第60回宝塚記念
第60回宝塚記念(だい60かいたからづかきねん)は、2019年6月23日に阪神競馬場で施行された競馬の競走である。リスグラシューが優勝した。
ファン投票の結果
編集5月18日から6月2日(インターネットは5月16日から先行受付)までファン投票が行われ、5月23日に第1回中間発表[1]、5月30日に第2回中間発表[2]、6月6日に最終発表が行われた。最終の有効投票総数は1,109,296票だった[3]。
以下の表において出走馬は灰色の枠で表示する。
- 最終順位上位20頭[3]
最終順位 | 馬名 | 性齢 | 第1回 | 第2回 | 最終 | 出否 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
票数 | 順位 | 票数 | 順位 | 票数 | ||||
1位 | アーモンドアイ | 牝4 | 21,402 | 1 | 47,736 | 1 | 78,778 | 回避 |
2位 | レイデオロ | 牡5 | 20,430 | 2 | 44,400 | 2 | 72,805 | 出走 |
3位 | キセキ | 牡5 | 17,863 | 3 | 39,597 | 3 | 66,032 | 出走 |
4位 | アルアイン | 牡5 | 15,721 | 4 | 34,723 | 4 | 56,731 | 出走 |
5位 | フィエールマン | 牡4 | 15,020 | 5 | 32,453 | 5 | 50,938 | 回避 |
6位 | ブラストワンピース | 牡4 | 14,905 | 6 | 32,146 | 6 | 49,345 | 回避 |
7位 | スワーヴリチャード | 牡5 | 13,323 | 7 | 29,282 | 7 | 46,880 | 出走 |
8位 | オジュウチョウサン | 牡8 | 12,076 | 8 | 26,732 | 8 | 45,820 | 回避 |
9位 | リスグラシュー | 牝5 | 11,637 | 9 | 25,374 | 9 | 40,506 | 出走 |
10位 | ワグネリアン | 牡4 | 9,401 | 11 | 22,382 | 10 | 38,375 | 回避 |
11位 | サートゥルナーリア | 牡3 | 9,174 | 12 | 20,477 | 11 | 33,530 | 回避 |
12位 | シュヴァルグラン | 牡7 | 9,479 | 10 | 19,961 | 12 | 31,275 | 回避 |
13位 | エタリオウ | 牡4 | 6,041 | 14 | 14,743 | 13 | 26,473 | 出走 |
14位 | エポカドーロ | 牡4 | 6,233 | 13 | 14,662 | 14 | 25,976 | 回避 |
15位 | マカヒキ | 牡6 | 4,468 | 18 | 11,791 | 15 | 22,367 | 出走 |
16位 | ウインブライト | 牡5 | 5,341 | 15 | 11,703 | 16 | 19,170 | 回避 |
17位 | ステルヴィオ | 牡4 | 4,621 | 16 | 9,924 | 17 | 15,816 | 回避 |
18位 | クリンチャー | 牡5 | 3,928 | 20 | 8,987 | 19 | 15,479 | 出走 |
19位 | アドマイヤマーズ | 牡3 | 4,573 | 17 | 9,254 | 18 | 14,222 | 回避 |
20位 | ディアドラ | 牝5 | 4,023 | 19 | 8,625 | 20 | 13,982 | 回避 |
- 最終登録を行った馬のうち、最終順位21位以下で100位までに入った馬の順位
最終順位 | 馬名 | 性齢 | 票数 | 出否 |
---|---|---|---|---|
43位 | ノーブルマーズ | 牡6 | 3,608 | 出走 |
64位 | スティッフェリオ | 牡5 | 1,296 | 出走 |
- 最終登録を行った馬のうち、最終順位21位以下で100位までに入らなかった馬
最終順位 | 馬名 | 性齢 | 票数 | 出否 |
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100位以下 | ショウナンバッハ | 牡8 | 不明 | 出走 |
100位以下 | タツゴウゲキ | 牡7 | 不明 | 出走 |
レース施行前の状況
編集施行直前の状況
編集前走の大阪杯(GI)2着、昨年のジャパンカップ(GI)でも世界レコードの2着に入るなど直近では安定した成績を残す2017年菊花賞馬キセキと、昨年の天皇賞(秋)(GI)を制したが、前走ドバイシーマクラシック(G1)では6着と振るわなかった2017年のダービー馬レイデオロがレース発走まで熾烈な1番人気争いを続けた。前日までのオッズはレイデオロが1番人気だったものの、当日になると両馬の人気の入れ替わりが激しくなった。最終的にはキセキが人気を集め、キセキが3.6倍で1番人気、レイデオロが3.9倍で2番人気に落ち着く。続く3番人気には前走クイーンエリザベス2世カップ(G1)で3着に健闘した昨年のエリザベス女王杯勝ち馬リスグラシュー。勝ち鞍は未勝利戦のみだが、昨年の菊花賞(GI)2着、GIIでも2着3回と善戦が続く「最強の1勝馬」エタリオウが4番人気。前走今年の大阪杯(GI)を制した2017年の皐月賞馬アルアインが5番人気。6番人気に前走ドバイシーマクラシック(G1)で3着に入った昨年の大阪杯覇者スワーヴリチャードが入り、ここまでが単勝オッズ1桁台の支持を得た。続く7番人気の2016年ダービー馬マカヒキも11.4倍と1桁に迫る勢いで、この7頭が特に人気を集めたと言える。
総頭数は12頭とフルゲートには満たなかったが、ダービー馬2頭とダービーを除くクラシック競走勝ち馬2頭を含むGI勝ち馬6頭、重賞勝ち馬9頭が集結した。
レース当日は、曇りながらも、馬場状態は良でグランプリを迎えた。
出走馬と枠順
編集負担重量は4歳以上牡馬・セン馬57kg、4歳以上牝馬及び3歳牡馬55kg
枠版 | 馬番 | 競走馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 | オッズ(人気) |
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1 | 1 | キセキ | 牡5 | 58 | 川田将雅 | 角居勝彦 | 3.6(1人) |
2 | 2 | レイデオロ | 牡5 | 58 | C.ルメール | 藤沢和雄 | 3.9(2人) |
3 | 3 | エタリオウ | 牡4 | 58 | 横山典弘 | 友道康夫 | 7.8(4人) |
4 | 4 | アルアイン | 牡5 | 58 | 北村友一 | 池江泰寿 | 8.4(5人) |
5 | 5 | タツゴウゲキ | 牡7 | 58 | 秋山真一郎 | 鮫島一歩 | 140.6(12人) |
6 | スティッフェリオ | 牡5 | 58 | 丸山元気 | 音無秀孝 | 26.8(6人) | |
6 | 7 | マカヒキ | 牡6 | 58 | 岩田康誠 | 友道康夫 | 11.8(7人) |
8 | ショウナンバッハ | 牡8 | 58 | 吉田豊 | 上原博之 | 92.1(11人) | |
7 | 9 | クリンチャー | 牡5 | 58 | 三浦皇成 | 宮本博 | 34.0(9人) |
10 | ノーブルマーズ | 牡6 | 58 | 高倉稜 | 宮本博 | 79.5(10人) | |
8 | 11 | スワーヴリチャード | 牡5 | 58 | M.デムーロ | 庄野靖志 | 8.8(6人) |
12 | リスグラシュー | 牝5 | 56 | D.レーン | 矢作芳人 | 5.4(3人) |
レース結果
編集ほぼすべての馬がそろったスタートを見せると、特に好スタートを見せたスティッフェリオが先頭を伺い、アルアインもハナを主張する雰囲気を見せる。1番人気のキセキはそれらに遅れる形となるが、鞍上の川田将雅が強く押していき、結局キセキがハナを主張し引っ張る形となる。スティッフェリオが控え、二番手に大外から予想外の積極策に出たリスグラシュー、そしてアルアインが位置するようになった。中団付近にレイデオロ、クリンチャー、最後尾にはマカヒキという形で1コーナーに突入。この体勢のまま1000mを60秒ちょうどで通過すると後方が追い出しを開始、スワーヴリチャードが3番手に上がって第3コーナーを通過し、残り600mを通過したところで、好位につけていたレイデオロらの各馬が追い込みを開始し、最後の直線に向かった。
逃げるキセキを、リスグラシューが残り200m付近でかわし、リスグラシューがキセキとの差を3馬身差に広げて、先頭で1着入線を果たした。タイムは2分10秒8(良)。牝馬の宝塚記念制覇は、マリアライト以来史上4頭目。鞍上のダミアン・レーンは今回のJRA短期騎手免許期間中最後のレースでノームコア(2019年ヴィクトリアマイル・GI)以来のJRAでのGI2勝目を果たした。
3着は好位から抜け出すも、先頭との差を縮めることができなかったスワーヴリチャードが入り、GI連勝を目指したアルアインが4着、2番人気のレイデオロは5着に終わった。
その他の人気馬はエタリオウとマカヒキが直線で伸びを欠き、それぞれ9着、11着に敗れた。
着順 | 枠番 | 馬番 | 競走馬名 | タイム | 着差 | 上がり3ハロン |
---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 8 | 12 | リスグラシュー | 2:10.8 | 35.2 | |
2着 | 1 | 1 | キセキ | 2:11.3 | 3馬身 | 35.8 |
3着 | 8 | 11 | スワーヴリチャード | 2:11.6 | 2馬身 | 35.7 |
4着 | 4 | 4 | アルアイン | 2:11.9 | 2馬身 | 36.1 |
5着 | 2 | 2 | レイデオロ | 2:12.1 | 3/4馬身 | 36.0 |
6着 | 7 | 10 | ノーブルマーズ | 2:12.4 | 1馬身3/4 | 36.0 |
7着 | 5 | 6 | スティッフェリオ | 2:12.4 | クビ | 36.3 |
8着 | 7 | 9 | クリンチャー | 2:12.5 | 3/4馬身 | 36.4 |
9着 | 3 | 3 | エタリオウ | 2:12.6 | クビ | 36.4 |
10着 | 6 | 8 | ショウナンバッハ | 2:12.6 | アタマ | 35.9 |
11着 | 6 | 7 | マカヒキ | 2:12.9 | 1馬身1/2 | 36.3 |
12着 | 5 | 5 | タツゴウゲキ | 2:13.9 | 6馬身 | 37.5 |
ハロンタイム | 12.6 - 11.4 - 11.5 - 12.4 - 12.1 - 11.9 - 12.0 - 11.6 - 11.5 - 11.4 - 12.4 |
1000m通過タイム | 60.0秒(キセキ) |
優勝馬上がり3ハロン | 35.2秒 |
上がり最速 | 35.2秒(リスグラシュー) |
単勝 | 12 | 540円 |
複勝 | 12 | 180円 |
1 | 140円 | |
11 | 260円 | |
枠連 | 1-8 | 620円 |
馬連 | 1-12 | 970円 |
馬単 | 8-1 | 2210円 |
3連複 | 1 - 11 - 12 | 2720円 |
3連単 | 12 - 1 -11 | 14560円 |
ワイド | 1 - 12 | 340円 |
11 - 12 | 760円 | |
1 - 12 | 630円 |
エピソード
編集- 牝馬が宝塚記念を制覇したのは、1966年のエイトクラウン、2005年のスイープトウショウ、2016年のマリアライト以来4年ぶり、史上4頭目の記録[5]。
- ダミアン・レーン騎手はノームコア(2019年ヴィクトリアマイル・GI)以来のJRAでのGI2勝目を果たした[6]。
- 矢作芳人調教師は、宝塚記念初勝利。[7]
- リスグラシューは、重賞4勝目(2016年アルテミスステークス、2018年東京新聞杯、エリザベス女王杯、2019年宝塚記念)をマークした。
- ノーザンファーム生産馬による宝塚記念制覇は史上7頭目(2006年ディープインパクト、2007年アドマイヤムーン、2015年ラブリーデイ、2016年マリアライト、2017年サトノクラウン、2018年ミッキーロケット、2019年リスグラシュー)かつ、5連覇となった。
- 勝ちタイム2:10.8は、第52回・第36回に次いで優勝タイムとしては同レース史上3位(当時)となった
脚注
編集引用
編集- ^ “宝塚記念ファン投票 第1回中間発表!気になる1位は? JRA”. jra.jp. 2019年8月25日閲覧。
- ^ “宝塚記念ファン投票 第2回中間発表!順位に変動は? JRA”. jra.jp. 2019年8月25日閲覧。
- ^ a b “宝塚記念ファン投票 最終結果発表! JRA”. jra.jp. 2019年8月25日閲覧。
- ^ a b c “宝塚記念(G1) レース結果 | 2019/06/23 阪神11R レース情報(JRA) - netkeiba.com”. race.netkeiba.com. 2019年8月25日閲覧。
- ^ “【宝塚記念2019】リスグラシュー&D.レーン完勝!史上4頭目の牝馬V! | netkeiba.com 競馬まとめ・ニュース・予想・コース解説・分析・歴代優勝馬・結果速報・出走予定馬・注目馬・騎手など競馬の話題最新情報!”. netkeiba.com. 2019年8月27日閲覧。
- ^ “第60回 宝塚記念 レース結果回顧・払戻|GⅠ特集|競馬予想・競馬情報ならJRA-VAN”. jra-van.jp. 2019年8月25日閲覧。
- ^ “2019年 宝塚記念 JRA”. www.jra.go.jp. 2019年8月25日閲覧。
出典
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