闇のパープル・アイ

日本の漫画シリーズ

闇のパープル・アイ』(やみのパープル・アイ)は、篠原千絵による日本漫画作品。単行本は全12巻、文庫版全7巻。第32回小学館漫画賞少女部門受賞。1996年テレビ朝日系列にてテレビドラマ化された。

あらすじ編集

主人公・尾崎倫子は、からに変身する変身人間の血を引いていた。父と妹、そして幼なじみで恋人の慎也との平穏な生活は、自身の能力の覚醒により一変する。

生物教師・曽根原薫子は、変身人間の存在を知らしめようとして学界から追放された父の名誉を回復しようと、倫子ら変身人間を狙っていた。目的のためなら殺人や拷問など非道な事を平気で行う曽根原。

倫子の最後の抵抗によって一度は退いた曽根原だったが、倫子ともう一人の変身人間・小田切との間に生まれた娘・麻衣を狙い始める。純血種である彼女は、より高い能力を持っていた。倫子と麻衣、母娘二代に渡る曽根原薫子との戦いを描く。

登場人物編集

尾崎 倫子(おざき りんこ)
第1部の主人公。金髪のロングヘアで、どこにでもいるようなごく普通の女の子だったが、黄金の豹に変身する変身人間であったことから平穏な日々は一転し、曽根原との戦いの日々を送ることになる。
変身人間という事実や曽根原の執拗な追跡に苦悩し、一度は生きる事を諦めかけるが、慎也や麻衣を心の支えとして成長していく。
慎也と麻衣を守る為、曽根原と共に崖から落ちた後は、生きていた曽根原と一族の手によりコールドスリープで15年前の姿のまま捕らわれてしまう。後に助け出されるが慎也の遺体と共に燃え盛る炎の中でその生涯を閉じた。
倫子という名前は変身する動物が初めはリンクスの予定だったことから[1]
水島 慎也(みずしま しんや)
倫子や舞子に「慎ちゃん」と呼ばれている倫子の幼なじみであり恋人。口は悪いが根は優しく、倫子や麻衣の事を第一に考えている。
作中の女性からはイケメンなどと評されており人気が高いが、慎也本人は倫子一筋であり、倫子が変身人間である事を知っても、その思いは変わらなかった。倫子編の終盤で倫子と結婚し、麻衣の養父となる。
15年後では医者をしながら変身人間の研究をしている。ある日、曽根原から送られてきた倫子の長い髪の一部から、倫子が生きていると知り救出に向かうが、曽根原の拳銃に撃たれ、倫子との今生の再会が叶わぬまま息絶える。
名前の由来は『ビルマの竪琴』の水島上等兵であり、僧侶服を着た慎也のイラストともどもコミックスの余白描き下しで書かれている[2]
曽根原 薫子(そねはら かおるこ)
生物担当の教師。教授であった父の意思を継いで変身人間の研究に執着し、倫子、麻衣と親子2代にわたって付け狙う。
研究のためなら人殺しも厭わない残忍な性格であり、倫子にとっては妹・舞子の仇(ドラマ版では、父・巧介も)でもある。
倫子たち変身人間の事は人間としては見ておらず動物として扱っており、自分の意に沿わなければ倫子や麻衣が相手でも殺そうとする。特に倫子に対しては15年前に負わされた大怪我から逆恨みを起こす程である。
倫子の運命を狂わせた張本人ではあるが、父の一件があるまでは獣医を目指しており「変身人間のことがなければ、獣医として過ごしていたかも」と平穏な日々を求めていた台詞を口にしたこともあった。この為、彼女もある意味では、変身人間に人生を狂わされた存在といえる。
ドラマ版では森島由佳を姪に持つ。名前の由来は篠原の友人の漫画家の名前から。ただし、性格は篠原本人だとも言われている[3]
小田切 貢(おだぎり みつぐ)
巨大な黒豹に変身する変身人間。初登場時24歳。麻衣の実父。フリーのジャーナリスト。普段は色付き眼鏡で瞳の色を隠している。
自身の命が残り少ないことから、倫子を眠らせ強姦して妊娠させるが、慎也に倫子とお腹の中の子を託し、警察の注意を惹きつけた末に炎の中で自爆し、最期を迎える。
相手が一般人でも自身の邪魔になる存在であれば容赦なく手にかける程で、お世辞にも善人とは言えず、慎也も彼のことを嫌っていたが、小田切の覚悟と死を目にした際は涙した。
当初は「日下部(くさかべ)」という姓にする予定であったが、担当編集者の「読みづらい」という意見から変更になった[4]。また、髪型を変え、まつ毛を取ると曽根原薫子と同じ顔になることがコミックスの余白描き下しで書かれている。
水島 麻衣(みずしま まい)
第2部の主人公。小田切と倫子の間に生まれた変身人間の純血種で、慎也に養女として育てられる。黒髪をショートヘアにしている活発な女の子。
西陵学園高等部1年生の15歳。抜群の跳躍力を持ち、バスケットボールが得意。当初は養父の慎也を異性として見ており想いを寄せていたが、物語の進行につれて従兄の暁生に信頼を寄せるようになり、相思相愛の関係になる。
赤ん坊時代に発揮した猫を呼び寄せる能力や、15年後に見せた怪力や建物を壊す力などは可能性の片鱗に過ぎず、純血種の能力の可能性は未知数。作中では一度も変身していないが、作者のコメントによると彼女も変身能力は持っているとの事。
名前の由来は作中で語られるように倫子の妹の舞子。
高階 暁生(たかしな あきお)
銀色の鬣をもつ黒豹に変身する変身人間であり、小田切の甥(小田切の姉の子供)。麻衣が通う高校の大学部の先輩でバスケットボール部のエース。麻衣とは従兄妹同士にあたる。
パワーは小田切に匹敵しており、倫子相手なら負けることはないが、相手が麻衣であるためパワー負けしている描写が多かった。
一族を抜けて麻衣と行動を共にし始めてからは、麻衣の強すぎる能力を抑制しつつ、麻衣を狙う敵と戦うようになる。

アニメ(ミュージックビデオ)編集

1987年頃OVAとしてアニメ化された。

後述のイメージアルバムに収録されたイメージソングに原作の名場面をアニメ化した映像をつけたミュージックビデオ(30分)であり、ドラマパートはない。

小説編集

中池葉がノベライズを行い、小学館パレット文庫から刊行された。タイトルは『小説闇のパープル・アイ』。全6巻。

第1巻から第3巻までが倫子編、第4巻から第6巻までが麻衣編となっている。物語は原作をベースにしているが、キャラの設定や話の展開は所々異なっており、原作にいないキャラも登場する。挿絵は全て原作単行本からの流用。

  1. 1991年8月出版 ISBN 978-4094201215
  2. 1991年11月出版 ISBN 978-4094201222
  3. 1992年2月出版 ISBN 978-4094201239
  4. 1992年6月出版 ISBN 978-4094201246
  5. 1992年8月出版 ISBN 978-4094201253
  6. 1992年11月出版 ISBN 978-4094201260

イメージアルバム編集

闇のパープルアイ
収録曲
A
MEMORY OF BLOOD
TELL HER TONIGHT
BROTHER PRIDE
BLUE FIRE
KIZUNA・SECRET
B
ALL BY MYSELF
SHADOW RHYTHM
BACK TO YESTERDAY
PURPLE DESTINY
闇のパープルアイ PART-2
  • LP・カセット/LB28-5032 CD/LD32-5032 東芝EMI 1987年02月25日 定価2800円
  • CD TYCY-5276 1993年1月27日 EMIミュージック・ジャパン 1942円
  • サウンド・プロデュース:新田一郎
  • 作曲 新田一郎
  • 作詞 Linda Hennrick
  • 歌 山際祥子/デレク・ジャクソン
収録曲
A
DESTINY AGAIN
MYSTERIOUS PURPLE
MY DEAR
DON'T FIGHT THE FEELING
B
NEVER LOOK BACK
ALL FOR YOU
LAST CHANGE
MY ONE AND ONLY

テレビドラマ編集

闇のパープル・アイ
ジャンル テレビドラマ
出演者 雛形あきこ
製作
プロデューサー 五十嵐文郎杉山登
制作 テレビ朝日東映
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域  日本
放送期間1996年7月1日~9月9日
放送時間月曜日20:00~20:54
放送分54分
回数11
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テレビ朝日月曜ドラマ・イン枠で放送。1人目の主人公の倫子と曽根原薫子との戦い、そして倫子の高校生活を重点に置かれているため、2人目の主人公の麻衣のエピソードが大幅にオミットされている(全11話中、僅か2話半のみである)。平均視聴率9.6%だった。

2011年6月13日から8月22日までCS専門チャンネル・チャンネルNECOにて放送されていた。VHSおよびDVDの販売は2021年現在に至るまで確認されておらず、ネット配信もされていない。ネットオークションなどで入手できるVHSやCDなどは、全て前述のイメージアルバム関連品である。

キャスト(テレビドラマ)編集

変身人間の少女。慎也や友人達と共に普通の高校生活を送っていたが、変身人間の血が目覚めてからは非日常な生活に身を置く事になる。
父の影響からかドラマ版ではバスケ部に所属している。
倫子の幼なじみであり恋人。麻衣の養父。変わっていく倫子を軽蔑する事なく一途に愛する。
高校では倫子と同じく、バスケ部に所属。
倫子達の高校にやってきた教師で、密かに変身人間の研究をしている。
最初こそ倫子たちに友好的だったが、倫子が変身人間である事を知ると手段を問わず狙い始める。
倫子達の友人。倫子や慎也との付き合いは長く、遠慮せず話し合える仲。
8話で曽根原の姪である事が判明し、同時に倫子の敵となったが、倫子と麻衣を守るため曽根原の犠牲になる。
倫子達の後輩。慎也に好意を抱いており、彼の恋人である倫子や、その子供の麻衣[5]を疎ましく思っている。
8話で麻衣と触れ合った事で心境の変化が生じ、9話で倫子と和解。慎也に倫子の事を託し、身を引く。
倫子と慎也(実父は小田切)の娘。名前は原作同様、倫子が妹の舞子にちなんで付けた。
変身人間の男性で黒豹に変身する。同じ変身人間の倫子に興味を持つ。
小田切と同じく変身人間の男性で黒豹に変身する。一族から抜け出し、麻衣達の味方になる。
倫子の妹。倫子達と同じ高校に通っており、原作では少なかった倫子や父親(巧介)と会話する場面が増えている。
姉思いだが、姉が自分に対して何かを隠し続けている事に疑念を抱き始め、そこを曽根原に付け込まれてしまう。
5話で曽根原の手にかかり、目の前で変身した倫子に助けられるが、人間に戻った倫子に見守られながら命を落とす。
倫子達の友人。
倫子達の友人。
倫子達の友人。
倫子達の担任教師。9話では長期休学していた倫子と慎也が無事卒業できるよう、学校側に取り計らっていた。
倫子と舞子の母。享年38歳の故人であり、2話の回想シーンや尾崎家の家族写真でのみ登場。
倫子と舞子の父。原作では希薄だった倫子や舞子との家族関係が補完されており、慎也との対話も増えている。
大学時代までバスケットボールを嗜み、幼少期の倫子や慎也などとバスケでよく遊んでいた[6]という設定も追加されており、慎也がバスケを始めるきっかけを作った。
9話で密かに尾崎家を訪れた曽根原に刺され、麻衣を奪われてしまう。直後に帰宅した倫子により病院へ搬送されたが帰らぬ人となった。

スタッフ編集

主題歌編集

サブタイトル編集

各話 放送日 サブタイトル 脚本 監督 視聴率
第1回 1996年
7月01日
私は豹だ!?少女が知った運命 田辺満 辻野正人 11.2%
第2回 7月08日 檻の中の豹少女! 12.1%
第3回 7月15日 幽霊学園の恐怖!! 武上純希 中西健二 7.8%
第4回 7月22日 黒豹のプロポーズ 田辺満 大井利夫 8.6%
第5回 7月29日 襲われた妹舞子!!運命の死… 武上純希 9.7%
第6回 8月05日 復讐の女豹!! 田辺満 辻野正人 7.6%
第7回 8月12日 女豹倫子の妊娠! 武上純希 6.5%
第8回 8月19日 涙のウエディングドレス! 田辺満 大井利夫 8.1%
第9回 8月26日 倫子の死!そして17年後 中西健二 11.3%
第10回 9月02日 生きている倫子!?悲しい再会 武上純希 辻野正人 10.8%
最終回 9月09日 倫子の最期!そして旅立ち… 田辺満 大井利夫 11.4%
平均視聴率9.6%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

テレビドラマと原作の違い編集

  • 倫子と慎也の年齢
    • 原作→倫子は高校1年生、慎也は高校3年生。ドラマ→2人とも高校3年生。なお、倫子の年齢が引き上げられた事により一部キャラの年齢も引き上げられている(麻衣15歳→17歳)
  • 倫子の通う高校の服装
    • 原作→私服。ドラマ→制服。
  • 舞子の最期
    • 原作→倫子の目の前で犬たちに食い殺される。遺体は曽根原の別荘から離れた場所へ埋められ、その後どうなったかは不明。ドラマ→特殊な水槽で溺死しかける。倫子が変身して助け出すも、結局溺死してしまう。その後、6話の冒頭で彼女の葬儀が行われた。
  • 倫子の逃亡生活
    • 原作→一時期自宅へ戻ったが、元の生活に戻れないまま逃亡生活を続行。ドラマ→時折自宅や高校に戻っているが、曽根原から逃れるように断続的に逃亡を続ける。
  • 倫子と慎也の結婚式
    • 原作→倫子・慎也・麻衣・神父の4人だけで他の参列者は無し。ドラマ→由佳や紀子ら倫子の友人達も駆け付け、彼らにも見守られながら結婚式を挙げる。
  • 倫子の父
    • 原作→倫子編から麻衣編へ移行するシーンを最後に登場しなくなった。ドラマ→曽根原に倫子が変身人間であると告げられ、動揺している最中に刺されてしまう。その後、搬送先の病院で死亡。
  • 17年後の倫子と慎也
    • 原作→慎也は倫子とは再会できず、倫子は慎也の遺体に会うだけ。ドラマ→生きたまま再会し、親子3人でピクニックに行ったりする。その後、さらわれた麻衣を救出しに行くが倫子に血清と麻衣の事を託しながら慎也は息を引き取る。
  • 倫子の最期
    • 原作→慎也が命を落とした後、倫子も後を追うように焼け死んでしまう。ドラマ→ビルの屋上で曽根原に致命傷を負わせ、麻衣を屋上から逃がした後、曽根原の仕掛けた爆弾によって死亡。
  • 短命種を治す血清
    • 原作→慎也の死亡後、曽根原が自身と慎也の研究データを照らし合わせて作成。ドラマ→慎也が作成方法を見つけ出し、同僚に作らせるが、その同僚は曽根原の部下であった事から作成した血清は曽根原の手に渡ってしまう。
  • 暁生の存在価値
    • 原作→小田切の甥であり、恋人である麻衣を守って曽根原に止めを刺す。ドラマ→小田切の甥という設定は無くなっている。最終回では曽根原に誘拐されてTVの生中継で変身を公開されそうになったのを麻衣に助け出される。

制作編集

倫子らの変身描写にはCGやビデオ合成が用いられた[7]

特殊メイクや変身後の豹の造型は、前番組『イグアナの娘』から引き続き高柳祐介が担当した[8]。豹の造形物は頭部などにメカを内蔵したものと投擲用の二種類を使い分けている[8]。毛皮には通常のボアでは毛先が立ってしまうためアナグマの毛皮が用いるなど質感にこだわって制作されたが、そのため完成が遅れて第3話からの登場となった[8]

テレビ朝日 月曜ドラマ・イン
前番組 番組名 次番組
イグアナの娘
(1996年4月15日 - 6月24日)
闇のパープル・アイ
(1996年7月1日 - 9月9日)
イタズラなKiss
(1996年10月14日 - 12月16日)

ドラマCD編集

闇のパープル・アイ -慎也と小田切篇-』のタイトルで、2013年9月25日に映劇より発売。

キャスト(ドラマCD)編集

脚注編集

  1. ^ コミックス7巻 p.137 余白描き下しより
  2. ^ コミックス8巻 p.50 余白描き下しより
  3. ^ コミックス8巻 p.116 余白描き下しより
  4. ^ コミックス8巻 p.12 余白描き下しより
  5. ^ 倫子達の友人および緑川は、麻衣が倫子と小田切の間に出来た子という事は知らない
  6. ^ 4話の由佳の台詞から
  7. ^ 宇宙船YB 1997, p. 68.
  8. ^ a b c 宇宙船YB 1997, p. 37
  9. ^ 12.【CAST TALK】より。CAST欄には記載無し

参考文献編集

外部リンク編集

  • e☆star(ドラマCD版公式サイト)