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得撫島(うるっぷとう)は、千島列島にある。ロシア名はウループ島 (Остров Уруп)、英語表記はUrup

得撫島
UrupISS002-E-8994.PNG
NASAによる写真、左下が北
所在地 帰属未定
実効支配:ロシア)
座標 北緯45度56分00秒
東経150度2分00秒
面積 1,450[1] km²
最高標高 1,426[2] m
千島列島における位置
Project.svgプロジェクト 地形
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得撫島北東部にある見嶋湾。遠景の岬の日本が建てた灯台の周りには、ウルップソウの大群落がある。

島の名前の由来は、アイヌ語で「紅鱒」を意味する「ウルㇷ゚」から。知里真志保の著書にもこのことが記してある。

地理編集

長さ約 115 キロメートル、幅は約 20 キロメートルで、択捉水道(ロシア名:フリーズ海峡 пр. Фриза)を隔て、およそ 40 キロメートルで択捉島と相対し、北東方向110 キロメートルには新知島がある。全体的に北東から南西に向けて細長いエンドウマメのような形を持つ。国後島より僅かに小さく、千島列島では4 番目に大きな面積を有する。

山岳地帯には活火山が含まれ、主な火山は以下の通り。

1780年の10年前後から、1973年までに度々噴火が確認されている。
  • 台場山(だいばざん、542 メートル[4]、Rudakov)
  • 硫黄山(いおうざん、998 メートル[5]、Tri Sestry)
  • 白妙山[6](しろたえさん、1,426 メートル[1][2][6]、Ivao、最高峰)

以上の火山の周辺にも複数の山がある。火山があるため、現在も噴煙や温泉が噴出しており、硫黄の臭いが漂う。オホーツク海側には、温泉が滝となって流れている箇所がある。

島は海獣保護区に指定されていることから「ラッコの島」とも呼ばれている。北端の烏ノ尾岬は最大のラッコの生息地であり、300~400頭が確認されている。

択捉島との間には、植物学で言う分布境界線(宮部線)がある。ここは(植物学上の)温帯亜寒帯との境であり、得撫島より北の島には広葉樹林が見られなくなる。

島には、戦時中に旧日本軍が作ったトーチカが残っている。また、旧ソ連の実効支配が始まってからは国境警備隊が駐留していた。北東部に防空レーダー基地、測候所、灯台などが集中し、150人程が居住していたが、現在は撤退により放置され、廃墟や残骸として残っている。

気候編集

得撫島の緯度はそれ程高くないにも関わらず、寒流の親潮と強力なアリューシャン低気圧の影響により亜寒帯気候ケッペンの気候区分Dfc)となっている。この気候は極地の気候(ケッペンの気候区分のET)に近く、穏やかで霧の多い夏と寒く雪が多い冬がある。 実際の気候は、シベリア本土や満州の強い大陸性気候よりもはるかにアリューシャン列島亜極海洋性気候と似ているが、2月の平均気温−5.8 °C (21.6 °F)は「海洋性」気候の下限をはるかに下回っている。 得撫島は他の千島列島の島々と同じく、季節遅延英語版は非常に大きく、最も気温が高いのは8月と9月、最も低いのは2月となっている。実際、夏至よりも秋分の方が温かい。

得撫島の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C (°F) 3.9
(39)
8.9
(48)
5.0
(41)
13.9
(57)
21.1
(70)
26.1
(79)
23.9
(75)
25.0
(77)
22.2
(72)
17.8
(64)
13.9
(57)
10.0
(50)
26.1
(79)
平均最高気温 °C (°F) −2.8
(27)
−3.9
(25)
−1.7
(28.9)
2.8
(37)
6.1
(43)
8.9
(48)
12.2
(54)
13.9
(57)
13.3
(55.9)
9.4
(48.9)
3.9
(39)
0.0
(32)
5.2
(41.4)
日平均気温 °C (°F) −4.7
(23.5)
−5.8
(21.6)
−3.6
(25.5)
0.3
(32.5)
3.3
(37.9)
5.8
(42.4)
8.9
(48)
10.8
(51.4)
10.3
(50.5)
6.9
(44.4)
2.0
(35.6)
−2
(28)
2.7
(36.9)
平均最低気温 °C (°F) −6.7
(19.9)
−7.8
(18)
−5.6
(21.9)
−2.2
(28)
0.6
(33.1)
2.8
(37)
5.6
(42.1)
7.8
(46)
7.2
(45)
4.4
(39.9)
0.0
(32)
−3.9
(25)
0.2
(32.4)
最低気温記録 °C (°F) −16.1
(3)
−16.1
(3)
−17.8
(0)
−8.9
(16)
−3.9
(25)
−2.8
(27)
0.0
(32)
2.8
(37)
0.0
(32)
−2.2
(28)
−7.2
(19)
−12.2
(10)
−17.8
(0)
降水量 mm (inch) 116.6
(4.591)
76.5
(3.012)
93.0
(3.661)
97.0
(3.819)
93.5
(3.681)
71.6
(2.819)
117.9
(4.642)
103.6
(4.079)
154.9
(6.098)
158.5
(6.24)
139.2
(5.48)
149.1
(5.87)
1,371.4
(53.992)
出典: Worldwide Bioclimatic Classification System[7]

歴史編集

続縄文時代オホーツク文化期に集落が発達した時期があるが、日本史における近世においては定住者がいなかった。択捉島など他島のアイヌ民族が漁猟のために一時的に居住していた。

現在はロシア連邦が実効支配しているものの、日本政府は国際法上、帰属未定地であるとしている。

気象通報の島編集

かつて得撫島は、NHKラジオ第2放送の「気象通報」で「ウルップ島」としておなじみの島だった。しかし1997年7月19日を最後に観測結果の入電が途絶え、2001年12月3日に正式に観測地点から除外される。その理由は公表されていないが、島の気象測候所が廃止されたという説が支配的である。

参考文献編集

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出典編集

  1. ^ a b International Kuril Island Project(IKIP、国際千島調査、英文)”. University of Washington Fish Collection or the respective authors. 2009年7月24日閲覧。
  2. ^ a b Global Volcanism Program”. 米国立自然史博物館(英文). 2009年7月16日閲覧。
  3. ^ Global Volcanism Program”. 米国立自然史博物館(英文). 2009年7月16日閲覧。
  4. ^ Global Volcanism Program”. 米国立自然史博物館(英文). 2009年7月16日閲覧。
  5. ^ Global Volcanism Program”. 米国立自然史博物館(英文). 2009年7月16日閲覧。
  6. ^ a b 帝国書院編集部編 『新詳高等地図 初訂版』 帝国書院、2009年 102 頁
  7. ^ RUSSIA - OSTROV YRUPP KUR, accessed 29 November 2011
  8. ^ 「最初の千島探検」根室市公式HP

注釈編集

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  1. ^ 帝国書院 (2009) 102 頁では 1,326 メートル

外部リンク編集