1996年の台風

1996年に発生した台風のデータ
平成8年台風第4号から転送)

1996年台風(1996ねんのたいふう、太平洋北西部で発生した熱帯低気圧)のデータ。台風の発生数は26個と平年並みであった[1]

1996年の台風
軌跡の地図
最初の台風発生 2月29日
最後の台風消滅 12月30日
最も強かった
台風
台風9号 – 925 hPa,
95 kt (10分間平均)
熱帯低気圧の総数 52
台風の総数 26
総死亡者数 935
総被害額 6.88 億ドル (1996 USD)
年別台風
1994, 1995, 1996, 1997, 1998

月別の台風発生数 編集

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間
1 1 2 5 6 6 2 2 1 26

各熱帯低気圧の活動時期 編集

Tropical Storm Fern (1996)Typhoon Sally (1996)Typhoon Herb

「台風」に分類されている熱帯低気圧 編集

台風1号(01W) 編集

199601・アシアン

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
   
発生期間 2月29日 – 3月1日
ピーク時の強さ 35 kt (10分間平均) 
998 hPa

2月23日に発生した低圧部が27日にパラオ近海で熱帯低気圧に発達。

気象庁は、2月29日9時にフィリピン近海(北緯9.1度、東経127.5度)に位置していた熱帯低気圧が台風1号になったとしたが、3月1日9時にフィリピン上空(北緯11.1度、東経123.4度)で熱帯低気圧に降格した[2]

台風2号(アン) 編集

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
   
発生期間 4月5日 – 4月8日
ピーク時の強さ 35 kt (10分間平均) 
1000 hPa

199602・02W・ビリン

3月30日に発生した低圧部が4月5日にグアムの南で熱帯低気圧に発達。

気象庁は6日3時にフィリピンの東(北緯10.2度、東経130.5度)で台風2号になったが、ほぼ発達することなく8日9時にフィリピン上空(北緯12.2度、東経123.2度)で熱帯低気圧に降格した[3]

台風3号(バート) 編集

199603・04W・コンシン

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 5月10日 – 5月19日
ピーク時の強さ 95 kt (10分間平均) 
930 hPa

5月9日にフィリピンの東で発生した熱帯低気圧は、発達して10日15時にパラオ近海(北緯9.5度、東経137.6度)で中心気圧1002hPaの台風3号となった。

台風は徐々に発達していき、一時は中心気圧930hPa、最大風速50m/sの非常に強い勢力にまで発達したが、北緯18度を超えると徐々に衰弱していった。

台風はその後も衰弱し、19日9時に日本の南東(北緯28.8度、東経144.6度)で温帯低気圧になった[4]

台風4号(キャム) 編集

199604・05W・ディタン

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
   
発生期間 5月20日 – 5月23日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
994 hPa

5月18日に南シナ海で発生した熱帯低気圧は、20日21時に同海域(北緯17.8度、東経115.9度)で台風4号になった。

台風は東進し、24日3時に沖縄の南(北緯23.0度、東経126.9度)で熱帯低気圧に降格した[5]

台風5号(ダン) 編集

199605・06W

タイフーン (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 7月6日 – 7月12日
ピーク時の強さ 65 kt (10分間平均) 
970 hPa

7月5日にマリアナ諸島付近で発生した熱帯低気圧は、発達して6日21時に同海域(北緯21.0度、東経145.7度)で台風5号になった。

台風は一時強い勢力にまで発達したものの、関東最接近時には中心気圧985hPa、最大風速25m/sの勢力にまで弱まっていた。

その後台風は12日15時に得撫島の東(北緯46.0度、東経151.5度)で温帯低気圧になった[6]

台風6号(イブ) 編集

199606・07W

タイフーン (JMA)
カテゴリー5 スーパー タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 7月14日 – 7月19日
ピーク時の強さ 85 kt (10分間平均) 
940 hPa

7月13日にマリアナ諸島で発生した熱帯低気圧は、発達して14日15時に同海域(北緯20.5度、東経141.5度)で台風6号になった。

18日には強い勢力で屋久島近海を通過。勢力を保ったまま薩摩半島に上陸した。

その後は瀬戸内海に進み、同海域(北緯34.2度、東経133.4度)で熱帯低気圧に変わった[7]

台風7号(フランキー) 編集

199607・08W・イデン

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 7月22日 – 7月24日
ピーク時の強さ 50 kt (10分間平均) 
975 hPa

7月20日に南シナ海で発生した熱帯低気圧は、発達して22日9時に海南島近海(北緯18.0度、東経111.3度)で台風7号になった。

台風は同日中に海南島を通過。23日にトンキン湾に抜け、勢力のピークを迎えた。

その後はベトナムに進み、ベトナム上空(北緯19.6度、東経108.0度)で熱帯低気圧に変わった[8]

台風8号(グロリア) 編集

199608・09W・グロリン

タイフーン (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 7月22日 – 7月27日
ピーク時の強さ 65 kt (10分間平均) 
965 hPa

7月21日にフィリピンの東で発生した熱帯低気圧は、発達しながら北上し、22日21時に同海域(北緯13.9度、東経128.2度)で台風8号になった。

台風は台湾をかすめ、福建省廈門市付近に上陸した。

その後、竜岩市付近(北緯25.5度、東経115.5度)で熱帯低気圧に変わった[9]

台風9号(ハーブ) 編集

199609・10W・フアニン

タイフーン (JMA)
カテゴリー5 スーパー タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 7月24日 – 8月2日
ピーク時の強さ 95 kt (10分間平均) 
925 hPa

1996年7月24日午前9時頃、サイパン島の北東海上で発生。発生地点の緯度は19.0°で、比較的高緯度だった。台風は29日、フィリピンの東海上で超大型で非常に強い勢力に発達。なお、27日午後3時頃からの72時間、勢力は依然、中心気圧940hPa・最大風速45m/sのままであった(この間、強風域は拡大し続けていた)。しかしその後、先島諸島に近い海域でさらに発達し、31日午前3時頃、合同台風警報センター(JTWC)による解析で、カテゴリー5に達した。台風は31日午後5時頃に、最盛期勢力で沖縄県西表島付近を通過し、8月1日台湾に上陸後、中国大陸に上陸。台湾上陸時は、JTWCによる解析でカテゴリー4のスーパータイフーンであった。そして2日揚子江下流域にて熱帯低気圧に変わった。

台風10号(ジョイ) 編集

199610・12W

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 7月31日 – 8月4日
ピーク時の強さ 55 kt (10分間平均) 
980 hPa

7月30日に日本のはるか南東で発生した熱帯低気圧は、発達し、8月1日3時に同海域(北緯28.4度、東経153.1度)で台風10号になった。

台風はその後北上したが、日本のはるか東(北緯33.6度、東経154.8度)で熱帯低気圧に変わった[10]

台風11号(リサ) 編集

199611・14W

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
   
発生期間 8月5日 – 8月6日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
996 hPa

8月5日に南シナ海で発生した熱帯低気圧は、6日3時に同海域(北緯18.3度、東経113.9度)で台風11号になった。

台風はその後、広東省掲陽市付近(北緯24.2度、東経117.4度)で熱帯低気圧に変わった[11]

台風12号(カーク) 編集

199612・13W

タイフーン (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 8月5日 – 8月16日
ピーク時の強さ 75 kt (10分間平均) 
955 hPa

8月6日沖縄近海で発生後、しばらくは沖縄付近を南下するなど複雑な動きをしていたが、11日頃からは進路を北寄りに変え、12日から13日にかけて沖縄本島に再接近。その後は発達しながら東シナ海を北上し、14日10時ごろに中心気圧960 hPa、最大風速40m/sという強い勢力で、熊本県熊本市付近に上陸した。台風は大分県国東市を経て周防灘へ抜け、同日15時には山口県徳山市(現在の周南市)に再上陸し、中国地方を通過して日本海に抜け、翌日6時半頃新潟県佐渡島を通過。9時には新潟県村上市付近に再々上陸した後、三陸沖へ抜けて16日温帯低気圧に変わった。

台風13号(ニキ) 編集

199613・18W・ルシン

タイフーン (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 8月18日 – 8月23日
ピーク時の強さ 65 kt (10分間平均) 
970 hPa

8月17日にフィリピンの東で発生した熱帯低気圧は、18日15時に同海域(北緯17.9度、東経129.3度)で台風13号になった。

台風は19日から20日にかけてルソン島を通過。その後はベトナムに進み、ベトナム上空(北緯20.3度、東経102.4度)で熱帯低気圧に変わった[12]

台風14号(オルソン) 編集

199614・19W

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 8月23日 – 9月3日
ピーク時の強さ 75 kt (10分間平均) 
955 hPa

8月21日に日本の南で発生した熱帯低気圧は、23日9時に同海域(北緯23.3度、東経142.3度)で台風14号になった。

台風は一度東進したが、その場で停滞。28日から西進を始め、日本に接近。

9月3日21時、日本のはるか東(北緯43.1度、東経160.6度)で熱帯低気圧に変わった[13]

台風15号(パイパー) 編集

199615・20W

トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 8月23日 – 8月26日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
996 hPa

台風16号(サリー) 編集

199616・23W・マリン

タイフーン (JMA)
カテゴリー5 スーパー タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 9月6日 – 9月10日
ピーク時の強さ 85 kt (10分間平均) 
940 hPa

台風17号(ヴァイオレット) 編集

199617・26W・オサン

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 スーパー タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 9月13日 – 9月23日
ピーク時の強さ 90 kt (10分間平均) 
935 hPa

9月13日にフィリピンの東海上で発生後、勢力を強めながら北西のち北東へ進み、22日午前には強い勢力で八丈島の西海上を通過して、昼に関東地方を暴風域に巻き込み、午後には房総半島の東海上を北北東に進んだ。その後は三陸沖、北海道の東海上を進んでいき、23日に千島列島付近で温帯低気圧に変わった。

台風18号(トム) 編集

199618・25W

タイフーン (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 9月13日 – 9月20日
ピーク時の強さ 70 kt (10分間平均) 
965 hPa

台風19号(ウィリー) 編集

199619・27W

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 9月18日 – 9月22日
ピーク時の強さ 55 kt (10分間平均) 
985 hPa

台風20号(イェイツ) 編集

199620・28W

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 スーパー タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 9月23日 – 10月1日
ピーク時の強さ 90 kt (10分間平均) 
935 hPa

台風21号(ゼイン) 編集

199621・29W

タイフーン (JMA)
カテゴリー3 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 9月25日 – 10月3日
ピーク時の強さ 80 kt (10分間平均) 
950 hPa

台風22号(ベス) 編集

199622・32W

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 10月16日 – 10月21日
ピーク時の強さ 60 kt (10分間平均) 
975 hPa

台風23号(キャリオ) 編集

199623・33W

タイフーン (JMA)
カテゴリー3 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 10月21日 – 10月26日
ピーク時の強さ 70 kt (10分間平均) 
965 hPa

台風24号(デイル) 編集

199624・36W

タイフーン (JMA)
カテゴリー5 スーパー タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 11月5日 – 11月13日
ピーク時の強さ 90 kt (10分間平均) 
930 hPa

台風25号(アーニー) 編集

199625・37W・トヤン

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
   
発生期間 11月9日 – 11月14日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
992 hPa
南下した台風(南下幅順)
順位 名称 国際名 南下幅 (緯度)
1 平成15年台風第18号 Parma 2003年 8.9
2 平成29年台風第5号 Noru 2017年 8.2
3 平成5年台風第27号 Manny 1993年 7.5
平成16年台風第25号 Muifa 2004年
5 昭和61年台風第14号 Wayne 1986年 6.9
6 平成12年台風第15号 Bopha 2000年 6.7
7 平成3年台風第20号 Nat 1991年 6.6
8 平成8年台風第25号 Ernie 1996年 6.4
9 平成30年台風第12号 Jongdari 2018年 6.3
10 昭和39年台風第14号 Kathy 1964年 6.2
昭和52年台風第12号 Dinath 1977年
昭和59年台風第25号 Bill 1984年
令和4年台風第11号 Hinnamnor 2022年

台風26号(ファーン) 編集

199626・42W

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
   
発生期間 12月22日 – 12月30日
ピーク時の強さ 60 kt (10分間平均) 
975 hPa

外部リンク 編集

  •   ウィキメディア・コモンズには、1996年の台風に関するカテゴリがあります。

脚注 編集

  1. ^ デジタル台風:1996年シーズンの台風履歴”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年7月16日閲覧。
  2. ^ 1996年台風1号 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。
  3. ^ 1996年台風2号(ANN) 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。
  4. ^ 1996年台風3号(BART) 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。
  5. ^ 1996年台風4号(CAM) 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。
  6. ^ 1996年台風5号(DAN) 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。
  7. ^ 1996年台風6号(EVE) 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。
  8. ^ 1996年台風7号(FRANKIE) 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。
  9. ^ 1996年台風8号(GLORIA) 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。
  10. ^ 1996年台風10号(JOY) 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。
  11. ^ 1996年台風11号(LISA) 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。
  12. ^ 1996年台風13号(NIKI) 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。
  13. ^ 1996年台風14号(ORSON) 進路図”. ウェザーニュース. 2023年7月17日閲覧。