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水産庁(すいさんちょう、英語:Fisheries Agency)は、日本農林水産省外局水産資源の適切な保存及び管理、水産物の安定供給の確保、水産業の発展並びに漁業者の福祉の増進を図ることを任務とする(農林水産省設置法第37条)。

日本の旗 日本の行政官庁
水産庁
すいさんちょう
Fisheries Agency
Go-shichi no kiri crest.svg
水産庁が入る中央合同庁舎第1号館
役職
長官 山口英彰
組織
上部組織 農林水産省
内部部局 漁政部
資源管理部
増殖推進部
漁港漁場整備部
審議会等 水産政策審議会
特別の機関

太平洋広域漁業調整委員会
日本海・九州西広域漁業調整委員会

瀬戸内海広域漁業調整委員会
地方支分部局 漁業調整事務所
(北海道、仙台、新潟、境港、瀬戸内海、九州)
概要
法人番号 3000012080003
所在地 100-8907
東京都千代田区霞が関一丁目2番1号
定員 937人[1]
年間予算 1,631億8,444万7千円[2](2019年度)
設置 1948年昭和23年)
前身 農林省水産局[3]
ウェブサイト
水産庁
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庁舎 入口付近

概要編集

水産庁は、農林水産省設置法(農林水産省法)第23条に基づき、農林水産省に置かれている外局である。農林水産省法第23条及び第36条から第41条(第4章第4節)を頂点に、政令の農林水産省組織令(第2章第2節)、省令の農林水産省組織規則(第2章第3節)が重層的にその任務、所掌事務及び組織を規定している。任務は「水産資源の適切な保存及び管理、水産物の安定供給の確保、水産業の発展並びに漁業者の福祉の増進を図ること」である(農林水産省法37条)。この任務のため、水産資源の確保や水産物の安定供給、漁港整備など漁業に関係する事項全般を管轄する。

1948年7月1日に、水産庁設置法(昭和23年7月1日法律第78号)[4]により農林省(1978年、農林水産省へ改称)水産局を廃止して設置された。これは、国家行政組織法及び農林省設置法の制定施行[5]に先立つものであった。中央省庁等改革基本法などにより、2001年度初日をもって、9つの水産庁研究所、さけ・ます資源管理センター及び水産大学校独立行政法人として水産庁(施設等機関)から分離した。その際、9水産庁研究所は統合され、独立行政法人水産総合研究センターとなった。 国家行政組織法及び農林省設置法により 水産庁長官を長とし、内部部局として漁政部、資理部、増殖推進部、漁港漁場整備部の4部、審議会等として水産政策審議会、特別の機関として広域漁業調整委員会、地方支分部局として6つの漁業調整事務所を置いている。広域漁業調整委員会漁業法の規定にしたがい、管轄海域ごとに太平洋広域漁業調整委員会、日本海・九州西広域漁業調整委員会及び瀬戸内海広域漁業調整委員会の3委員会がある。漁業調整事務所には北海道、仙台、新潟、境港、瀬戸内及び九州の6事務所がある。漁業調整事務所では、漁業取締船とチャーターした民間航空機を駆使して密漁を警戒しており、独自に逮捕や捜索などの強制捜査を行なっている。

日本海などで外国漁船による違法漁業が増えていることに対応して、上記の地方組織や部署間の連携を強化するため、2018年1月には長官を本部長とする「水産庁漁業取締本部」を設置した[6]

長官には農林水産省採用のキャリア事務官が就任していたが、2017年7月、長谷成人が生え抜き技官として60年ぶりに長官に就任した。

所掌事務編集

農林水産省法第30条に定められた任務を達成するため、水産庁は、農林水産省法第4条に列挙された同省の所掌事務計83号中、漁業と海洋に関連する計32号分の事務を所掌する(第38条)。主な所掌事務には漁業の経営改善・金融税制、加工・流通、保険・共済、海洋生物資源の保存・管理、漁業指導・監督、漁業に関する国際協定・協力、水産試験研究、栽培漁業漁場保全及び漁港・漁場・海岸の整備・災害復旧に関することなどが挙げられる。[7]

組織編集

水産庁の内部機構は基本的には、法律の農林水産省設置法、政令の農林水産省組織令及び省令の農林水産省組織規則が階層的に規定している。

長等編集

  • 水産庁長官(根拠法令:法律第36条)
  • 次長(政令第120条)

内部部局編集

  • 漁政部(政令第121条)
    • 漁政課
      • 船舶管理室
      • 情報管理専門官
      • 管理官(3)
      • 船舶管理官
      • 船員管理官(規則第531条)
    • 企画課
      • 水産業体質強化推進室
      • 企画官(3) (規則第532条)
    • 水産経営課
      • 指導室
      • 消費税転嫁対策官(規則第533条)
    • 加工流通課
      • 水産物貿易対策室
      • 水産加工専門官
      • 水産流通指導官
      • HACCP認定審査官(2)
      • HACCP認定施設監視専門官(2)
      • 水産物貿易交渉官
      • 輸出証明指導官(規則第534条)
    • 漁業保険管理官(政令第128条)
      • 数理官(2)
      • 漁船保険指導官
      • 漁業共済指導官(規則第535条)
    • 参事官(政令第126条)
  • 資源管理部(政令第121条)
    • 審議官(政令第126条)
    • 管理課
      • 資源管理推進室
      • 漁業取締管理室
      • 資源管理計画官
      • 漁業監督指導官(33)
      • 首席漁業監督指導官
      • 次席漁業監督指導官(3)
      • 情報分析管理官
      • 外国漁船取締企画官(2) (規則第536条)
    • 漁業調整課
      • 沿岸・遊漁室
      • 漁業調整官(5)
      • 首席漁業調整官
      • 漁業復興推進官
      • 操業指導調整官(2)
      • 国際漁業管理官
      • かつお・まぐろ漁業企画官
      • 海外まぐろ・かじき情報調整官
      • まぐろ資源検査官(5)
      • 釣人専門官(規則第537条)
    • 国際課(政令第134条)
      • 捕鯨室
      • 海外漁業協力室
      • 漁業交渉官(2)
      • 国際専門官(4)
      • 国際訟務官
      • 捕鯨情報企画官(規則第539条)
    • 参事官(政令第126条)
  • 増殖推進部(政令第121条)
    • 研究指導課
      • 海洋技術室
      • 研究管理官(5)
      • 水産研究専門官
      • 情報技術企画官
      • 漁船国際専門官
      • 漁船検査官(2) (規則第540条)
    • 漁場資源課
      • 生態系保全室
      • 資源技術専門官(規則第541条)
    • 栽培養殖課(政令第138条)
      • 内水面漁業振興室
      • 栽培養殖専門官
      • 栽培養殖復旧専門官
      • 養殖国際専門官(規則第542条)
    • 参事官(政令第126条)
  • 漁港漁場整備部(政令第121条)
    • 計画課
      • 計画官(4)
      • 漁港防災・衛生管理専門官(規則第543条)
    • 整備課
      • 漁港漁場専門官(9)
      • 上席漁港漁場専門官
      • 漁港漁場防災・減災技術専門官
      • 海外水産土木専門官(規則第544条)
    • 防災漁村課(令第142条)
      • 水産施設災害対策室
      • 防災計画官
      • 防災技術専門官
      • 災害査定官(5)
      • 都市漁村交流専門官
      • 施設管理指導官

審議会編集

  • 水産政策審議会(法律第39条)
    • 企画部会(水産政策審議会令第6条・水産政策審議会議事規則第11条)
    • 資源管理分科会
    • 漁港漁場整備分科会(水産政策審議会令第5条)

特別の機関編集

  • 広域漁業調整委員会(法律第40条)
    • 太平洋広域漁業調整委員会
    • 日本海・九州西広域漁業調整委員会
    • 瀬戸内海広域漁業調整委員会

地方支分部局編集

  • 漁業調整事務所(法律第41条)
    • 北海道漁業調整事務所(政令第147条、以下同じ) - 位置:札幌市
    • 仙台漁業調整事務所 - 仙台市
    • 新潟漁業調整事務所 - 新潟市
    • 境港漁業調整事務所 - 境港市
    • 瀬戸内海漁業調整事務所 - 神戸市
    • 九州漁業調整事務所 - 福岡市

沖縄県に関しては内閣府の沖縄総合事務局農林水産部が所管している。

所管法人編集

農林水産省が主管する独立行政法人のうち、水産庁所管は2019年4月1日現在、水産研究・教育機構である。(2019年4月1日現在[8])。水産研究・教育機構は2001年度初日、各独法の個別法により水産庁から分離され独立行政法人化された水産総合研究センター水産大学校及びさけ・ます資源管理センターが順次統合されたもので、まず2006年4月にさけ・ます資源管理センターが、水産総合研究センターに統合し、更に2016年4月水産総合研究センターと水産大学校を統合して水産研究・教育機構としたものである。また、北方領土問題対策協会内閣府と共管している。

農林水産省が主管する特殊法人[9]特別の法律により設立される民間法人(特別民間法人)、認可法人地方共同法人及び特別の法律により設立される法人で水産庁が主管するものはない。

財政編集

2019年度(平成31年度)一般会計における当初予算(歳出)は1631億8444万7千円である[2]

従前は、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計を所管していたが、平成26年度より、食料安定供給特別会計の漁船再保険勘定及び漁業共済保険勘定となっている。

職員編集

一般職の在職者数は2018年7月1日現在で852人(うち女性112人)である[10]

職員の人事労務管理をつかさどる課は漁政部漁政課。

法令上の定員は省令の農林水産省定員規則に定められており、937人と規定している[1]

2019年度の一般会計の予算定員は910人である[2]

農林水産省の一般職職員は非現業の国家公務員なので、労働基本権のうち争議権と団体協約締結権は国家公務員法により認められていない。団結権は認められており、職員は労働組合として、国公法の規定する「職員団体」を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる(国公法第108条の2第3項)。水産庁では全農林労働組合の支部である「全農林労働組合東京地方本部水産本庁分会」が活動している。

船舶編集

水産資源調査、海洋環境調査などの基礎的研究を行う漁業調査船、日本周辺水域などで日本漁船、外国漁船の指導・取締を行う漁業取締船を保有・運用している。

漁業調査船
開洋丸
漁業取締船
照洋丸
東光丸 (3代)
白竜丸 (3代)
白嶺丸
白鷺
白鴎丸
白萩丸

広報編集

水産白書 
水産庁が編集する年次の白書は『水産白書』である。これは水産基本法第10条にしたがい、政府が年次報告書として国会に提出する、「水産の動向及び政府が水産に関して講じた施策に関する報告」(第1項)と「水産の動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書」(第2項)を収録したものである(詳細は水産白書の項を参照)。前者は「平成○○年度水産の動向」、後者は「平成××年度水産施策」と題される。水産庁漁政部企画課が中心になって2報告書の原文を作成しており、原局版としてウェブサイトに公表されている。また、2報告書を収録した『水産白書』は庁外の団体が版元となり、一般の書籍流通ルートを通して市販されている。
漁政の窓 
水産庁の広報誌として、月刊で『水産庁施策情報誌 - 漁政の窓』を編集・発行している(所掌:漁政部漁政課広報班)。
サイト 
ウェブサイトは、URLドメイン名は「www.jfa.maff.go.jp」で、農水省の「www.maff.go.jp」とは異なる。ただしおおまかなウェブデザインは農水省、林野庁および農林水産技術会議事務局と共通である。「水産白書」の原局版や『漁政の窓』をはじめ種種の水産庁刊行物も閲覧できる。

批判編集

「資源絶滅が懸念されるまき網漁を行う団体に天下りポストがあると言われ資源管理が徹底していない、国際会議でマグロとカツオの資源管理が矛盾している、外交関係を傷つけると外務省が批判している。」と雑誌の報道がある。 [11]

歴代長官編集

水産庁長官
氏名 在任期間 前職 退任後の主要な役職
1 笹山茂太郎 1948年7月1日 - 1948年7月28日 衆議院議員
2 片柳真吉 1948年7月28日 - 1948年10月8日
3 飯山太平 1948年10月8日 - 1950年3月4日
4 山本豊 1950年3月4日 - 1950年5月15日
5 家坂孝平 1950年5月15日 - 1951年4月5日
6 藤田巌 1951年4月5日 - 1952年1月8日
7 塩見友之助 1952年1月8日 - 1953年2月7日
8 清井正 1953年2月7日 - 1954年12月16日 農林漁業金融公庫総裁、日本中央競馬会理事長
9 前谷重夫 1954年12月16日 - 1955年10月5日
10 塩見友之助 1955年10月5日 - 1956年6月25日
11 岡井正男 1956年6月25日 - 1957年8月31日 水産庁次長
12 奥原日出夫 1957年8月31日 - 1959年9月1日 水産庁次長
13 西村健次郎 1959年9月1日 - 1961年7月21日
14 伊東正義 1961年7月21日 - 1962年9月18日 内閣総理大臣臨時代理外務大臣自由民主党総務会長
15 庄野五一郎 1962年9月18日 - 1964年6月30日
16 松岡亮 1964年7月1日 - 1965年6月2日
17 丹羽雅次郎 1965年6月2日 - 1966年7月29日
18 久宗高 1966年7月29日 - 1968年6月1日
19 森本修 1968年6月1日 - 1969年11月1日
20 大和田啓気 1969年11月1日 - 1971年6月22日
21 太田康二 1971年6月22日 - 1972年12月6日
22 荒勝巌 1972年12月6日 - 1974年1月12日
23 内村良英 1974年1月12日 - 1976年11月5日 日本中央競馬会理事長、大日本水産会会長
24 岡安誠 1976年11月5日 - 1978年1月14日
25 森整治 1978年1月14日 - 1979年7月20日
26 今村宣夫 1979年7月20日 - 1981年
27 松浦昭 1981年 - 1983年 経済局長
28 渡辺文雄 1983年 - 1984年 食品流通局長 栃木県知事
29 佐野宏哉 1984年 - 1986年 経済局長 大日本水産会会長
30 佐竹五六 1986年 - 1988年1月12日 構造改善局長
31 田中宏尚 1988年1月12日 - 1989年 林野庁長官
32 京谷昭夫 1989年 - 1991年 畜産局長 日本中央競馬会理事長
33 鶴岡俊彦 1991年 - 1992年 大臣官房 農林漁業金融公庫総裁、農林水産長期金融協会会長
34 川合淳二 1992年 - 1993年 経済局長
35 鎭西迪雄 1993年 - 1995年 国土庁土地局長
36 東久雄 1995年 - 1996年 経済局長
37 嶌田道夫 1996年 - 1998年 環境庁水質保全局長
38 中須勇雄 1998年7月3日 - 2001年1月6日 畜産局長
39 渡辺好明 2001年1月6日 - 2002年1月8日 構造改善局長 東京穀物商品取引所理事長
40 木下寛之 2002年1月8日 - 2003年7月4日 農村振興局 農畜産業振興機構理事長、日本協同組合連携機構特別顧問
41 田原文夫 2003年7月4日 - 2005年7月19日 大臣官房長
42 小林芳雄 2005年7月19日 - 2006年8月1日 大臣官房長
43 白須敏朗 2006年8月1日 - 2007年9月7日 大臣官房長 大日本水産会会長
44 山田修路 2007年9月7日 - 2009年7月14日 生産局 参議院議員、総務大臣政務官
45 町田勝弘 2009年7月14日 - 2010年7月30日 総合食料局長 日本中央競馬会副理事長
46 佐藤正典 2010年7月30日 - 2012年9月11日 大臣官房長
47 本川一善 2012年9月12日 - 2015年8月7日 大臣官房長
48 佐藤一雄 2015年8月7日 - 2017年8月7日 大臣官房長
49 長谷成人 2017年7月10日 - 2019年7月8日 水産庁次長
50 山口英彰 2019年7月8日 - 水産庁次長

幹部職員編集

水産庁の幹部は以下のとおりである[12]

  • 水産庁長官: 山口 英彰
  • 水産庁次長: 保科 正樹
  • 漁政部長: 森 健
  • 資源管理部長: 神谷 崇
  • 増殖推進部長: 黒萩 真悟
  • 漁港漁場整備部長: 吉塚 靖浩

脚注編集

関連項目編集

外部リンク編集