エイシンサンサン

日本の競走馬

エイシンサンサン(欧字名: Eishin Sansan1992年3月7日 - 2024年1月25日) は、日本の競走馬繁殖牝馬。主な勝ち鞍に1994年小倉3歳ステークス

エイシンサンサン
第55回桜花賞パドック(1995年4月9日)
欧字表記 Eishin Sansan[1][2]
香港表記 榮進珊珊[3]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1][2][4]
毛色 栗毛[1][1][2]
生誕 1992年3月7日[1][2][4]
死没 2024年1月25日(32歳没)
キャロルハウス[1][2][4]
エイシンギャロップ[1][2][4]
母の父 ノーザンテースト[1][2][4]
生国 日本の旗 日本北海道浦河町[1][4]
生産者 栄進牧場[1][2][4]
馬主 平井豊光[1][4]
調教師 坂口正則栗東[1][4]
競走成績
生涯成績 36戦4勝[4]
中央)35戦4勝[1]
香港)1戦0勝[3]
獲得賞金 1億8,576万2000円[1]
勝ち鞍
GIII 第14回小倉3歳S 1994年
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繁殖牝馬としては、3頭の障害競走重賞勝ち馬を生んだ。半弟に、自身が制した翌年の1995年に小倉3歳ステークスを制したエイシンイットオーがいる。

経歴

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競走馬時代

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3歳の1994年夏に小倉競馬場新馬戦でデビューし2着。2週間後にも再び小倉で新馬戦に出走し、初勝利を挙げた。3戦目も小倉に遠征し小倉3歳ステークスに出走。オグリキャップの第一子であるオグリワンも出走したことで世間の注目を集めたこのレースは、最後の直線で2番手から抜け出したオグリワンをエイシンサンサンがゴール前で差し切り重賞初勝利を挙げた[5]

しかし以降のレースでは精彩を欠くようになり、翌クラシックの桜花賞優駿牝馬、11月のエリザベス女王杯はいずれも二桁順位に沈んだ。馬券圏内も2着に入線したオープン競走のトパーズステークスのみで、5歳となった1996年夏からは1500万下に降級となった。降級後も勝ちきれないレースが続いていたが、6歳春の1500万下・難波ステークスで約2年7か月ぶりの勝利を挙げた。6月からのGIII5連戦では全レースで掲示板に入り存在感を示すと、11月には2年前に15着に大敗したエリザベス女王杯に出走。終盤まで逃げ粘り、ゴール手前でエリモシックダンスパートナーに差し切られるも、3着と健闘した。そして海外初挑戦となった12月の香港国際ヴァーズ12着を最後に現役を引退した。

繁殖牝馬時代

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引退後、生まれ故郷の栄進牧場で繁殖牝馬となった。2005年2月13日、3番仔のエイシンニーザン(父フォーティナイナー)が3歳未勝利戦を勝ち、産駒初勝利を挙げた。また2008年3月25日には同馬がJ・GIIの阪神スプリングジャンプを制し、産駒重賞初勝利を挙げた。

2015年10月に用途変更され繁殖牝馬を引退[2]。その後も功労馬として引き続き栄進牧場で繋養されていた[6]。2023年3月20日にはケイウーマンの死亡に伴い、(生存が確認できる中では)存命中の日本重賞勝利経験がある最高齢の牝馬となった。さらに同年12月30日にサクラエイコウオーが死亡し、以降は(確認の取れる中で)存命中の日本重賞勝利経験がある最高齢馬であった[7]が、2024年1月25日に死亡[8]。32歳没。これにより、フラワーパークが存命日本重賞勝利最高齢馬(且つ同JRA・GI競走優勝馬)となった。

競走成績

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以下の内容はnetkeiba.comの情報[9]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
[kg]
馬場・距離
馬場状態
タイム
上がり3F
タイム差 1着馬(2着馬)
1994. 7.16 小倉 3歳新馬 18 8 18 8.6(4人) 2着 岸滋彦 53 芝1200m(良) 1:10.5 (36.1) 0.2 ブイマシン
1994. 7.31 小倉 3歳新馬 14 6 10 1.4(1人) 1着 岸滋彦 53 芝1200m(良) 1:11.2 (36.7) -0.1 (ランドヴユウ)
1994. 9. 4 小倉 小倉3歳S GIII 14 7 11 8.1(5人) 1着 岸滋彦 53 芝1200m(良) 1:11.1 (36.2) -0.2 オグリワン
1994.10.22 阪神 デイリー杯3歳S GII 12 6 8 7.0(4人) 4着 岸滋彦 53 芝1400m(良) 1:22.5 (36.0) 0.2 マキシムシャレード
1994.12. 4 阪神 阪神3歳牝馬S GI 10 1 1 21.4(5人) 6着 岸滋彦 53 芝1600m(良) 1:35.6 (36.5) 0.9 ヤマニンパラダイス
1995. 2. 18 京都 エルフィンS OP 12 3 3 14.9(6人) 10着 岸滋彦 54 芝1600m(良) 1:36.1 (36.0) 0.9 シェイクハンド
1995. 3.11 京都 チューリップ賞 GIII 11 7 8 33.3(7人) 8着 岸滋彦 54 芝1600m(良) 1:37.0 (38.2) 1.9 ユウキビバーチェ
1995. 4. 9 京都 桜花賞 GI 18 5 10 139.1(14人) 15着 岸滋彦 55 芝1600m(稍) 1:36.1 (37.0) 1.7 ワンダーパヒューム
1995. 4.30 東京 4歳牝馬特別 GII 16 4 7 23.2(8人) 9着 岸滋彦 54 芝2000m(稍) 2:03.2 (35.3) 0.6 サイレントハピネス
1995. 5.21 東京 優駿牝馬 GI 18 7 13 158.4(15人) 11着 岸滋彦 55 芝2400m(良) 2:28.5 (37.0) 1.8 ダンスパートナー
1995.10.22 京都 ローズS GII 16 5 9 195.1(16人) 9着 熊沢重文 55 芝2000m(良) 2:02.1 (35.6) 0.9 サイレントハピネス
1995.11.12 京都 エリザベス女王杯 GI 18 1 2 100.1(16人) 15着 熊沢重文 55 芝2400m(良) 2:28.3 (35.4) 1.1 サクラキャンドル
1995.11.26 京都 トパーズS OP 10 8 9 33.4(8人) 2着 土肥幸広 52 芝2000m(良) 2:01.0 (36.0) 0.1 ユウトウセイ
1995.12.17 阪神 阪神牝馬特別 GII 12 5 6 113.2(10人) 7着 松永幹夫 53 芝2000m(良) 2:01.2 (37.3) 0.9 サマニベッピン
1996. 1. 5 京都 京都金杯 GIII 15 6 11 43.7(11人) 13着 岸滋彦 51 芝2000m(良) 2:02.3 (38.3) 2.6 テイエムジャンボ
1996. 1.28 小倉 関門橋S OP 9 8 9 6.9(5人) 5着 土肥幸広 52 芝2000m(良) 1:59.6 (35.3) 0.5 トウカイサイレンス
1996. 2.18 小倉 小倉大賞典 GIII 16 4 8 50.6(14人) 5着 幸英明 51 芝1800m(稍) 1:48.4 (36.6) 0.6 アラタマワンダー
1996. 3.17 中京 中京記念 GIII 16 6 12 53.3(14人) 11着 幸英明 51 芝2000m(稍) 2:03.3 (37.2) 1.1 イナズマタカオー
1996. 9.14 阪神 オークランドT 1500万下 10 3 3 10.4(5人) 5着 田原成貴 55 芝2200m(良) 2:14.7 (36.5) 0.2 マルシゲギャロップ
1996. 10. 5 京都 渡月橋S 1500万下 14 6 9 16.0(6人) 5着 土肥幸広 55 芝1600m(良) 1:33.6 (35.3) 0.6 マサラッキ
1996.10.27 京都 古都S 1500万下 12 2 2 4.0(2人) 5着 土肥幸広 53 芝2000m(良) 1:59.1 (36.6) 0.8 マルカダイシス
1996.11.16 京都 比叡S 1500万下 13 5 6 6.9(3人) 6着 土肥幸広 53 芝2000m(良) 2:01.4 (36.5) 0.8 プレミアムプリンス
1996.12.14 中山 冬至S 1500万下 13 8 13 13.1(5人) 2着 中舘英二 53 芝2500m(良) 2:35.7 (38.0) 0.2 ビッグシンボル
1997. 1. 5 中山 迎春S 1500万下 8 3 3 7.4(4人) 5着 中舘英二 55 芝2500m(良) 2:37.9 (38.3) 1.0 アドマイヤラピス
1997. 2. 2 京都 松籟S 1500万下 10 8 10 17.4(7人) 3着 藤田伸二 55 芝2400m(良) 2:28.2 (36.1) 0.5 インターフラッグ
1997. 3. 9 中山 サンシャインS 1500万下 14 3 3 10.9(5人) 13着 中舘英二 54 芝2400m(良) 2:38.0 (39.8) 2.7 サクラシンオー
1997. 4.13 阪神 難波S 1500万下 15 6 10 22.7(9人) 1着 中舘英二 55 芝2200m(良) 2:14.0 (36.4) 0.0 (タニノタバスコ)
1997. 5.11 東京 緑風S 1500万下 13 4 4 18.7(9人) 1着 角田晃一 56 芝2400m(良) 2:25.1 (36.1) -0.7 (ミラクルロッキー)
1997. 6. 7 東京 目黒記念 GII 15 6 11 14.1(6人) 6着 土肥幸広 53 芝2500m(良) 2:33.1 (36.7) 0.4 アグネスカミカゼ
1997. 6.22 阪神 マーメイドS GIII 13 5 6 13.5(4人) 5着 土肥幸広 55 芝2000m(稍) 2:03.7 (37.8) 1.1 エアグルーヴ
1997. 7.20 小倉 北九州記念 GIII 11 7 8 11.5(5人) 4着 土肥幸広 53 芝1800m(良) 1:46.8 (35.9) 0.3 ダンディコマンド
1997. 8.10 小倉 小倉記念 GIII 10 8 10 7.3(4人) 5着 土肥幸広 54 芝2000m(稍) 2:01.8 (38.1) 1.2 ゲイリーイーグル
1997. 9. 7 阪神 朝日チャレンジC GIII 9 6 6 29.8(8人) 2着 土肥幸広 53 芝2000m(良) 1:59.8 (35.7) 0.5 シンカイウン
1997.10.12 東京 府中牝馬S GIII 11 6 6 17.0(6人) 3着 土肥幸広 55 芝1800m(良) 1:46.4 (34.5) 0.1 クロカミ
1997.11. 9 京都 エリザベス女王杯 GI 15 8 15 33.0(8人) 3着 土肥幸広 56 芝2200m(良) 1:46.4 (36.0) 0.1 エリモシック
1997.12.14 沙田 香港国際ヴァーズ G2 14 1 12着 武豊 55.8 芝2400m(良) 2:29.0 0.0 ルソー

繁殖成績

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生年 馬名 毛色 馬主 管理調教師 戦績 出典
初仔 2000年 エイシンサンスリー 鹿毛 ミシエロ 平井豊光
→(有)ホースケア
栗東坂口正則
水沢只野廣明
75戦0勝(抹消) [10]
2番仔 2001年 エイシンランブダー 栗毛 マヤノトップガン 楠田喜彦 名古屋・植松則幸 59戦2勝(抹消) [11]
3番仔 2002年 エイシンニーザン 栗毛 フォーティナイナー 平井豊光 栗東・坂口正則 42戦7勝(抹消、乗馬)
優勝・阪神スプリングジャンプ(J・GII)
3着・京都ハイジャンプ(J・GII)
[12]
4番仔 2003年 エイシンテンリュー 鹿毛 サンデーサイレンス 23戦4勝(抹消)
3着・青葉賞(GII)
[13]
5番仔 2004年 エーシンサーフィン 栗毛 フレンチデピュティ 栄進堂 28戦3勝(抹消、繁殖) [14]
6番仔 2005年 エーシンディーエス 鹿毛 デヒア 21戦3勝(抹消、乗馬)
優勝・京都ハイジャンプ(J・GII)、京都ジャンプS(J・GIII)
[15]
7番仔 2007年 エーシンリターンズ 栗毛 キングカメハメハ 24戦5勝(抹消、繁殖)
2着・関屋記念(GIII)
3着・桜花賞(GI)、ローズS(GII)、チューリップ賞(GIII)
[16]
8番仔 2008年 エーシンシルビア 栃栗毛 スペシャルウィーク 4戦0勝(抹消、繁殖) [17]
9番仔 2009年 エーシングルーオン 栗毛 アグネスタキオン 16戦2勝(抹消) [18]
10番仔 2010年 エーシンシャイナー 栗毛 グラスワンダー 2戦0勝(抹消、繁殖) [19]
11番仔 2011年 エイシンミッキー 鹿毛 スペシャルウィーク 3戦0勝(抹消) [20]
12番仔 2012年 エイシンタイヨウ 栗毛 キングカメハメハ 小野ジュディ 盛岡城地俊光 20戦0勝(抹消) [21]
13番仔 2013年 エイシンイッサ 牡→騸 栗毛 エーシンフォワード (同)JPN技研 佐賀土井道隆 34戦5勝(抹消) [22]
14番仔 2014年 エイシンクリック 鹿毛 ルーラーシップ 栄進堂 栗東・坂口智康 37戦6勝(抹消)
優勝・阪神スプリングジャンプ(J・GII)
3着・ステイヤーズS(GII)、京都ジャンプS、東京ジャンプS(J・GIII)
[23]
15番仔 2015年 エイシンエスティマ 鹿毛 エイシンフラッシュ (同)JPN技研 名古屋・新山広道 4戦1勝(抹消) [24]

血統表

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エイシンサンサン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サーゲイロード系
[§ 2]

*キャロルハウス
1985 栗毛
父の父
Lord Gayle
1965 黒鹿毛
Sir Gaylord Turn-to
Somethingroyal
Sticky Case Court Martial
Run Honey
父の母
Tuna
1969 栗毛
*シルバーシャーク Buisson Ardent
Palsaka
Vimelette *ヴィミー
Sea Parrot

エイシンギヤロツプ
1984 栗毛
*ノーザンテースト
1971 栗毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Lady Victoria Victoria Park
Lady Angela
母の母
マルブツウイドー
1971 栗毛
*マリーノ Worden英語版
Buena Vista
*ホイスリングウインド Nasrullah
Spring Run
母系(F-No.) 8号族(FN:8-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Wild Risk:S5×M5、Hyperion:S5×M5、Lady Angela:M4×M5、Nearco:M5×M5 [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ[25]およびnetkeiba.com[26]
  2. ^ netkeiba.com[26]
  3. ^ JBISサーチ[25]およびnetkeiba.com[26]
  4. ^ JBISサーチ[25]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o エイシンサンサン|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年6月11日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i エイシンサンサン(JPN)”. studbook.jp. 公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2023年5月5日閲覧。
  3. ^ a b 榮進珊珊 - 馬匹資料” (中国語). 賽馬資訊. 香港賽馬會. 2023年5月5日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j エイシンサンサン | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年6月12日閲覧。
  5. ^ 【夏競馬の名場面】オグリキャップの”長男”を差し切ったエイシンサンサン…1994年小倉3歳S”. スポーツ報知. 株式会社報知新聞社. 2022年6月12日閲覧。
  6. ^ エイシンサンサン”. meiba.jp. 公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2023年5月5日閲覧。
  7. ^ 【長寿記録】日本における存命中の重賞馬&競走馬の長寿記録まとめ 40歳まで生きた長寿馬も”. netkeiba.com (2024年1月9日). 2024年1月9日閲覧。
  8. ^ 引退名馬 エイシンサンサンの死亡について”. meiba.jp 公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2024年2月2日閲覧。
  9. ^ エイシンサンサンの競走成績 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年6月12日閲覧。
  10. ^ エイシンサンスリー”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  11. ^ エイシンランブダー”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  12. ^ エイシンニーザン”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  13. ^ エイシンテンリュー”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  14. ^ エーシンサーフィン”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  15. ^ エーシンディーエス”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  16. ^ エーシンリターンズ”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  17. ^ エーシンシルビア”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  18. ^ エーシングルーオン”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  19. ^ エーシンシャイナー”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  20. ^ エイシンミッキー”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  21. ^ エイシンタイヨウ”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  22. ^ エイシンイッサ”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  23. ^ エイシンクリック”. netkeiba.com. 2024年2月11日閲覧。
  24. ^ エイシンエスティマ”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。
  25. ^ a b c 血統情報:5代血統表|エイシンサンサン|JBISサーチ(JBIS-Search)”. jbis.or.jp. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年6月11日閲覧。
  26. ^ a b c エイシンサンサンの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2023年5月5日閲覧。

外部リンク

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