山田宏一
山田 宏一(やまだ こういち、1938年9月13日[1]- )は、日本の映画評論家、翻訳家。
山田 宏一 | |
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誕生 |
1938年9月13日(84歳) オランダ領東インド、バタヴィア(現・インドネシア、ジャカルタ) |
職業 | 映画評論家・翻訳者 |
国籍 |
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最終学歴 | 東京外国語大学フランス語学科 |
ジャンル | 映画評論 |
主な受賞歴 |
第1回Bunkamuraドゥマゴ文学賞 第5回文化庁映画賞映画功労表彰部門 第35回川喜多賞 |
経歴編集
オランダ領東インド、バタヴィア(現・インドネシア、ジャカルタ)生まれ。東京を経て秋田県八森に疎開、移住。東京外国語大学フランス語学科卒業。1964〜1967年にパリ在住。その間「カイエ・デュ・シネマ」の同人となり、ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーらと交友する。この時代の経験は後に、著書『友よ映画よ』で描いている。
帰国後、『キネマ旬報』『話の特集』などに連載を行い、映画評論活動に入る。フランスの前衛的な映画から、マキノ雅弘などの娯楽映画まで、同じスタンスで論じる評論スタイルで注目される。また、翻訳、インタビュー、聞き書きなども多数ある。なお、マキノ雅弘の自伝『映画渡世』も、マキノの著書となっているが、山根貞男と山田による聞き書きである。
表彰編集
著作編集
単著編集
- 『映画について私が知っている二、三の事柄』三一書房 1971/『シネ・ブラボー2』ケイブンシャ文庫 1985
- 『映画 この心のときめき』白川書院 1976/早川書房 1989
- 『友よ映画よ わがヌーヴェル・ヴァーグ誌』話の特集 1978、増訂版1985/ちくま文庫 1992/平凡社ライブラリー 2002
- 『走れ! 映画』たざわ書房 1979
- 『映画の夢・夢の女』絵:山口はるみ 話の特集 1980
- 『美女と犯罪 映画的なあまりに映画的な』早川書房 1984/ハヤカワ文庫 1989/ワイズ出版(増補版) 2001
- 『シネ・ブラボー 小さな映画誌』勁文社 ケイブンシャ文庫 1984
- 『シネ・ブラボー3 わがトリュフォー』ケイブンシャ文庫 1985
- 『きょうのシネマは シネ・スポット三百六十五夜』平凡社 1988
- 『わがフランス映画誌』平凡社 1990
- 『トリュフォー ある映画的人生』平凡社 1991、増訂版1994/平凡社ライブラリー 2002
- 『ビデオラマ 空想の映画館・記憶の映画館』講談社 1993
- 『エジソン的回帰』青土社 1997
- 『山田宏一の日本映画誌』ワイズ出版 1997
- 『山田宏一のフランス映画誌』ワイズ出版 1999
- 『恋の映画誌』新書館 2002
- 『次郎長三国志 マキノ雅弘の世界』ワイズ出版 2002
- 『日本侠客伝 マキノ雅弘の世界』ワイズ出版 2007
- 『マキノ雅弘の世界 映画的な、あまりに映画的な』ワイズ出版〈映画文庫〉 2012 - 元版2冊を再編・改稿
- 『フランソワ・トリュフォー映画読本』平凡社 2003
- 『フランソワ・トリュフォーの映画誌』平凡社 2004、増補版2022
- 『何が映画を走らせるのか?』草思社 2005
- 『ゴダール、わがアンナ・カリーナ時代』[4]ワイズ出版 2010/増補版 同・映画文庫 2020
- 『映画の夢、夢のスター』幻戯書房 2011
- 『トリュフォーの手紙』平凡社 2012
- 『ヌーヴェル・ヴァーグ 山田宏一写真集』平凡社 2013
- 『映画 果てしなきベスト・テン』草思社 2013
- 『映画的な、あまりに映画的な 日本映画について私が学んだ二、三の事柄』ワイズ出版〈映画文庫〉 2015
- 『映画的な、あまりに映画的な 日本映画について私が学んだ二、三の事柄II』ワイズ出版〈映画文庫〉 2015 -「山田宏一の日本映画誌」を全面改稿
- 『ヒッチコック 映画読本』平凡社 2016 - 集大成決定版
- 『ハワード・ホークス 映画読本』国書刊行会 2016
共著編集
- 『たかが映画じゃないか』和田誠共著 文藝春秋 1978/文春文庫 1985
- 『トリュフォーそして映画 フランソワ・トリュフォー述』蓮實重彦と聞き手 話の特集 1980
- 『映画となると話はどこからでも始まる』淀川長治・蓮實重彦と鼎談 勁文社 1985
- 『惹句術 映画のこころ』関根忠郎、山根貞男と鼎談、講談社 1986/増補版・ワイズ出版 1995、同・映画文庫 2022
- 『映画とは何か 山田宏一映画インタビュー集』草思社 1988
- 『映画千夜一夜』淀川長治、蓮實重彦と鼎談 中央公論社 1988/中公文庫 上下 2000
- 『映画、輪舞のように』秦早穂子対談 朝日新聞社 1996。装丁和田誠
- 『キン・フー 武侠電影作法-A touch of King Hu』宇田川幸洋と聞き手、草思社 1997、新装版2017
- 『映画は語る』淀川長治対談、中央公論新社 1999
- 『天井棧敷の人々』ワイズ出版 2000。解説・シナリオ、マルセル・カルネインタビュー
- 『傷だらけの映画史 ウーファからハリウッドまで』蓮實重彦対談、中公文庫 2001
- 『銀幕の天才 森繁久彌』ワイズ出版 2003。インタビューほか
- 『香港への道 中川信夫からブルース・リーへ』 西本正、山根貞男と聞き手、筑摩書房 リュミエール叢書 2004
- 『ヒッチコックに進路を取れ』和田誠対談、草思社 2009/草思社文庫 2016。イラスト・装丁も
- 『トリュフォー最後のインタビュー』蓮實重彦と聞き手・対談、平凡社 2014
- 『シネマ・アンシャンテ』 濱田高志共著、立東舎 2017
- 『映画はこうしてつくられる―山田宏一映画インタビュー集』草思社、2019年9月4日。ISBN 978-4794224019。
編集本編集
- 「ブリジット・バルドー 現代を魅惑するエロスの女神」責任編集、芳賀書店<シネアルバム>, 1971
- 「カトリーヌ・ドヌーヴ 息吹く魅惑のエレガンス」責任編集、芳賀書店<シネアルバム>, 1971。澁澤龍彦が寄稿
- 「ジェーン・フォンダ 美と闘争の神話」責任編集、芳賀書店<シネアルバム>, 1972、改訂版1981.3
- 「スティーヴ・マックィーン 燃える男、明日に向かってつっ走れ」梶原和男と責任編集、芳賀書店<シネアルバム>, 1972
- 「グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリヒ 世紀の伝説きらめく不滅の妖星」責任編集、芳賀書店<シネアルバム>, 1973
- 「ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード ニュー・シネマのアンチ・ヒーロー 小さな巨人」 宇田川幸洋と責任編集、芳賀書店<シネアルバム>, 1973
- 「フェイ・ダナウェイ 華麗なる旋律 洗練された野生」 柳生すみまろと責任編集、芳賀書店<シネアルバム>, 1974
- 「映画渡世 マキノ雅弘自伝 天の巻・地の巻」 山根貞男と共に聞き書き
- 平凡社, 1977、新装版2002。角川文庫 上下, 1984/ちくま文庫 上下, 1995
- 「ドミニク・サンダ写真集 女そして女優」 話の特集, 1984
- 「別冊太陽 長谷川一夫をめぐる女優たち」 平凡社, 1986。山根貞男と構成
- 「別冊太陽 世界の女優 アメリカン・ロマンス 銀幕の恋人たち」 平凡社, 1987。山根貞男と構成
- 「スター 映画の肖像」 サム・レヴァン 平凡社, 1992.4。自選の映画写真集
- 「別冊太陽 世界の女優 フランス女優 世界の女優 恋、巴里、そして名画」平凡社, 1995。山根貞男と構成
- 「別冊太陽 日本のこころ 女優」平凡社, 1999。山根貞男と構成
- 「ジャン・ルノワール ユリイカ臨時増刊」青土社、2008年3月号。責任編集
訳書編集
- 『汚れた顔の天使 ジェームズ・キャグニー自伝』宇田川幸洋共訳 出帆社 1976
- ジェームズ・ボールドウィン『悪魔が映画をつくった』時事通信社 1977
- フランソワ・トリュフォー『映画の夢 夢の批評』蓮実重彦共訳 たざわ書房 1979
- フランソワ・トリュフォー『わが人生 わが映画』いずみ出版 1979
- フランソワ・トリュフォー『子供たちの時間』講談社 1979
- ジャック・プレヴェール『天井桟敷の人々』新書館 1981
- 『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』蓮実重彦共訳 晶文社 1981、改訂版1990
- ローレン・バコール『私一人』文藝春秋 1984
- フランソワ・トリュフォー『ある映画の物語』草思社 1986 - 「華氏451」撮影日記 ほか
- フランソワ・トリュフォー『アメリカの夜 ある映画の物語 2』草思社 1988/草思社文庫、2020(1・2部の合本)
- フランソワ・トリュフォー『トリュフォーによるトリュフォー』ドミニク・ラブールダン編 リブロポート 1994
- 『明かりが消えて映画がはじまる ポーリン・ケイル映画評論集』監修、畑中佳樹・柴田元幸・斎藤英治・武藤康史訳、草思社 2003
- スーザン・ストラスバーグ『マリリン・モンローとともに - 姉妹として、ライバルとして、友人として』草思社 2011 - 「アクターズ・スタジオ」時代の回想記
- フランソワ・トリュフォー『大人は判ってくれない』土曜社 2020 - 文庫判
脚注編集
- ^ 『文藝年鑑』2015年
- ^ “「映画本大賞」発表!1位は映画評論家・山田宏一が日本映画の面白さ語った作品”. シネマトゥデイ. (2016年4月20日) 2016年4月20日閲覧。
- ^ “第35回川喜多賞 山田宏一氏”. 公益財団法人川喜多記念映画文化財団. 2021年7月17日閲覧。
- ^ 単行判は和田誠の絵・装丁