エア・アスタナ

カザフスタンの航空会社
アスタナ航空から転送)

エア・アスタナ(Air Astana)は、カザフスタン航空会社である。

エア・アスタナ
Air Astana
Эйр Астана
IATA
KC
ICAO
KZR
コールサイン
ASTANALINE
設立 2001年9月
ハブ空港 ヌルスルタン国際空港
アルマトイ国際空港
マイレージサービス Nomad Club
親会社 カザフスタン政府
保有機材数 35機(13機発注中)
就航地 60都市
本拠地 カザフスタンアスタナ
代表者 Peter Foster
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概要 編集

首都アスタナに本拠地を置く同国のフラッグ・キャリアヌルスルタン国際空港と旧首都のアルマトイ国際空港ハブ空港として国内外に運航している。自転車ロードレースアスタナ・チームのメインスポンサーでもある。

航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している [1]

歴史 編集

 
2014年時点での就航国

エア・アスタナは2001年9月に設立され、2002年5月に3機のボーイング737リースし営業を開始した。その後さらに3機のボーイング757が加わったほか、2004年にはフォッカー 50も導入され、国内線のネットワークが大きく拡大した。2004年2月に国営のエア・カザフスタンが清算された後は全路線をカザフスタン航空から引き継ぐとともにカザフスタンのフラッグ・キャリアとなった。現在は1800人ほどの従業員を抱え、ルフトハンザドイツ航空との提携によってさらに航空網の拡大をしている。株式の51%をカザフスタン政府が所有し、残りの49%をイギリスの防衛航空宇宙企業BAEシステムズが所有している。

2008年にはカザフスタン政府により日本への乗り入れを希望し、日本政府側と早期の直行便開設で合意した[2]。その際、関西国際空港への発着枠は認められたものの、就航を希望する首都圏(羽田成田)には認められていない。2009年当時、両空港への発着枠は当分与えられる見込がないため、原子力関連で関係が深く、首都圏に近い茨城への就航を検討しているとされた[3]。日本・カザフスタン間の渡航は、2019年からSCAT航空東京/成田ヌルスルタン線の運航を行っている。また、2015年3月、翌月に社長就任を控えたANAホールディングス(HD)の片野坂真哉副社長は、日本の航空会社が就航していない中央アジアに路線を開設する考えを発表した。「資源が豊富なカザフスタンなどを含む中央アジアへの路線は、日本の航空会社で初めて」とのこと[4]

就航都市 編集

エア・アスタナ 就航都市(2014年10月現在)
都市 空港 備考
中央アジア
  カザフスタン アスタナ ヌルスルタン国際空港
アルマトイ アルマトイ国際空港
アクタウ アクタウ空港
アクトベ アクトベ空港
アティラウ アティラウ空港
カラガンダ カラガンダ空港
コスタナイ コスタナイ空港
クズロルダ クズロルダ空港
オスケメン オスケメン空港
パヴロダル パヴロダル空港
ペトロパブル(ペトロパブロフスク) ペトロパブル空港
ジェスカスガン ジェスカスガン空港
シムケント シムケント空港
  キルギス ビシュケク マナス国際空港
  ウズベキスタン タシュケント タシュケント国際空港
  タジキスタン ドゥシャンベ ドゥシャンベ空港
東アジア
  中国 北京 北京首都国際空港
ウルムチ ウルムチ地窩堡国際空港
  香港 香港 香港国際空港
  韓国 ソウル 仁川国際空港
南アジア
  インド デリー インディラ・ガンディー国際空港
東南アジア
  マレーシア クアラルンプール クアラルンプール国際空港
  タイ バンコク スワンナプーム国際空港
  ベトナム ホーチミンシティ タンソンニャット国際空港
西アジア
  アラブ首長国連邦 アブダビ アブダビ国際空港
ドバイ ドバイ国際空港
ヨーロッパ
  ロシア サンクトペテルブルク プルコヴォ空港
モスクワ シェレメーチエヴォ国際空港 2019年10月27日よりドモジェドヴォ空港へ移行予定[5]
ノヴォシビルスク トルマチョーヴォ空港
カザン カザン国際空港
エカテリンブルク コルツォヴォ国際空港
オレンブルク オレンブルク中央空港
オムスク オムスク・ツェントラーリヌイ国際空港
サマーラ クルモチ国際空港
  トルコ イスタンブール アタテュルク国際空港
アンタルヤ アンタルヤ国際空港
  ドイツ フランクフルト フランクフルト空港
  スペイン バルセロナ バルセロナ・エル・プラット国際空港
  チェコ プラハ ルズィニエ国際空港 2015年就航予定[6]
  フランス パリ シャルル・ド・ゴール国際空港 2015年就航予定[6]
  オランダ アムステルダム アムステルダム・スキポール空港
  イギリス ロンドン ロンドン・ヒースロー空港
  ウクライナ キーウ ボルィースピリ国際空港
  アゼルバイジャン バクー ヘイダル・アリエフ国際空港
  ジョージア トビリシ トビリシ国際空港
 
保有するエアバスA320型機 2011年
 
保有するエアバスA320-232型機(機体記号 : P4-PAS)
 
アルマトイ国際空港から離陸するBoeing 757-200型機

受賞歴 編集

2014年以降、以下の賞を受賞している。

コードシェア 編集

以下の航空会社とコードシェアを行っている。

ヨーロッパ航路 編集

EU圏内への路線は、2009年7月14日から乗り入れが禁止されていた(これはEUのブラックリスト指定にされたことによる措置)。2014年4月10日に乗り入れ禁止は解除され、機種に一部制限があるものの乗入れが可能になった[7]。2015年12月10日現在では、エア・アスタナの保有する全ての機種について、EUへの乗り入れは禁止されていない。

保有機材 編集

2022年5月現在、エア・アスタナの機材は以下の通りである。

エア・アスタナ 運航機材一覧[8]
機材 運用機数 発注機数 座席数 備考
C Y Total
エアバスA320neo 5 2 16 132 148
エアバスA321-200 2 28 151 179
エアバスA321neo 5 7 28 151 179
エアバスA321LR 7 - 12 150 162
ボーイング767-300ER 3 30 193 223 全機WL装着機
ボーイング787-8 3 No Data 2025年まで納入延期[9]
エンブラエル190‐E2 5 - 12 96 108 うち1機はユキヒョウ特別塗装機
39 6

エア・アスタナはボーイング787‐8の受領を市場環境・通貨下落・景気減速などを理由として、当初の2017年から3度の延期を行い2025年としている。

航空事故 編集

  • 2018年11月11日、エア・アスタナ1388便(エンブラエル ERJ190LR、P4-KCJ)が操縦に問題が発生したため、緊急事態を宣言しポルトガルのベージャ空港英語版へ緊急着陸を行った。P4-KCJは以前も電子機器問題ありの機材であり、10月2日からメンテナンスを行う為、OGMA-Indústria Aeronáutica de Portugal(ポルトガル航空工業)で運航停止中であった。11月11日のKC1388便はその回帰フライトであったが、離陸直後から問題が発生した。この機にはパイロットが3名、技術者が3名搭乗しており、機体は想定以上の負荷を受けて墜落寸前に陥るも、緊急着陸に成功し、全員生還した。

脚注 編集

  1. ^ Airlines using Amadeus” (英語). アマデウスITグループ. 2015年9月27日閲覧。
  2. ^ カザフスタンの航空会社「エア・アスタナ」の日本への乗り入れの意向を歓迎。福田総理とナザルバエフ・カザフスタン共和国大統領との間の共同声明(骨子) 2008年 外務省
  3. ^ “カザフ、茨城空港に関心 駐日大使 知事表敬し視察”. 茨城新聞. (2009年10月8日). オリジナルの2014年10月14日時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/eeDC1 
  4. ^ ANA、南米・アフリカ就航へ 片野坂HD新社長に聞く 2015年3月 朝日新聞
  5. ^ “エア・アスタナ、モスクワ利用空港をドモジェドヴォ空港に変更へ”. FlyTeam. (2019年8月24日). https://flyteam.jp/news/article/114258 
  6. ^ a b “エア・アスタナ、パリ、プラハ線に就航へ EU乗入禁止対象外で”. FlyTeam. (2014年4月21日). http://flyteam.jp/news/article/34377 
  7. ^ 2014年11月12日改訂版欧州連合移動・運輸総局EU乗入れ禁止航空会社リスト
  8. ^ Fleet and Seat Maps”. airastana.com. 2019年10月13日閲覧。
  9. ^ Air Astana Delays First Boeing 787 Delivery A Third Time” (英語). Simple Flying (2019年6月9日). 2022年5月5日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集