戸辺誠
日本の将棋棋士
戸辺 誠(とべ まこと、1986年8月5日 - )は、将棋棋士。加瀬純一門下。棋士番号は262。神奈川県横浜市生まれ、福島県喜多方市出身。
戸辺誠 七段 | |
---|---|
名前 | 戸辺誠 |
生年月日 | 1986年8月5日(38歳) |
プロ入り年月日 | 2006年10月1日(20歳) |
棋士番号 | 262 |
出身地 | 福島県喜多方市 |
所属 | 日本将棋連盟(関東) |
師匠 | 加瀬純一七段 |
弟子 | 小山直希、梅津美琴、宮澤紗希 |
段位 | 七段 |
棋士DB | 戸辺誠 |
2016年6月2日現在 |
戸辺誠 | |
---|---|
人物 | |
国籍 | 日本 |
YouTube | |
チャンネル | |
活動期間 | 2019年5月 - |
ジャンル | 将棋 |
登録者数 | 約3.6万人 |
総再生回数 | 約500万回 |
チャンネル登録者数・総再生回数は 2022年7月30日時点。 |
棋歴
編集1998年の第23回小学生将棋名人戦で3位になり、同年、12歳で奨励会に入会。2006年に20歳でプロデビューを果たす。小学生の頃、磯子将棋センターに通っていたが[注 1]、茨城県に引っ越した[1]。 そのため、奨励会には同県から通っていた[2]。2007年、第20期竜王ランキング戦6組で優勝。決勝トーナメントでは初戦で敗退。初参加から2期目となる第67期(2008年度)C級2組順位戦で、8勝2敗で昇級(五段昇段)。翌第68期(2009年度)C級1組順位戦では10戦全勝し、2期連続昇級(六段昇段 = 当時の最年少六段)。また、2009年度に戦った第51期王位戦予選で、森内俊之九段、久保利明棋王らを破り挑戦者決定リーグに進出。さらに、王位戦・白組リーグでは羽生善治名人らに勝ち4勝1敗とし、同じく4勝1敗の羽生とのプレーオフとなったが敗れ、挑戦者決定戦進出を逃す。なお、この間、2009年度を勝率0.7619(2位)・32勝10敗で終え、将棋大賞の新人賞を受賞している。2010年、第23期竜王ランキング戦5組で優勝。決勝トーナメントでは2勝を挙げる。
棋風
編集人物
編集- 弟が3人、妹が1人いる大家族の長男。実家は新潟県十日町市で米農家を営んでおり、「日本一高額の米を生産する農家」としてテレビなどの取材を受けている。テレビ番組「銭形金太郎」やETV特集で取り上げられたこともある。
- 2010年3月に結婚[9]。同年9月13日に長男[10]、2012年12月20日に長女、2016年3月1日に次男が誕生している[11]。
- 2007年8月22日の朝日杯将棋オープン戦一次予選で、加藤一二三九段に勝利。加藤にとっては、この敗戦が史上初の公式戦1000敗目となった。
- 鈴木大介は戸辺のことを、奨励会員のときから序盤研究仲間として頼りにしている(戸辺は相振り飛車戦法の最新序盤定跡に精通している)。左利き、振り飛車党という共通点もある。
- プロ入りから2年も経たない2008年に、早くも弟子を取った[注 2]。2023年には小山直希が自身の弟子から初のプロ棋士となったが、この時点でもまだ36歳、当時23歳の小山とは13歳差という若さであった。なお、戸辺一門には芸能人コース(非公式)が存在し、NHK「将棋フォーカス」MCを担当していたつるの剛士と伊藤かりんが入会している。ちなみに将棋フォーカスの放送でも話題に上がるように、弟子に対して丁寧に技術を指導することで知られている。
- 広瀬章人、高崎一生とは同い年で、上述の第23回(1998年)小学生将棋名人戦では、茨城県勝田市立(現ひたちなか市)勝倉小学校6年の戸辺は3位。優勝者は高崎。広瀬は東日本大会で戸辺に敗れている。また、第51期王位リーグで戸辺に唯一の黒星をつけたのは高崎で、このとき王位挑戦権を得たのは広瀬。また、2010年6月6日放送のNHK杯戦・対西川和宏戦では、対局者2名・読み上げ係・記録係の4名全てが同学年という、珍しい状況が生じた[注 3]。
- 佐藤天彦、糸谷哲郎、広瀬章人、高崎一生、戸辺らは奨励会時代に「平成のチャイルドブランド」としてとりあげられたこともある。
- 横浜DeNAベイスターズの大ファン。2019年9月に横浜スタジアムで始球式を務めた[12]。
- 2020年5月にYouTube『戸辺チャンネル』を開設したことをTwitterで発表[13]。
弟子
編集棋士となった弟子
編集名前 | 四段昇段日 | 段位、主な活躍 |
---|---|---|
小山直希 | 2023年4月1日 | 四段 |
(2023年4月1日現在)
女流棋士となった弟子
編集名前 | 女流プロ入り日 | 段位、主な活躍 |
---|---|---|
梅津美琴 | 2022年7月1日 | 女流1級 |
宮澤紗希 | 2023年7月1日 | 女流1級 |
(2024年4月1日現在)
昇段履歴
編集→昇段規定については「将棋の段級」を参照
主な成績
編集将棋大賞
編集- 第37回(2009年度) 新人賞
在籍クラス
編集→竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
開始 年度 |
順位戦 出典[18]
|
竜王戦 出典[19]
| ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
期 | 名人 | A級 | B級 | C級 | 期 | 竜王 | 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 | 6組 | 決勝 T |
|||||
1組 | 2組 | 1組 | 2組 | |||||||||||||||
2006 | 65 | 四段昇段前 | 20 | 6組 | 0-1 | 6-0 | ||||||||||||
2007 | 66 | C242 | 6-4 | 21 | 5組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2008 | 67 | C220 | 8-2 | 22 | 5組 | -- | 3-2 | |||||||||||
2009 | 68 | C128 | 10-0 | 23 | 5組 | 2-1 | 5-0 | |||||||||||
2010 | 69 | B221 | 7-3 | 24 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2011 | 70 | B206 | 7-3 | 25 | 4組 | -- | 4-1 | |||||||||||
2012 | 71 | B204 | 6-4 | 26 | 3組 | -- | 0-2 | |||||||||||
2013 | 72 | B207 | 6-4 | 27 | 4組 | -- | 5-2 | |||||||||||
2014 | 73 | B207 | 6-4 | 28 | 4組 | -- | 3-2 | |||||||||||
2015 | 74 | B207 | 7-3 | 29 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2016 | 75 | B207 | 4-6 | 30 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2017 | 76 | B216x | 3-7 | 31 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2018 | 77 | B222* | 4-6 | 32 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2019 | 78 | B218+ | 6-4 | 33 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2020 | 79 | B207 | 5-5 | 34 | 4組 | -- | 3-2 | |||||||||||
2021 | 80 | B212 | 6-4 | 35 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2022 | 81 | B209 | 6-4 | 36 | 4組 | -- | 3-2 | |||||||||||
2023 | 82 | B209 | 5-5 | 37 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2024 | 83 | B215 | 38 | 4組 | -- | |||||||||||||
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。 |
年度別成績
編集年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
---|---|---|---|---|---|
2006 | 8 | 5 | 3 | 0.6250 | [20] |
2007 | 39 | 23 | 16 | 0.5897 | [21] |
2008 | 33 | 24 | 9 | 0.7272 | [22] |
2009 | 42 | 32 | 10 | 0.7619 | [23] |
2010 | 42 | 29 | 13 | 0.6904 | [24] |
2006-2010 (小計) |
164 | 113 | 51 | ||
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
2011 | 43 | 27 | 16 | 0.6279 | [25] |
2012 | 37 | 17 | 20 | 0.4594 | [26] |
2013 | 29 | 17 | 12 | 0.5862 | [27] |
2014 | 35 | 23 | 12 | 0.6571 | [28] |
2015 | 44 | 29 | 15 | 0.6590 | [29] |
2016 | 34 | 17 | 17 | 0.5000 | [30] |
2017 | 37 | 18 | 19 | 0.4864 | [31] |
2018 | 32 | 16 | 16 | 0.5000 | [32] |
2019 | 33 | 17 | 16 | 0.5151 | [33] |
2020 | 34 | 20 | 14 | 0.5882 | [34] |
2011-2020 (小計) |
358 | 201 | 157 | ||
2020まで (塁計) |
522 | 314 | 208 | ||
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
2021 | 38 | 20 | 18 | 0.5263 | [35] |
2022 | 26 | 13 | 13 | 0.5000 | [36] |
2023 | 34 | 18 | 16 | 0.5294 | [37] |
2021-2023 (小計) |
98 | 51 | 47 | ||
通算 | 620 | 365 | 255 | 0.5887 | [38] |
2023年度まで |
出演
編集テレビ
編集- 将棋講座(NHK教育テレビジョン、2011年10月 - 2012年3月)「戸辺流 振り飛車で目指せ!初段」講師
- 将棋フォーカス(NHK Eテレ、2021年10月 - 2022年3月)番組内将棋講座「戸辺誠の振り飛車で技を磨こう!」講師
著書
編集書籍
編集- 楽しく勝つ!! 力戦振り飛車 (2008年8月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 978-4-8399-2934-3)
- 戸辺流相振りなんでも三間飛車 (2009年4月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 978-4-8399-3162-9)
- 石田流の基本―本組みと7七角型(2012年2月、浅川書房、ISBN 978-4-8613-7034-2)
- 振り飛車4→3戦法(2013年、マイナビ出版、ISBN 978-4-8399-4639-5)
- 戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車(2019年1月、マイナビ出版、ISBN 978-4-8399-6839-7)[39]
- 1手ずつ解説するゴキゲン中飛車(2022年7月、マイナビ出版、ISBN 978-4-8399-7961-4)[40]
- 1手ずつ解説する相振り中飛車(2024年2月、マイナビ出版、ISBN 978-4-8399-8549-3)[41]
他、多数[42]
DVD
編集- 将棋DVD 攻めて強くなる戸辺流中飛車(2017年7月7日、ルーク)[注 4]
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 戸辺流ブログ 新四段誕生!- 2009年8月21日
- ^ 気づけば一晩10局も──戸辺誠六段がネット対局で白熱した相手とは 将棋講座 2015年9月号 2015年9月21日
- ^ a b “戸辺誠 七段”. 将棋ウォーズ. 2024年2月25日閲覧。
- ^ “戸辺流現代振り飛車手筋集”. マイナビBOOKS. 2024年2月25日閲覧。
- ^ “戦法どころかもはや生き様「戸辺攻め」という異名がツボに入った棋士たち/将棋・ABEMA地域対抗戦”. Yahoo. 2024年2月25日閲覧。
- ^ ““戸辺攻め”が火を噴いた!戸辺誠七段「うれしくて泣きそう」圧巻の3戦全勝 解説者も「本当に素晴らしい!冴えてました」と絶賛/将棋・ABEMAトーナメント”. AbemaTimes. 2024年2月25日閲覧。
- ^ “玄妙な中合いで「戸辺攻め」継続、「イシケン」無念の逆転負け<4組・戸辺誠七段-石井健太郎六段>”. 読売新聞. 2024年2月25日閲覧。
- ^ “藤井聡太は「読みの深さ、クリアさが最大の強み」 戸辺誠七段が語る忘れられない対局”. AEARA. 2024年2月25日閲覧。
- ^ 戸辺流ブログ 「ご報告」2010年4月25日
- ^ 戸辺流ブログ 「生まれました!」 2010年9月19日
- ^ 戸辺流ブログ 「次男、生まれました」 2016年3月7日
- ^ 将棋棋士が初の始球式 戸辺 誠 七段が袴姿で挑戦!!内角低めに入魂の一手!横浜スタジアムで「J:COMスペシャルナイター」開催 - PR TIMES 2019年9月14日
- ^ 戸辺誠Twitter - 2020年5月12日
- ^ “第39期奨励会三段リーグ戦”. www.shogi.or.jp. 2024年7月19日閲覧。
- ^ “戸辺誠四段が五段に昇段(2009年3月10日付)|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2024年7月19日閲覧。
- ^ “戸辺誠五段が六段に昇段(2月9日付)|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2024年7月19日閲覧。
- ^ “戸辺 誠六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2024年7月19日閲覧。
- ^ 「名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
- ^ 「竜王戦」『日本将棋連盟』。
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- ^ [15][名無しリンク]
- ^ [16][名無しリンク]
- ^ [17][名無しリンク]
- ^ [18][名無しリンク]
- ^ [19][名無しリンク]
- ^ “戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車【棋譜データ付き】”. マイナビbooks. 2023年2月24日閲覧。
- ^ “1手ずつ解説するゴキゲン中飛車【-棋譜データ付き-】”. マイナビbooks. 2023年2月24日閲覧。
- ^ “1手ずつ解説する相振り中飛車【-棋譜データ付き-】”. マイナビbooks. 2024年4月30日閲覧。
- ^ “GOOGLE検索:戸辺誠 書籍”. google. 2023年2月24日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 日本将棋連盟 プロフィール
- 戸辺流ブログ
- 戸辺 誠 (@TobeMako) - X(旧Twitter)
- 戸辺誠将棋教室
- 棋士 戸辺誠 HP
- 戸辺チャンネル - YouTubeチャンネル
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