記ドラグナーWeb”. www.dragonar.net. 2021年4月17日閲覧。
  19. ^ 太陽の勇者ファイバード メモリアルボックス 2009.8.25 ON SALE!!”. www.yusha.net. 2021年4月17日閲覧。
  20. ^ 伝説の勇者 ダ・ガーン”. www.yusha.net. 2021年4月17日閲覧。
  21. ^ 黄金勇者ゴルドラン”. www.yusha.net. 2021年4月17日閲覧。
  22. ^ G1_BARIのツイート(492297394428452864)
  23. ^ 新TVCM(グレート・リュウギーン登場篇)の制作について琉球銀行ニュース&トピックス(2014年12月5日)
  24. ^ パシフィック・リム:大張正己が続編「アップライジング」のコラボアートを描き下ろしまんたんウェブ(2018年4月13日)
  25. ^ 『ゾンビランドサガ』大張正己さんから応援イラスト&コメントが到着 | アニメイトタイムズ” (日本語). 『ゾンビランドサガ』大張正己さんから応援イラスト&コメントが到着 | アニメイトタイムズ. 2021年4月16日閲覧。
  26. ^ フレーム アクション マイスター サイコアーマー ゴーバリアン ゴーバリアン” (日本語). 株式会社千値練 ー Sentinel co.,ltd. 2021年4月16日閲覧。
  27. ^ G1_BARIのツイート(559766458125651968)

外部リンク編集