丹波山村

日本の山梨県北都留郡の村

丹波山村(たばやまむら)は、山梨県郡内地方北都留郡にあるである。

たばやまむら ウィキデータを編集
丹波山村
丹波山村旗 丹波山村章
丹波山村旗 丹波山村章
日本の旗 日本
地方 中部地方甲信越地方
都道府県 山梨県
北都留郡
市町村コード 19443-3
法人番号 9000020194433 ウィキデータを編集
面積 101.30km2
総人口 487[編集]
推計人口、2024年4月1日)
人口密度 4.81人/km2
隣接自治体 甲州市北都留郡小菅村
東京都西多摩郡奥多摩町
埼玉県秩父市
村の木 ブナ
村の花 ミツバツツジ
丹波山村役場
村長 木下喜人
所在地 409-0305
山梨県北都留郡丹波山村2450
北緯35度47分23秒 東経138度55分20秒 / 北緯35.78969度 東経138.92225度 / 35.78969; 138.92225座標: 北緯35度47分23秒 東経138度55分20秒 / 北緯35.78969度 東経138.92225度 / 35.78969; 138.92225
外部リンク 公式ウェブサイト

丹波山村位置図

― 市 / ― 町 / ― 村

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丹波山村遠景
村内を流れる丹波川

解説 編集

山梨県ではあるが、村外への公共交通機関は東京都奥多摩町のJR奥多摩駅へのバスのみで、甲府など国中地方とを結ぶ公共交通機関は存在しない。また、固定電話の市外局番は0428で、南隣の小菅村とともに青梅MA(単位料金区域)である。このため、生活圏は山梨県よりも東京都に属している。東京都水道局が管理する水源涵養林東京都水源林)を有することから、村内に東京都水道局水源管理事務所が存在し、他県の行政機関が並存している。

平成の大合併の際は、位置・規模の点から隣の小菅村と同様に合併話が具体化しなかった。2002年(平成14年)に実施された住民アンケートでは東京都青梅市・奥多摩町への越境合併を希望する意見が多数であったが、本村からの合併の申し入れを奥多摩町は二度に渡って謝絶した[1]。その後、2005年(平成17年)頃からは甲州市との合併構想が持ち上がっていたが[1]、実際は実現することに至らなかった。

村中心部を流れる丹波川(たばがわ)が注ぐ奥多摩湖が東京都の水源となっている関係から、下水道普及率は令和3年度末時点で97.5%であり、山梨県内第一位である[2]

地理 編集

山梨県の北東部県境、北都留郡の北西端に位置し、関東山地の南東部にあたる。村域の大半が山林地帯で、秩父多摩甲斐国立公園に属する。多摩川上流支流で奥多摩湖へ東流する丹波川が渓谷をつくる。国道411号青梅街道)が並行し、流域沿いの河岸段丘上や傾斜地に集落が点在。丹波山地区には公共施設があり村の中心となっている。荒川水系と多摩川水系の分水嶺である標高2,000 m級の秩父山地を境に埼玉県や東京都と接し、南は標高1,000 m級の大菩薩連嶺の支脈妙見鹿倉尾根を境に小菅村と接し、西は大菩薩嶺を境に甲州市に接する。

村域にある秩父山地の山では飛竜山(大洞山)の2,077 m、大菩薩連嶺の山では大菩薩嶺の2,057 mが最高地点で、最低地点は東端の鴨沢地区で535 m。

地形 編集

山地 編集

主な山

河川 編集

主な川
  • 丹波川(多摩川支流)
  • 貝沢川
  • 小室川
  • 後山川

湖沼 編集

主な湖

人口 編集

 
丹波山村と全国の年齢別人口分布(2005年) 丹波山村の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 丹波山村
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

丹波山村(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

隣接自治体 編集

 山梨県
 埼玉県
 東京都

歴史 編集

先史 - 中世 編集

丹波川流域には、高尾遺跡など縄文時代遺跡が見られる。中世には小菅氏により寺院建立が行われており、『甲斐国志』によれば天正年間には郡内領主小山田氏の支配が見られ小菅村と同じ行政単位で、文禄検地で分割された。

近世 編集

谷村藩領を経て天領となった。国中方面から奥多摩へ向かう甲州道中の裏街道であった青梅往還は大菩薩峠を越えると分岐し、村域には丹波山通が通り丹波宿があった。

近世には都留郡に属した。戦国期から江戸時代初期にかけて、丹波川上流の黒川金山鶏冠山)での金鉱採掘も行われていたが、住民の生業は焼畑農業のほかは主に山稼ぎであった。

延享2年(1745年)には入会権を巡り国中10か村(現:甲州市塩山)と山境争論が起こり、幕府裁定で入会地を獲得した。しかし、1881年明治14年)には山林は官収された。

近代 編集

近代には交通機関も発達し、生業も養蚕業をはじめ、コンニャクワサビ(丹波ワサビ)の栽培、製炭、旅宿営業など多様化した。

1889年(明治22年)には一部の山野を国から買い取って再び入会権を獲得。しかし、多摩川上流の山林が乱伐され荒廃すると、東京府は水源涵養林確保のため、1901年(明治34年)に丹波山御料林の払い下げが宮内省(現:宮内庁)に申請され、一定の補償を条件に入会権を放棄し、御料林は東京府に移管され、営林事業を開始した。

1909年には東京市による水源林の直接管理運営を目的として当時の東京市長尾崎行雄がこの地を訪れた。そして1910年(明治43年)営林事業は東京府から東京市に移管された。その後も山林は水道水源林経営のため、東京市に買収されていった。現在、この山林は東京都水道局の水源涵養林(東京都水源林)となっている。

沿革 編集

行政 編集

村長 編集

  • 村長:木下喜人

議会 編集

村議会 編集

  • 定数:6人
  • 任期:2023年5月1日 - 2027年4月30日

県議会 編集

  • 選挙区:上野原市・北都留郡選挙区
  • 定数:1人
  • 任期:2023年4月30日 - 2027年4月29日
  • 投票日:2023年4月9日
  • 当日有権者数:20,288人
  • 投票率:63.85%
候補者名 当落 年齢 所属党派 新旧別 得票数
久嶋成美 63 無所属 6,490票
市川正末 67 自由民主党 6,316票

衆議院 編集

当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 重複
堀内詔子 56 自由民主党 109,036票
市来伴子 44 立憲民主党 44,441票
大久保令子 71 日本共産党 7,027票

教育 編集

中学校 編集

村立
  • 丹波山村立丹波中学校

小学校 編集

村立

交通 編集

 
西東京バス奥09
 
道の駅たばやま

鉄道 編集

村内に鉄道路線は走っていない。最寄り駅は、JR東日本青梅線奥多摩駅

バス 編集

西東京バス五日市営業所氷川車庫
  • 奥09:奥多摩駅 - 境橋 - 水根 - 奥多摩湖 - 深山橋 - 留浦 - 鴨沢西
  • 奥10:奥多摩駅 - 境橋 - 水根 - 奥多摩湖 - 深山橋 - 留浦 - 鴨沢西 - 丹波山村役場

村唯一の公共交通機関で、補助金を受けながら運行している。東京都方面への交通は確保されているが、当村より西への公共交通機関がないため、隣の甲州市や県都である甲府市へは遠回りの長時間移動を強いられる。

かつて、1972年までは奥多摩駅から現在の奥10系統の終点である「丹波」(現「丹波山村役場」)停留所より柳沢峠を経て塩山駅まで、西東京バスと山梨交通の共同運行路線バスが存在していた[3]。現在、甲州市市民バス(山梨交通が運行を受託)が塩山駅から市境近くの「落合」まで土日のみ2往復している。

なお、南隣の小菅村とを直接結ぶバスが存在しないため、公共交通機関ではバスで奥多摩町の「深山橋」停留所を経由しないと他の県内の自治体に行くことができない。しかし、小菅村では2014年11月17日に国道139号松姫バイパスが開通したことにより、大月駅発着のバスが運行を開始した[4]ため、「深山橋」停留所で西東京バス「奥12」系統のバス、その終点の「小菅の湯」停留所で富士急バスに乗り継ぐことになるものの、県内の鉄道駅へのアクセスが比較的容易になった。

道路 編集

国道 編集

山梨県内の区間は「大菩薩ライン」の愛称がついている。カーブとトンネルが続き、柳沢峠を経て、甲州市中心部に続いている。なお、当村と甲州市間の山間部は、冬季には積雪および凍結路となるため、チェーン装着規制はないがタイヤチェーンスノータイヤ装着が必要となる。

県道 編集

小菅村を経由して上野原市に通じている。当村と小菅村の間にある今川峠は急勾配・急カーブが連続する。小菅村より国道139号に入り、大月市に抜けることも可能である。

道の駅 編集

観光 編集

 
道の駅たばやまにある丹波山温泉

雲取山の青岩鍾乳洞は県指定天然記念物

名所・旧跡 編集

主な寺院
主な神社

観光スポット 編集

  • 郷土民俗資料館
  • 甲武キャンプ村
  • 村営つり場
  • 村営そば店「やまびこ庵」
  • 村営ローラーすべり台 - ふるさと創生事業で設置。設置当初は日本一の長さだったが、設置から3日でその座を奪われた。
  • 青岩鍾乳洞
  • 尾崎行雄水源踏査記念碑(青梅街道沿い)
ユネスコエコパーク
温泉

文化 編集

 
夏の風物詩であるささら獅子舞

祭事・催事 編集

丹波山のささら獅子は角兵衛流の伝統的な三匹獅子舞で、7月中旬に行われる。1979年(昭和54年)3月31日には由来書とともに県無形民俗文化財に指定。

  • 丹波山祇園祭(7月15日に近い土日)ささら獅子舞奉納
  • お松引き(1月7日)
  • 夏祭り丹波(毎年7月最終日曜日)
  • 盆踊り花火大会(8月15日)

その他 編集

郵便番号は以下の通りである。

  • 上野原郵便局(上野原市):409-01xx、401-02xx、409-02xx、409-03xx、409-05xx、409-06xx

脚注 編集

  1. ^ a b 広報丹波山 No. 117” (pdf). 丹波山村教育委員会 (2007年1月). 2023年11月5日閲覧。
  2. ^ 全国市町村別 下水道処理人口普及率一覧(令和3年度末)” (pdf). 日本下水道協会. 2023年3月11日閲覧。
  3. ^ [1][出典無効]
  4. ^ 路線バスで都県境越えの最難関「山梨ルート」 東京からバスが通じる「水源の村」の事情(2/3)”. 乗りものニュース (2020年6月30日). 2020年9月14日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集