全国警察剣道選手権大会

全国警察剣道選手権大会(ぜんこくけいさつけんどうせんしゅけんたいかい)は、警察官剣道個人戦日本一を決める大会。主催は警察庁。毎年全国警察柔道選手権大会と同時に日本武道館で開催されている。なお、2019年度は武道館改修のため5月に繰り上げ開催された。

全国警察剣道選手権大会
開始年 男子:1953年昭和28年)
女子:1984年(昭和59年)
主催 警察庁
加盟国 日本の旗 日本
前回優勝 男子:星子啓太
女子:渡邊タイ
最多優勝 男子:宮崎正裕(6回)
女子:寺地里美、山本真理子(5回)
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概要

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都道府県警察及び皇宮警察本部から選抜された選手がトーナメント方式優勝を争う。全日本剣道選手権大会と並ぶ国内最高レベルの大会である。また、全日本剣道選手権大会よりも出場選手数が多いため、1日にこなす試合数も多く、実力がより拮抗している。そのため、この大会で優勝することは全日本剣道選手権大会で優勝するよりも難しいと言われている。この大会や全日本剣道選手権大会で上位入賞を収めた選手が、世界剣道選手権大会日本代表選手に選出されることが多い。

警察の仕事は真剣勝負と同じで二本目はないとの理念により、2001年からは時間無制限の一本勝負となった。

出場資格

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出場選手は男女共に各都道府県警察皇宮警察本部術科特別訓練員のみ。

男子の場合は、①皇宮警察本部・各都道府県警察が推薦する選手、②前年度の同大会でベスト16以上の成績を残した選手、③前年度の全日本剣道選手権大会でベスト16以上の成績を残した選手、が出場できる。そのため、各都道府県警察の出場選手数は毎年変動する。

女子の場合は、皇宮警察本部・各都道府県警察が推薦する選手が出場できる。

表彰・賞品

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優勝者にはトロフィーが授与され、第5位(ベスト8進出)選手までは入賞となり、メダルが授与される。

歴代優勝者(男子)

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西暦年 和暦年 氏名 段位 所属 年齢別試合 優勝回数
1953年 昭和28年 矢野太郎 四段 神戸市警察 1
1954年 昭和29年 高野義明 教士七段 福岡県警察 1
1955年 昭和30年 中村太郎 教士七段 神奈川県警察 1
1956年 昭和31年 長島末吉 教士七段 警視庁 1
1957年 昭和32年 杉山実 五段 石川県警察 1
1958年 昭和33年 衛藤定男 六段 大分県警察 1
1959年 昭和34年 関田秀正 六段 大阪府警察 1
1960年 昭和35年 谷崎安司 六段 警視庁 1
1961年 昭和36年 川畑富保 五段 千葉県警察
1962年 昭和37年 川畑富保 五段 千葉県警察
1963年 昭和38年 青木彦人 五段 大分県警察 1
1964年 昭和39年 川畑富保 五段 千葉県警察
1965年 昭和40年 堀田国弘 七段 兵庫県警察 1
1966年 昭和41年 有満政明 五段 鹿児島県警察 30歳以上の部
1966年 昭和41年 大音善照 六段 福岡県警察 30歳未満の部 1
1967年 昭和42年 有満政明 五段 鹿児島県警察 30歳以上の部
1967年 昭和42年 坂口忠勝 五段 香川県警察 30歳未満の部 1
1968年 昭和43年 有満政明 六段 鹿児島県警察 30歳以上の部
1968年 昭和43年 村上五十二 五段 京都府警察 30歳未満の部 1
1969年 昭和44年 小林三留 七段 大阪府警察 1
1970年 昭和45年 中村毅 六段 警視庁 1
1971年 昭和46年 有馬光男 六段 大阪府警察 1
1972年 昭和47年 吉田宣夫 六段 神奈川県警察 1
1973年 昭和48年 渡辺隆 五段 栃木県警察 1
1974年 昭和49年 末野栄二 五段 鹿児島県警察 1
1975年 昭和50年 小野勝頼 六段 警視庁 1
1976年 昭和51年 大野裕治 五段 警視庁
1977年 昭和52年 大野裕治 五段 警視庁
1978年 昭和53年 笠村浩二 五段 神奈川県警察 1
1979年 昭和54年 坂本義幸 五段 大阪府警察 1
1980年 昭和55年 西川清紀 五段 警視庁
1981年 昭和56年 塚本博之 五段 警視庁 1
1982年 昭和57年 西川清紀 五段 警視庁
1983年 昭和58年 遠藤正明 六段 警視庁
1984年 昭和59年 岩堀透 六段 大阪府警察 1
1985年 昭和60年 遠藤正明 七段 警視庁
1986年 昭和61年 石田利也 五段 大阪府警察 1
1987年 昭和62年 寺地種寿 五段 警視庁
1988年 昭和63年 西川清紀 六段 警視庁
西暦年 和暦年 氏名 段位 所属 段別試合 優勝回数
1989年 平成元年 寺地種寿 六段 警視庁
1990年 平成2年 宮崎史裕 五段 神奈川県警察
1991年 平成3年 宮崎正裕 錬士六段 神奈川県警察
1992年 平成4年 田島稔 五段 警視庁 1
1993年 平成5年 寺地賢二郎 錬士六段 警視庁 1
1994年 平成6年 宮崎史裕 六段 神奈川県警察
1995年 平成7年 宮崎正裕 錬士六段 神奈川県警察
1996年 平成8年 宮崎正裕 教士七段 神奈川県警察 五段以上の部
1996年 平成8年 但野剛 四段 埼玉県警察 四段以下の部 1
1997年 平成9年 宮崎正裕 教士七段 神奈川県警察 五段以上の部
1997年 平成9年 髙宮粛 四段 愛媛県警察 四段以下の部 1
1998年 平成10年 井口清 五段 埼玉県警察 五段以上の部
1998年 平成10年 安藤戒牛 四段 愛知県警察 四段以下の部 1
1999年 平成11年 宮崎正裕 教士七段 神奈川県警察 五段以上の部
1999年 平成11年 佐藤博光 四段 大阪府警察 四段以下の部
2000年 平成12年 宮崎正裕 教士七段 神奈川県警察 五段以上の部
2000年 平成12年 佐藤博光 四段 大阪府警察 四段以下の部
2001年 平成13年 寺地四幸 錬士六段 警視庁 1
2002年 平成14年 井口清 錬士六段 埼玉県警察
2003年 平成15年 佐藤博光 五段 大阪府警察
2004年 平成16年 島村剛史 六段 警視庁 1
2005年 平成17年 高鍋進 五段 神奈川県警察
2006年 平成18年 内村良一 五段 警視庁
2007年 平成19年 内村良一 五段 警視庁
2008年 平成20年 木和田大起 六段 大阪府警察 1
2009年 平成21年 高鍋進 錬士六段 神奈川県警察
2010年 平成22年 高鍋進 錬士六段 神奈川県警察
2011年 平成23年 東日本大震災
影響により中止
2012年 平成24年 高鍋進 錬士六段 神奈川県警察
2013年 平成25年 網代忠勝 錬士六段 兵庫県警察 1
2014年 平成26年 畠中宏輔 五段 警視庁 1
2015年 平成27年 土谷有輝 四段 大阪府警察 1
2016年 平成28年 大城戸知 六段 大阪府警察 1
2017年 平成29年 安藤翔 五段 北海道警察 1
2018年 平成30年 西村英久 六段 熊本県警察 1
西暦年 和暦年 氏名 段位 所属 段別試合 優勝回数
2019年 令和元年 竹ノ内佑也 五段 警視庁 1
2022年 令和四年 星子啓太 四段 警視庁 1
2023年 令和五年 土谷有輝 五段 大阪府警察
2024年 令和六年 星子啓太 五段 警視庁

各種記録

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優勝回数

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連続優勝記録

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都道府県別優勝回数

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歴代優勝者(女子)

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西暦年 和暦年 氏名 段位 所属 特別試合 優勝回数
1984年 昭和59年 森田瑞恵 三段 警視庁 特別試合 1
1985年 昭和60年 福之上里美 四段 警視庁 特別試合
1986年 昭和61年 福之上里美 四段 警視庁 特別試合
1987年 昭和62年 福之上里美 四段 警視庁 特別試合
1988年 昭和63年 中尾美佳 四段 福岡県警察 特別試合 1
西暦年 和暦年 氏名 段位 所属 特別試合 優勝回数
1989年 平成元年 寺地里美 五段 警視庁 特別試合 ④(旧姓:福之上)
1990年 平成2年 長澤松枝 四段 福岡県警察 特別試合 1
1991年 平成3年 根本麻弥子 三段 千葉県警察 特別試合 1
1992年 平成4年 石田真理子 五段 大阪府警察 特別試合 ①(旧姓:福之上)
1993年 平成5年 長澤松枝 四段 福岡県警察 特別試合
1994年 平成6年 石田真理子 五段 大阪府警察
1995年 平成7年 谷山百合香 四段 京都府警察
1996年 平成8年 寺地里美 六段 警視庁
1997年 平成9年 谷山百合香 五段 京都府警察
1998年 平成10年 朝比奈静香 四段 警視庁
1999年 平成11年 甲斐敦子 四段 大阪府警察 1
2000年 平成12年 馬場恵子 四段 大阪府警察 1
2001年 平成13年 朝比奈静香 五段 警視庁
2002年 平成14年 朝比奈静香 五段 警視庁
2003年 平成15年 久木山満美 四段 警視庁 1(旧姓:山本)
2004年 平成16年 岩本佳奈 四段 兵庫県警察 1
2005年 平成17年 岡田圭 五段 熊本県警察 1
2006年 平成18年 村山千夏 五段 埼玉県警察 1
2007年 平成19年 大辻祥子 四段 大阪府警察 1
2008年 平成20年 久木山満美 六段 警視庁
2009年 平成21年 石突小百合 四段 警視庁 1
2010年 平成22年 山本真理子 四段 大阪府警察
2011年 平成23年 東日本大震災
影響により中止
2012年 平成24年 山本真理子 四段 大阪府警察
2013年 平成25年 山本真理子 五段 大阪府警察
2014年 平成26年 大石弓絵 五段 大阪府警察 1
2015年 平成27年 山本真理子 五段 大阪府警察
2016年 平成28年 阿部美洸 四段 警視庁 1
2017年 平成29年 山本真理子 五段 大阪府警察
2018年 平成30年 松本弥月 五段 神奈川県警察 1
西暦年 和暦年 氏名 段位 所属 特別試合 優勝回数
2019年 令和元年 渡邊タイ 五段 熊本県警察 1
2022年 令和四年 高橋萌子 五段 神奈川県警察 1
2023年 令和五年 松本泉帆 四段 兵庫県警察 1

各種記録

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優勝回数

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連続優勝記録

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都道府県別優勝回数

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テレビ放送

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平成26年度より毎年、CSテレ朝チャンネル2にて3時間にわたり、男女ともにベスト16以上の試合が放送されている。

  • 解説:田村徹(警察大学校剣道名誉師範、教士八段)
  • 実況:市川勝也(平成26、27年度)、四家秀治(平成28年度)

参考文献

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関連項目

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