三井ガーデンホテル船橋ららぽーと

三井ガーデンホテル船橋ららぽーと(みついガーデンホテルふなばしららぽーと)は、千葉県船橋市にかつて存在したホテルである。本項では当ホテルと同じく三井不動産ホテルマネジメントが運営していた、隣接の温浴施設『ららぽーとの湯 常盤殿』についても併せて記述する。

三井ガーデンホテル船橋ららぽーと
付属施設の喜翁閣(2010年撮影)。その奥に見えるのがホテル本館
付属施設の喜翁閣(2010年撮影)。その奥に見えるのがホテル本館
ホテル概要
運営 三井不動産ホテルマネジメント
前身 ホテルサンガーデンららぽーと
部屋数 235室
開業 1985年3月30日
閉業 2011年11月12日
最寄駅 JR京葉線南船橋駅
京成電鉄本線船橋競馬場駅
最寄IC 京葉道路花輪IC
首都高速湾岸線千鳥町出入口
東関東自動車道谷津船橋IC
所在地 〒273-0012
千葉県船橋市浜町2-1-1
位置 北緯35度41分17.3秒 東経139度59分21.0秒 / 北緯35.688139度 東経139.989167度 / 35.688139; 139.989167座標: 北緯35度41分17.3秒 東経139度59分21.0秒 / 北緯35.688139度 東経139.989167度 / 35.688139; 139.989167
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三井ガーデンホテル船橋ららぽーと
情報
旧名称 ホテルサンガーデンららぽーと
用途 ホテル
設計者 香山アトリエ・環境造形研究所、フジタ工業
施工 フジタ工業、三井建設鹿島建設共同企業体
建築主 三井不動産ららぽーと
管理運営 三井不動産ホテルマネジメント
構造形式 鉄骨鉄筋コンクリート構造
鉄骨プレキャストコンクリート構造
鉄筋コンクリート構造
敷地面積 9,677.89 m²
建築面積 4,266.75 m²
延床面積 19,820.74 m²
階数 地上12階地下1階、塔屋1階
高さ 48m(最高)、44m(軒高)
エレベーター数 5台
着工 1983年12月1日
竣工 1985年2月28日
開館開所 1985年3月30日
所在地 273-0012
千葉県船橋市浜町2-1-1
備考 解体済み。
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概要 編集

開業当初のホテル名はホテルサンガーデンららぽーと

三井不動産1981年船橋ヘルスセンター跡地にららぽーとTOKYO-BAYを開業した。その範となったアラモアナセンターがあるハワイホノルルハレクラニを所有・運営し、東京銀座自社ビル第一ホテルを入居させていた同社は、1984年1月に国内初となる自社グループ運営ホテルとして、現在の三井ガーデンホテル大阪淀屋橋を開業。ホテルサンガーデンららぽーとは、それに続くものとなった。

道路を挟んでららぽーとTOKYO-BAYの北側に所在。24時間機能を持たせる事で、多様な生活空間を演出するアメリカリージョナル・ショッピングセンター(RSC)としての重要な役割を担う施設として計画され、東京ディズニーリゾートはもとより羽田成田の両空港にも高速道路でアクセスしやすい場所にある事から、国際的な観光拠点やリゾートホテルとしての機能も併せ持つ、船橋地区の中心的シティホテルとして開業した。

建物は三井不動産と株式会社ららぽーとが折半して共同保有。経営は三井不動産が担い、開業時は、両社に加えて、三井不動産と提携関係を結んだサンルートホテルシステムを含む3社が、同名会社を1984年4月12日に共同出資で設立のうえ、運営を担当した。

ららぽーとTOKYO-BAYの、RSCとしての機能強化に向けた取り組みは、この後もスキードーム・ザウスや後述する常盤殿へ続く事になる。

建物について 編集

単純明快でシャープな外観は、低層部が一辺65mの正方形で、中庭の周囲にロビーレストラン宴会場を配置した。その上が、45角モザイクタイル打ち込みのカーテンウォールで外壁を仕上げた客室部となっており、東西それぞれのフレームを無梁板スラブで連結の上で、廊下の天井内に空調などの設備を集約した。客室階の通路にあるは、低層部を自由に設計できるよう、3階でY字に絞って一本の柱にし、2階以下につないでいる。

埋立地で緑が少ない事に加え、ロビーやラウンジ周辺を舞台もしくは観客席として位置付ける意図のもと、敷地計画の中心に据えられた露壇式の中庭は、緑あふれるテラス四季折々のが咲く階段の3要素で構成されており、イベントの開催にも対応していた。なお、設計の初期段階では屋根を設けてアトリウムとする計画だったが、屋根なしに変更されている。

開業当初の客室数は243室で、敷地西側にはプールのほか、別棟としてチャペルが設けられた。1986年BCS賞を受賞している。

フロア構成 編集

喜翁閣 編集

1912年明治45年)に建てられた大倉喜八郎別邸で、元の名前は『蔵春閣』。東京都墨田区から船橋ヘルスセンターへ移築され、『長安殿』の名称で中華料理店として活用されていた。ヘルスセンターの閉鎖に伴い、曳家で敷地内に移され、ホテル開業にあわせて1985年6月から会食スペース『迎賓館』として営業を開始した。後年、『喜翁閣(きおうかく)』と改称している。

ららぽーとの湯 常盤殿 編集

西側の隣接地に2001年6月2日グランドオープンした、三井不動産グループ初の日帰り入浴施設[1]徳川家康鷹狩の時に船橋の御殿に宿泊し、近隣には家康ゆかりの常盤神社が存在する事からこの名前がつけられた。船橋ヘルスセンターには浴場が存在しており、それが復活した形となる。

7つの露天風呂等、温浴機能の充実を通して既存スーパー銭湯との差別化を図ったが、2007年3月31日25時(4月1日午前1時)で営業を終了した。

リブランド、営業終了とその後 編集

2005年10月1日に、三井ガーデンホテル船橋ららぽーとへ名称変更[2]。同時に婚礼宴会場レストラン部分はCSSホールディングスの子会社が運営する[3]“プレシャス船橋”となったが、2009年3月1日から再び直営に戻っている。

2011年6月30日付で宿泊[4]およびレストラン、同年11月12日付で全館の営業を終了した[5]。その後建物は解体され、現在は常盤殿跡地も含めてららぽーとTOKYO-BAYのP6駐車場となっている。

喜翁閣(蔵春閣)は大倉文化財団に寄贈され、解体後の部材は移築を前提に保管されていたが、同財団が喜八郎の出身地である新潟県新発田市に寄贈を申し出た。同市は2019年2月、市内の東公園に移築する方針を明らかにし[6]、2020年10月に着工[7]・2023年4月29日から一般公開された[8]

参考文献 編集

  • 「作品 - ホテル サンガーデン ららぽーと」『新建築』1985年5月号(新建築社)、251~261頁。
  • 「今月の新作ホテル ホテルサンルートチェーンが総力を結集した新機軸 ホテルサンガーデンららぽーと」『月刊ホテル旅館』1985年6月号(柴田書店刊)、50~52、59~62頁。
  • 辻和成「連載 ザ・チェーン 多店化企業の素顔(77) 三井不動産」『月刊ホテル旅館』1986年8月号、106-110頁。
  • 建築思潮研究所「実作資料編・ホテル サンガーデンららぽーと」『建築設計資料24 シティホテル』建築資料研究社、1989年3月、73-80頁。ISBN 487460191X 

出典 編集

  1. ^ 温浴施設「ららぽーとの湯 常盤殿(ときわでん)」6月2日(土)グランドオープン』(プレスリリース)三井不動産、2001年5月18日https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2001/0518/2017年10月15日閲覧 
  2. ^ 「三井ガーデンホテル銀座」11月15日(火)オープン ~「三井ガーデンホテル」シリーズを今後積極展開~』(プレスリリース)三井不動産、三井不動産ホテルマネジメント、2005年11月2日https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2005/1102/2017年10月15日閲覧 
  3. ^ CSSホールディングス (2008年8月14日). “連結子会社 株式会社セントラルマネジメントシステムにおける事業の停止に関するお知らせ”. 株主プロ. 2019年8月31日閲覧。
  4. ^ 「三井ガーデンホテル船橋ららぽーと」営業終了について』(プレスリリース)三井不動産、2011年6月3日https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2011/0603_01/2017年10月15日閲覧 
  5. ^ 三井ガーデンホテル船橋ららぽーと 営業終了のお知らせ”. 三井不動産ホテルマネジメント. 2011年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月15日閲覧。
  6. ^ 「蔵春閣」新発田・東公園に移築へ 実業家・大倉喜八郎の別邸”. 新潟日報モア (2019年2月28日). 2019年10月18日閲覧。
  7. ^ 生誕の新発田市に移築復元/大倉喜八郎の「蔵春閣」”. 建設通信新聞Digital (2020年10月10日). 2020年11月23日閲覧。
  8. ^ [写真で見る]大倉喜八郎のこだわりが詰まった「蔵春閣」、見どころを一挙紹介 東京から移築したハイカラな「迎賓館」”. 新潟日報. 2023年7月14日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集