1999年のJリーグ ディビジョン1

日本のサッカーリーグ

この項目では、1999年シーズンのJリーグ ディビジョン1(J1)について述べる。

Jリーグ ディビジョン1
シーズン 1999
優勝 ジュビロ磐田
降格 浦和レッズ
ベルマーレ平塚
ACC出場 ジュビロ磐田
試合数 240
ゴール数 757 (1試合平均3.15)
得点王 黄善洪(C大阪・24得点)
最大差勝利ホーム試合
名古屋 8-1 浦和(1st第15節・5月29日)
最大差勝利アウェー試合
平塚 0-6 鹿島(2nd第14節・11月23日)
最多得点試合
名古屋 8-1 浦和(1st第15節・5月29日)
最多観客動員
51,575人 - 鹿島 vs 磐田
(1st第11節・5月5日)
最少観客動員
2,411人 - 神戸 vs 福岡
(1st第7節・4月17日)
平均観客動員 11,658人
1998
2000

概要 編集

Jリーグが2部制となって初めてのシーズンとなる。

リーグ戦の方式としては、前年と同様に2ステージ制を継続し、各ステージ(15節)ごと1回戦総当り(年間でホーム・アンド・アウェーの2回戦総当り)方式となった。また、各ステージの優勝クラブがチャンピオンシップで年間優勝を争うことも前年通りであった。自動降格の対象となるクラブについては年間の勝ち点に基づく順位の下位2クラブと定められたが、各ステージの優勝クラブは勝ち点によらず自動的に2位以内になる(チャンピオンシップによって1位・2位が決まる)ことになった。

なおクラブ数が16クラブに戻ったため、2004年までの5シーズンの間、年間の総試合数30節は、J1における年間最少試合数タイ(他1996年)にあたる。

1999年シーズンのJ1のクラブ 編集

1999年シーズンのJ1のクラブは以下の通り。参加クラブは、前年のシーズンに参加した18チームのうち、横浜マリノスに吸収合併された横浜フリューゲルス(マリノスは同時にチーム名を変更)と、J1参入決定戦の結果Jリーグ ディビジョン2 (J2) 参入となったコンサドーレ札幌を除いた16チーム。

※前年度成績=1998年のJリーグの前後期通算順位
チーム名 監督 所在
都道府県
ホームスタジアム 前年度成績 備考
鹿島アントラーズ   ゼ・マリオ 茨城県 県立カシマサッカースタジアム[1] 1位
浦和レッズ   原博実 埼玉県 浦和市駒場スタジアム 6位
ジェフユナイテッド市原   ゲルト・エンゲルス 千葉県 市原臨海競技場 16位
柏レイソル   西野朗 千葉県 日立柏サッカー場
柏の葉公園総合競技場
8位
ヴェルディ川崎   松永英機 神奈川県 等々力陸上競技場 12位
横浜F・マリノス   アントニオ・デラ・クルス 神奈川県 横浜国際総合競技場[2] 4位 横浜フリューゲルス(1998年7位)を吸収合併
「横浜マリノス」から改称
ベルマーレ平塚   上田栄治 神奈川県 平塚競技場 11位
清水エスパルス   スティーブ・ペリマン 静岡県 日本平スタジアム 3位
ジュビロ磐田   桑原隆 静岡県 ジュビロ磐田スタジアム 2位
名古屋グランパスエイト   ダニエル・サンチェス 愛知県 名古屋市瑞穂陸上競技場 5位
京都パープルサンガ   清水秀彦 京都府 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 13位
ガンバ大阪   フレデリック・アントネッティ 大阪府 万博記念競技場 15位
セレッソ大阪   レネ・デザイェレ 大阪府 長居陸上競技場 9位
ヴィッセル神戸   川勝良一 兵庫県 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 17位
サンフレッチェ広島  エディ・トムソン 広島県 広島ビッグアーチ 10位
アビスパ福岡   菊川凱夫 福岡県 東平尾公園博多の森球技場 18位
  1. ^ 第1Sは座席増築に伴う屋根の撤去工事のため、主に国立競技場を使用
  2. ^ 他に三ツ沢公園球技場も本拠地登録していたが、この年はリーグ戦での使用がなかった。

レギュレーションの変更点 編集

前シーズンまでVゴール方式の延長戦で決着が付かない場合に行われていたPK戦は、このシーズンから廃止となった。延長戦を行っても決着が付かない場合は引き分けとする事に変更された。

各試合ごとの勝ち点は、90分勝利の場合3、延長戦で勝利の場合2、引き分けの場合は両チームに1ずつが与えられることになった。

スケジュール 編集

1stステージは3月6日に開幕、5月29日に閉幕。中断期間を経て2ndステージは8月6日に開幕、11月27日に閉幕(リーグ戦の日程を終了)。12月4日12月11日にチャンピオンシップが行われた。

リーグ戦概要 編集

前年の年間勝点一位の磐田が、チームの柱であったドゥンガの退団がありながらも好調を維持し、リーグ戦の合間に行われたアジアクラブ選手権制覇の勢いのまま1stステージを制する。しかし2ndステージに入るとMF名波浩の移籍、FW中山雅史の欠場もあって磐田は調子を落とし、替わってスティーブ・ペリマン監督がオズワルド・アルディレス前監督の戦術を引き継ぎながらチームの熟成を進めた清水が2ndステージを制した。

一方、初の「降格」がかかる下位争いは、市原・福岡・浦和・平塚が生き残りを懸けた争いを繰り広げ、試合ごとに下位の順位が入れ替わる熾烈な争いとなったが、平塚が2ndステージ第1節で名古屋に勝利して以降全く勝てず(1分13敗)第13節終了時点で15位以下が決定。残る3チームは最終節まで残留が確定しなかったが、年間15位だった市原が勝ち、年間14位だった浦和が延長に持ち込まれたことで、順位が逆転。浦和は最終的にVゴール勝ちしたものの、J2降格の涙を呑むことになった。

順位表 編集

  • 以下の順位表において、勝利数・敗戦数はいずれも90分での勝利数・敗戦数を示す。

1stステージ 編集

チーム 延勝 延敗 出場権または降格
1 ジュビロ磐田 15 10 2 0 1 2 29 15 +14 34 チャンピオンシップに出場
2 ヴェルディ川崎 15 9 2 1 0 3 20 15 +5 32
3 清水エスパルス 15 9 1 1 0 4 28 23 +5 30
4 柏レイソル 15 9 1 0 1 4 26 18 +8 29
5 セレッソ大阪 15 9 1 0 0 5 25 21 +4 29
6 サンフレッチェ広島 15 9 0 0 0 6 30 18 +12 27
7 横浜F・マリノス 15 6 2 1 1 5 31 20 +11 23
8 名古屋グランパスエイト 15 6 1 1 3 4 30 23 +7 21
9 鹿島アントラーズ 15 5 1 1 2 6 23 19 +4 18
10 ガンバ大阪 15 5 1 0 1 8 21 25 −4 17
11 アビスパ福岡 15 4 2 0 1 8 23 30 −7 16
12 ヴィッセル神戸 15 4 1 1 2 7 20 24 −4 15
13 浦和レッズ 15 3 0 4 2 6 21 33 −12 13
14 京都パープルサンガ 15 4 0 0 2 9 18 28 −10 12
15 ジェフユナイテッド市原 15 2 2 2 1 8 19 34 −15 12
16 ベルマーレ平塚 15 3 0 0 0 12 15 33 −18 9

2ndステージ 編集

チーム 延勝 延敗 出場権または降格
1 清水エスパルス 15 11 1 0 1 2 28 13 +15 35 チャンピオンシップに出場
2 名古屋グランパスエイト 15 10 1 1 0 3 32 23 +9 33
3 横浜F・マリノス 15 8 2 2 0 3 30 15 +15 30
4 柏レイソル 15 8 2 1 0 4 23 18 +5 29
5 セレッソ大阪 15 6 3 0 1 5 39 24 +15 24
6 鹿島アントラーズ 15 6 2 0 2 5 30 18 +12 22
7 ヴィッセル神戸 15 5 2 3 0 5 18 21 −3 22
8 サンフレッチェ広島 15 6 1 1 2 5 24 25 −1 21
9 京都パープルサンガ 15 5 2 0 2 6 20 30 −10 19
10 ヴェルディ川崎 15 4 2 1 2 6 23 28 −5 17
11 ジェフユナイテッド市原 15 4 2 0 3 6 22 22 0 16
12 ジュビロ磐田 15 4 1 1 2 7 23 27 −4 15
13 ガンバ大阪 15 4 1 1 1 8 15 21 −6 15
14 浦和レッズ 15 4 1 1 5 4 18 25 −7 15
15 アビスパ福岡 15 3 1 1 0 10 18 29 −11 12
16 ベルマーレ平塚 15 1 0 1 3 10 15 39 −24 4

年間総合順位 編集

上位2チームの順位はJリーグチャンピオンシップの結果により確定する。

チーム 延勝 延敗 出場権または降格
1or2 清水エスパルス (A) 30 20 2 1 1 6 56 36 +20 65 チャンピオンシップに出場
1or2 ジュビロ磐田 (A) 30 14 3 1 3 9 52 42 +10 49
3 柏レイソル 30 17 3 1 1 8 49 36 +13 58
4 名古屋グランパスエイト 30 16 2 2 3 7 62 46 +16 54
5 横浜F・マリノス 30 14 4 3 1 8 61 35 +26 53
6 セレッソ大阪 30 15 4 0 1 10 64 45 +19 53
7 ヴェルディ川崎 30 13 4 2 2 9 43 43 0 49
8 サンフレッチェ広島 30 15 1 1 2 11 54 43 +11 48
9 鹿島アントラーズ 30 11 3 1 4 11 53 37 +16 40
10 ヴィッセル神戸 30 9 3 4 2 12 38 45 −7 37
11 ガンバ大阪 30 9 2 1 2 16 36 46 −10 32
12 京都パープルサンガ 30 9 2 0 4 15 38 58 −20 31
13 ジェフユナイテッド市原 30 6 4 2 4 14 41 56 −15 28
14 アビスパ福岡 30 7 3 1 1 18 41 59 −18 28
15 浦和レッズ 30 7 1 5 7 10 39 58 −19 28 J2へ降格
16 ベルマーレ平塚 30 4 0 1 3 22 30 72 −42 13

チャンピオンシップ 編集

Jリーグチャンピオンシップ(J1リーグ)についてはサントリーが冠スポンサーとなり、サントリーチャンピオンシップの名称で開催された。初の静岡ダービーで行われたチャンピオンシップであった。

ホーム・アンド・アウェーの2回戦制(1stステージの勝者が第1戦ホーム)で争われ、勝ち点の合計→2試合の通算得点→PK戦により勝敗を決定した。


1999年12月4日
15:03
第1戦
ジュビロ磐田 2 – 1
(延長)
清水エスパルス
中山雅史   30分   98分 公式記録 澤登正朗   34分

1999年12月11日
19:33
第2戦
清水エスパルス 2 – 1
(延長)
ジュビロ磐田
澤登正朗   37分
ファビーニョ   99分
公式記録 服部年宏   34分
  PK戦  
澤登正朗  
サントス  
伊東輝悦  
ファビーニョ  
2 - 4   服部年宏
  藤田俊哉
  高原直泰
  鈴木秀人
日本平スタジアム
観客数: 20,309人
主審: 岡田正義

2試合とも同スコア・Vゴール勝ちとなったため優勝決定のためのPK戦が行われ、磐田GK尾崎勇史のPKストップもあり4-2でジュビロ磐田が2年ぶり2度目の優勝を飾った[1]。この時の第2戦は、2013年のJクロニクルベストにおいて、ベストマッチの第3位となった。

テレビ中継

得点ランキング 編集

順位 選手 所属 得点
得点王   黄善洪 セレッソ大阪 24
2   城彰二 横浜F・マリノス 18
3   バロン ジェフユナイテッド市原 17
T4   福田正博 浦和レッズ 13
  呂比須ワグナー 名古屋グランパスエイト
  久保竜彦 サンフレッチェ広島
T7   久保山由清 清水エスパルス 12
  森島寛晃 セレッソ大阪
T9   アレックス 清水エスパルス 11
  ストイコビッチ 名古屋グランパスエイト
  西澤明訓 セレッソ大阪

1999年11月27日
出典: J. League Data

出典 編集

  1. ^ Jリーグニュース vol.59”. 日本プロサッカーリーグ (1999年12月). 2004年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月8日閲覧。

関連項目 編集