中山金杯

日本の中央競馬の重賞競走

中山金杯(なかやまきんぱい)は、日本中央競馬会 (JRA) が中山競馬場で施行する中央競馬重賞競走 (GIII) である。競馬番組表での名称は「日刊スポーツ賞 中山金杯(にっかんスポーツしょう なかやまきんぱい)」と表記している。

中山金杯
第62回中山金杯(2013年1月5日)
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 中山競馬場
創設 1952年1月20日
2024年の情報
距離 芝2000m
格付け GIII
賞金 1着賞金4300万円
出走条件 サラ系4歳以上(国際)(特指)
負担重量 ハンデキャップ
出典 [1][2]
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正賞は日刊スポーツ新聞社[1][2]

概要 編集

1952年に、5歳(現4歳)以上の馬による重賞として「金杯」の名称で創設[3]。1966年から1995年までは京都競馬場でも同名の競走(現・京都金杯)が行われていた[4]が、1996年より東西の金杯を区別するため現名称に変更された。

負担重量は別定とされた1954年から1960年を除き、ハンデキャップで行われている[3]。施行場は幾度かの変更を経た後、1980年から中山競馬場で定着[3]。創設時の施行距離は芝2600mだったが、1960年(昭和35年)に新年最初の重賞として創設されたアメリカジョッキークラブカップ(AJCC)と入れ替わる形で、翌1961年より芝2000mに短縮[3]。時期も同様にAJCCとの交換で新年最初の節の開催になり、新年度の中央競馬の開幕を飾る重賞として定着した[3]

外国産馬は1994年から、外国馬は2006年から、地方競馬所属馬は2020年からそれぞれ出走可能になった[3]

京都金杯と同じように競馬ファンからは金杯の格言として「一年の計は元旦にあり」をもじって「一年の計は金杯にあり」と言われている。また、「金杯で乾杯」のフレーズもしばしば口にされる。

地上波テレビ放送局は開催日が日曜日固定でないため毎年変動し、開催日が月曜日土曜日の場合はテレビ東京、日曜日の時はフジテレビで放送される。

競走条件 編集

以下の内容は、2024年[1][2][5]のもの。

出走資格:サラ系4歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(認定馬のみ、2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:ハンデキャップ

賞金 編集

2024年の1着賞金は4300万円で、以下2着1700万円、3着1100万円、4着650万円、5着430万円[1][2]

歴史 編集

  • 1952年 - 5歳以上の馬によるハンデキャップの重賞競走「金盃」の名称で創設、中山競馬場の芝2600mで施行[3]
  • 1954年 - 負担重量を別定に変更[3]
  • 1961年 - 負担重量をハンデキャップに変更[3]
  • 1966年 - 名称を「日刊スポーツ賞 金盃」に変更[3]
  • 1971年 - 名称を「日刊スポーツ賞 金杯」に変更[3]
  • 1972年 - 馬インフルエンザ流行の影響で4月に福島競馬場の芝2000mと変更されたが、厩務員のストライキでさらに2週延期された[6]
  • 1984年 - グレード制施行によりGIII[注 1]に格付け。
  • 1994年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[3]
  • 1996年 - 名称を「日刊スポーツ賞 中山金杯」に変更。
  • 2001年 - 馬齢表記を国際基準へ変更したことに伴い、競走条件を「4歳以上」に変更。
  • 2006年 - 国際競走に指定、外国調教馬が4頭まで出走可能となる[3]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が8頭に拡大[3]
  • 2015年
    • 出走可能頭数を17頭に拡大。
    • 外国馬の出走枠を9頭に変更。
  • 2020年 - 特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能になる。

歴代優勝馬 編集

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

競走名は第1回から第44回まで「金杯」[3]

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1952年1月20日 中山 2600m サチフサ 牡4 2:46 2/5 蛯名武五郎 藤本冨良 (株)東北牧場
第2回 1953年1月18日 中山 2600m アサトモ 牡4 2:47 2/5 古山良司 望月与一郎 手塚栄一
第3回 1954年1月17日 中山 2600m ガイセイ 牡4 2:53 4/5 保田隆芳 尾形藤吉 岩崎利明
第4回 1955年1月16日 中山 2600m ハクリヨウ 牡5 2:45 2/5 保田隆芳 尾形藤吉 西博
第5回 1956年1月22日 中山 2600m クリチカラ 牡6 2:57 2/5 森安弘明 尾形藤吉 栗林友二
第6回 1957年1月20日 中山 2600m ホマレモン 牡4 2:44 1/5 山本勲 尾形藤吉 永田雅一
第7回 1958年1月19日 中山 2600m オンワードゼア 牡4 2:48 1/5 野平好男 二本柳俊夫 樫山純三
第8回 1959年1月18日 中山 2600m トサオー 牡4 2:47 3/5 野平祐二 松山吉三郎 溝本儀三男
第9回 1960年1月17日 中山 2600m カネチカラ 牡4 2:48.1 森安弘明 阿部正太郎 金指吉昭
第10回 1961年1月3日 中山 2000m ヤマニンモアー 牡4 2:05.8 藤本勝彦 藤本冨良 土井宏二
第11回 1962年1月3日 中山 2000m オンスロート 牡5 2:03.3 山岡忞 中村広 荒木政司
第12回 1963年1月3日 中山 2000m カネツセーキ 牡4 2:03.4 伊藤竹男 久保田金造 清水正紀
第13回 1964年1月3日 中山 2000m トースト 牝5 2:04.1 保田隆芳 尾形藤吉 永田雅一
第14回 1965年1月3日 中山 2000m アサホコ 牡5 2:04.2 加賀武見 藤本冨良 手塚栄一
第15回 1966年1月3日 東京 2000m ヤマドリ 牡5 2:03.8 森安弘明 森末之助 清水友太郎
第16回 1967年1月3日 中山 2000m ヒガシソネラオー 牡5 2:06.1 伊藤竹男 久保田金造 坂本清五郎
第17回 1968年1月3日 中山 2000m オンワードヒル 牡5 2:04.8 牧野三雄 中村広 樫山純三
第18回 1969年1月5日 中山 2000m ハクセツ 牝4 2:04.4 岡部幸雄 高橋英夫 中村勝五郎
第19回 1970年1月4日 東京 2000m スイートフラッグ 牝6 2:03.8 野平祐二 野平省三 和田共弘
第20回 1971年1月5日 東京 ダート2100m コウジョウ 牡5 2:12.0 吉永正人 松山吉三郎 佐藤守宏
第21回 1972年4月30日 福島 2000m コーヨー 牡4 2:01.6 川上征雄 川上武一 佐藤欣治
第22回 1973年1月7日 東京 2000m クリイワイ 牡4 2:04.8 郷原洋行 大久保勝之 栗林友二
第23回 1974年1月6日 東京 2000m イナボレス 牡5 2:01.4 宮田仁 大久保末吉 稲富稜人
第24回 1975年1月6日 東京 2000m ウエスタンダッシュ 牡4 2:03.1 伊藤正徳 尾形藤吉 西川商事(株)
第25回 1976年1月5日 東京 2000m アイフル 牡5 2:03.1 菅原泰夫 仲住芳雄 藤本義昭
第26回 1977年1月5日 東京 2000m ハーバーヤング 牡5 2:02.0 岡部幸雄 稲葉秀男 (株)ハーバー
第27回 1978年1月5日 東京 ダート2100m シマノカツハル 牡5 2:09.7 小島太 古山良司 高橋勝治
第28回 1979年1月5日 東京 2000m シービークロス 牡4 2:00.6 吉永正人 松山吉三郎 千明牧場
第29回 1980年1月5日 中山 2000m ヨシノスキー 牡4 2:08.4 的場均 佐藤征助 吉沢操子
第30回 1981年1月5日 中山 2000m ドロッポロード 牡4 2:02.0 中野栄治 荒木静雄 瀧村修蔵
第31回 1982年1月5日 中山 2000m エイティトウショウ 牝4 2:04.4 中島啓之 奥平真治 トウショウ産業(株)
第32回 1983年1月5日 中山 2000m ヨロズハピネス 牡4 2:02.2 伊藤正徳 尾形充弘 (株)アイ・ケイ・テイ・オーナーズ
第33回 1984年1月5日 中山 2000m ドウカンヤシマ 牡4 2:01.8 大塚栄三郎 田中朋次郎 新井興業(株)
第34回 1985年1月6日 中山 2000m スズパレード 牡4 2:00.4 田村正光 富田六郎 小紫芳夫
第35回 1986年1月5日 中山 2000m クシロキング 牡4 2:01.6 岡部幸雄 中野隆良 阿部昭
第36回 1987年1月5日 中山 2000m トチノニシキ 牝5 2:02.6 蛯沢誠治 栗田博憲 早乙女光男
第37回 1988年1月5日 中山 2000m アイアンシロー 牡6 2:01.9 蓑田早人 森末之助 西山正行
第38回 1989年1月5日 中山 2000m ニシノミラー 牡5 2:00.7 武藤善則 佐藤全弘 西山正行
第39回 1990年1月5日 中山 2000m メジロモントレー 牝4 2:00.4 横山典弘 奥平真治 (有)メジロ牧場
第40回 1991年1月5日 中山 2000m カリブソング 牡5 2:00.4 柴田政人 加藤修甫 (株)荻伏牧場レーシング・クラブ
第41回 1992年1月5日 中山 2000m トウショウファルコ 牡6 1:59.6 柴田政人 新関力 トウショウ産業(株)
第42回 1993年1月5日 中山 2000m セキテイリュウオー 牡4 2:00.5 田中勝春 藤原敏文 (株)新元観光
第43回 1994年1月5日 中山 2000m ヒダカハヤト 牡7 2:00.7 大塚栄三郎 森安弘昭 清峰殖産(株)
第44回 1995年1月5日 中山 2000m サクラローレル 牡4 2:00.5 小島太 境勝太郎 全尚烈
第45回 1996年1月5日 東京 2000m ベストタイアップ 牡4 1:59.3 横山典弘 松山康久 吉田照哉
第46回 1997年1月5日 中山 2000m ベストタイアップ 牡5 2:01.5 岡部幸雄 松山康久 吉田照哉
第47回 1998年1月5日 中山 2000m グルメフロンティア 牡6 2:01.4 岡部幸雄 田中清隆 石井政義
第48回 1999年1月5日 中山 2000m サイレントハンター 牡6 2:00.8 吉田豊 大久保洋吉 臼田浩義
第49回 2000年1月5日 中山 2000m ジョービッグバン 牡5 2:01.4 山田和広 坪正直 上田けい子
第50回 2001年1月5日 中山 2000m カリスマサンオペラ 牝4 2:01.2 中舘英二 崎山博樹 畔柳年言
第51回 2002年1月5日 東京 2000m ビッグゴールド 牡4 1:59.0 柴田善臣 中尾正 (有)ビッグ
第52回 2003年1月5日 中山 2000m トーホウシデン 牡6 2:00.0 田中勝春 田中清隆 東豊物産(株)
第53回 2004年1月5日 中山 2000m アサカディフィート 騸6 1:59.2 中舘英二 鶴留明雄 浅川吉男
第54回 2005年1月5日 中山 2000m クラフトワーク 牡5 1:59.0 横山典弘 後藤由之 (有)サンデーレーシング
第55回 2006年1月5日 中山 2000m ヴィータローザ 牡6 1:59.4 柴山雄一 橋口弘次郎 (有)サンデーレーシング
第56回 2007年1月6日 中山 2000m シャドウゲイト 牡5 2:02.4 田中勝春 加藤征弘 飯塚知一
第57回 2008年1月5日 中山 2000m アドマイヤフジ 牡6 2:00.7 川田将雅 橋田満 近藤利一
第58回 2009年1月4日 中山 2000m アドマイヤフジ 牡7 1:58.5 川田将雅 橋田満 近藤利一
第59回 2010年1月5日 中山 2000m アクシオン 牡7 2:00.8 藤田伸二 二ノ宮敬宇 中田徹
第60回 2011年1月5日 中山 2000m コスモファントム 牡4 1:59.8 松岡正海 宮徹 (有)ビッグレッドファーム
第61回 2012年1月5日 中山 2000m フェデラリスト 牡5 1:59.4 蛯名正義 田中剛 (有)社台レースホース
第62回 2013年1月5日 中山 2000m タッチミーノット 牡7 1:59.5 横山典弘 柴崎勇 吉田照哉
第63回 2014年1月5日 中山 2000m オーシャンブルー 牡6 2:00.1 F.ベリー 池江泰寿 青芝商事(株)
第64回 2015年1月4日 中山 2000m ラブリーデイ 牡5 1:57.8 F.ベリー 池江泰寿 金子真人ホールディングス(株)
第65回 2016年1月5日 中山 2000m ヤマカツエース 牡4 2:01.2 池添謙一 池添兼雄 山田和夫
第66回 2017年1月5日 中山 2000m ツクバアズマオー 牡6 2:00.6 吉田豊 尾形充弘 荻原昭二
第67回 2018年1月6日 中山 2000m セダブリランテス 牡4 1:59.8 戸崎圭太 手塚貴久 (有)シルクレーシング
第68回 2019年1月5日 中山 2000m ウインブライト 牡5 1:59.2 松岡正海 畠山吉宏 (株)ウイン
第69回 2020年1月5日 中山 2000m トリオンフ 騸6 1:59.5 M.デムーロ 須貝尚介 (株)桑田牧場
第70回 2021年1月5日 中山 2000m ヒシイグアス 牡5 2:00.9 松山弘平 堀宣行 阿部雅英
第71回 2022年1月5日 中山 2000m レッドガラン 牡7 2:00.1 斎藤新 安田隆行 (株)東京ホースレーシング
第72回 2023年1月5日 中山 2000m ラーグルフ 牡4 2:00.2 戸崎圭太 宗像義忠 村木隆
第73回 2024年1月6日 中山 2000m リカンカブール 牡5 1:58.94 津村明秀 田中克典 (株)ラ・メール

脚注・出典 編集

注釈 編集

  1. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典 編集

  1. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 1. 2024年1月8日閲覧。
  2. ^ a b c d 令和6年第1回中山競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年1月8日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 歴史・コース:中山金杯 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年1月8日閲覧。
  4. ^ 歴史・コース:京都金杯 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年1月8日閲覧。
  5. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法 (令和5年度春季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年1月8日閲覧。
  6. ^ 優駿』1972年6月号、70,86頁。 

各回競走結果の出典 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集