第1特科群
第1特科群(だいいちとっかぐん、JGSDF 1st Artillery Group(Mechanized))は、北海道千歳市の北千歳駐屯地に群本部が駐屯する第1特科団隷下の野戦特科部隊である。
第1特科群 | |
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第102特科大隊の203mm自走榴弾砲(退役済) | |
創設 | 1952年(昭和27年)10月15日 |
所属政体 | 日本 |
所属組織 | 陸上自衛隊 |
部隊編制単位 | 群 |
兵科 | 野戦特科 |
所在地 | 北海道、千歳市 |
編成地 | 習志野 |
上級単位 | 第1特科団 |
担当地域 | 道央 |
概要
編集第1特科群は通常の師団旅団特科部隊が有する榴弾砲等よりも重火力・長射程となる203mm砲や多連装ロケットシステムなどを運用する重砲部隊である。保安隊独立第1特科群として1952年(昭和27年)に誕生し、最大で4個大隊を編成していたが、時代の変化を受けて部隊廃止、装備変更を行っていった。
陸上自衛隊ではこれまでに4個特科群が編成されたが、第2・第3特科群の改編(地対艦ミサイル連隊と編合し、東北・西部方面特科隊に改編)、2024年(令和6年)3月の第4特科群の廃止に伴い、陸上自衛隊で唯一の野戦特科群編成となっている。
沿革
編集独立第1特科群
- 1952年(昭和27年)
- 12月12日:独立第31特科大隊が信太山駐屯地において編成完結。
- 12月15日:独立第1特科群本部及び本部中隊が宇都宮駐屯地から千歳駐屯地 に移駐。
- 1953年 (昭和28年)
- 1月14日:独立第16特科大隊が函館駐屯地から千歳駐屯地に移駐。
- 1月18日:独立第71特科大隊が函館駐屯地から千歳駐屯地に移駐。
- 1月22日:独立第46特科大隊が高田駐屯地から千歳駐屯地に移駐。
- 2月26日:独立第31特科大隊が信太山駐屯地から千歳駐屯地に移駐。
第1特科群
- 1954年(昭和29年)
- 7月1日:陸上自衛隊発足により第1特科群に称号変更。
- 独立第31特科大隊(千歳駐屯地)が第101特科大隊に称号変更。
- 独立第16特科大隊(千歳駐屯地)が第102特科大隊に称号変更。
- 独立第46特科大隊(千歳駐屯地)が第103特科大隊に称号変更。
- 独立第71特科大隊(千歳駐屯地)が第104特科大隊に称号変更。
- 8月25日:千歳駐屯地が北千歳駐屯地に改称。
- 9月25日:第1特科群を母体として第5特科連隊本部、本部中隊、第2大隊、第4大隊が北千歳駐屯地に編成。
- 1961年(昭和36年)12月4日:第104特科大隊が北千歳駐屯地から上富良野駐屯地に移駐し、第4特科群に編合。
- 1962年(昭和37年)8月25日:第101特科大隊が北千歳駐屯地から滝川駐屯地に移駐。
- 1969年(昭和44年)3月22日:第101特科大隊が滝川駐屯地から美幌駐屯地に移駐。
- 1985年(昭和60年)3月20日:部隊改編。
- 第302多連装ロケット中隊(75式多連装ロケット発射機装備)を北千歳駐屯地に新編。第1特科群に隷属。
- 第101特科大隊の装備を203mm自走榴弾砲に換装。
- 1987年(昭和62年)3月26日:第103特科大隊の装備を203mm自走榴弾砲に換装。
- 1989年(平成元年)3月24日:第102特科大隊の装備を203mm自走榴弾砲に換装。
- 1995年(平成 7年)
- 3月27日:第302多連装ロケット中隊(北千歳駐屯地)が廃止。
- 3月28日:2個独立多連装ロケット中隊が1個大隊に統合され、第127特科大隊(北千歳駐屯地:75式多連装ロケット発射機装備)に改編。
- 1996年(平成 8年)
- 3月28日:第127特科大隊(北千歳駐屯地)が廃止。
- 3月29日:第129特科大隊(多連装ロケットシステム装備)を北千歳駐屯地に新編。
- 2000年(平成12年)3月28日:後方支援体制変換に伴い、整備部門を北部方面後方支援隊第101特科直接支援大隊第1直接支援中隊へ移管。
- 2004年(平成16年)3月29日:第133特科大隊(多連装ロケットシステム装備)を真駒内駐屯地に新編。
- 2011年(平成23年)4月22日:第103特科大隊(北千歳駐屯地:203mm自走榴弾砲装備)を廃止。
- 2019年(平成31年)3月25日:第133特科大隊(真駒内駐屯地:多連装ロケットシステム装備)を廃止[1]。
- 2023年(令和 5年)3月15日:第101特科大隊(美幌駐屯地:203mm自走榴弾砲装備)、第102特科大隊(北千歳駐屯地:203mm自走榴弾砲装備)を廃止[2][3]。203mm自走りゅう弾砲の運用を終了。
- 2024年(令和 6年)3月21日:第4特科群廃止に伴い、第131特科大隊(上富良野駐屯地)を隷下に編合[4][5]。
編成
編集特記なき場合は北千歳駐屯地所在。
- 編成
- 第1特科群本部
- 第1特科群本部中隊「1特群-本」
- 第129特科大隊
- 第129特科大隊本部
- 本部管理中隊「129特-本」
- 第1射撃中隊「129特-1」 - 多連装ロケットシステム
- 第2射撃中隊「129特-2」 - 多連装ロケットシステム
- 第3射撃中隊「129特-3」 - 多連装ロケットシステム
- 第131特科大隊(上富良野駐屯地)
- 第131特科大隊本部
- 本部管理中隊「131特-本」
- 第1射撃中隊「131特-1」- 多連装ロケットシステム
- 第2射撃中隊「131特-2」- 多連装ロケットシステム
- 第3射撃中隊「131特-3」- 多連装ロケットシステム
整備支援部隊
編集主要幹部
編集官職名 | 階級 | 氏名 | 補職発令日 | 前職 |
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第1特科群長 | 1等陸佐 | 湯浅智文 | 2023年 | 8月 1日第1特科団本部高級幕僚 |
代 | 氏名 | 在職期間 | 前職 | 後職 |
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1 | 竹内仁司 (1等保安正) |
1952年10月15日 - 1955年11月15日 | 第1管区総監部所属 | 第4管区総監部付 |
2 | 堤寛 | 1955年11月16日 - 1957年 | 8月11日陸上自衛隊幹部学校勤務 | 西部方面総監部第2部長 |
3 | 今村清 | 1957年 | 8月12日 - 1962年 3月15日第4管区総監部第2部長 | 中央監察隊副隊長 |
4 | 穴吹謙太郎 | 1962年 ※1963年 1月 1日 1等陸佐昇任 |
3月16日 - 1964年 7月15日陸上自衛隊幹部学校勤務 (2等陸佐) |
陸上自衛隊幹部学校研究員 |
5 | 猿渡篤信 | 1964年 | 7月16日 - 1966年 7月15日西部方面総監部業務室長 | 陸上自衛隊富士学校研究部副部長 |
6 | 矢嶋仁 | 1966年 | 7月16日 - 1968年 3月15日第4特科群副群長 | 陸上自衛隊高射学校研究部長 |
7 | 坂本力 | 1968年 | 3月16日 - 1969年 3月16日陸上自衛隊幹部学校研究員 | 第1特科団副団長 |
8 | 斉藤茂 | 1969年 | 3月17日 - 1971年 7月15日陸上自衛隊富士学校特科教育部 戦術班長 |
陸上自衛隊幹部学校研究員 |
9 | 大河内剛健 | 1971年 | 7月16日 - 1973年 7月15日空挺教育隊長 | 北部方面総監部総務課長 |
10 | 田尻浩 | 1973年 | 7月16日 - 1976年 3月15日第2師団司令部第3部長 | 装備開発実験隊副隊長 |
11 | 吉野武夫 | 1976年 | 3月16日 - 1978年 3月15日北千歳駐とん地業務隊長 | 北部方面総監部総務部長 |
12 | 牧村章 | 1978年 | 3月16日 - 1980年 3月16日西部方面総監部総務部総務課長 | 陸上自衛隊富士学校総合研究開発部 第2主任研究開発官 |
13 | 西村渾 | 1980年 | 3月17日 - 1981年 7月31日第1特科団本部高級幕僚 | 陸上自衛隊富士学校総合研究開発部 第2主任研究開発官 |
14 | 志水秀文 | 1981年 | 8月 1日 - 1983年 3月15日第1特科団本部高級幕僚 | 陸上自衛隊富士学校特科部研究課長 |
15 | 長谷川登 | 1983年 | 3月16日 - 1985年 3月15日陸上自衛隊幹部学校主任教官 | 防衛大学校教授 |
16 | 菅澤武士 | 1985年 | 3月16日 - 1987年 3月15日陸上自衛隊富士学校学校教官 | 東北方面総監部人事部厚生課長 |
17 | 三井隆之 | 1987年 | 3月16日 - 1989年 3月31日陸上自衛隊幹部学校学校教官 | 防衛研究所所員 |
18 | 廣崎恪也 | 1989年 | 4月 1日 - 1991年 3月31日陸上幕僚監部人事部人事計画課 予備自衛官班長 |
伊丹駐屯地業務隊長 |
19 | 中村博澄 | 1991年 | 4月 1日 - 1993年 3月31日日本原駐屯地業務隊長 | 陸上自衛隊幹部候補生学校総務部長 |
20 | 塚川豊秀 | 1993年 | 4月 1日 - 1995年 7月31日陸上自衛隊富士学校特科部研究課長 | 第2教育団副団長 |
21 | 武藤義朗 | 1995年 | 8月 1日 - 1998年 7月31日第2師団司令部第3部長 | 自衛隊三重地方連絡部長 |
22 | 岡澤和美 | 1998年 | 8月 1日 - 2000年11月30日情報本部勤務 | 東北方面総監部調査部長 |
23 | 伊東基行 | 2000年12月 | 1日 - 2002年12月 1日富士教導団本部高級幕僚 | 仙台駐屯地業務隊長 |
24 | 井星晃 | 2002年12月 | 2日 - 2005年 3月31日統合幕僚学校学校教官 | 神町駐屯地業務隊長 |
25 | 岡昭雄 | 2005年 | 4月 1日 - 2007年 3月31日北部方面総監部総務部総務課長 | 第1特科団副団長 |
26 | 中川強 | 2007年 | 4月 1日 - 2009年 3月23日北部方面総監部法務官 | 北部方面総監部法務官 |
27 | 西島敦 | 2009年 | 3月24日 - 2011年 7月31日第9師団司令部第3部長 | 第5旅団司令部幕僚長 |
28 | 諏訪敏久 | 2011年 | 8月 1日 - 2012年12月27日陸上自衛隊補給統制本部装備計画部 企画課長 |
北部方面総監部付 |
29 | 有村義治 | 2013年 | 1月15日 - 2015年11月30日西部方面総監部情報部情報課長 | 陸上幕僚監部運用支援・情報部 情報課情報保全室長 |
30 | 松尾幸成 | 2015年12月 | 1日 - 2017年 7月31日自衛隊岡山地方協力本部長 | 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官 |
31 | 水沼大 | 2017年 | 8月 1日 - 2019年11月30日第4師団司令部第3部長 | 陸上総隊司令部報道官 |
32 | 伊藤浩之 | 2019年12月 | 1日 - 2022年 3月13日陸上総隊司令部総務部人事課長 | 第1特科団副団長 |
33 | 渡邉邦嘉 | 2022年 | 3月14日 - 2023年 7月31日陸上総隊司令部日米共同部勤務 | 第4特科群長 兼 上富良野駐屯地司令 |
34 | 湯浅智文 | 2023年 | 8月 1日 -第1特科団本部高級幕僚 |
主要装備
編集- 多連装ロケットシステムMLRS
- 1/2tトラック/73式小型トラック
- 1 1/2tトラック/73式中型トラック
- 3 1/2tトラック/73式大型トラック
- 89式5.56mm小銃
過去の装備品
称号変更をした部隊
編集廃止部隊
編集- 第302多連装ロケット中隊(北千歳駐屯地):1985年(昭和60年)3月20日から1995年(平成 7年)3月27日の間。第127特科大隊に改編。
- 第127特科大隊(北千歳駐屯地):1995年(平成 7年)3月28日から1996年(平成 8年)3月28日の間。第129特科大隊に改編。
- 第103特科大隊(北千歳駐屯地):1954年(昭和29年)7月1日から2011年(平成23年)4月22日の間。
- 第133特科大隊(真駒内駐屯地):2004年(平成16年)3月29日から2019年(平成31年)3月25日の間[1]。
- 第101特科大隊(美幌駐屯地):2023年(令和[2][3]。 5年)3月15日
- 第102特科大隊(北千歳駐屯地):2023年(令和[3]。 5年)3月15日
- 廃止された支援部隊(被支援部隊の部隊廃止により欠番となった部隊)
脚注
編集- ^ a b 防衛ホーム 1001号 (2019年4月15日発行) 4面『第133特科大隊隊旗返還式15年の歴史に幕を閉じる』
- ^ a b “101特科大隊が3月15日、創隊69年、移駐54年の歴史に幕 |美幌駐屯地”. 防衛日報デジタル. (2023年3月8日) 2023年3月17日閲覧。
- ^ a b c 陸上自衛隊 北千歳駐屯地【公式】 [@kitachitose_STA] (2023年3月28日). "第1特科群の隷下部隊である第101・102特科大隊は令和5年3月15日をもって約70年に及ぶ深い歴史に幕を閉じることとなりました。". X(旧Twitter)より2023年3月28日閲覧。
- ^ 防衛省発令(将補人事)2024年3月21日付
- ^ 陸上自衛隊 第1特科群【公式】 [@tokkagun_1] (2024年3月25日). "3月21日 第1特科群は、上富良野駐屯地において編成完結式を行いました。". X(旧Twitter)より2024年3月25日閲覧。
- ^ 1954年8月24日以前は千歳駐屯地
出典
編集- 『北部方面隊50年のあゆみ : 歩みつづけるつわものたちのきらめく記憶』(山藤印刷株式会社/編集,陸上自衛隊北部方面総監部/監修 2003)
- 『日本砲兵史 : 自衛隊砲兵過去現在未来』(陸上自衛隊富士学校特科会 編 1980.6)
- “防衛省人事発令”. 2015年12月1日閲覧。
関連項目
編集- 富士学校 / 富士教導団 / 特科教導隊
- 第1特科団
- 第1地対艦ミサイル連隊 / 第2地対艦ミサイル連隊 / 第3地対艦ミサイル連隊
- 地対艦ミサイル連隊 / 独立特科大隊
外部リンク
編集陸上自衛隊 北千歳駐屯地【公式】(@kitachitose_STA) - Twitter