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高照神社(たかてるじんじゃ)は、青森県弘前市に鎮座する神社である。江戸時代後期から明治時代初期に流行した藩祖を祀った神社のひとつ。

高照神社
青森県弘前市 高照神社 拝殿
所在地 青森県弘前市大字高岡字神馬野87
位置 北緯40度37分23.7秒
東経140度21分15.3秒
主祭神 津軽信政命
社格 旧県社
創建 正徳2年(1712年)
本殿の様式 入母屋造杮葺
例祭 旧暦7月21日
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平成18年(2006年)に境内の主要な建物が国の重要文化財に指定された。

祭神編集

歴史編集

宝永7年(1710年)に卒去した弘前藩4代藩主の津軽信政の廟所に起源を持つ。5代藩主信寿が信政の遺言に則り、翌正徳元年(1711年)に吉川従足斎主とする神葬祭を斎行して廟所を営み、その翌年(1712年)に本殿を造営して信政の神霊を遷祀したのが創祀で、享保15年(1730年)に「高照神社」と称した。藩政時代を通じて津軽氏歴代の崇敬社であった。

明治4年(1871年)に春日4神勧請し(津軽氏が本姓藤原氏を称したため)、同10年(1877年)に藩祖為信を配祀、同13年(1880年)に県社に列した。戦後は神社本庁に参加。

社殿編集

本殿から鳥居までの主要建造物が東西軸上に配され、これは吉川神道に基づく独特な社殿構成とされ(信政は惟足の門下生でもあった)、全国的にもあまり類例がないものとされる。社殿の造営時期は大きく正徳期・宝暦期文化期に別れるが、地方的特色を備えるとともに各時期の造形をよく現し、近世における神社建築の展開の一端を示すものとして高く評価されている。

本殿は方3間の入母屋造で、正面屋根に千鳥破風を飾り、1段低く構えた1間の向拝は軒唐破風とする。中門は1間1戸の平唐門で、西軒廊を介して本殿に、東軒廊を介して幣殿に続く。東西両軒廊はともに桁行4間梁間1間の切妻造であるが、東軒廊の幣殿に接続する1間分の屋根は1段高く構えられている。以上いずれも杮葺で、5代藩主信寿による正徳2年の造営である。

幣殿は梁間3間桁行2間の切妻造妻入で、拝殿背面中央に接続してこれと1宇を構成。拝殿は桁行7間梁間3間の入母屋造、正面屋根に千鳥破風を飾り、中央3間に軒唐破風の向拝を張り出す。これも杮葺で宝暦5年(1755年)の7代藩主信寧の造替にかかる。拝殿前(東)方に3間1戸の随神門がある。切妻造鉄板葺の八脚門で、文化7年(1810年)9代藩主寧親による造営。

本殿後背(西)には200m隔てて信政の廟所があり、切妻造銅板葺の1間腕木門廟所門が建つ(文化12年(1815年)9代寧親の造替)。廟所拝殿は5代藩主信寿による正徳元年の信政の葬儀に際して建立された桁行3間梁間2間の切妻造銅板葺で、背面一間が突出する。その奥に墓石が2基、前後に並び、後(西)方のものを本墓、前(東)方のものを拝墓とする。

以上の社殿8棟と墓2基が平成18年に重要文化財の指定を受けた。なお、境内には宝物殿もあり、その他工芸品等の文化財を収蔵、公開している。

文化財編集

(括弧内は種別と指定年月日)

重要文化財(国指定)編集

  • 高照神社8棟2基(建造物、平成18年7月5日)※一部物件は個人所有
    • 本殿 附:宮殿(くうでん)1基
    • 中門
    • 西軒廊
    • 東軒廊
    • 拝殿及び幣殿 附:棟札1枚
    • 随神門 附:高塀2棟
    • 廟所拝殿
    • 廟所門
    • 津軽信政公墓(拝墓)
    • 津軽信政公墓(本墓)
      • 附:手水舎
      • 附:四の鳥居
  • 太刀(銘友成作)(工芸品、大正14年(1925年)4月24日)
平安時代末期から鎌倉時代初期の作品で、藩祖為信が豊臣秀吉から拝領し、12代承昭が寄進したものという。大正14年に古社寺保存法に基づく国宝(旧国宝)に指定され、昭和25年(1950年)文化財保護法施行に伴い重要文化財となっている。
  • 太刀(銘真守)(工芸品、大正15年4月19日)
鎌倉時代中期から末期にかけての制作で、4代信政が佩用していたものを、5代信寿が寄進したとの伝来を持つ。大正15年に古社寺保存法に基づく国宝(旧国宝)に指定され、昭和25年(1950年)文化財保護法施行に伴い重要文化財となっている。

青森県重宝編集

  • 津軽信政着用具足1領(工芸品、昭和31年5月14日)
江戸時代中期のもの。信寿寄進。
  • 刀剣類11口(工芸品、平成12年(2000年)4月19日)
明治10年の藩祖為信合祀に際して旧家臣等から奉納されたもの。

青森県指定有形民俗文化財編集

  • 高照神社奉納額絵馬54枚(平成2年(1990年)8月3日)
享保13年(1728年)から慶応4年(1868年)にかけてのもの52枚、明治8年(1875年)と16年(1883年)のもの2枚。

弘前市指定有形文化財編集

  • 文庫1棟(建造物、平成7年(1995年)11月9日)
  • 神饌殿1棟(建造物、平成13年(2001年)10月15日)
  • 刀(無銘)、刀(銘勝光)、刀(銘獅子吼、伝・大道寺宇左門為久作、刀(銘千手院)、刀(銘弘前住紀倫賀)、刀(銘弘前住紀倫賀明治三年二月日)、刀(銘奥州弘前住紀助宗)、脇差(銘相州住綱広 山城国源綱広)、刀(銘相模守来国吉)、刀(銘相州住広次)、短刀(銘 吉光(土佐))、短刀(銘大和守秀国)、脇差(銘肥州河内守藤原正廣)(以上工芸品、昭和60年(1985年)2月27日)
  • 刀(銘奉納津軽住人國俊造之)、脇差(銘豊後住藤原行光)、剣(銘摂津住源正久造)、薙刀(銘陸奥守包保)、薙刀(銘陸奥大掾橘盛宗)、薙刀(銘兼英)、大身槍(平三角槍)、鞍1具、梨地金蒔絵文台・梨地金蒔絵硯箱1具(以上工芸品、平成4年(1992年)1月31日)
  • 唐櫃1点(工芸品、平成15年(2003年)3月28日)
  • 中臣祓1幅、源氏物語之詞2巻、衝立1幅(佐々木玄龍筆)(以上書跡、平成4年1月31日)
  • 屏風1双(仙人図、新井常寛筆)、信政公葬送図絵巻1幅、甲州廿四将之図1幅(以上絵画、平成4年1月31日)
  • お告書付1式(古文書、平成4年1月31日)
  • 高照神社収蔵古文書類1式(古文書、平成15年3月28日)
  • 旗指物(背旗)1点、貴田稲城奉納資料1式(以上歴史資料、平成4年1月31日)

弘前市指定天然記念物編集

参考文献編集

  • 宮地直一・佐伯有義監修『神道大辞典 縮刷版』、臨川書店、昭和44年(初版平凡社、昭和14年)、ISBN 4-653-01347-0
  • 神社本庁調査部編『神社名鑑』、神社本庁、昭和38年

外部リンク編集