渡邊佑樹
渡邊 佑樹(わたなべ ゆうき、1995年11月8日 - )は、山梨県富士吉田市出身[2]のプロ野球選手(投手・育成選手)。左投左打。福岡ソフトバンクホークス所属。
福岡ソフトバンクホークス #172 | |
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2024年09月10日京セラドーム大阪 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 山梨県富士吉田市 |
生年月日 | 1995年11月8日(29歳) |
身長 体重 |
183 cm 85 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2017年 ドラフト4位 |
初出場 | 2019年7月25日 |
年俸 | 700万円(2024年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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経歴
編集プロ入り前
編集富士吉田市立下吉田東小学校2年の時に、地元の富士見町少年野球チームで野球を始めた。
富士学苑高等学校では3年夏の県大会3回戦で敗退[3]、横浜商科大学へ進学[4]。3年春はベストナインを受賞[3]。プロ入り前は優勝経験がなく、高校・大学ともに全国大会とは無縁であった。大学では1学年先輩に左澤優がいる。
2017年のドラフト会議で、東北楽天ゴールデンイーグルスから4巡目で指名。契約金4000万円、年俸1000万円(金額は推定)[5]という条件で契約した。背番号は「47」。2017年シーズンオフ時点のNPB所属選手では唯一の山梨県出身であった[2]。
担当スカウトは山田潤スカウトで、「ゆくゆくはローテーションを争ってくれるピッチャーとして頑張ってくれると期待しています。」とコメントしている[6]。
楽天時代
編集2018年は、一軍での登板はなかった。ファームでも育成選手主体の練習試合での登板が主だった。二軍戦には5登板のみで9イニングを投げ、5四死球と制球力に課題を残し、防御率9.00[7]と結果を残すことはできなかった。
2019年、7月25日の埼玉西武ライオンズ戦でリリーフとしてプロ初登板。2者連続で四球を与えたものの、外崎修汰、山川穂高、中村剛也から3者連続空振り三振を奪った[8]。同年はこの登板のみに終わった。
2020年は一軍登板がないまま、育成契約に変更することを打診されたうえで11月5日に戦力外通告が公示された[9]。監督の石井一久から「肘を下げること(サイドスローに転向すること)が契約の条件」というリクエストを受ける形で11月のフェニックス・リーグからサイドスローに挑戦し[10][11]、12月8日に育成契約を結んだ[12]。年俸は500万円となり[12]、背番号は150に変更された[10]。
2021年、前年秋から取り組んでいたサイドスローに磨きをかけ、一軍キャンプにフル帯同。練習試合で結果を残したことを受け、3月1日に支配下復帰を発表[11][13]、4日に公示された。背番号は45[14]。このシーズンは4月で一軍登録を外れたが、9試合5回を投げ2ホールド、防御率5.40であった。オフに80万円増の推定年俸580万円で契約を更改した[15]。
2022年は、オープン戦では5試合の登板ながら1点台の防御率を記録し、二軍でも31試合で防御率1点台を記録。一軍で13登板で防御率2点台を記録したものの、10月22日に球団より戦力外通告を受けたことが発表された[16]。戦力外通告発表時には12球団合同トライアウトを受けない方向だったが[16]、実際には11月8日に楽天生命パーク宮城で開催のトライアウトに参加し、実戦形式のシート打撃で三者凡退に打ち取った[17]。
ソフトバンク時代
編集2022年11月21日、福岡ソフトバンクホークスが育成契約で獲得することを発表。背番号は172[18][19]。同年11月23日、PayPayドーム内で入団会見を行い、トライアウト終了直後にソフトバンクから打診をもらっていたことを明かした[20]。翌年の推定年俸は700万円となり、他球団から戦力外通告を受けた選手かつ育成選手としての契約ながら、前年から異例の120万円アップとなった[21]。
2023年は、二軍公式戦で21試合の登板で20回投げ、2勝1敗、防御率3.15[22]、三軍・四軍戦では26試合の登板で28回1/3を投げ、1勝0敗1セーブ、防御率1.59の成績を残す[23]。
2024年、二軍では31試合に登板2勝1敗4セーブ防御率2.01の成績を記録したが、10月7日に2度目となる戦力外通告を受けた[24]。
選手としての特徴・人物
編集当初は球の出どころが見づらいオーバースローの左腕として最速144km/hの力強い直球と鋭く変化するスライダーを武器とし[25][26]、その他にもチェンジアップ[27]、ツーシームなどを投げていた[28]。2020年オフに高梨雄平に弟子入りすると、監督の石井一久からの勧めもあり[29]高梨を参考にしたサイドスローに転向[30][31]。以降はスライダーとシンカーを武器としている[32]。渡邊自身は、2022年シーズン後半より、どんなカウントからでも左打者の内角に投げ込める点が自身の強みだと主張している[17]。
楽天から戦力外通告を受けて参加した2022年の12球団合同トライアウトでは左のサイドスローをいう特徴を生かし、左打者の内角を攻める投球を披露[17]。トライアウトを見た野球評論家の関本四十四はまず目についた選手として渡邊の名を挙げ、「球団によっては左対策で使っても面白い。まだ転向2年目で26歳なら、伸びしろもあるかもしれない」と評価した[33]。また、元ヤクルト編成部長の松井優典もトライアウトでのアピールに成功した選手として真っ先に渡邊の名を挙げ、「ボール2となってから、しっかりとストライクゾーンで勝負できていた」「変則サイドで、しかもリリースポイントが遅れてくるので、左打者は背中からボールが来る感覚となり対応が難しい」と評価している[29]。
愛称は「ナベ」[34]。
詳細情報
編集年度別投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 楽天 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 5 | 1.0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 | 2.00 |
2021 | 9 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | ---- | 23 | 5.0 | 5 | 1 | 2 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0 | 3 | 3 | 5.40 | 1.40 | |
2022 | 13 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | ---- | 52 | 12.2 | 7 | 0 | 4 | 0 | 5 | 10 | 1 | 0 | 3 | 3 | 2.13 | 0.87 | |
通算:3年 | 23 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | ---- | 80 | 18.2 | 12 | 1 | 8 | 0 | 7 | 17 | 1 | 0 | 6 | 6 | 2.89 | 1.07 |
- 2023年度シーズン終了時
年度別守備成績
編集年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2019 | 楽天 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- |
2021 | 9 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
2022 | 13 | 0 | 5 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 23 | 0 | 7 | 0 | 0 | 1.000 |
- 2023年度シーズン終了時
記録
編集- 初記録
- 初登板:2019年7月25日、対埼玉西武ライオンズ11回戦(楽天生命パーク宮城)、9回表に4番手で救援登板・完了、1回無失点
- 初奪三振:同上、外崎修汰から空振り三振
- 初ホールド:2021年3月31日、対千葉ロッテマリーンズ2回戦(ZOZOマリンスタジアム)、7回裏一死に2番手で救援登板、2/3回無失点
背番号
編集- 47(2018年 - 2020年)
- 150(2021年 - 同年3月3日)
- 45(2021年3月4日 - 同年終了)
- 79(2022年)
- 172(2023年 - )
登場曲
編集- 「ともに」WANIMA(2018年)[35]
- 「Change」ONE OK ROCK(2019年)
- 「Some Nights」Fun.(2020年)
- 「GLAMOROUS SKY」HYDE(2021年)
- 「助演男優賞」Creepy Nuts(2023年 - )
脚注
編集- ^ 「ソフトバンク - 契約更改 - プロ野球」『日刊スポーツ』。2023年11月19日閲覧。
- ^ a b 「プロ野球:楽天4位指名・渡辺投手、古里・富士吉田市を表敬 唯一の県出身プロ /山梨」『毎日新聞』2017年11月28日。2019年3月4日閲覧。
- ^ a b 2018スポニチプロ野球選手名鑑 スポーツニッポン新聞社
- ^ 「highschool | 記事ページ」『富士学苑|高校|山梨県|富士吉田市』。2018年12月22日閲覧。
- ^ 「【楽天】ドラ4渡辺佑樹、山梨盛り上げる「欲しいのは勝利だけ」」『スポーツ報知』2018年1月7日。2018年12月22日閲覧。
- ^ 「【プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD】「契約交渉権獲得」選手のお知らせ」『東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト』2017年10月26日。2018年12月22日閲覧。
- ^ 「2018年度 東北楽天ゴールデンイーグルス 個人投手成績(イースタン・リーグ)」『NPB.jp 日本野球機構』。2018年12月22日閲覧。
- ^ 「楽天 渡辺佑が1軍デビュー戦で3者連続三振!「2軍と違って歓声が大きくて…」」『スポニチ』2019年7月25日。2021年3月21日閲覧。
- ^ 「選手契約に関して」『東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト』2020年11月5日。2020年11月5日閲覧。
- ^ a b 「【楽天】育成・渡辺佑樹が3戦0封で支配下登録見えた…昨年戦力外でサイドに挑戦」『スポーツ報知』2021年2月19日。2021年3月21日閲覧。
- ^ a b 「楽天、育成投手の渡邊佑樹と支配下契約 「サイドスローで道が開けた」背番号45」『Full-Count』2021年3月1日。2021年3月21日閲覧。
- ^ a b 「楽天・渡辺佑が育成契約「一日でも早く支配下登録」」『サンケイスポーツ』2020年12月8日。2021年3月21日閲覧。
- ^ 「楽天 渡辺佑樹と支配下契約 戦力外通告からサイドスロー転向で再起」『デイリースポーツ』2021年3月1日。2021年3月21日閲覧。
- ^ 「渡邊 佑樹選手 支配下選手登録に関して」『東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト』2021年3月1日。2021年3月21日閲覧。
- ^ 「楽天渡辺佑樹80万円増で更改「1つの基準」来季目標は中継ぎ60登板」『日刊スポーツ』2021年11月30日。2022年11月8日閲覧。
- ^ a b 「楽天が2012年D2位・釜田佳直ら5人の戦力外を発表」『サンスポ』2022年10月22日。2022年11月8日閲覧。
- ^ a b c 「【トライアウト】楽天戦力外の渡辺佑樹、打者3人を完璧に封じる 左打者の内角攻めアピール成功」『日刊スポーツ』2022年11月8日。2022年11月10日閲覧。
- ^ 「渡邊佑樹投手入団のお知らせ」『福岡ソフトバンクホークス』2022年11月22日。2022年11月22日閲覧。
- ^ 「ソフトバンク、元楽天の渡邊佑樹との育成契約を発表 変則サイド左腕、背番号「172」」『Full-Count』2022年11月21日。2022年11月21日閲覧。
- ^ 「鷹に加入の渡邊佑樹が入団会見 戦力外→育成契約も年俸アップ「応えなきゃいけない」」『Full-Count』2022年11月23日。2022年12月14日閲覧。
- ^ 「戦力外なのに年俸アップ!? ソフトバンクと育成契約の渡辺佑「応えなきゃいけない」」『西日本スポーツ』2022年11月23日。2022年11月23日閲覧。
- ^ 「2023年度 福岡ソフトバンクホークス 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)」『NPB.jp 日本野球機構』。2023年12月21日閲覧。
- ^ 「ファーム非公式戦個人成績 投手 ※2023/11/6時点」『福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト』2023年11月6日。2023年12月21日閲覧。
- ^ 「ソフトバンク・渡辺佑樹が戦力外「いろいろな道を考えていきたい」 現役続行を第1希望に熟考する方針 野球」『スポーツニッポン』2024年10月7日。2024年10月9日閲覧。
- ^ 「楽天渡辺佑樹「観光大使になる」山梨出身唯一のプロ」『日刊スポーツ』2018年1月17日。2022年2月6日閲覧。
- ^ 「楽天4位渡辺佑樹「戦慄のスライダー」で三振斬り」『日刊スポーツ』2018年2月18日。2018年12月22日閲覧。
- ^ 「楽天石井監督、短期間で渡邊佑を支配下復帰した訳 「リクエストを含め苦労をかけた」」『Full-Count』2021年3月1日。2022年2月6日閲覧。
- ^ 「楽天・渡邊佑樹 左キラーを確立するために | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2019年7月16日。2022年2月6日閲覧。
- ^ a b 「トライアウトでアピール成功は誰?…元ヤクルト編成部長のノムさん“右腕”が選んだ2人と巨人の井納、桜井の評価とは?」『RONSPO』2022年11月9日。2022年11月10日閲覧。
- ^ 「【楽天】育成・渡辺佑樹が3戦0封で支配下登録見えた…昨年戦力外でサイドに挑戦」『スポーツ報知』2021年2月19日。2022年2月6日閲覧。
- ^ 「楽天育成の渡辺佑樹が支配下に「サイドスローで道」」『日刊スポーツ』2021年3月1日。2022年2月6日閲覧。
- ^ 「楽天・渡邊佑樹インタビュー サイドスローで生き抜くために「先発をやるにしてもリリーフをやるにしても結局、今いる場所が自分の稼いでいく道」 | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2021年4月27日。2022年2月6日閲覧。
- ^ 「トライアウト アピール成功の選手は-楽天左腕、巨人2選手ら存在感 評論家の視点」『デイリースポーツ online』2022年11月8日。2022年11月8日閲覧。
- ^ 「「2018年度 東北楽天ゴールデンイーグルス 新入団選手発表会見」を行いました」『東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト』2017年11月22日。2022年3月15日閲覧。
- ^ 「47 渡邊 佑樹 選手名鑑」『東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト』。2018年12月22日閲覧。
- ^ 「チーム情報 球場使用曲一覧」『福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト』。2023年12月21日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 個人年度別成績 渡邊佑樹 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 172 渡邊 佑樹 選手名鑑2024 - 福岡ソフトバンクホークス オフィシャルサイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE