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あゝ野麦峠

山本茂実によるノンフィクション文学作品
野麦峠に置かれている像

あゝ野麦峠』(ああのむぎとうげ)とは、山本茂実1968年に発表したノンフィクション文学。副題は「ある製糸工女哀史」。

初版は朝日新聞社刊。1972年に新版が刊行されている。

概要編集

明治から大正にかけて岐阜県飛騨地方の農家の娘(多くは10代)たちが、野麦峠を越えて長野県諏訪岡谷の製糸工場へ働きに出た。吹雪の中を危険な峠雪道を越え、懸命に就業した。当時の富国強兵の国策において有力な貿易品であった生糸の生産を支えた女性たちの姿を伝えた。山本は10数年におよび飛騨・信州一円を取材し数百人の女工、工場関係者からの聞き取りを行ったという。

書籍(原作)の内容編集

映画では、飛騨からの出稼ぎ女工の悲惨な面を強調して描かれているが、原作では、工女の賃金にばらつきがあったことや、「我が家は貧乏だったので工女に行けなかった」、「実家の農家で働いていた方がきつかった」といった複雑な背景も描かれている。糸値に翻弄される製糸家の厳しい実情などにも言及し、詳細な聞き取り調査のもと、日本の貧しく苦しい時代を懸命に生き抜いた人々を、その時代背景と共に浮き彫りにするように描かれている点が、多くの読者に評価されている。

道のり編集

 
野麦峠周辺の地形図。小説の道のりでは、右上の松本盆地を経由する。


関連編集

片倉財閥などの製糸企業の朝鮮半島進出もあり、『長野県統計白書』では1919年に朝鮮人の女工32名が記録されている[1]

映像化作品編集

映画編集

テレビドラマ 編集

「あゝ野麦峠」
1980年4月1日から5月27日まで、TBS系列で放送。全9話。放送時間は、火曜 21:00 - 21:55。

スタッフ編集

出演者編集

出演者参照:『福島民報』1980年4月1日 - 5月27日付朝刊、テレビ欄。

サブタイトル編集

話数 放送日 サブタイトル
1 1980年
4月1日
桃割れは吹雪をついて
2 4月8日 母マの飛騨がみえる
3 4月15日 九歳の新工
4 4月22日 母恋しさに峠を越えて
5 4月29日 勤さ・あんたが好きだ
6 5月6日 一日だけの青春
7 5月13日 旅芸人に母をみた
8 5月20日 姉と妹の細い糸
9 5月27日 野産み峠に光る雪
TBS 火曜21時枠
前番組 番組名 次番組
あゝ野麦峠

バレエ編集

  • [あゝ野麦峠]
作曲 : 藤掛廣幸

関連項目編集

脚注編集

  1. ^ 金賛汀・方鮮姫著『風の慟哭』田畑書店 1977年