1998年のJリーグ

日本のサッカーリーグ
Jリーグ > 1998年のJリーグ

1998年Jリーグは、3月21日に開幕、11月14日にリーグ戦の日程を終了し、11月21日11月28日にチャンピオンシップが行われた。優勝は1stステージがジュビロ磐田、2ndステージが鹿島アントラーズで、チャンピオンシップにより決定された年間総合優勝は鹿島アントラーズ

Jリーグ
シーズン 1998
優勝 鹿島アントラーズ
降格 コンサドーレ札幌
(J2参入)
横浜フリューゲルス
横浜Mに合併)
ACC出場 鹿島アントラーズ
ジュビロ磐田
試合数 306
ゴール数 1074 (1試合平均3.51)
得点王 中山雅史(磐田・36得点)
最大差勝利ホーム試合
横浜F 7-0 C大阪(2nd第14節・10月31日)
最大差勝利アウェー試合
C大阪 1-9 磐田(1st第6節・4月15日)
最多得点試合
C大阪 5-7 (1st第17節・8月8日)
最多観客動員
53,598人 - 横浜F vs 横浜M
(2nd第5節・9月15日)
最少観客動員
2,091人 - 神戸 vs 市原
(2nd第10節・10月14日)
平均観客動員 11,982人
1997
1999

参加クラブ 編集

1998年シーズンのJリーグのクラブは以下の通り。昨シーズンのジャパンフットボールリーグ準会員かつ上位2位までに入ったコンサドーレ札幌が新たに加わり、計18クラブとなった。

※前年成績=1997年のJリーグの前後期通算順位を記載
チーム名 監督 所在
都道府県
ホームスタジアム 前年成績
コンサドーレ札幌   フェルナンデス 北海道 札幌厚別公園競技場[1]  JFL1位
鹿島アントラーズ   ジョアン・カルロス 茨城県 茨城県立カシマサッカースタジアム 2位
浦和レッズ   原博実 埼玉県 浦和駒場スタジアム 10位
ジェフユナイテッド市原   ヤン・フェルシュライエン 千葉県 市原臨海競技場 13位
柏レイソル   西野朗 日立柏サッカー場 7位
ヴェルディ川崎   ニカノール・デ・カルバーリョ 神奈川県 等々力陸上競技場 15位
横浜マリノス   ハビエル・アスカルゴルタ 横浜国際総合競技場
三ツ沢公園球技場
3位
横浜フリューゲルス   カルロス・レシャック 6位
ベルマーレ平塚   植木繁晴 平塚競技場 8位
清水エスパルス   オズワルド・アルディレス 静岡県 清水市日本平運動公園球技場 5位
ジュビロ磐田   バウミール・ロールス ジュビロ磐田サッカースタジアム 1位
名古屋グランパスエイト   田中孝司 愛知県 名古屋市瑞穂公園陸上競技場 9位
京都パープルサンガ   ハンス・オフト 京都府 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 14位
ガンバ大阪   フリードリッヒ・コンシリア 大阪府 万博記念競技場 4位
セレッソ大阪   松木安太郎 長居スタジアム 11位
ヴィッセル神戸   ベニート・フローロ 兵庫県 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 16位
サンフレッチェ広島   エディ・トムソン 広島県 広島ビッグアーチ[2] 12位
アビスパ福岡   森孝慈 福岡県 東平尾公園博多の森球技場 17位
  1. ^ 第1Sはゴール裏スタンドの芝生席から座席への改修工事のため使用せず、室蘭市入江運動公園陸上競技場を主として使用
  2. ^ 第1ステージは施設改善工事のため最終節を除き広島スタジアムを使用

レギュレーションの変更点 編集

参加クラブ数が再び偶数となったため、全クラブが毎節試合を行い、1回戦総当たり(17節)×2ステージの全306試合が行われた。試合開催方式そのものの変更点はない。

翌シーズンから新たにリーグを2部制とし、Jリーグ ディビジョン1(J1)を16クラブとするため、シーズン終了後にJ1参入決定戦が行われた。

スケジュール 編集

1998 FIFAワールドカップ開催により、1stステージ第12節の5月9日から第13節の7月25日までの期間、インターバルが設けられた。

リーグ概要 編集

1stステージは第13節終了時点で磐田・清水・川崎・鹿島・横浜Mの5チームが勝ち点で並ぶという混戦状態になり、そこから4連勝で締めくくった磐田と清水が抜け出し、最終的に得失点の差で磐田がステージ優勝。2ndステージは第10節終了時点で鹿島・磐田・浦和・横浜M・名古屋の5チームが勝ち点差2の中にひしめく状況となり、そこから連勝で抜け出した鹿島と磐田の一騎討ちとなる。第15節で両チームが直接対決し、鹿島がマジーニョのゴールを守り切って勝利。第5節から10連勝で磐田を振り切ってステージ優勝を果たした。

一方、2ndステージ終盤の10月29日、横浜Mと横浜Fの合併が報じられ、同日のJリーグ理事会で承認される。横浜Fの親会社である佐藤工業が経営難からクラブ運営からの撤退を表明、もう一社の親会社である全日本空輸が単体でのクラブ運営に難色を示し、これに対して横浜Mの親会社である日産自動車が救済の手をさしのべたものであるが、地域密着を掲げて誕生したJリーグが皮肉にも実業団同様に親会社の論理で合併(事実上の消滅)となる事態となった。この日以後、横浜Fはリーグ戦4連勝で締めくくり、最終順位は2ndステージ・年間勝ち点とも7位であった。

また、この年の年間勝ち点での下位3クラブは市原・神戸・福岡であったが、J1参入決定戦のレギュレーションの結果、J2参入(事実上の降格)となったのは年間14位の札幌であった。年間勝ち点の下位クラブが残留し、それよりも上位のクラブが降格する事例はこの年のみである。

なお、札幌は本来の本拠地である札幌厚別公園競技場の改修工事のため、第1ステージは主に室蘭市入江運動公園陸上競技場を本拠地にした。また、横浜市の2チームの本拠地が従来の三ツ沢公園球技場に加え横浜国際総合競技場も登録される。

この年よりCS放送の放映ジュピターテレコム運営J SPORTSに完全移行。この年開局のディレクTVサッカーTV・イレブン)にもサブライセンスして全試合をカバーするようになる。

順位表 編集

  • 以下の順位表において、勝利数・敗戦数はいずれも90分での勝利数・敗戦数を示す。

1stステージ 編集

開催期間:3月21日 - 8月8日

チーム 延勝 PK勝 PK敗 延敗 出場権または降格
1 ジュビロ磐田 17 13 0 0 0 0 4 52 18 +34 39 チャンピオンシップに出場
2 清水エスパルス 17 13 0 0 0 0 4 32 14 +18 39
3 名古屋グランパスエイト 17 9 3 0 1 0 4 37 21 +16 33
4 横浜マリノス 17 10 1 0 0 1 5 39 21 +18 32
5 鹿島アントラーズ 17 10 1 0 0 0 6 41 28 +13 32
6 ヴェルディ川崎 17 10 0 0 1 1 5 34 25 +9 30
7 浦和レッズ 17 8 1 2 0 1 5 30 23 +7 28
8 横浜フリューゲルス 17 7 2 1 0 0 7 33 32 +1 26
9 セレッソ大阪 17 7 1 0 0 1 8 36 47 −11 23
10 柏レイソル 17 6 1 2 0 1 7 32 35 −3 22
11 ジェフユナイテッド市原 17 7 0 0 0 2 8 31 31 0 21
12 ベルマーレ平塚 17 5 2 1 0 1 8 27 34 −7 20
13 サンフレッチェ広島 17 5 2 0 1 2 7 22 33 −11 19
14 ガンバ大阪 17 4 2 1 0 1 9 27 29 −2 17
15 京都パープルサンガ 17 4 2 0 0 3 8 20 33 −13 16
16 コンサドーレ札幌 17 3 1 0 3 2 8 28 44 −16 11
17 ヴィッセル神戸 17 3 0 0 0 1 13 20 48 −28 9
18 アビスパ福岡 17 2 0 1 2 2 10 22 47 −25 7

2ndステージ 編集

開催期間:8月22日 - 11月14日

チーム 延勝 PK勝 PK敗 延敗 出場権または降格
1 鹿島アントラーズ 17 12 3 0 0 0 2 38 15 +23 42 チャンピオンシップに出場
2 ジュビロ磐田 17 13 0 0 0 1 3 55 21 +34 39
3 浦和レッズ 17 11 0 0 0 2 4 32 17 +15 33
4 横浜マリノス 17 10 1 0 0 3 3 40 27 +13 32
5 清水エスパルス 17 8 3 1 1 0 4 39 21 +18 31
6 名古屋グランパスエイト 17 9 1 1 0 1 5 34 26 +8 30
7 横浜フリューゲルス 17 8 0 1 0 0 8 37 32 +5 25
8 柏レイソル 17 8 0 1 1 1 6 24 26 −2 25
9 サンフレッチェ広島 17 7 1 1 2 1 5 23 19 +4 24
10 コンサドーレ札幌 17 8 0 0 1 1 7 29 30 −1 24
11 京都パープルサンガ 17 6 2 1 0 0 8 27 30 −3 23
12 ベルマーレ平塚 17 7 0 1 0 0 9 26 32 −6 22
13 セレッソ大阪 17 7 0 0 1 0 9 20 32 −12 21
14 ヴィッセル神戸 17 5 0 1 0 1 10 25 41 −16 16
15 アビスパ福岡 17 4 1 0 0 0 12 11 38 −27 14
16 ガンバ大阪 17 3 2 0 1 0 11 20 32 −12 13
17 ヴェルディ川崎 17 3 0 0 1 1 12 13 28 −15 9
18 ジェフユナイテッド市原 17 1 0 1 1 2 12 18 44 −26 4

年間総合順位 編集

上位2チームの順位はJリーグチャンピオンシップの結果により確定する。

チーム 延勝 PK勝 PK敗 延敗 出場権または降格
1or2 ジュビロ磐田 34 26 0 0 0 1 7 107 39 +68 78 チャンピオンシップに出場
1or2 鹿島アントラーズ 34 22 4 0 0 0 8 79 43 +36 74
3 清水エスパルス 34 21 3 1 1 0 8 71 35 +36 70
4 横浜マリノス 34 20 2 0 0 4 8 79 48 +31 64 横浜フリューゲルスと合併
5 名古屋グランパスエイト 34 18 4 1 1 1 9 71 47 +24 63
6 浦和レッズ 34 19 1 2 0 3 9 62 40 +22 61
7 横浜フリューゲルス 34 15 2 2 0 0 15 70 64 +6 51 横浜マリノスと合併
8 柏レイソル 34 14 1 3 1 2 13 56 61 −5 47
9 セレッソ大阪 34 14 1 0 1 1 17 56 79 −23 44
10 サンフレッチェ広島 34 12 3 1 3 3 12 45 52 −7 43
11 ベルマーレ平塚 34 12 2 2 0 1 17 53 66 −13 42
12 ヴェルディ川崎 34 13 0 0 2 2 17 47 53 −6 39
13 京都パープルサンガ 34 10 4 1 0 3 16 47 63 −16 39
14 コンサドーレ札幌 34 11 1 0 4 3 15 57 74 −17 35 J1参入決定戦に出場 1
15 ガンバ大阪 34 7 4 1 1 1 20 47 61 −14 30
16 ジェフユナイテッド市原 34 8 0 1 1 4 20 49 75 −26 25 J1参入決定戦に出場 1
17 ヴィッセル神戸 34 8 0 1 0 2 23 45 89 −44 25
18 アビスパ福岡 34 6 1 1 2 2 22 33 85 −52 21

最終更新は1998年11月14日の試合終了時
出典: Jリーグ公式サイト および Jリーグ公式サイト
順位の決定基準: 1. 勝点; 2. 得失点差; 3. 得点数.
1 1997年シーズンと1998年シーズンの総合成績で決定。J1参入決定戦#順位ポイントの付け方参照。

チャンピオンシップ 編集

Jリーグチャンピオンシップについてはサントリーが冠スポンサーとなり、サントリー・チャンピオンシップの名称で開催された。


1998年11月21日
14:04
第1戦
ジュビロ磐田 1 - 2
(延長)
鹿島アントラーズ
中山雅史   7分 公式記録 長谷川祥之   72分
室井市衛   110分
国立霞ヶ丘競技場
観客数: 40,263人
主審: 岡田正義

1998年11月28日
19:35
第2戦
鹿島アントラーズ 2 - 1 ジュビロ磐田
秋田豊   39分
ビスマルク   41分
公式記録 藤田俊哉   84分

合計スコアが4-2となり、鹿島アントラーズが年間王者に決定。

テレビ中継

J1参入決定戦 編集

J1参入決定戦は、当初1997年シーズンと1998年シーズンの成績をポイント化した下位5チームと、ジャパンフットボールリーグ所属のJリーグ準会員2チームで行われる予定であったが、横浜フリューゲルスが消滅し、ブランメル仙台が参入戦参加資格を得られる成績をおさめられなかったため、Jリーグ下位4チームとJリーグ準会員1チームによって争われた。

1回戦 2回戦 第3代表決定戦
           
J・18位 アビスパ福岡 (延長) 3
JFL・2位 川崎フロンターレ (J2参入) 2
J・18位 アビスパ福岡 0 1
J・15位 ジェフユナイテッド市原 (J1参入) 2 2
J・18位 アビスパ福岡 (J1参入) 1 3
J・16位 コンサドーレ札幌 (J2参入) 0 0
J・17位 ヴィッセル神戸 (J1参入) 2 2
J・16位 コンサドーレ札幌 0 1

この結果、市原・神戸・福岡がJリーグ ディビジョン1へ、札幌・川崎のJリーグ ディビジョン2へ参加が決定。

表彰 編集

受賞者
最優秀選手賞   中山雅史ジュビロ磐田
得点王
新人王   小野伸二浦和レッズ
最優秀監督賞   オズワルド・アルディレス清水エスパルス
優勝監督賞   ゼ・マリオ鹿島アントラーズ
優秀主審賞   レスリー・モットラム
優秀副審賞   上荒敬司
フェアプレー特別賞 清水エスパルス
フェアプレー個人賞   相馬直樹鹿島アントラーズ
功労選手賞   ラモス瑠偉
  都並敏史

ベストイレブン 編集

ポジション 選手名 受賞回数 所属クラブ
GK   楢﨑正剛 2 横浜フリューゲルス
DF   相馬直樹 4 鹿島アントラーズ
  田中誠 ジュビロ磐田
  秋田豊 2 鹿島アントラーズ
MF   小野伸二 浦和レッズ
  奥大介 ジュビロ磐田
  藤田俊哉
  名波浩 3
  ドゥンガ 2
FW   中山雅史
  柳沢敦 鹿島アントラーズ

得点ランキング 編集

順位 選手 所属 得点
1   中山雅史 ジュビロ磐田 36
2   城彰二 横浜マリノス 25
3   柳沢敦 鹿島アントラーズ 22
4   バルデス コンサドーレ札幌 21
  オリバ 清水エスパルス
6   呂比須ワグナー ベルマーレ平塚 18
  森島寛晃 セレッソ大阪
8   藤田俊哉 ジュビロ磐田 17
  小島宏美 ガンバ大阪
  金度勲 ヴィッセル神戸

出典: J.LEAGUE Data Site

記録 編集

  • Jリーグ通算5,000ゴール
バジーリオ(柏、1998年9月23日 - 2ndステージ第7節vs札幌・札幌厚別公園競技場
  • 個人連続ハットトリック試合(4試合) ギネス記録
中山雅史(磐田 1stステージ第6節vsC大阪 - 第9節vs札幌、4試合の得点は5・4・4・3の16得点)
  • 個人連続得点試合(8試合)
フリオ・サリナス(横浜M 1997年2ndステージ第11節vs横浜F - 1998年1stステージ第1節vs横浜F、8試合の得点は2・1・1・1・1・1・1・1)
  • Jリーグ最年少出場記録
阿部勇樹(市原・16歳と333日、1998年8月5日 - 1stステージ第16節vsガンバ大阪・万博記念競技場

Jリーグ準会員 編集

1998年のJFLの成績により、2位の川崎はJ1参入決定予備戦に進出。アビスパ福岡に敗れたため1999年J2リーグ加盟となった。また仙台は7位でおわり、J1参入決定戦進出に必要な2位以内確保ができなかったため自動的にJ2加盟となった。
なおこの年は新規の準会員申請を行ったクラブはなかった。

関連項目 編集