86-エイティシックス-

日本のライトノベル

86-エイティシックス-』は、安里アサトによる日本ライトノベル。イラストはしらび、メカニックデザインはI-IVが担当している。電撃文庫 (KADOKAWA) より2017年2月から刊行されている。各巻冒頭部分が電撃文庫マガジンに連載されている他、同誌及びカクヨムにて外伝が連載された。

86-エイティシックス-
ジャンル SFミリタリーアクション
小説
著者 安里アサト
イラスト しらび
出版社 KADOKAWA
レーベル 電撃文庫
刊行期間 2017年2月10日 -
巻数 既刊7巻 (2019年9月現在)
漫画
原作・原案など
  • 安里アサト (原作)
  • しらび (キャラクター原案)
作画 吉原基貴
出版社 スクウェア・エニックス
掲載誌 ヤングガンガン
レーベル ヤングガンガンコミックス
発表号 2018年5号 -
巻数 既刊2巻 (2019年9月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル漫画
ポータル 文学漫画

目次

概要編集

本作は、2016年に行われた第23回電撃小説大賞の大賞作品である[1]。『このライトノベルがすごい!』では、2018年版で新作部門1位・文庫部門2位を獲得[1]、2019年版でも文庫部門5位に入っている。2018年11月の時点でシリーズ累計発行部数は50万部を突破している[2]

作者によれば、元々はホラー映画の影響から生まれた作品で、特に『ミスト』と『スクリーマーズ』の2作品から強く影響を受けている[3]。また『カオス レギオン』の小説版からも影響を受けたという[3]。本作で描こうとしたものは「他人を自分と同じ人間として尊重すること。その上で後悔しないように生きること」[3]

あらすじ編集

星歴2139年。大国ギアーデ帝国は、世界初の完全自立無人戦闘機械《レギオン》の開発に成功し、周辺諸国全てに宣戦を布告。レギオン部隊による侵略を開始した。このレギオン戦争は、瞬く間に大陸全土を巻き込んだ大戦争となっていく――。

サンマグノリア共和国編 (第1巻)
開戦から9年が経過した帝国の隣国、サンマグノリア共和国。そこは日々、レギオンの侵略を受けていた。その攻撃に対して共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すこと無く退けていた。しかし、実際は「エイティシックス (以下86)」の烙印を押された少年少女たちが日夜、共和国全85区画の外《存在しない〝第86区〟》で《有人の無人機》として戦い続けていた。軍人である少女レーナはある日、指揮管制官《ハンドラー》として「86」の精鋭部隊《スピアヘッド》の指揮を執ることになる。
ギアーデ連邦編 (第2・3巻)
共和国の指揮官レーナとの非業の別れの後、隣国ギアーデ連邦へとたどり着いたシンたち〈86〉の面々は、ギアーデ連邦軍に保護され、一時の平穏を得る。だが──彼らは戦場に戻ることを選んだ。連邦軍に志願し、再び地獄の最前線へと立った彼らは、「隣国からやってきた戦闘狂」と陰で囁かれながらも、シンの“能力”によって予見された〈レギオン〉の大攻勢に向けて戦い続ける。そしてその傍らには、彼らよりさらに若い、年端もいかぬ少女であり、新たな仲間である「フレデリカ・ローゼンフォルト」の姿もあった。“──死神は、居るべき場所へと呼ばれる”
共和国解放編 (第4巻)
ついに運命の再会を果たしたシンとレーナ。どことなくいい雰囲気を醸し出す二人に、フレデリカとクレナは戦慄し、そして気を揉むライデンらの苦労は留まることを知らない。しかしそんな束の間の休息を破り、レーナを作戦司令とする新部隊に初任務が下った。共和国85区内北部、旧地下鉄ターミナル。地下深くに築かれたレギオンの拠点が、その口をあけて彼らを待つ。そこに見えるのは闇。レギオンの、共和国の、そして彼の国が虐げた者たちの、闇。“地の底からの呼び声が、彼らに新たな試練を告げる。”
ロア = グレキア連合王国編 (第5・6巻)
探しに来なさい―― シンが聴いた〈レギオン〉開発者ゼレーネと思しき呼び声。レーナたち「第86機動打撃群」は、その姿……白い斥候型が目撃されたという「ロア = グレキア連合王国」へと向かう。……だが。それは生への侮辱か、死への冒涜か。「連合王国」で行われている対〈レギオン〉戦略は、あの〈86〉たちですら戦慄を覚えるほどの、常軌を逸したものであった。極寒の森に潜む敵が。そして隣り合う「死、そのもの」が彼らを翻弄する――。雪山に潜む怪物たちが、彼らに、笑みとともに問いかける。
ヴァルト盟約同盟編 (第7巻)
上位指揮官機〈無慈悲な女王〉。それは対レギオン戦争で守勢に立つ人類に与えられた“銀の弾丸”。『第86独立機動打撃群』の活躍で〈彼女〉の確保に成功した連邦・連合王国は、轡を並べる第三国「ヴァルト盟約同盟」にて、その解析と「尋問」を開始する。一方、大戦果を上げた者たちにも報奨が授与された。特別休暇。鉄と血にまみれた日々を、僅かひととき遥か遠くに置き、シンとレーナはじめ皆はそれぞれに羽を伸ばす。が、同時に《その二人以外のほぼ全員》はある思いを共にしていた。それは。“お前らいい加減、さっさとくっつけよ。”

登場人物編集

主要人物編集

シン (本名: シンエイ・ノウゼン)
サンマグノリア共和国軍東部戦線第一戦区第一防衛戦隊「スピアヘッド」の隊長を務める[4]。身長およそ175 cm (センチメートル)[5]、5月19日生まれ[6]、小説1巻時点で16歳[7]。出身は共和国首都リベルテ・エト・エガリテ[8]。幼少期に強制収容所に送られたため、自分の誕生日を覚えていない[注釈 1]。パーソナルネームはアンダーテイカー。レギオン側識別名「バーレイグ」。元々心の声を聞く異能を持っていたが、実の兄に首を絞められ生死を彷徨った後、死者の声を聞く異能へ変質する。この異能により、シンはいつでもレギオンの位置を知ることが出来る[注釈 2]。なお、三次元空間での高度判断は不慣れな模様。レーナ以前のハンドラーは亡霊の声に耐えられず、自殺者まで出ている (中には散弾銃で頭を吹っ飛ばした者もいる)。今までシンが所属していた戦隊はシン以外全員死亡し、前述の異能も相まって周囲からは「死神」と呼ばれ、本人も周囲とは一線を引いていた。
後に設立された第86独立機動打撃群の戦隊総隊長兼本部付戦隊スピアヘッドの戦隊長を務める。階級は大尉
ギアーデ帝国代々の武門であるノウゼン家に共通していることだが、足音を消して歩く癖がある。日常生活全般で雑なせいか料理が下手で、戦隊では料理当番から外されていた。高瀬舟といった文学書から哲学書まで読み漁る濫読家である。
戦闘ではかなり無茶な動きをすることが多く、そのせいでジャガーノートの足回りを毎回壊すため、共和国時代から整備班の頭を抱えさせていた。
名字の「ノウゼン」は、作者によればノウゼンカズラ (凌霄花) に由来する。また、同じ漢字で「凌霄君」と書くとを意味するため、シンのもつ鷹のイメージにも引っ掛けている。モチーフは『カオス レギオン』のジーク[3]
レーナ (本名: ヴラディレーナ・ミリーゼ)
共和国軍人で、弱冠16歳で少佐に上り詰めたエリート[4]。身長およそ160 cm[5]、7月12日生まれ[6]。共和国第1区出身、白銀種の純血である。シンたちを送り出した後、86たちを使い潰すかのように指揮をとった彼女についた名は鮮血女王 (ブラッディレジーナ)。父の影響で86に対する差別感を抱いておらず、自分なりに出来ることをやろうと思っている。
後に第86独立機動打撃群の作戦部総指揮官を務め、その時の階級は大佐
電磁加速砲型撃破作戦後にシンたちと再会し、シンを異性として意識しているような描写が見受けられる。
ガーターベルトを愛用している設定だが、理由は作者がガーターベルト好きのため。映画『ブラックホーク・ダウン』のガリソン将軍がモチーフの一部になっている[3]
フレデリカ・ローゼンフォルト (本名: アウグスタ・フレデリカ・アデルアドラー)
シンたちがギアーデ連邦に辿り着き、保護された先で出会った少女[9]。身長およそ130 cm[5]、2月7日生まれ[6]。小説2巻時点で9歳 [10](直後に10歳)。ギアーデ帝国最後の女帝[11]、エルンストに庇護されている。また、見知った者の現在と過去を覗き見る異能を代々受け継いでいる。幼い容姿に見合わず古風な喋り方をする。
旧ノルトリヒト戦隊、後の第86独立機動打撃群のマスコット[注釈 3]で、管制補佐を務める。

旧サンマグノリア共和国軍編集

以下、本項に記載される旧サンマグノリア共和国軍人は全員死亡が確認されている。

レフ・アルドレヒト
東部戦線第一戦区第一防衛戦隊《スピアヘッド》整備班長。階級は中尉。髪を染めているが実は白系種であり、陽金種の妻とその娘の市民権を取り戻すために徴兵志願したが妻と娘は共に死亡しており、本人も大攻勢の際にクルー諸共死亡している[12]

東部戦線第一戦区第一防衛戦隊"スピアヘッド"編集

マシュー
シンにすら寡黙と言われる極端に無口な機銃手。この部隊で最初に死亡した人物。パーソナルネームは不明。
ミナ
小柄で幼げな外見をしているが、前衛担当の一人である。近接猟兵型の突貫を受け死亡。2人目の死者である。パーソナルネームは不明。
クジョー
シンの3歳年上[13]。スピアヘッド第4小隊隊員。ミナの死亡によって落ち込んだ部隊を盛り上げるために「お月見」を提案したが、それが嵐で中止となった日の出撃で自走地雷によって爆死。3人目の死者である。パーソナルネームはシリウス[14]
カイエ (本名: カイエ・タニヤ)
少年のような口調で話す気さくな少女。スピアヘッド第4小隊隊長。4月7日生まれ[15]、小説1巻時点で18歳[7]。戦車型によって首を刎ねられ死亡、スピアヘッド戦隊4人目の死者である。頭部は《黒羊》の素材として持ち去られた。その後も幾度と無く《黒羊》としてシンたちの前に現れ、星暦2150年4月の共和国北域奪還作戦では近接猟兵型としてシンを助けることとなった。パーソナルネームはキルシュブリューテ
キノ
パーソナルネームはファーヴニル。電磁加速砲型の直撃を受け戦死。
チセ
パーソナルネームはグリフィン。趣味は模型製作[16]。電磁加速砲型の砲撃の余波で破片を喰らい戦死する。
トーマ
パーソナルネーム不明。クロトとともに電磁加速砲型の砲撃で混乱する戦闘の中で戦死する。
クロト
パーソナルネーム不明。
ハルト
お調子者で、部隊のムードメーカーの少年。スピアヘッド戦隊最後の死者である。パーソナルネームはファルケ
ダイヤ (本名: ダイヤ・イルマ)
スピアヘッド戦隊第5小隊隊長[17]。金髪碧眼で長身の青年。小説1巻時点で17歳[7]。後にレーナが飼うことになる隊舎猫を拾った人物である。パーソナルネームはブラックドッグ
なぜか状況のしわ寄せを喰らうことが多い。

北部戦線第一戦区第一防衛戦隊"スレッジハマー"編集

戦隊長
2巻ラストで登場。大規模侵攻により右半身が潰れた状態で自機から脱出、迫り来るレギオンを目の前にプラスチック爆薬を炸裂させ、橋を落として進路を塞ぐと同時に自らも爆死した。パーソナルネームはブラックバード

南部戦線第一戦区第一防衛戦隊"レザーエッジ"編集

西部戦線第一戦区第一防衛戦隊"ロングボウ"編集

以下、作者がカクヨムで連載中の番外編の登場人物である。

東部戦線第三五戦区第一防衛戦隊"ハルバード"編集

アリス・アライシュ
本部隊の女戦隊長。階級は大尉。シンが初めて戦場に出た際は彼女の部隊に所属していた。なお、死んだ86たちの名を金属片に刻み始めたのは彼女であり、またシンが現在も身に付けている空色のスカーフは彼女のものである。いわばシンのルーツ的な存在であるが、ある日の戦闘で死亡し、唯一生還したシンがその頭部半分だけを持ち帰り、同部隊整備班長のグレンによって基地から離れた聖堂の廃墟にある薔薇の花壇に埋葬された[18]

東部戦線第五戦区第二戦隊"スティレット"編集

イスカ
当部隊の戦隊長である。「部隊の結束を図る」といった名目で自分の戦隊の誰か、大抵は弱い者や少数民族等をスケープゴートに仕立て上げてきた。シンが所持している拳銃は元々はイスカのもので、死に損なった隊員の介錯に使用していた。皮肉にも、彼は後の戦闘で重傷を負って自分で死ぬことが出来なかったため、その拳銃を以てシンに介錯された。

戦隊名不明編集

エイジュ・ヌナト
当部隊戦隊長で金髪朱瞳の朱緋種の青年。階級は大尉。シンのパーソナルネームとしてバーレイグを提案し、その後死亡している。死体の行方は定かではない。
セーヤ
当戦隊整備班長。銀に近い金髪と紫の目を持つ。シンを除き、同級生だったエイジュ含め所属部隊が突然全滅したために当てつけで「アンダーテイカー (葬儀屋)」というパーソナルネームを提案したが、シンはそれを「相応しい」と受け入れ今に至る。また、本編には登場していないものの機動打撃群で整備クルーを務めている[19]

東部戦線第二十七戦区第一戦隊"バイオネット"編集

サイキ・タテハ
バイオネット戦隊第一小隊副長。突貫戦法をとる戦隊長のシンを補佐する。彼も、そして彼らもまたシンを「我らが死神」と仰ぎ、最終的にはシンを除く全員が死亡した。
サイキが登場した番外編 "Undertaker" は原作第1巻の開幕に繋がる構成になっている。

第86独立機動打撃群 (ストライク・パッケージ)編集

リュストカマー基地が本拠地である[20]

本部付戦隊"スピアヘッド"編集

ライデン (本名: ライデン・シュガ)
戦闘部隊スピアヘッドの副隊長を務める[4]。身長およそ185 cm[5]、8月25日生まれ[6]、小説1巻時点で16歳[7]。出身は共和国23区近辺で、全寮制の私立校を運営する白系種の老婦人に友人たちと匿われていた[8]。スピアヘッド戦隊では誕生日を唯一覚えている人物である。また、作者の一番のお気に入りのキャラである[3]。パーソナルネームはヴェアヴォルフ
クレナ (本名: クレナ・ククミラ)
射撃の腕に長けている。身長およそ160 cm[5]、5月6日生まれ[6]、小説1巻時点で15歳[7]。出身は共和国北福都シャリテの衛星都市[8]。シンに恋心を抱いているが、シンの認識は手のかかる妹と言った所。パーソナルネームはガンスリンガー
アンジュ (本名: アンジュ・エマ)
淑やかだが戦闘では過激な一面も見せる。身長およそ170 cm[5]、10月2日生まれ[6]、小説1巻時点で16歳[7]。出身は共和国東の小都市[8]。強制収容所で虐待を受けていたため、背中には無数の傷痕がある。パーソナルネームはスノウウィッチ。ミサイルを使った面制圧を得意としている。
セオ (本名: セオト・リッカ)
クールで、少々口が悪い皮肉屋。身長およそ165 cm[5]、4月20日生まれ[6]、小説1巻時点で16歳[7]。共和国南側の旧国境付近出身。絵が上手く、部隊のパーソナルマークの作成を手掛けている。パーソナルネームはラフィングフォックス。彼のパーソナルマークはスピアヘッドの前に所属していた戦隊の戦隊長であった白系種の男性が用いていたものがモデルになっている。
ダスティン・イェーガー
グラン・ミュールの陥落後に機動打撃群に加わった、白銀種の共和国市民。レーナと同い年[21]。大攻勢が始まるまでは学生だったが、多くの86の同級生が死ぬのを座視していた側だとして、その汚名を雪ぐために自ら志願した。とは言っているものの、「帝国生まれなのにも関わらず86の烙印を押されなかったのはおかしい。ならば自分も戦う」が実際の志願理由である。パーソナルネームはサギタリウス。アンジュに気を寄せており、告白したもののフラれている。
グレン・アキノ
アンダーテイカー機付の整備クルー。階級は軍曹。赤毛碧眼の青年で、弱いながらも父方の焔紅種の血を引くために人の感情を「見る」ことが出来る[22]。元はシンが初めて戦場に出た際の所属部隊の整備班長で、6巻において本編初登場となる。
トウカ・ケイシャ
グレンと同じく、アンダーテイカー機付の整備クルー。階級は伍長。シンの10歳年上。「わたくし」が一人称の女性で、青玉種純血の金髪と空色の瞳を持つ。彼女も以前はシンと同部隊の整備クルーで、本編は6巻が初登場である。

本部直衛戦隊"ブリジンガメン"編集

元「女王の家臣団[注釈 4]」。

シデン (本名: シデン・イーダ)
シンたちが去って以降のレーナの部下。筆者によると作中一の爆乳[23]。レーナと同い年[24]。パーソナルネームはキュクロプス。階級は少尉。濃藍色と雪白のオッドアイと赤毛が特徴の女性。レーナのことを「女王陛下」と呼んでいる。シンとは非常に仲が悪く、本人曰く「遺伝子レベルで相性が悪い」とのこと。
シャナ
ブリジンガメン戦隊副長。シデンの1歳年下で砂漠褐種[25]。パーソナルネームはメリュジーヌ

第3戦隊"ノルトリヒト"編集

ベルント・ベルノルト
連邦軍でのシンたちの部下で、旧戦闘属領 (ヴァルグス)[注釈 5] 出身。40代[26]の熟練の傭兵。元旧ノルトリヒト戦隊の隊員。階級は曹長。

第4戦隊"サンダーボルト"編集

共和国東部戦線が主戦場の部隊である。
ユート・クロウ
サンダーボルト戦隊長。階級は少尉。赤系種の無口で無感情な少年。
以下86の志願兵らによる部隊である。

第5部隊"リュカオン"編集

共和国北部戦線が主戦場である。
レキ・ミチヒ
リュカオン戦隊長。階級は少尉。登場時点で17歳[27]。東方黒種で黒髪黒目、象牙色の肌を持つ。語尾が「なのです」で終わる特徴的な口調で話す。

第6部隊"ファランクス"編集

共和国南部戦線が主戦場である。
タイガ・アスハ
ファランクス戦隊長。階級は少尉。作戦中はアネットの護衛を務めており、当戦隊は新型レギオンの高機動型によって全滅させられた。

第7部隊"クレイモア"編集

サンダーボルト戦隊と同じく東部戦線出身である。
リト・オリヤ
クレイモア戦隊長。階級は少尉。瑪瑙色の髪と目を持つ[28]。シンとライデンの3歳年下の後輩にあたり、彼らがスピアヘッド戦隊に配属される前の半年間だけ同じ部隊だった。共和国北域奪還作戦前に2年越しの再会を果たした。

サンマグノリア共和国編集

アネット (本名: アンリエッタ・ペンローズ)
レーナの親友で、パラレイドの研究主任を務める技術大尉。レギオン側識別名「ミネルヴァ」。シンとは家が隣同士の幼なじみであった[注釈 6]。幼い頃のシンからは「リッタ」と呼ばれていた。シンを救えなかったことに対して負い目を感じており、第86独立機動打撃群に志願したことにもそれが関係している。第86独立機動打撃群では知覚同調班の主任を努め、階級は少佐になっている。
お菓子作りが好きだが、幼い頃は味見した父親が気絶したものをシンに食べさせようとしたこともある (チョコを溶かしただけのもののはずが、なぜか紫色になっていたことも)。
シン曰く、幼少期は活発を通り越してちょっと怪獣みたいな子だったとのこと。
ヨーゼフ・フォン・ペンローズ
アネットの父であり、パラレイドの共同研究を行ないその基礎を築いた人物である。パラレイド理論とレイドデバイスの完成直後、実験材料とした86への贖罪として、レイドデバイス同調率を最大に設定して自殺している。
ジェローム・カールシュタール
レーナの父の友人。階級は准将。50代の白銀種[29]。特別偵察任務 (という名の処刑) を撤回させるために陳情に来たレーナに、共和国の本当の姿を明らかにする。
ヴァーツラフ・ミリーゼ
レーナの父。階級は陸軍大佐。共和国正規軍の数少ない生き残りで、有色種の強制収容に反対していた。当時10歳だったレーナに戦場を見せるために偵察機を85区外へ飛ばした際、対空自走砲型によって撃墜され死亡している。
マルガレータ・ミリーゼ
レーナの母。白銀種。共和国市民の例に違わず86を忌避しており、また同じように最後まで己の怠慢を受け入れずに大攻勢の際に死亡した。
レイ (本名: ショーレイ・ノウゼン)
シンの兄。身長およそ180 cm[5]。容姿はシンとは正反対で、赤髪と黒目、眼鏡を掛けた温厚な青年。5年前 (星暦2143年) の冬に東部戦線で死亡しているが、上記理由で撃墜された中で生き残ったレーナを助けたことがある。その脳はレギオンの中央処理装置の構造図リミットを突破するために回収され、《羊飼い》として重戦車型に組み込まれていた。パーソナルネームはデュラハン。使用していたパーソナルマークは首のない骸骨の騎士で、幼少期のシンのお気に入りだった絵本に登場する主人公がモデルになっており、剣をシャベルに変えてシンが引き継いだ。

ギアーデ連邦編集

エルンスト・ツィマーマン
ギアーデ連邦の暫定大統領。十年前の革命の英雄であり、連邦軍の最高司令官も務める。ギアーデ連邦にたどり着いたシンたちを養子として迎え入れた。普段は温和かつお茶目な性格だが、政治の場での存在感と発言力は「火竜」にも喩えられる。小説3巻時点で50代である[30]
グレーテ・ヴェンツェル
シンたちの理解者で、「第86独立機動打撃群」の旅団長。レギンレイヴの開発者でもある。階級は大佐。空軍のパイロットからフェルドレスのオペレーターに転身した経歴を持ち、作中でもレギンレイヴを駆って戦線を無傷で脱出するなど高い実力を誇る。小説3巻時点で27歳[30]
ヴィレム・エーレンフリート
ギアーデ連邦軍西方方面軍参謀長。階級は准将。口の悪いリアリストだが、彼なりの考え方で86の面々を気にかけている。昔グレーテに思いを寄せており、戦死した彼女の恋人とは友人兼恋敵の間柄だった。こちらも小説3巻時点で27歳[30]
リヒャルト・アルトナー
ギアーデ連邦軍少将。グレーテとヴィレムの陸軍大学同期である。ナハツェーラーの使用許可を出した人物。86を若干危険視している。
テレザ
金髪碧眼で細身のメイド。エルンストに仕えている。
イザベラ・ペルシュマン
レーナの副官である20代半ばの女性。階級は少尉。赤髪と緑の目を持つ。学生時代のあだ名はミンチン女史[31]
ユージン・ランツ
元貴族生まれの白銀種で、シンの特士校 (特別士官学校) の同期で友人。階級は少尉。レギオンの攻撃で下半身を失う瀕死の重傷を負い、シンに安楽死させられた。妹のニーナを溺愛しており、シンからはシスコン呼ばわりされることもあった。
ニーナ・ランツ
ユージンの10歳の妹。安楽死させたとは言え、ユージンを殺したシンに糾弾の手紙を送り付けた。だが、電磁加速砲型撃破作戦成功後にユージンの墓参りに訪れたシンに対し、ありがとうと言っていた。ユージンの死をある程度は受け入れられたと思われる。
キリ (本名: キリヤ・ノウゼン)
フレデリカの近衛騎士だった男。シンの6歳年上[32]。シンの遠縁にあたる[注釈 7]。長い戦いの果てに正気を失っていき、フレデリカを追い詰めた連邦体制への憎しみを抱いたまま《羊飼い》として電磁加速砲型に取り込まれてしまう。近親者としてシンに執着に近い感情を抱く。
セイエイ・ノウゼン
現在のノウゼン家当主。シンとレイの祖父にあたる。
レイシャ・ノウゼン
シンの父。ゼレーネと同様に人工知能の研究者である。妻の名はユウナ・マイカ・ノウゼン[33]。ファイドの元となる人工知能と犬型ロボットの製作者でもある。
ゲルダ・マイカ
シンの母方の祖母。帝国の大貴族であるマイカ家の女侯。
エルウィン・マルセル
シンやユージンの同期で、階級は少尉。シンがユージンを介錯した事に糾弾し、ニーナにユージンの死を伝えた。大攻勢の際に右足を複雑骨折したことで後遺症が残り、フェルドレス搭乗員をやめ、ヴァナディースにて第86独立機動打撃群の作戦本部で管制を務める。ロア = グレキア連合王国へも同行し、その際シンに対してユージンの一件を謝罪した。

ロア = グレキア連合王国編集

ヴィーカ (本名: ヴィクトール・イディナローク)
ロア = グレキア連合王国第5王子。レギオン側識別名「フヴェズルング」。18歳という若さで南方方面軍総司令官を務める。階級は中佐。イディナローク家に代々伝わる「紫晶」の異能を継ぎ、驚異的な頭脳と引き換えに倫理観の欠如という弊害を負っている。実はマリア―ナ・モデルの開発者であり、ベースとなったのは自身の母であるマリアーナ・イディナロークである。本来は生まれてすぐに亡くなった彼女の人格を修復することが目的だったが、結果は失敗。王妃の遺体を損壊させた咎で王位継承権を剥奪された。その後マリアーナ・モデルを公開ネット上にアップロードしており、〈レギオン〉戦争の遠因となった。以降「屍の王 (ネクロフィリア)」や「鎖蛇」といった二つ名で呼ばれるようになり、現在は〈シリン〉の製造などを行いその部隊を指揮している。戦場に出る際のパーソナルネームはガデューカ
ザファル・イディナローク
ロア = グレキア連合王国第1王子、連合王国軍総司令官。10歳離れたヴィーカを気に入っている。幼少期のヴィーカが子猫の眼球をくり抜いた事件以来、それ以上人の道を踏み外さぬように矯正を図り、ある程度は成功した模様。ちなみにその隻眼の猫は居室で飼われている[34]
レルヒェ
〈シリン〉一番機。パーソナルネームはチャイカ。そのモデルはヴィーカの乳兄弟であったレルヒェリートという女性。ヴィーカの10歳の初陣の時、前線基地が攻撃された際の瓦礫から自らを犠牲に彼を守って死亡している。
スヴェトラーナ・イディナローク
ロア・グレキア国王の7つ上の姉でヴィーカの伯母に当たる。国王をファーストネームで呼ぶことの出来る唯一の人物。
ヴィーカと同じイディナロークの異能者で先代の「紫晶」だが現在はその力はヴィーカに移っている。ヴィーカが人工知能の専門であるのに対して誘導システムを得意とし、「無慈悲な女王」捕獲作戦ではヴィーカの要請を受けて自走自爆兵器「スロゥネ」を彼女の〝武器庫〟から提供した。

ヴァルト盟約同盟編集

オリヴィア・アイギス
ジャガーノート用の新装備である「アルメ・フュリウーズ」の教官。階級は大尉。黒珀種との混血で弱まっているものの、青玉種の異能である未来視で3秒先まで見通せる。機動打撃群機甲グループに配属予定の盟約同盟軍のエースで、シンと同じく近距離戦を得意とする。

その他編集

黒猫
元はダイヤが拾ってきてスピアヘッド戦隊隊舎で飼われていた猫。シンたちが特別偵察に向かった後にレーナが引き取った。シンたちは正式な名前を付けておらず、皆思い思いの名前で呼んでいた。レーナが付けた名前はテルモピュライで、愛称は「ティピー」。なぜかシンに懐いている。
ゼレーネ・ビルケンバウム
旧ギアーデ帝国帝立軍事研究所に努め、自律兵器の研究に携わっていた天才科学者。階級は少佐。公開ネット上にアップロードされていたマリアーナ・モデルをほぼ独力で改良し、レギオンの制御系を作り上げた。斥候型の初期ロットのロールアウト直後に病死したとされるが、遺体が発見されていないなど、その死には謎が多い。
イヴォーヌ・プリムヴェール
共和国暫定政府内の補佐官[35]で、その内部組織の聖マグノリア純血純白憂国騎士団首領である白系種の女性。エルンスト大統領に対し、元86全員の”返却”を要求していた。

用語編集

86 (エイティシックス)
共和国全85区の外側の存在しないはずの86区[注釈 8] (強制収容所) とそこで暮らす人々のこと[4]。共和国に85区外に生息する「人型の豚」として扱われてきた。
正確には共和国政府によって迫害された有色種 (コロラータ)。一切の人権を奪われ、兵役に応じたものも番号でのみ管理される。政府は5年間の兵役に応じればその家族に市民権を与えると公言しているが、それはあくまで表向きの話であり、実際に市民権が与えられることはない。毎年約10万人の入隊者のうち最初の一年を生き延びるものは1000人に満たず。また、5年間生き延びた者たちには〈レギオン〉支配域深部への特別偵察任務、すなわち”死”が与えられる。その生存率は全くの0であり、強制収容所の劣悪な環境と相まってシン以上の年代の86は極僅かしか存在しない。
情報処理装置 (プロセッサー)
ジャガーノートの搭乗員、すなわち86のこと。ジャガーノートは無人機である「設定」のため、搭乗員は操縦士 (オペレーター) ではなくこう呼ばれる。ギアーデ連邦でも、その戦闘狂っぷりから皮肉を込めてこう呼ばれている。
指揮管制官 (ハンドラー)
共和国国軍本部からパラレイドを使用して部隊の指揮管制を行なう。が、マトモに業務を果たしている者はほとんどおらず、スポーツ観戦や業務放棄はマシな方で、自らの部隊を特攻させて愉んだり、全滅までの日数を賭けるものすら存在する。
ロア = グレキア連合王国においては〈シリン〉の管制を行う指揮官のことも指す。
レギオン
ギアーデ帝国が開発した自律式無人戦闘機械。星暦2139年 (共和暦358年) のギアーデ帝国による周辺諸国に対する宣戦布告の後、共和国に侵攻を開始し、共和国正規軍を半月で壊滅させた。
機体および制御AIの開発主任は、ゼレーネ・ビルケンバウム。
通常のレギオンのこと。レギオンが暴走した時の保険としてOSのバージョン毎に5万時間、およそ6年弱で中枢処理装置が自壊する変更不能の寿命が帝国によって設定されている。
黒羊
前述の寿命を回避するため、死者の脳構造を中枢処理装置として取り込んだもの。シンには死に際の思考を繰り返し続ける形で聞こえる。能力的には羊と変化はない。
市民革命によって滅んだ帝国からの機能アップデートが受けられなくなったため、独自に機能保全を行った結果、脳を取り込むという行動に至ったとされる。
羊飼い
死後間もない死者の脳構造を取り込んだレギオン。指揮官機として他のレギオンを統率する。《黒羊》とは異なり人間としての意思と人格をもつが、上位指揮官機には反抗出来ない。シン曰く、その声は「良く通るから分かりやすい」。
牧羊犬 (シープドッグ)
《羊飼い》では生前の記憶に引きずられることを嫌ったレギオンが、それをさらに改良したもの。《羊飼い》とは違って記憶野を破壊されており、《羊》と同様に思考はしない代わりに《羊飼い》以上の戦闘効率を誇る。4巻以降の殆どのレギオンはこのタイプである。
知覚同調 (パラレイド)
「人類種族の潜在意識」としての集合無意識を介し、人同士の意識を接続することで知覚を共有する技術。距離や天候、地形の影響を受けないため、阻電撹乱型によるジャミング下でも通信が可能。ただし翻訳機能は搭載されていないため、言語の壁を超えることは不可能[36]。理論上五感のいずれであっても共有が出来るが、視覚は情報量が多過ぎるために使用者が失明する危険性があるので、通常は使用されない。共和国軍においては聴覚を同調して互いの声や聞いた音を伝え合う通信手段として使用されている。
共和国に於いて86が使用する場合には首の後ろに疑似神経結晶と呼ばれるものをインプラントする必要がある。共和国におけるこの手術は割と雑で、本来皮下に注入されるはずが脊髄を傷付け、身体が動かなくなって廃棄されるプロセッサーが稀に出る上、麻酔も消毒もろくに施されないために傷が中々治らないことも間々ある。
ギアーデ連邦にたどり着いたシンたちから回収したレイドデバイスを基に、連邦軍でも運用されるようになる。このコピー品は共和国軍のオリジナルと同調を行なうことも可能[注釈 9]
実は、焔紅種で稀に血族間での精神感応が出来る一族が存在し、それと同じ現象を人為的に引き起こしている。
マリアーナ・モデル
ロア = グレキア連合王国が開発し、公開ネットワーク上に全情報を開示した人工知能モデル。レギオンの中枢処理系の原型となった。この人工知能の材料となったのはヴィーカの母、マリアーナ・イディナロークの脳である。
第86独立機動打撃群 (ストライク・パッケージ)
ギアーデ連邦西方方面軍所属の独立機動部隊[37]。高機動型フェルドレスであるXM2《レギンレイヴ》を主軸に据え、〈レギオン〉重点の制圧に投入される。戦闘員のほとんどが元86で構成された事実上の外人部隊。
その活動範囲は他国のレギオン支配域にも及び、他国からの要請に応じて国外遠征に派遣されることもある。
聖マグノリア純血純白憂国騎士団
大攻勢で崩壊した旧サンマグノリア共和国の暫定政府内に存在する組織。自らを優良種とする狂信的な考えを持ち、旧共和国市民の支持者が増え、徐々に地位を築きつつある。支持者たちは元86に対して侮辱行為を行っており、侮蔑的なシュプレヒコールやビラ配り、ラジオの海賊放送をしている。シンたちの間では「純白の国土人間の手に取り戻せ」というスローガンから「洗濯洗剤」という呼び名が定着している。
有色種 (コロラータ)
旧サンマグノリア共和国に於いて、白系種以外の民族のことを指して言われた蔑称。
人造妖精〈シリン〉
ロア = グレキア連合王国がアルカノストに用いる人型の制御用コアユニット。レギオンの《羊飼い》のように脳の構造をスキャンし、データ化された脳構造は人造細胞で再現され、記憶削除と疑似人格の刷り込みを実施した上で〈シリン〉の頭蓋内に収められる。材料はあくまでも志願者のみで、献体を志願した軍人が治療順判定 (トリアージ) で救命不能 (ブラックタグ) と判定された場合にのみ行う。肉体は人造皮膚と筋肉、金属フレームやその他のコードなどで出来ている。また、レギオンと同じように”声”を発しており、シンは聞くことが出来る。
思考支援デバイス 〈ツィカーダ〉
シリンのハンドラーのために開発された、知覚同調の負荷を軽減するデバイス。見た目は薄い藤色の銀糸がレース模様を描くチョーカーだが、使用時は装着者の生体電流を動力に稼働し、自己増殖機能をもつ疑似神経線維がボディスーツのように全身を覆って外部脳として機能する。その仕組みから軍人には気に入られず、制式採用はされなかった。

機体編集

サンマグノリア共和国編集

M1A4 ジャガーノート
共和国が保有する無人式自律戦闘機械 (ドローン)。しかし実際は実用レベルの戦闘用AIの開発に失敗し、人ではないとされた86が搭乗している「有人搭乗式無人機」である[4]。「無人機」であるため、エアバック、脱出装置等は装備されていない。背部に固定武装としてガンマウントアームを装備し、57 mm滑空砲を通常は装備する。副兵装としては、ワイヤーアンカー2基、格闘用サブアームに高周波ブレード2基か12.7 mm重機関銃2丁を装備。全長10.7m。機体自体はM551シェリダンをモチーフとしている[3]。戦時急造の突貫兵器であり、作中では事あるごとに「アルミの棺桶」と揶揄される掛け値なしの欠陥機。明示された欠点は、「重機関銃弾 (恐らく斥候型の) にもぶち抜かれる薄っぺらな装甲」「歩行制御プログラムの未熟による華奢な四脚」「貧弱な主砲」「履帯式戦車よりはマシという程度の機動力」「プロセッサーの頭部ごと吹き飛ぶクラムシェル型コックピット」など、レギオンからも装甲歩兵相当の兵種と判断されている。
スカベンジャー
戦闘中のジャガーノートに随伴し、弾薬やエネルギーパックの補給を行なうことを目的として作られた支援機。積載量は10トンを超える[38]。正式名称は「M101 バーレット[39]」だが、戦闘中は不足物をジャガーノートやスカベンジャーから剥ぎ取り、非戦闘時も使用可能な破片を探して戦場跡を這い回る様からプロセッサーの誰もがスカベンジャーと呼ぶ。シンに付き従うスカベンジャーは「ファイド」と呼ばれており、部隊の皆に可愛がられている。ファイドは激戦をくぐり抜けてきた学習のたまものか、シンたちの言動をよく理解し、戦死者の遺品回収などを行うなど、単なる作業機械に留まらない能力を獲得している。
実はファイドはシンの父親が作ったものであり、元は大型犬を模した柔らかな素材の筐体だった[40]。しかし開戦により戦場に駆り出された一家を捜し守るため、スカベンジャーに全構成データを転送して戦場へ赴いた。その後、成長したシンに出会って今に至る。全長3.1 m。

ギアーデ連邦編集

XM2 レギンレイヴ
共和国のM1A4ジャガーノートを参考に開発された第3世代フェルドレス (多脚機甲兵器)[9]。グレーテ・ヴェンツェル中佐が設計・開発した高機動型で、敵の攻撃を防御するのではなく、回避する (機動防御) というコンセプトに基づいた設計がされ、高い機動力を誇る。半面、搭乗者への負荷が大きいため、初期部隊のキルレシオはヴァナルガンドと大差無かった。現在の運用は86や旧戦闘属領兵(ヴァルグス)が担っており、キルレシオも向上していると思われる。。背部に固定武装としてガンマウントアームを装備し、88 mm滑腔砲を標準装備する。副兵装としては、高周波ブレード2本か12.7 mm重機関銃2丁を格闘用サブアームに装備。他にも、ワイヤーアンカー2基、脚部・対装甲パイルドライバ4基の固定武装がある。
ガンマウントアームのバリエーションとして88 mm狙撃砲、88 mm散弾砲、ミサイルランチャー、大型機関砲が登場している。なお、88 mm砲の愛称はドイツ軍の「アハト・アハト」が一般的だが、作者の名前の都合から作中ではソ連軍の76 mm砲の通称「ラッチェ・バム」が使用されている。全長6.3 m。
シンたち曰く「共和国のジャガーノートより多少上等な、アルミの棺桶」「搭乗者クラッシャー」。シンたちはレギンレイヴではなくジャガーノートと呼んでいる。
作中第5・6巻ではロア = グレキアの雪原に対応した寒冷地仕様機が登場。
M4A3 ヴァナルガンド
連邦の主力の第3世代フェルドレス。有人ゆえの機動力を除けば戦車型にほぼ匹敵する性能をもつ。主兵装は120 mm滑空砲、副兵装は12.7 mm重機関銃2丁であり、1人が操縦士を担当しもう1人が砲手および車長を務める複座式。斥候型、近接猟兵型であれば充分に圧倒可能。ただし〈レギオン〉の主要戦力である戦車型にはスペックでやや劣るため、統制をとった連携と、人海戦術で戦線を維持している。近代化改修を適宜行っているようで、シン達の入隊前は第三期改修型が最新モデルだった。全長6.5 m。
XC-1 ナハツェーラー
地面からわずか数メートル上を飛ぶ、地面効果翼機 (ランドクラフト) と呼ばれる極めて特殊な飛行機。レーダー等から極めて捕捉されにくい。旧帝国空軍で開発され、量産開始目前の状態だったが、対レギオン戦争に伴い、試験施設ごと放棄されていた。積載重量は最大300トン超、ヴァナルガンドの4機小隊或いはレギンレイヴの16機中隊を積載可能。軍の要求に応えた結果重くなり過ぎ、離陸には電磁カタパルトが必要となった。カスピ海の怪物An225B2スピリットがモチーフとなっている[41]
ヴァナディース
レーナたち第86独立機動群司令部が搭乗する指揮車両であり。30トン級装甲車に管制機器一式と指揮設備が完備されている。作中ではレーナ、アネット、マルセル等が搭乗。自己防衛用に25 mmチェーンガンと12.7 mm機関銃を装備。パーソナルマークはセオが描いた赤いドレスの女性「鮮血女王」。
ウルフヘジン
ギアーデ連邦軍の装甲服。主に装甲歩兵たちが使用する。現実の強化外骨格に類似。12.7mm重突撃銃を標準装備し、稀に白兵戦装備を使用する者もいる[42]。主に斥候型や近接猟兵型に対応する。戦場ではハーフトラックや装甲車を利用した機械化歩兵として活動する。

ロア = グレキア連合王国編集

バルシュカ・マトゥシュカ
連合王国の主力である有人式フェルドレス。主戦場が足場の悪い雪原であるため、鉤爪を備えた五対十脚の太く短い脚部を持つのが特徴。安定した姿勢から一撃必殺を狙う。氷雪地帯という特性ゆえ連邦と違って歩兵の運用が困難な戦場であり、軽量型レギオンにも対応するためフェルドレスとしては異例の重武装を多重ロックオンシステムで運用する。
主兵装は長砲身の125 mm砲。副兵装は7.92 mm同軸機銃と14 mm旋回機銃、および8つの40 mm擲弾発射機。フェルドレスとしては規格外の重武装である。全長7.0 m、全高2.7 m。
6巻に登場したヴィーカ専用機「ガデューカ」は主砲が155 mm砲、同軸副砲が7.62 mmとなっている。
アルカノスト
無人半自律式フェルドレス。装甲の薄い華奢な胴体と五対十脚の長い脚部が特徴。主兵装は短砲身の105 mmガンランチャーで、副兵装は14 mm重機関銃。全長4.2 m、全高1.8m 。装甲は極めて薄く小型軽量を突き詰めた設計で、連邦のレギンレイヴより運動性能は上。ただし当然ながら生存性は極めて低い。制御には人造妖精〈シリン〉と呼ばれる、レギオンと一部似通った手法で作られた制御用コアユニットを使用している。
バルシュカ・マトゥシュカが行動不能になった場合に、搭乗者の保護のため、〈シリン〉が機体を譲渡、操縦を交代することもある。

ヴァルト盟約同盟編集

Mk6ストレンヴルム
グリフォンを思わせる翼と尾のようなスタビライザーを備えた四脚の機体、胴部には折りたたみ式の補助脚を持ち、盟約同盟の主戦場たる山岳で高い機動性を確保している。山岳戦のための機体の軽量化、激しい機動からの乗員保護のため操縦士は装甲強化外骨格を纏って操縦し、軽量、軽装甲の弱点も補っている。その最大の特徴は一対の滑空翼で、風を捉えることで極低空を飛行して迅速に前線に展開、機動防御を行うことが出来る。熟練者はこの翼を戦闘でも使用可能で、跳躍や急制動によるトリッキーな機動を行う。主武装は取り回しを重視した短砲身の105 mm散弾砲或いは40 mmガトリング砲、両肩のパイロンには高周波ランスかワイヤーアンカー2基を選択式で装備する。全長4.5 m、全高3.5 m。

レギオン編集

斥候型 (アーマイゼ)
名前のモチーフは「蟻」[43]
最も多く見られるレギオンの一つ。高精度のセンサを搭載しており、戦車型や長距離砲兵型への射撃目標指示を行うほか、敵歩兵戦力の掃討も行う。主兵装は7.62 mm対人機銃2丁、歩兵を装甲化する連邦戦線では武装を14 mm機銃に強化した機体も登場する。
近接猟兵型 (グラウヴォルフ)
名前のモチーフは「狼」[43]
前足部についた近接用の高周波ブレードで相手の装甲を切り裂く。機敏に動くためか、装甲はそれほど厚くない。また、六連装の76 mm多連装対戦車ロケットランチャーを装備しており、撃ち切った後はパージ可能。
戦車型 (レーヴェ)
名前のモチーフは「ライオン」[43]
上部に装備した120 mm滑腔砲によってあらゆるものを粉砕する。装甲が厚く巨体で、重量は50トン級。センサ感度は斥候型に比べ低く、その隙を突かれて撃破される事も少なくない。
重戦車型 (ディノザウリア)
名前のモチーフは「恐竜」[44]
総重量100トンの巨体に主兵装155 mm滑空砲と主砲同軸75 mm副砲、副兵装に12.7 mm重機関銃を装備と戦車型以上に強力。通常配備のレギオンの中では最強の機体であり、《羊飼い》は基本的にこの機体を使用する。センサ性能は戦車型同様低く、斥候型との連携を前提にしている。
阻電攪乱型 (アインタークスフリーゲ)
あらゆる電磁波と可視光を吸収し屈折し撹乱するレギオン。蝶の姿と大きさをしており、先発部隊として戦域に展開し敵のレーダーを欺瞞したり、ジェット機のエアインテークに飛び込んでエンジンを無効化したりする。
高密度かつ広域に展開することにより、太陽光を遮って寒冷化を起こすことさえ可能。全長約10 cm、重量約2グラム。
対空自走砲型 (シュタッヘルシュバイン)
戦争開始直後に全戦闘区域にばら撒かれ、制空権を完全に支配した。
対戦車砲兵型 (シュティーア)
自走砲に当たるレギオン。中〜遠距離での砲支援を行う待ち伏せ専門の機体だが、その特性上前線に出ることが少なく、作中でのヴィジュアルも判明していない。
長距離砲兵型 (スコルピオン)
名前のモチーフは古代ローマの野戦用バリスタである「スコルピオー」[45]
重砲型のレギオンで、戦域の遥か後方より155 mm榴弾砲、もしくは多連装ロケットシステムで砲撃支援を行なう。レーヴィチ要塞奪取作戦では異例となる最前線での攻撃を行なった。榴弾砲装備型の砲塔水平時全長は11.0 m、同じく全高2.2 m。
電磁加速砲型 (モルフォ)
名前のモチーフは「モルフォ蝶」[46]
射程400 km (キロメートル) にも及ぶ超長距離砲撃が可能な電磁加速砲 (レールガン) を装備するレギオン。全長40.2m、重量1,400トンとかなりの大型機であるが、列車砲のスタイルをとることにより素早い陣地転換が可能。砲戦に特化しているので、重戦車型を含む直掩部隊を従えて護衛させている。また、40 mm対空・対地電磁バルカン砲6門を装備し、ミサイルによる攻撃にも対応している。装甲には、爆発反応装甲が採用されている。
回収輸送型 (タウゼントフュスラー)
レギオン側の資源回収を担当する。必要とするものは何でも回収し、《黒羊》や《羊飼い》とするために人間を回収する事も珍しくない。
警戒管制型 (ラーべ)
上空20 kmを飛行する航空機で、早期警戒機兼指揮管制機。阻電撹乱型の親機でもあり、阻電撹乱型から中継されるレギオン間の通信を統合、分析し、管制下のレギオンに対応を指揮する役割をもつ。戦車型などと同じ量産機で、レギオン支配域に複数機が常駐している[47]。全幅約122 m。
発電プラント型 (アトミラル)
名前のモチーフは「タテハ蝶[46]
街一つほどの大きさの巨大な蝶型レギオン。大多数は翅に敷き詰めた太陽光発電パネルを用いるが、中には地熱発電核融合反応による発電を行う機体も確認されている。
自動工場型 (ヴァイゼル)
名前のモチーフは「女王蜂」[48]
レギオン側の工廠。
発電子機型 (エデルファルター)
名前のモチーフは「蝶」[46]
前述の電磁加速砲型、発電プラント型の隷下に入る太陽光発電パネルの翅を有する手の平大の蝶型レギオン。
射撃子機型 (ビーネ)
前述の発電プラント型が防御兵装として従えるレーザー射撃機。
自走地雷
人間や人間側の装甲兵器に抱きつき自爆する。対戦車用はヴァナルガンドの上面装甲を貫通するほどの威力を持ち、戦闘員からは忌み嫌われている。大抵負傷兵や民間人を装うために「声」を発しており、それを聞いて油断した隙に抱き着いてくる。負傷兵型や子供型が存在する。
高機動型 (フォニクス)
阻電撹乱型を利用した光学迷彩と特殊な形状の高周波チェインブレードを装備する新型と思しきレギオン。レギンレイヴを上回るほどの非常に高い運動性能かつ超軽量である。中枢処理系を分解し敵性存在より逃走、再構築することが可能。また、レギオン内では例外的に漆黒の装甲に覆われている。全長約2.6 m。
高機動型・改
羽のような材質不明のダイラタント流体金属を纏った改良型。以前のシンとの戦闘で得たデータを基に、高機動ゆえの弱点だった装甲を補強、耐弾・対破片防御力が向上している。流体装甲は自在に形状を変え、HEATに対しては中空装甲として、APFSDSに対しては拘束装甲として瞬時に対応している。また、装甲をフレシェット弾として撃ち出すことも可能である。全長約2.6 m、頭頂約2.1 m。
高機動型・超高機動戦仕様
シンを撃破するためだけにとった姿。今まで纏っていた液体装甲は全て廃し、機動力を限界まで高めている。過去に二度、人型の敵 (すなわちシンとレルヒェ) によって撃破されているため、それを自己進化に取り込んだ結果人を模した形状となった。
また、この姿になる前は流体装甲を使用したダミーシステムも使用しており、対応したシデンらを惑わせた。
電磁射出型 (ツェンタウアー)
軽量級のレギオンを電磁カタパルトで打ち出すための支援用レギオン。数機で90 mにもなるレールを背負い、戦場の遥か後方から空挺部隊を射出する。
第6巻での竜牙大山レギオン拠点攻略作戦では、連合王国軍が電磁カタパルト部分を鹵獲し、対戦車兵器「スロゥネ」を投入するために利用している。
《無慈悲な女王》
ロア = グレキア連合王国の南方戦線で確認されている指揮官型の識別名。レギオン側の正式名称は《ミストレス》。
通常、レギオンの指揮官型は重戦車型だが、この無慈悲な女王は戦争序盤の初期ロットの斥候型で、武装の類は一切装備されていない。また、通常なら鉄色の塗装を施しているはずの装甲は月光にも似た白系の塗装が施されており、三日月とそれに凭れる女神のパーソナルマークが描かれている。《羊飼い》であり組み込まれているのはゼレーネ・ケルビンバウム。5〜6巻では高機動型の開発と運用を行っていることが判明した。その目的は高機動型を撃破した人間に自身のもつ情報を伝えること。これに基づき7巻では捕らえられた盟約同盟でシンとの対話を行い、彼とヴィーカに全「レギオン」の停止手段を教えた。
ノゥ・フェイス
レギオン総指揮官機、どのような機体なのかは判明しておらず、独白およびキリヤ、ゼレーネとの通信でのみ登場。顔 (フェイス) の無い信念 (フェイス) と自嘲する皮肉げな男。かつて共和国戦線で戦死した86の一人。七巻では生前ゼレーネと面識があったことが判明、最初期の試作機から統括ネットワークの指揮官に選ばれた機体であり、その存在は既に「レギオン」という括りすら超越しつつある。

民族編集

白系種 (アルバ)編集

共和国に古くから住む民族。共和国では多数派。

白銀種 (セレナ)
白銀の髪と瞳をした民族。共和国誕生以前から現在の共和国の地に住んでいるかつての貴種。レーナは純血の白銀種。異能持ちの能力はカリスマの発揮である。
月白種 (アデュラリア)
青みがかった銀髪を有する民族。アンジュは月白種と天青種の混血。
雪花種 (アラバスタ)

黒系種 (アクィラ)編集

夜を纏う民族。黒髪黒目の白人種である[49]

夜黒種 (オニクス)
漆黒の髪を有する貴種。異能持ちは持久力や神経の反応速度、動体視力等の身体能力が高めである[50]。夜黒種と焔紅種の混血は旧帝国の貴族階級特有のもので、シンとフレデリカがこの混血である。
極東黒種 (オリエンタ)
黒い髪と瞳を持ち、象牙の肌をした民族。体躯は小柄。カイエとレキがこの民族 [31]
黒鉄種 (アイゼン)
鉄色の髪を有する民族。ライデンはこの民族の純血。
黒珀種 (ジェット)
エルンスト・ツィマーマン連邦暫定大統領はこの民族。
南方黒種 (アウストラ)
黒髪で黒い膚を有する。クジョーはこの民族。
砂漠褐種 (ディザリア)
浅黒い肌を有する民族。

金系種 (アウラータ)編集

光の金色の民族。

翠緑種 (ジェイド)
金の髪に翡翠の瞳をした民族。セオはこの民族。
金晶種 (トパーズ)
猫のような金色の瞳をした民族。クレナは金晶種と瑪瑙種の混血。
陽金種 (ヘリオドール)
アルドレヒトの妻はこの民族。
翠水種 (エメロード)

赤系種 (ルベラ)編集

紅い色彩の華やかな民族。

焰紅種 (パイロープ)
血赤の瞳をした貴種。異能持ちは超感覚を有する。稀に血族間での精神感応が出来る一族がいる。
緋鋼種 (ルビス)
ハルトはこの民族。
瑪瑙種 (アガット)
落栗色の髪と褐色の瞳を有する民族。ミナはこの民族。
朱緋種 (スピネル)
朱色の瞳を有する民族。番外編に登場したエイジュがこの民族。

青系種 (カエルレア)編集

青い瞳の涼やかな民族。

天青種 (セレスタ)
銀髪と浅い青の瞳を有する民族。マシューはこの民族。
青玉種 (サフィール)
ダイヤはこの民族。

紫系種 (ウィオラ)編集

ロア = グレキア連合王国に古より住まう民族。

紫瑛種 (アマティスタ)
焦色と紫の瞳が特徴である紫系種の貴種。知能の強化、平たく言うと極端な天才が生まれやすい血統。イディナローク家の異能持ちは紫晶と呼ばれ、同世代の2人以上に発現することは無い。
淡藤種 (ターフェ)
宵菫種 (アイオラ)
青紫の瞳が特徴の種族。

地名編集

サンマグノリア共和国
世界初の近代民主制国家。300年前の革命で王政が倒れ、身分制度が廃止された。国名の由来は革命の聖女マグノリア。首都はリベルテ・エト・エガリテ、副都はシャリテ。自由と平等、博愛と正義と高潔を表す五色旗を掲げるが、〈レギオン〉との戦争が始まると有色種の人間を強制収容所 (86区) に隔離した[51]。約2万3千平方キロメートルの全85区からなり、その外周は大要塞壁群 (グラン・ミュール) が取り囲んでおり、さらにその外には対人・対戦車地雷原と自律式迎撃砲が何重にも渡って敷設されている。中心部の第1区にはハンドラーの管制室や発電・生産プラント等がある。
戦争が始まって以降は食料の生産や料理がほとんど行われておらず、収容所も含めて合成食糧で補っている。収容所の合成食糧は「プラスチック爆薬」と表現されるほど不味い。
共和歴368年8月25日に電磁加速砲型「モルフォ」の砲撃でグラン・ミュールが陥落し、押し寄せてきた〈レギオン〉の猛攻に対応出来ず、陥落から一週間後に滅亡した。
大攻勢の際に国民のほとんどが回収輸送型によって連れていかれ、《黒羊》や《羊飼い》にされた。その数は一千万にも及ぶとされる。
ギアーデ帝国
レギオンを開発した軍事大国。開戦直後に市民革命によって滅亡した[52]
ノウゼン家はこの国で皇帝の守護者を任せられるほどの戦士の一族の系譜であった。
ギアーデ連邦
市民革命によって誕生した共和制国家。共和国から東へレギオン支配域を抜けた先にある。首都はザンクト・イェデル。帝国を滅ぼしたのでレギオンに敵と認識され、レギオンとの戦いを続けてきた。戦闘属領 (ヴォルフスラント) を盾に本土を無傷で守りきっており、共和国と違って食料がそれなりに流通している。テレビではアニメや特撮、スポーツ番組も放送されているらしい。
ロア = グレキア連合王国
ギアーデ連邦の北部に位置する、大陸唯一の専制君主制国家[53]。王都はアルクス・スティリエ、副都はヒーテ・ビルチ。ギアーデ連邦とを結ぶ西方諸国間高速鉄道 鷲氷ルートの龍骸基底トンネルは、スイスのゴッタルド基底トンネルがモチーフとなっている[54]
旧ギアーデ帝国の友邦にして仮想敵国
《牧羊犬》が主力化してから、阻電攪乱型の超重層展開で発生した金属雲で太陽光が遮られて急激に寒冷化が進んでいた。そのため、南にある穀倉地帯が壊滅の危機に陥っていたが、竜牙大山拠点攻略作戦によって太陽を取り戻した。
ヴァルト盟約同盟
ギアーデ連邦南部の武装中立国家[55]。同盟本部はカペラ、第2首都はエストホルン。

書誌情報編集

小説編集

巻数 タイトル 発売日 ISBN
1 86-エイティシックス- 2017年2月10日[56] ISBN 978-4-04-892666-9
2 86-エイティシックス-Ep.2 -ラン・スルー・ザ・バトルフロント-<上> 2017年7月7日[57] ISBN 978-4-04-893232-5
3 86-エイティシックス-Ep.3 -ラン・スルー・ザ・バトルフロント-<下> 2017年12月9日[58] ISBN 978-4-04-893397-1
4 86-エイティシックス-Ep.4 -アンダー・プレッシャー- 2018年5月10日[59] ISBN 978-4-04-893830-3
5 86-エイティシックス-Ep.5 -死よ、驕るなかれ- 2018年10月10日[60] ISBN 978-4-04-912092-9
6 86-エイティシックス-Ep.6 -明けねばこそ夜は永く- 2019年4月10日[61] ISBN 978-4-04-912461-3
7 86-エイティシックス-Ep.7 -ミスト- 2019年9月10日[62] ISBN 978-4-04-912798-0

外国語版編集

中国語
台湾角川より『86-不存在的戰區-』のタイトルで刊行されている[63]
韓国語
映像出版メディアノベルエンジンより『86-에이티식스-』のタイトルで刊行されている[64]

漫画編集

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 共和国に残っていた記録で誕生日を知ることは出来るものの、無関心から知ろうとはしなかった模様。もっとも、これは86全般に言えることではあるが。
  2. ^ ギアーデ帝国が既に滅亡していることにより、ギアーデの兵器であったレギオンもまた亡国の遺命に従う「亡霊」となったため。
  3. ^ 連邦が帝政の頃に始まった風習で、今なお軍の一部に残る。幼い少女を部隊に加えて共に生活させ、庇護欲を以て兵士の逃亡を防ぐ目的の言わば人質である。
  4. ^ シン達がいなくあった後に構成された隊
  5. ^ 帝国に帰順しない民のことで、免税特権と食料配給を対価に戦争の度に駆り出される。サリカ法典が元ネタ。
  6. ^ シンは幼なじみであったことをあまり覚えていない。
  7. ^ シンの両親はギアーデ帝国出身。
  8. ^ 86には英語のスラングで「好ましくない客を拒む」という意味がある。eighty-six: to refuse to serve (an undesirable or unwelcome customer) at a bar or restaurant. - Dictionary.com
  9. ^ 但し、異なる技術で作り出されたものであるため、共和国のオリジナルから発せられた音声はノイズが掛かってひび割れたようなものとなってしまう (本来は鮮明に聞こえる)。

出典編集

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参考文献編集

外部リンク編集