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宇宙開発戦略本部(うちゅうかいはつせんりゃくほんぶ、英語:The Space Development Strategy Headquarters)は、宇宙基本法に基づき2008年8月27日に内閣に設置された、日本の総合的な宇宙開発戦略を行う政府の戦略本部である。

日本の旗 日本の行政官庁
宇宙開発戦略本部
うちゅうかいはつせんりゃくほんぶ
The Space Development Strategy Headquarters
Go-shichi no kiri crest.svg
概要
法人番号 6000012010015
所在地 100-0013
東京都千代田区霞が関3-7-1霞が関東急ビル16階
設置 2008年平成20年)8月27日
ウェブサイト
宇宙開発戦略本部
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宇宙開発戦略本部の会合(2008年12月2日国会議事堂の閣僚応接室にて)

目次

設立の背景編集

従来の日本の宇宙開発体制は、宇宙開発の実施主体であった宇宙開発事業団(NASDA)が科学技術庁宇宙科学研究所(ISAS)が文部省、旧NASDA、旧ISASと旧航空宇宙技術研究所(NAL)の三機関を統合して設置された宇宙航空研究開発機構(JAXA)が文部科学省の所管で、これらの実施主体からの報告を受けて宇宙開発計画に対する審議を行う宇宙開発委員会も文部科学省の審議会(最初は1968年総理府に設置、2001年の省庁再編に伴って文部科学省に移管[1])であったように、文部科学系の省庁が宇宙開発の中心となっており、宇宙開発の内容も研究開発に重点が置かれていた。また経済産業省等の各省庁が別々に宇宙開発計画をもっており、宇宙開発委員会が総理府から文部科学省に移管されてから[2]は、国家として宇宙開発計画を一元的に策定・管理する体制にもなっておらず、国家として長期的な宇宙開発計画もなかった。さらに、日本のロケット人工衛星は商業受注の獲得も少なく[3][4]欧州ロシアが宇宙ビジネスの主導権を握り中国インド等の宇宙開発能力が伸張する状況の中で、日本の宇宙開発は日本の経済の発展、産業振興、安全保障国民生活の向上に必ずしも十分に貢献できていないのではないかという意見が持ち上がってきた。

こうした反省を基にして、内閣総理大臣の指揮の下に国が一元的に宇宙開発に取り組む必要性が提起され、これを受けて2008年(平成20年)に宇宙基本法が成立し、同年に内閣総理大臣を本部長とする宇宙開発戦略本部内閣に設置された。

任務編集

  • 宇宙基本計画を作成し、それを実施し推進すること。
  • 基本計画に挙げられる以外の施策で重要なものの企画と調査を実施すること。その施策を審議し実現に向け推進及び総合調整すること。

宇宙基本計画編集

宇宙基本計画に定められる事項
  • 宇宙開発利用の推進に関する基本的な方針
  • 宇宙開発利用に関し政府が総合的かつ計画的に実施すべき施策
  • 宇宙基本計画に基づく施策の推進

基本計画で定めた施策は、原則として具体的な目標と達成期間を定め、国民に公表しなければならない。また適時その達成状況を公表しなければならない。

最初の宇宙基本計画は2009年6月に決定し、今後10年間を見通し2009年度から2013年度までの5年間の基本方針と実施すべき施策を取りまとめている。 策定の計画は5年後を目処に全体の見直しを行うとするが、フォローアップの結果を踏まえ必要に応じ随時見直しを行う。

2013年1月25日に新たな宇宙基本計画が宇宙開発戦略本部において決定された。この決定を実行するために宇宙政策委員会の下に4つの部会を設置することになった。

2015年1月、軍事力を高める中国を念頭に、前回の計画からわずか2年で宇宙基本計画が改定された。この改定は安全保障に関わる宇宙政策の具体化に重点が置かれ、準天頂衛星システムを7基に増やすこと、情報収集衛星の高性能化を進め配備数を増やすこと等が明記された[5]

構成編集

宇宙開発戦略本部長には内閣総理大臣が充てられ、本部の事務を総括し所部の職員を指揮監督する。副本部長には内閣官房長官および内閣府特命担当大臣(宇宙政策)が充てられ、本部長の職務を助ける。また本部員には本部長・副本部長以外のすべての国務大臣が充てられる。このように内閣総理大臣に権限を集中させることにより、総務省文部科学省経済産業省国土交通省といった各省庁バラバラの宇宙施策が総理大臣の強力なリーダーシップの下に統一され、終始一貫した施策を執ることが期待される。また研究開発等で各省庁間で重複し無駄が指摘される予算の執行に関しても改善が期待されている。

本部長・副本部長・本部員(2019年1月現在)編集

  • 本部長 安倍晋三 - 内閣総理大臣
  • 副本部長 菅義偉 - 内閣官房長官
  • 副本部長 平井卓也 - 内閣府特命担当大臣(宇宙政策)
  • 本部員 本部長・副本部長以外のすべての国務大臣

宇宙開発戦略本部と密接な関係にある組織編集

宇宙開発戦略推進事務局編集

かつては、内閣官房に設置された宇宙開発戦略本部事務局が内閣総理大臣決定の規則に基づき、宇宙開発戦略本部に係る事務処理を行っていたが、肥大化した内閣官房のスリム化の一環として、2016年4月1日に事務機能が内閣府に一元化され、以前から内閣府に設置されていた宇宙戦略室が改組されて宇宙開発戦略推進事務局が発足して事務機能を担うことになった[7][8]

官側(各省やJAXA等)の司令塔的存在となる内閣府の宇宙開発戦略推進事務局は、宇宙開発に関する企画立案と各省の調整を行い、宇宙政策委員会に策定した宇宙開発計画を報告し、調査と審議を受ける。また準天頂衛星システムは内閣府が所管しており、宇宙開発戦略推進事務局内には準天頂衛星システム戦略室が設置されている[9]

宇宙政策委員会編集

内閣府に設置された、有識者からなる宇宙政策委員会は、宇宙開発戦略本部長の内閣総理大臣や本部員の各省大臣の諮問に応じて、宇宙開発計画、宇宙利用、宇宙関係予算、人工衛星と打上げ用ロケットの打上げの安全の確保、宇宙の環境の保全に関する重要事項を調査・審議し、意見・勧告することが出来る。

宇宙政策委員会の下には、宇宙安全保障部会、宇宙民生利用部会、宇宙産業・科学技術基盤部会が設置される。

廃止された組織編集

宇宙開発戦略本部幹事会編集

宇宙開発利用に係る重要政策の決定に政治主導で取り組むために宇宙開発戦略本部は内閣のすべての国務大臣等で構成されているが、各府省庁間の連絡調整に支障をきたす恐れもあるため、当初は、実際の運用は各省庁の官僚らで構成される宇宙開発戦略本部幹事会で行われた。2013年1月25日に開催された第7回宇宙開発戦略本部会合で廃止が決定された[10]

構成員(2012年9月11日時点)

宇宙開発戦略専門調査会編集

施策策定に必要な宇宙開発利用に係る専門の事項を調査させるために、宇宙開発戦略本部の設置にともない、宇宙開発戦略本部令に基づき、同本部の下に設置された。調査会の委員は、当該専門事項に関し学識経験の有る者のうちから、内閣総理大臣が任命する。2012年1月13日に開催された第21回宇宙開発戦略専門調査会において、文部科学省に設置された宇宙開発委員会を廃止した後の代替組織となる宇宙政策委員会を内閣府の下に設置をすることを持って本専門調査会を廃止すべきと結論付けた[11]

構成員(任期2010年12月10日~2012年12月9日)

ワーキンググループ編集

専門調査会の下に、「宇宙開発利用体制検討ワーキンググループ」「宇宙活動に関する法制検討ワーキンググループ」の2つのワーキンググループを設置している。その構成員は専門調査会の座長が委嘱する。

「宇宙開発利用体制検討ワーキンググループ」では、独立行政法人宇宙航空研究開発機構の及びその所管行政機関である総務省及び文部科学省の在り方等に係る検討を行う。

「宇宙活動に関する法制検討ワーキンググループ」では、宇宙活動に関する法制の整備に係る検討を行う。

宇宙開発戦略本部事務局編集

内閣官房に設置されていた。歴代事務局長を記す。

氏名 就任期間 就任時の役職 特記事項
1 豊田正和 2008年8月 - 2010年7月 経済産業省審議官 2010年より日本エネルギー経済研究所理事長
2 山川宏 2010年7月20日 - 2012年7月 京都大学教授 ベピ・コロンボプロジェクトマネージャー
2012年7月より内閣府宇宙政策委員会委員
3 川口淳一郎 2012年7月 - 2014年3月 JAXAシニアフェロー はやぶさ元プロジェクトマネージャー
4 古谷一之 2014年4月 - 2016年3月 内閣官房副長官補(兼任) 廃止
事務機能は内閣府の宇宙開発戦略推進事務局に移管

脚注編集

関連項目編集

関連法令編集

行政編集


外部リンク編集