ラジオカセットレコーダー
ラジオカセットレコーダー (英語: radio cassette recorder)は一般的にラジカセとも呼ばれ、コンパクトカセットテープレコーダー(テレコ)にラジオチューナーを内蔵した音響機器である。
内容編集
その他アンプとスピーカーを備える、いわゆるオールインワン型製品もラジオカセットレコーダーである。若者言葉では誤用だが「デッキ」と呼ばれることが多い。
ほぼ全ての機種で持ち運びが出来ることを念頭とし[1]上部に折りたたみ式の把っ手がついており乾電池でモバイル駆動を可能にしている。
本項では、ラジカセに準ずる、ラジオとレコーダー機能を併せ持ち持ち運びが容易なオールインワン製品一般を取り扱う。
ちなみに短縮形で「ラジカセ」と世間に呼ばせたのは音響機器メーカーのパイオニア(現在ホームAV機器事業は全てオンキヨー&パイオニアを経てオンキヨーホームエンターテイメントへ移管)で、「ラジカセ」を商標登録しようとしたが却下された。日本国外では「ブームボックス(ブーンボックスとも。英: boombox)」や「ゲットーブラスター(英: ghettoblaster)」と呼ばれ、楽器編成に指定する場合はこれらが使われる。
歴史編集
ラジカセの登場編集
ラジカセの歴史はラジオ付きテープレコーダーにまで遡ることができる。日立製作所が1963年にオープンリール式テープレコーダーにトランジスタラジオを搭載したベルソーナ TRT-398がトランジスタラジオを組み込んだものとしては国内初の商品である。しかし真空管ラジオまでを含めると、1961年かそれ以前からテープレコーダーの複合機として複数社から市販されていた。その後、1967年12月に世界初の2バンドラジオ(FM・AM)式の松下電器産業(現・パナソニック)製RQ-231が、1968年5月に国産初の3バンドラジオ(FM・SW・AM)式のアイワ製TPR-101[2][3]がそれぞれ登場し、1970年代には各家電メーカーが相次いで商品を投入した。当初はモノラルタイプが主流だったが、同時期にFM放送が開始されてエアチェックがブームになると、ステレオタイプも開発・投入されるようになった。
本体に固定式マイクロフォンを内蔵しており、ビデオデッキが家庭に普及する前は、テレビの前にラジカセを置いてテレビの音声のみを録音するのが事実上唯一のテレビ番組の保存方法だった。テレビのスピーカ音声を、外部入力端子でケーブル接続せず、直接内蔵マイクで録音する事から、録音者及び周囲が静かにしないと他の物音も録音される欠点がある。外部入力端子付きのラジカセでテレビの音を録音すればこの問題は無いが、マイク入力あるいはライン入力の外部入力端子は当時ほぼすべてのラジカセが備えていたものの、その機能が一般大衆にあまり認識されておらず、接続用コードも普及していなかったこと、マイク入力を使用する場合にテレビとラジカセを接続すると、テレビ側スピーカの音声がキャンセルされるためリアルタイムで放送音声が聴けなくなることなどから、こうした問題が起こっていた[4]。1980年代前半からこうした利用方法に答えるべく、VHF/UHFのTVチューナー搭載機も多く発売された。
ハイスペック志向へ編集
当初はモノラルラジカセが主流であったが、1970年代後半頃にはステレオタイプのラジカセが普及し始め、市場が高音質化やカセットの選曲に便利さを求めたことから、スピーカーにウーファーとツイーターを備えた2ウェイ4スピーカータイプが登場し、また低音へのこだわりからウーファーの口径も当初の10㎝程度から15㎝程度に大口径・大出力化し、1978年のメタルテープ登場時にはいち早く対応するなどの高音質化への対応や、カセットテープの自動選曲機能やオートリバースなどの便利機能を競って採用した。これにより必然的に大型多機能化し高級化が進み、大きな直方体の箱、上部に大きなチューニングスケール、正面左右に大きいステレオのスピーカー、中央にカセットテープドライブ、というスタイルができあがった。この大型化へのアンチテーゼとして1979年に三洋電機が「おしゃれなテレコ」の愛称で小型ラジカセ「U4」を登場させ、ベストセラーになった。また、この頃にはダブルカセットのラジカセも登場[5]して、テープからテープへのダビングも可能となった[6]。またウォークマンをはじめとするヘッドホンステレオの人気により、カセット部分を切り離して携帯できる機種も存在した。とはいえ、ラジカセでハイスペックを追求するといっても、スピーカー部、ラジオ部、アンプ部、カセットデッキ部の集合体であるためにコストの制約を受けオーディオコンポなどの単品オーディオの音質よりは明らかに劣っていた。これは、ラジカセ自身で録音したテープを再生するよりも、コンポのカセットデッキで録音したものを同じラジカセで再生した方が音質が良い事でも容易に確認できた。
1980年代にはアメリカでブレイクダンスやヒップホップの流行に伴い、携帯性を度外視した音質さらには大音量を追求した「Boombox」が普及した。なおBoomboxとはその大小に関わらずラジカセ一般を示す単語である。このタイプの日本国内メーカー製大型ラジカセは当時殆どが国内生産であり、メイドインジャパンの象徴的存在であったため、1980年代前半の日米貿易摩擦が問題になった際にはアメリカの労働者がハンマーで日本車などと共にラジカセを破壊するパフォーマンスが報道番組で報じられた。
CDラジカセの登場編集
1986年頃からCDプレーヤーを搭載した「CDラジカセ」が登場。ディスクメディアのオールインワン型音響機器と考えると、アンサンブル型ステレオが小さくなって現代風になったようなものでもある。最初期はWカセットの片方をCDプレーヤーに乗せ換えたような機種も多く見られたが、後にダビングに便利なカセットテープドライブを2台としたモデルでは横長になるなどし、直方体の箱ではないものが増えた。
MDの出現とデジタルオーディオの台頭編集
1995年頃からはカセットの代わりにMDデッキを搭載したものも登場した。カセットが付いていないことから、メーカーでは「MDラジカセ」とは呼ばず「MDシステム」や「MDCDシステム」、「ラジMD」等と呼称していた。ただしMDデッキとカセットデッキを両搭載した製品もあり、それらについては「MDラジカセ」と呼ぶこともあった。また同時にあらゆる機能を搭載した「ハイスペック機種」にする風潮もなくなっていった[7]。AIWAのようにコンポとラジカセを折衷したXG-E1のような機種も登場した。
mpmanに始まるデジタルオーディオプレーヤーの隆盛[8]により、「最もポピュラーな音響機器」の座は譲りつつあるも、iPodとの連携が図られたものや、カセットテープ、CD、MD、2バンドラジオの全てを搭載したハイエンドモデルなどが長らく生産されていたが、2010年代にはMDを搭載しないものに置き換えられた。
2000年代後半には、カセットを搭載せずSDカードスロットを搭載し、SDカードにCDからmp3録音出来る「SD/CDラジオ」やSDカードスロットの他にUSBポートにを搭載し、USBケーブルを介してUSBマスストレージクラス対応のUSBメモリにCDからmp3録音出来る「SD/USB/CDラジオ」と呼ばれる機種が出現している。詳細はCDラジオを参照。
また2000年代頃からは、持ち運びに重点を置かずに、小型でオールインワン製品であることに重点をおいたミニコンポや一体型コンポが多く出回るようになり、乾電池が使用できないラジカセが出現することで二つの区別は曖昧になりつつある。
カセットテープの復権とともに編集
2021年現在の時点においてCDダブルラジカセを市販しているメーカーは、東芝ライフスタイル株式会社、クマザキエイムの二社しかないものの、依然としてカセットをカセットへダビングするための需要は衰えていない。小型化および大出力というコンセプトで開発するのが流行りになっており、コイズミと廣華物産は珍しく安価な「モノラルラジカセ」まで開発を継続している。また、ワイドFM対応のCDラジカセの販売は、先述の東芝ライフスタイル株式会社のほか、パナソニックやソニーなどといった日本国内のすべてのメーカーで行われた。その一方で総出力が1.0W+1.0Wを切る廉価化も推し進められた[9]が、カセットとラジオの音量が確保される一方でCD部分の再生の音量が物足りなくなる仕様が多かったことから、CDラジオとCDラジカセでは1.0W+1.0Wを確保してあることが多い。ラジカセでは0.6W+0.6Wで[10]市販されている商品がある。
東芝ライフスタイル株式会社やソニーといった大手メーカー以外のCDラジカセの仕様はどれも非常に似通っており、ボタンの配列から選局ツマミの位置までほとんど一緒ということも珍しくない。新モデルが出るたびに完全に定石を廃した仕様の商品が出現し、そのモデルがまた巧妙に模倣されるといういたちごっこが続いている。東芝ライフスタイル株式会社は、ツマミを全廃してボタンのみのCDラジカセの市販に成功[11]した。廉価であることを強いられるジェネリック家電では、選局やボリュームはツマミのままにし、依然としてアナログチューニングあるいはデジタル表示されたアナログチューニングで市販している。
カセットテープを「思い出」として使う層が増えており、かつてのようなヘビーローテーションで使用する階層は確実に高齢化で減少しているため、近年のラジカセでは「デッキ部分が過去の製品ほどには頑丈ではない」ことから初期不良が見られることがままある。また、「ラジオだけはめったに壊れない」といった常識も通用するのはAMチューナー部分のみで、廉価製品ではFMステレオ放送ですら正常に受信できず初期不良、あるいは数カ月の使用による不良が見つかる場合も決して少なくない。
ラジカセの良さを宣伝するのも日本国内だけの現象(いわゆるガラパゴス化)[12][13]で、2021年現在、現行機種として製造・発売されているラジカセのほとんどがかつてほどには頑丈には作られておらず、またメカ部分は修理を考慮した設計ではなく使い捨ての傾向が強い。尤も、回路に使用される電子パーツ群も中国や台湾、インドネシアなどのアジア系海外メーカー製が大半を占めており、あくまでも音質は必要最小限ということに十分注意する必要がある。2010年代以降の製品は「長時間のカセットを再生しないでください」、もしくは「録音・再生時間が往復60分(C-60)を超えるカセットテープは使用しないでください」と但し書きが記述してあることが多くなった。
2020年代に入ると、2010年代ほどのジェネリック家電の隆盛とは異なり、少しでも高音質であることを顧客が望むようになったため多くの「一旦馬力」のメーカーが淘汰された。東芝ライフスタイル、廣華物産、オーム電機、アイワ(新法人)は現在も新モデルを次々と投入している。
現在CDシングルラジカセ、およびCDダブルラジカセを開発するメーカー編集
クマザキエイム編集
- WUTA (カラオケCDダブルラジカセ)[14]
東芝ライフスタイル編集
- ACTAS(アクタス)
- BOMBEAT(ボンビート) - 時期によってはカタログや雑誌では、ボムビートと表記されていた。全てステレオラジオカセットで、ACTUS BOMBEATと呼ばれた時期もあった。
- SUGAR(シュガー) - CD搭載機は「SUGAR CD」と表記されていた。
- MacKenzie(マッケンジー)
- CD WORKS(シーディーワークス)
- CUTEBEAT(キュートビート) - 現行機種としてはソニーと同じく国内では数少ないカセット部にフルロジック機構&リモコンを採用。
- Aurex TY-AK1 - 業界初にして世界初のハイレゾ音源対応CDラジカセ。SDカードやUSBメモリーへ保存した、最高192kHz/24bitのハイレゾ音源ファイル(FLAC、WAV)を再生可能のほか、CDやアナログカセットの各音源をそれぞれデジタル処理でアップサンプリング化してハイレゾ相当の音質に拡張する機能を備えている。また、カセットデッキ部分は基本的にノーマルポジション用カセットテープの録音・再生に対応しているがハイ(クローム)ポジション用カセットテープは再生時に限り対応する[15][16]。ラジカセで20.0W+20.0Wの出力に対応している。
- Aurex TY-AK2 - 上記のTY-AK1の改良機種でBluetoothインターフェイスによる音声のワイヤレス受信機能、およびBluetoothインターフェイスによるCD・カセットテープ等の各種音声の送信機能を追加。ハイポジション用カセットテープの再生(メタルポジション用カセットテープ再生時は上記のAurex TY-AK1の注釈参照)に対応。
- TY-CDX9 - ハイポジション用カセットテープの再生(メタルポジション用カセットテープ再生時は上記のAurex TY-AK1の注釈参照)に対応。
- TY-CDK9 - ハイポジション用カセットテープの再生(メタルポジション用カセットテープ再生時は上記のAurex TY-AK1の注釈参照)に対応。
- TY-CDK8
- TY-CDX7
- TY-CDH7
- TY-CDS7
- TY-CK2
- TY-CWX80
- TY-CDK7
- TY-CDS6
- TY-CK1
- TY-CK4
- TY-CDS5
- TY-CDK5
- 現在のワイドFM対応CDダブルラジカセ最新モデルは、2020年に販売開始された出力3.0W+3.0WのTY-CDW990[17]。
- TY-CDM1 東芝史上最小のCDラジカセ
現在CDシングルラジカセは開発するが、CDダブルラジカセは開発しないメーカー編集
小泉成器編集
- SOUNDLOOK(サウンドルック) - 2017年にワイドFM対応CDダブルラジカセが加わったが、開発終了。
Rhino Products編集
- CCR-17W - 2017年にCDダブルラジカセを新規開発したが、開発終了。
廣華物産編集
- WINTECH(ウィンテック) - 2015年にCDダブルラジカセを新規開発したが、開発終了。
- MateStar(メイトスター) - 中国大手ファクトリーメーカーブランドであったが、Wintechに統合。
山善編集
- Qriom(キュリオム) CDラジカセ YCD-C600
ホノベ電機編集
- BOOS CDラジカセレコーダー
とうしょう編集
- T-CDK705 かんたん速度調整機能付きCDラジカセ
クマザキエイム編集
- Bearmax CD-889, CR-957
ドウシシャ編集
- SANSUI MS-CD3
SANSUI編集
- MS-CD3
オーム電機編集
- AudioComm(オーディオコム)
TEES編集
- TS-CD838-BK
ベジタブル編集
- GD-CD350
ANABAS編集
- CD-C500
- CD-C300 - インテリアとの調和を目指したモデル。
Touch編集
- TC-DR2AT
FIFTY編集
- DSCD-390 - 2017年でワイドFMに対応。
- DSCD-350 - マイク機能のないモデル。
シィー・ネット編集
- CRXM01WH
STAYER編集
- AZCCA-BK, AZCCA-BL, AZCCA-RD
アズマ編集
- CD-50-S
ソニー(初代法人。現・ソニーグループ) → ソニーマーケティング → ソニー(2代目法人)編集
- エナジーシリーズ - セパレート型ラジカセは「エナジースリーラン」
- スタジオシリーズ - CF1980等、ミキシング機能のついたもの。
- TV SOUND(ティーヴィーサウンド) - テレビ音声チューナー内蔵。
- ZILBA'P(ジルバップ)
- SIR-Ⅲ(サー・スリー) - デッキ部に業界初のフェザータッチ・オぺレーション(フルロジック・コントロール)を採用し、更にデジタル表示方式(ただし、シンセサイザー方式ではない)によるFM/AMアナログチューナーや内蔵されているデジタル時計と連動させたタイマースタンバイ録再機能を採用した上級志向の高機能型ステレオラジカセ。ドルビーBタイプ録再・ハイポジション(クロムポジション)/フェリクロムポジション録再に対応。
- Sneaker(スニーカー) - 廉価系モノラルラジカセ。
- MUSICAN(ミュージカン) - コンパクトな縦型ラジカセ。
- XYZ(ジィーゼット) - 後にカーナビゲーションシステムの商標に転用された。
- Metal365(メタルサンロクゴ) - その名の通りメタルテープ録再に対応(ただし、ハイポジションは録音に対応せず、再生のみ対応)したステレオミニラジカセ。
- AC/DCコンポ
- STEREO CUBLIC(ステレオ・キューブリック) - スピーカーシステムが上下90°回転可能且つ着脱可能な3ピース型コンパクトステレオラジカセ。
- STEREO CHORDMACHINE(ステレオ・コードマシン) - コード演奏&リズムマシン機能を搭載した電子楽器風ステレオラジカセ。
- DoDeCaHORN(ドデカホーン) - CDラジカセは「ドデカホーンCD」。型番は当初CFSで始まったが、「ドデカホーンCD」発売後はCDプレーヤー非搭載機も含め全てCFDで始まり、その「D」はドデカホーンの意。なお、シリーズ終売後、この型番は普及価格帯のCDラジカセに再利用された。(「D」はディスク、すなわちCDの意)
- PRESH(プレッシュ) - 従来のCDラジカセの常識(丸みを帯びたフォルム)を覆した、コンパクトなスクエア型デザインの大人向け“パーソナルCDシステム”。CCCRシステム搭載により、幅480mmを実現。初号機はCFD-K10であったが、2号機以降ではZSの型番が使われた。加えて2号機以降はコンパクトサイズを犠牲にせずスピーカーボックス容量を稼ぐ為、AC電源専用となった。発売当時、比較的コンパクトなサイズのCDラジカセでありながら低価格帯のミニコンポをも凌ぐ優れた高音質が売りであったため、レコーディングスタジオ用のモニター用パーソナルオーディオシステムとして一定の評価があった。
- SONAHAWK(ソナホーク) - CCCRシステム搭載により、ダブルデッキモデルで幅480mmを実現。付属(一部機種ではオプションSWV-1、ZS-66は本体一体)のジャイロステージにより、電動で左右15度(ZS-66は25度)、上15度、下5度(ZS-66は上下可動なし)本体が可動する。ZS-8ではさらに進化したスーパージャイロステージを搭載し(スーパージャイロステージのオプション設定はなし)、(リモコン信号により)リスナー位置をキャッチし音質、音場を自動調整する。(シリーズ最終モデルであるZS-70/607はジャイロステージ非搭載、オプションSWV-1にも非対応)
- CELEBLITY(セレブリティー)
- Dr.CHANGER(ドクターチェンジャー) - 3枚CDチェンジャー、光デジタル出力端子を搭載し、更にAMステレオ放送に対応。ソナホークの実質的な後継。型番は本シリーズに限りZSXが与えられた。なお、ZSX-7000はダブルカセットデッキ仕様、ZSX-5000はシングルカセットデッキ仕様となっており、双方共に一連のソニーのCDラジカセとしては最後のドルビーBタイプ録再・メタルテープ録再対応機種でもあった。
- Wキッド
- 050(ゼロハン)- WA-11はモノラル録再対応、WA-33はステレオ録再対応、WA-55はステレオ録再対応のほか、ワンポイントステレオマイクを搭載。またシリーズ最上級モデルのWA-77はワンポイントステレオマイクの搭載を見限る代わりにオートリバース再生に対応させた。
- YOKOHAMA(ヨコハマ) - シリーズの上級モデルはオートリバース録再・ドルビーBタイプ録再・メタルテープ録再に対応(ただしハイポジションテープは再生のみ対応)していた。
- DEGITABLE(デジタブル) - 平面型APM振動板を用いたフルレンジスピーカーを搭載した高音質タイプのミニラジカセ。ドルビーBタイプ録再・メタルテープ録再対応(ただしハイポジションテープは再生のみ対応)。
- MD Link(MDリンク) - 光デジタル出力、ライン入出力端子搭載(MDシステムではない)。ハイポジションテープ録再対応(メタルテープは再生のみ対応)。ダブルデッキモデルは初号機ZS-D1のみ。同機のデザインはソナホークに類似しているので、むしろこちらの方がソナホークの実質的な後継ともいえる。本シリーズ終売後、型番ZSはCDラジオに用いられている。
- MD Link Plus(MDリンクプラス) - 上記端子に加えMDコントロール、DCアウト端子も搭載。MDウォークマンの制御、充電が可能。バーティカルローディングCDトレイ初搭載。
- MDIO(エムディオ) - MDシステム。型番ZS-Mはシリーズ終売後も継続使用された。
- ザ・たんぱ録音ラジカセ - 日本短波放送と共同開発。ラジオたんぱの他AMも聴け、タイマーを内蔵しているので留守録もできる。愛称「株・録ラジカセ」。
- My First Sony(マイファーストソニー)- 初めて音響機器に触れる9歳以下の子供のユーザーを対象としたシリーズ。
- widdit - ストリート向けポータブルオーディオのシリーズでありCDラジカセもラインナップされていた。CDラジカセとしては異例の「10秒音飛びガードメモリー」搭載。
- CFD-S70 - 2016年にワイドFMに対応。
アイワ(秋田県・十和田オーディオ)編集
- 2017年秋にワイドFM対応CDラジカセを発売、[18]と報じられたが通販サイトにその類の表示が見られず、販売が冬にずれこんだ。2018年に専用サイトの閲覧も可能になり、若干のデザインの改定を経て販売されている。[19]
ヒロ・コーポレーション編集
- HKM-01 ワイドFM対応。
CICONIA編集
- TY-1709 Bluetooth対応。
derectvue編集
- DCRC50W[20]
GRAMOLUX編集
- CRC02 BK
FUZE編集
- CDRC4W - CD・AM/ワイドFMラジオカセットプレーヤー
生産を終了したラジカセの歴代シリーズ・ブランド名編集
創和編集
- WS-90 - 2016年に高機能ワイドFM対応CDダブルラジカセを開発。国内で唯一ハイスペック路線を継続していたが2018年にはハピネスショップほかの購買サイトそのものが消滅している。
アイワ(初代法人。現・ソニー〈二代目法人〉)編集
- CARRY COMPO
- STRASSER(シュトラッサー) - ミニコンポとシリーズ名を共用。
- ターボソニック
- フットワーク
オンキヨー(2代目法人以前。後のオンキヨーホームエンターテイメント)編集
- ZAC55(ザック ゴーゴー) - 同社ではセパレート型ラジカセのことを「デスクトップコンポ」と名乗っていた。
ケンウッド(現・JVCケンウッド)編集
- WOODSTOCK(ウッドストック) - ミニコンポとシリーズ名を共用。
- RAMPAGE(ランページ) - 2010年12月に最終機種である「MDX-L1」の生産が終了し、消滅した。
三洋電機編集
- U4 - 通称「おしゃれなテレコ」
- V2
- (Σ)ZooSCENE(ズシーン) - CMにボン・ジョヴィを起用していたことでも有名。1988年当時ボン・ジョヴィは三洋のAV機器のキャラクターでもあった。1989年にはホイットニー・ヒューストンを起用。
- (S)ZooSCENE(エス・ズシーン) - 後述するプリミエールの前身となるコンパクト系CDラジカセのブランド。
- primaire(プリミエール)- Sズシーンの後継ブランドだが最上級機種に限りドルビーBタイプNR・メタルテープ録音・電動パネル・CDチェエンジャー機能・サイトリックスコーンスピーカー[21]を搭載。
- BiG BEN(ビッグベン)
- ROBO(ロボ) - 先述のMy First Sony同様、カラフルな知育玩具を意識した9歳以下の子供を対象としたラジカセ。電子貯金箱までラインナップされていた。
- CD POT(CDポット)
鳥取三洋電機(現・三洋テクノソリューションズ鳥取)編集
- FISHER(フィッシャー) - かつてU4シリーズを海外向けに「FISHER」ブランドを冠していた。もともとはアメリカの電機メーカー「エマソン・エレクトリック」傘下の高級オーディオメーカーであり、1975年に三洋電機が買収し、海外専用ブランドとしてオーディオ製品を販売していた。
シャープ編集
- THE SEARCHER(ザ・サーチャー) - 縦置きラジオカセットでは初のWデッキ採用。シングルカセット採用機種のGF-8Sには当時数少なかったシンセサイザーチューナーを搭載していた。
- AUTO DISC(オートディスク) - 日本初のレコードプレーヤー内蔵ラジオカセット。レコード再生にオートリバース機構を採用しコンポ型も同じシリーズ名である。
- SEGNO(セグノ) - ヤマハとの共同開発品、同社のASTシステムを搭載。最上位機種にはタッチパネル液晶を装備。
- TWINCAM W(ツインカムダブル) - 1つのスロットにカセットテープを2本装填し、それぞれのテープリールを同じ回転軸で駆動。
- MD studio(MDスタジオ) - ミニコンポとシリーズ名を共用(2003年5月発売のMD-F350をもってシリーズ展開終了。以降の機種は下記のAuviシリーズとして発売された)。
- Auvi(アウビィ) - ミニコンポ、ポータブルMDとシリーズ名を共用(2006年発売のSD-FX33をもってシリーズ展開終了。2022年現在、シャープはオーディオ事業から事実上撤退している)。
- DIGITURBO(デジターボ)
NASA通信編集
- NASA1200GX DJ573 - シャープOEM。
日本コロムビア、もしくはDENON(デンオン)(現・デノン コンシューマーマーケティング)編集
- GARO(ガロ) - 同名のフォークグループの曲がCMに起用されていたことがあった。
- Beat Boy(ビートボーイ)
- DOing(ドゥーイング)
日本ビクター(現・JVCケンウッド)編集
- ラジオカセッター(RCシリーズ)
- レポ - 同社のカセッター(カセットテープレコーダー)と商標を共有。
- CELLUAR(セルラ) - 同社のFM/AMラジオと商標を共有。
- 録介(ロクスケ)- VHF/UHFのTVチューナーを搭載。
- ステレオカセッター(同RCシリーズ)
- STEREO(ステレオ)
- スペクテーター
- BIPHONIC(バイホニック)
- BILBO(ビルボ)
- RC-M - メタルテープの録音・再生に標準対応したステレオカセッター(ステレオラジカセ)のシリーズの総称。
- P-COMPO(ピーコン・PCシリーズ) - 3電源に対応した可搬型セパレートミニコンポであるが、そのコンセプト上、先述のアイワのキャリーコンポ同様、セパレート型ラジカセとみなすことができる。
- √2(ルート2) - 上記のP-COMPOのWカセット版シリーズ。
- CDean(シーディーン)
- CDian(シーディアン)
- CDioss(シーディオス)
- G-HORN(ジーホーン)
- SLENDY(スレンディ)
- DRUM CAN(ドラムカン)
- Sound Rocket!(サウンドロケット)
- MD CREATION(MDクリエイション) - ミニコンポとシリーズ名を共用。
- Clavia(クラビア) - 一般市場向けは2015年までに全て生産終了。教育市場向けの「RC-QS21」のみ2016年頃までに生産終了。
日本マランツ(現・マランツコンシューマーマーケティング)編集
- STANDARD(スタンダード)- 前身のポータブルラジオメーカー「スタンダード工業」のブランド(1975年まで)。
- SUPERSCOPE(スーパースコープ) - 日本マランツの当時の親会社の名前。日本初のダブルカセット、日本初の3ヘッド搭載機など。
- unix(ユニックス) - 1980年代初頭に採用していたブランド。
- marantz(マランツ) - 一部の大型機にのみ採用(高級ブランドと位置づけていたため)。これらはいずれもブランド名であり、特にシリーズ名は持っていなかった。
パイオニア (ホームAV機器事業部。後のパイオニアホームエレクトロニクス→オンキヨー&パイオニア→オンキヨーホームエンターテイメント)編集
- MultiBoy(マルチボーイ)
- Runaway(ランナウェイ) - ステレオラジカセ。CMソングにデビュー当時のシャネルズを起用していた。
日立製作所(現・日立コンシューマ・マーケティング)編集
- Lo-D(ローディー)[22]
- PERDiSCO(パディスコ) - CD無し。ヘッドホンステレオ内蔵機種(アイワからのOEM)も存在した。
- CDロードジム - CD付き。EDITBORG登場後は欧米向け専売機種に。
- EDITBORG(エディットボーグ) - CD付き。全機種他メーカーからのOEM、および韓国Goldster(現LG)との共同開発・生産委託製品。
- 見聞録(けんぶんろく) - 白黒テレビ(機種によってはカラーテレビ)付き、いわゆるラテカセ。
ブラザー工業編集
三菱電機編集
ヤマハ(現・ヤマハミュージックジャパン)編集
- TIFFANY(ティファニー) - ASTシステム搭載。ミニコンポ、ポータブルCDプレーヤーとシリーズ名を共用。また、本体部(のデザイン)もミニコンポと共用。全機種AC電源専用、かつダブルカセットで、重量があるのでハンドルは2本装備。スピーカーは(付属ホルダーを付属スピーカーにビス止めすることで)本体と一体化でき、また、ワンタッチで分離もでき、AST-C25/15では別売りのスタンドにスピーカーを固定して床置き(スピーカーは宙に浮く)することもでき、真のレイアウトフリーを(ラジカセで)実現している。AMは付属ループアンテナ(本体背面装着済・可動式)で受信。全機種TV(アナログ)音声チューナー(全チャンネル(1~62ch)・ステレオ音多対応)搭載。AM、FM共に外部アンテナにも対応。なお、ASTシステムを搭載している都合上、付属以外のスピーカーは使用できない。(専用プラグの為、物理的にも接続不可。)
松下電器産業 → パナソニック編集
- RQシリーズ
- The 3(ザ・サード) - スピーカー着脱式。全機種がメタル録再対応のほか、RX-C45を除くほとんどの機種がドルビーBタイプNRに対応しており、このうち上級機種に限り録再ヘッドにはラジカセ用としては贅沢なアモルファス録再ヘッドが搭載された。更に小型化したThe 3Mini(ザ・サードミニ、RX-C50)やドルビーBタイプNRの搭載を見限る代わりに録再対応5素子グラフィックイコライザーを搭載したThe 3グライコ(RX-C45)も存在。本コンセプトはCDラジカセRX-E250に引き継がれた。
- STATION(ステーション)
- Kangaroo(カンガルー) - ヘッドホンステレオ内蔵式。
- RIDDIM VOX(リディムボックス) - パーソナルPAシステム。ギターやベースを直接接続できる。
- SPATIALIZER(スペシャライザー)
- MUSIC STATION(ミュージックステーション) - DCC/CDシステム。RX-DD1、RX-DD2共にダブルオートリバースデッキモデルで、デッキ1はACC録音/再生(ドルビーBタイプNR搭載)、デッキ2はDCC録音/再生及びACC再生に対応している。(両デッキともオートテープセレクター付きで更にデッキ1はハイポジ/メタル録再にも対応)AC電源専用。なお、テレビ朝日の同名番組とは全く無関係である。
- FDシリーズ
- DTシリーズ - ダブルデッキモデル。バブル期のラジカセで最も人気が高い。発売当初は最上位機種に限りドルビーBタイプNRのみならず、ドルビーCタイプNRを搭載した機種(RX-DT80、RX-DT9/8)も存在していた。DT、EDシリーズは「コブラトップ」「サイバートップ」のブランドが知られている。前者は電動開閉式ディスプレイ、後者はパワーローディングカセット(電動開閉式カセットホルダー)をそれぞれ搭載している。「コブラトップ」には更にバリエーションがあり、音声ガイド「テクノボイス」を併載した「テクノコブラトップ」、(RX-DT909のみ。AC電源・電源「切」かつコブラトップ閉時)センサーに手をかざすとコブラトップが開き、最後に演奏していたソースの再生も同時に始まる「マジカルコブラトップ」(無効設定可・工場出荷時「有効」設定)もあった。また、「サイバートップ」コンセプト(RX-DT901/701)のうち、パワーローディングカセットは先述の「MUSIC STATION」(全機種)のほか、「マジカルコブラトップ」(RX-DT75のみ)やSTシリーズ(RX-ST7/9G)などに引き継がれた。
- DSシリーズ - シングルデッキモデル。DTシリーズ同様、上級機種(RX-DS50、およびRX-DS55/45)に限りハイポジ/メタル録再・ドルビーBタイプNR対応。それ以外の機種はハイポジ録再/メタル再生、もしくはハイポジ/メタル非対応。
- オレッキー - DSシリーズの1つ。イタリア語で「耳」の意味であり、スピーカー部(着脱不可)が象の耳をイメージした形状であることが特徴。RX-DS33、RX-DS36Gの2機種のみのリリースで、前者はマイク入力を持たない代わりにマイクを本体左スピーカー部上部に内蔵し(数少ないマイク内蔵CDラジカセの1機種)、後者はそれを外す代わりにマイク入力と映像出力(音声はテレビに接続不可)を装備、加えてCD部をCD+G対応とすることでカラオケに対応。一見、(本体部が縦長なので)縦型に見えるが、実際はスピーカー部も含めた横幅が高さを超えるので横型に分類される。
- STシリーズ - ダブルデッキモデル。縦型フォルムが特徴。(実際には横幅が高さ(ST5/5Dはコブラトップ閉時)を超えるので横型に分類される)
- EDシリーズ - 国内メーカーのテープセレクター付き(ハイポジ録再に対応するがメタルは再生のみ対応)としては2011年にして唯一の機種であったが、現在すでに生産終了・販売終了済み。
- ESシリーズ
- DDシリーズ - DCC/CDシステム
- MDXシリーズ - MDシステム
- Dシリーズ
- RX-D47 - 先代機種となるRX-D45を基にワイドFMに対応するなどの一部改良が実施された機種。2021年7月現在の時点において同社が販売するラジカセ・CDラジカセ類の機種としては唯一の現行機種となっていたが同年8月を以って生産終了、および同年12月までに販売終了。これにより事実上、同社が生産・販売するラジカセは全て姿を消すこととなり、名実共に53年の歴史に幕を下ろす事となった。
関連項目編集
関連文献編集
- ニッポンラジカセ大図鑑 出版社:standards ISBN 978-4866360676
- ラジカセのデザイン! 増補改訂版 出版社:立東舎 ISBN 978-4845628056
脚注編集
- ^ 大きくて困難な機種も多かった。
- ^ sts.kahaku.go.jp
- ^ コンパクトカセット+FM SW AM 3バンドラジオ式
- ^ 当時のテレビの外部出力端子はスピーカーからの音が遮断されるイヤホン端子のみが大半で、RCA端子の装備はビデオデッキの普及以降である。ライン入力付きのラジカセはラジカセ内蔵のスピーカーから音が出た。
- ^ 国産初のダブルラジカセは1979年に登場したシャープの「THE SEARCHER W XL808」(型式:GF-808(@SHARP_JP のツイートより))だった。
- ^ パナソニック(松下電器産業)からはトリプルラジカセも発売されたが、高価格化や海賊版テープ作成の容易化などで苦情が殺到し、わずか1機種が短期間販売されたのみであった。
- ^ たとえばラジオ部分を見ると、一時期はVHFの全チャンネルだけではなく、UHFの全チャンネルが受信できる機種や、さらにそれらテレビの音声多重放送に対応したタイプまで製造・発売されていたこともある。
- ^ これにもラジオや外部端子を利用した自然音録音機能が搭載されるモデルが多い。
- ^ “AudioComm CDラジオ ブルー 品番07-8849”. www.ohm-electric.co.jp. オーム電機. 2020年3月5日閲覧。
- ^ “AudioComm USBメモリ対応 ステレオラジオカセットレコーダー 品番07-9725”. www.ohm-electric.co.jp. オーム電機. 2020年3月5日閲覧。
- ^ “CDラジオカセットレコーダー TY-CDE1”. tlet.co.jp. 東芝エルイートレーディング. 2020年3月5日閲覧。
- ^ “懐かしいラジカセ展 若い世代も関心”. NHk NEWS WEB. (2017年8月2日) 2018年9月1日閲覧。
- ^ “最新のカセットテープ再生機4選”. kakakumag.com. (2017年11月7日) 2018年9月1日閲覧。
- ^ “カラオケCDダブルラジカセ 【WUTA(ウータ)】」”. www.kumazaki-aim.co.jp. クマザキエイム. 2021年5月16日閲覧。
- ^ また、メタルポジション用カセットテープを再生する場合はカセットテープ上面の中央部分にある2つのメタルポジション用カセットテープ専用の自動式テープセレクター認識用検出孔をセロハンテープで貼って塞ぐ事により再生可能となる。
- ^ “カセットでもハイレゾ相当の音質を再現できる、CDラジオカセットレコーダー発売”. tlet.co.jp. (2018年3月12日) 2018年9月1日閲覧。
- ^ “東芝、キーコントロール機能を搭載したCDラジカセ「TY-CDW990」「TY-CDX91」”. news.kakaku.com. 価格.com (2020年6月11日). 2020年6月18日閲覧。
- ^ 外部リンク
- ^ 外部リンク
- ^ ラジオCDカセットプレーヤー 2018年7月27日閲覧
- ^ 米のもみ殻由来の有機物を配合したコーン紙を用いたスピーカー。
- ^ 一時消滅したが、現在は日立製作所の子会社である日立コンシューマ・マーケティング・リビングサプライ社から発売している。