新冠駅
新冠駅(にいかっぷえき)は、北海道(日高振興局)新冠郡新冠町字本町(あざほんちょう)にあった、北海道旅客鉄道(JR北海道)日高本線の駅である。電報略号はニフ。事務管理コードは▲132213[2]。
新冠駅 | |
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駅舎(2017年9月) | |
にいかっぷ Niikappu | |
◄節婦 (4.1 km) (4.9 km) 静内► | |
所在地 | 北海道新冠郡新冠町字本町 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | 日高本線 |
キロ程 | 77.2 km(苫小牧起点) |
電報略号 | ニフ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
開業年月日 | 1926年(大正15年)12月7日[1] |
廃止年月日 | 2021年(令和3年)4月1日[JR北 1][運輸局 1] |
備考 |
無人駅 路線廃止に伴う廃駅 |
歴史
編集- 1926年(大正15年)12月7日:日高拓殖鉄道厚賀駅 - 静内駅間延伸開通に伴い高江駅(たかええき)として開業[1]。一般駅[3]。
- 1927年(昭和2年)8月1日:日高拓殖鉄道が国有化により鉄道省に移管[3]。線路名を日高線に改称、それに伴い同線の駅となる。
- 1943年(昭和18年)11月1日:線路名を日高本線に改称、それに伴い同線の駅となる。
- 1948年(昭和23年)8月1日:新冠駅に改称[4]。
- 1977年(昭和52年)2月1日:貨物取扱い廃止[3]。日本交通観光社所属の国鉄OBが出改札業務を行う業務委託駅となる[5][新聞 1]。同時に急行「えりも」1往復の停車を開始[5]。
- 1984年(昭和59年)
- 1986年(昭和61年)11月1日:急行「えりも」廃止により再び普通列車のみの停車となる[5]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となる[3]。
- 1999年(平成11年)12月17日:駅舎改築[新聞 3]。同時に苫小牧方に移転。
- 2015年(平成27年)1月8日:厚賀駅 - 大狩部駅間の高波被害により列車の運行を休止[JR北 2]。
- 2021年(令和3年)4月1日:鵡川駅 - 様似駅間の廃止に伴い、廃駅となる[JR北 1][運輸局 1]。
駅名の由来
編集当駅の所在する地名(自治体名)より。
旧駅名の高江(たかえ)は、当時の地名(新冠郡高江村)より。附近の丘に水のたまる場所があり、杯の台の「たかいさら」に似ているので「高江」となったとされている[6]。
駅構造
編集島式ホーム片面使用の1面1線を有した地上駅だった。ホームは線路の南側(様似方面に向かって右手側)に存在した。転轍機を持たない棒線駅となっていた[7]。かつては島式ホーム1面2線を有する列車交換可能な交換駅であった。使われなくなった駅舎側の1線は交換設備運用廃止後も苫小牧方の転轍機と構内踏切手前までのレールが維持された状態で側線として残っていた(但し1983年(昭和58年)4月時点では転轍機の先、ホームに至る間の部分に車止めが設置されていた[8])が、1993年(平成5年)3月までには撤去された[7]。転轍機の形状は方開き分岐であった[8]。
静内駅が管理していた無人駅だった。有人駅時代の駅舎は改築され、「出会いと憩いのセンター」と名付けられた町の施設となっている[9]。駅舎は正面に丸い列柱が印象的なポーチを備え、内装の壁及びベンチ、ゴミ箱などが木製でコーディネートされている[9]。駅舎内にバリアフリーのトイレを有した[9]。また町の特産品展示コーナー、観光案内図がある[9]。
旧駅舎部分は踏切となり、駅前商店街と国道を結ぶ道路となっている。
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ホーム(2017年9月)
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駅名標(2017年9月)
利用状況
編集開業当初は客貨とも取り扱いが周辺駅と比べ僅少であったが、第二次大戦後に当地の御料牧場(現:家畜改良センター新冠牧場)敷地の一部が入植者に解放されたこと、新冠川への発電所計画(奥新冠ダム・新冠ダムほか)に伴う人々の移動増加により市街と共に発展した[10]。一方で、発電所工事の終了後は駅勢圏人口の急激な減少、加えてのモータリゼーションの進展により利用が急減した[5]。
乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去の各調査日における平均である。当駅についてはバス代行期間が存在するため、一部でバスと列車が別集計となっているほか、各年で集計期間が異なる。備考も参照。
年度 | 乗車人員 | 出典 | 備考 | |||
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年間 | 1日平均 | JR調査 | ||||
列車 | 代行バス | |||||
1937年(昭和12年) | (18,263.5) | (50.0) | [10] | 出典記載の値は「乗降客数」のため1/2した。 | ||
1959年(昭和34年) | 141,838 | 389 | [5] | |||
1962年(昭和37年) | (144,063.0) | 409 | [10][5] | 年間の値は「乗降客数」のため1/2した。 | ||
1963年(昭和38年) | 436 | [5] | ||||
1964年(昭和39年) | 442 | |||||
1965年(昭和40年) | 435 | |||||
1966年(昭和41年) | 419 | |||||
1967年(昭和42年) | 357 | |||||
1968年(昭和43年) | 311 | |||||
1969年(昭和44年) | 225 | |||||
1970年(昭和45年) | 80,514 | 223 | 同年に発電所工事終了 | |||
1971年(昭和46年) | 78,996 | 217 | ||||
1972年(昭和47年) | 77,634 | 213 | ||||
1973年(昭和48年) | 76,391 | 210 | ||||
1974年(昭和49年) | 82,443 | 226 | ||||
1975年(昭和50年) | 67,760 | 186 | ||||
1980年(昭和55年) | 56,643 | (155.2) | ||||
1981年(昭和56年) | 47,028 | (128.8) | ||||
1982年(昭和57年) | 49,858 | (136.6) | ||||
1992年(平成 | 4年)(66.0) | [7] | 1日乗降人員:132 | |||
2014年(平成26年) | 32 | [JR北 3] | 当年の列車は単年の値。 | |||
2017年(平成29年) | 27 | [JR北 4] | 2015年度末から鵡川 - 様似間バス代行。当年のバスは単年の値。 | |||
2018年(平成30年) | 42.5 | [JR北 5] | 代行バスの値は過去2年平均 | |||
2019年(令和元年) | 40.7 | [JR北 6] | 代行バスの値は過去3年平均 | |||
2020年(令和 | 2年)37.0 | [JR北 7] | 代行バスの値は過去4年平均 |
駅周辺
編集隣の駅
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b 「通運」『官報』1926年12月15日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、228頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、863-864頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 「運輸省告示第193号」『官報』1948年7月19日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ a b c d e f g 新冠町史編さん委員会 編『続新冠町史』新冠町、1996年、868-871頁。doi:10.11501/3021487 。2022年10月30日閲覧。
- ^ 書籍『北海道の駅878ものがたり 駅名のルーツ探究』(監修:太田幸夫、富士コンテム、2004年2月発行)101ページより。
- ^ a b c 宮脇俊三、原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、102頁。ISBN 4-09-395401-1。
- ^ a b c d 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館、1983年7月発行)102ページより。
- ^ a b c d 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社、2008年8月発行)350ページより。
- ^ a b c 新冠町史編さん委員会 編『新冠町史』新冠町、1966年、979頁。doi:10.11501/3021458 。2022年10月30日閲覧。
報道発表資料
編集JR北海道
編集- ^ a b 『日高線(鵡川・様似間)の廃止日繰上げの届出について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2021年1月5日。オリジナルの2021年1月5日時点におけるアーカイブ 。2021年1月5日閲覧。
- ^ 『日高線 厚賀〜大狩部間 67k506m 付近における盛土流出について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2015年1月13日。オリジナルの2015年1月15日時点におけるアーカイブ 。2020年10月30日閲覧。
- ^ “日高線(鵡川・様似間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2018年8月1日). 2018年8月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月17日閲覧。
- ^ 「日高線(苫小牧・鵡川間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道、3頁、2018年7月2日。オリジナルの2018年8月17日時点におけるアーカイブ 。2018年8月17日閲覧。
- ^ “日高線(鵡川・様似間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
- ^ “日高線(鵡川・様似間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人未満の線区(「赤色」「茶色」5線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月4日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
北海道運輸局
編集- ^ a b 『鉄道事業の一部廃止の日を繰上げる届出について』(PDF)(プレスリリース)国土交通省北海道運輸局、2021年1月5日。オリジナルの2021年1月5日時点におけるアーカイブ 。2021年1月5日閲覧。
新聞記事
編集関連項目
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