2005年のインディカー・シリーズ

2005年のインディカー・シリーズ
前年: 2004 翌年: 2006

2005年のインディカー・シリーズは、インディカー・シリーズの10年目のシーズンである。

初めてロード/ストリートコースがスケジュールに加わり、この年はセントピーターズバーグ、インフィニオン、ワトキンス・グレンで計3戦が開催、それらを含めて史上最多の17戦での開催となった。また、かつてのCARTのように、どのようなコース種別にも対応できることが問われるようになった。

この年もホンダエンジンが優勢で、トヨタエンジン、シボレーエンジンは共に勝利数は前年より増やすことはできたものの、ホンダエンジンの優位性は変わらず。最終的にこの年のシーズン途中でシボレーはこのシーズン限りでの撤退を発表したほか、トヨタも翌シーズンでの撤退を発表したところ、ホンダエンジンに切り替えを表明するチームが続出したために結局この年限りで撤退、翌シーズン以降はホンダエンジンのワンメイクとなることになった。

この年は、前年ランキング2位と躍進したダン・ウェルドンが1シーズンでの史上最多となる6勝をあげ、チャンピオンに輝いたが、この年は女性ドライバーダニカ・パトリックのデビューが大きく注目された。特にインディ500では途中トップを走る快走を見せ、女性ドライバー史上最上位の4位でフィニッシュ、最終的にインディ500・シリーズ双方のルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど、インディカー・シリーズの注目度アップに大きく貢献した。

その他のトピックとしては、

  • スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングからこの年も松浦孝亮が参戦したが、最高位はインフィニオンとワトキンス・グレンの6位にとどまった
  • ロジャー安川はこの年ドレイヤー&レインボールド・レーシングのレギュラーシートを獲得したが、一度もトップ10フィニッシュを果たすことができず、この年以来、レギュラーシートは獲得できていない。
  • これまでダラーラと共にシャシーを供給していたGフォースパノスに買収され、この年から「パノスGフォース」、または単に「パノス」と呼ばれるようになった

2005年の開催スケジュールと結果 編集

  • 上記の通りロード/ストリート3戦が加わり、テキサスが1戦のみの開催に、ナザレスがカレンダー落ちとなった。
Rd 開催日 レース サーキット 開催地 ポールポジション ファステストラップ 最多ラップリード 優勝者
1 3月6日   Homestead-Miami Indy 300 ホームステッド=マイアミ・スピードウェイ フロリダ州ホームステッド   トーマス・シェクター   バディ・ライス   ダン・ウェルドン   ダン・ウェルドン
2 3月19日   XM Satellite Radio Indy 200 フェニックス・インターナショナル・レースウェイ アリゾナ州フェニックス   ブライアン・ハータ   ダリオ・フランキッティ   ダン・ウェルドン   サム・ホーニッシュJr.
3 4月3日   Honda Grand Prix of St. Petersburg セントピーターズバーグ市街地コース フロリダ州セントピーターズバーグ   ブライアン・ハータ   ダリオ・フランキッティ   ライアン・ブリスコー   ダン・ウェルドン
4 4月30日   インディジャパン300 ツインリンクもてぎ 栃木県茂木町   サム・ホーニッシュJr.   ダン・ウェルドン   ダリオ・フランキッティ   ダン・ウェルドン
5 5月29日   89th Indianapolis 500 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ インディアナ州スピードウェイ   トニー・カナーン   トニー・カナーン   サム・ホーニッシュJr.   ダン・ウェルドン
6 6月11日   Bombardier Learjet 550 テキサス・モーター・スピードウェイ テキサス州フォートワース   トーマス・シェクター   トーマス・エンゲ   トーマス・シェクター   トーマス・シェクター
7 6月25日   SunTrust Indy Challenge リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ バージニア州リッチモンド   サム・ホーニッシュJr.   松浦孝亮   エリオ・カストロネベス   エリオ・カストロネベス
8 7月3日   RoadRunner Turbo Indy 300 カンザス・スピードウェイ カンザス州カンザスシティ   ダニカ・パトリック   ライアン・ブリスコー   ダン・ウェルドン   トニー・カナーン
9 7月16日   Firestone Indy 200 ナッシュビル・スーパースピードウェイ テネシー州レバノン   トーマス・シェクター   スコット・シャープ   トニー・カナーン   ダリオ・フランキッティ
10 7月24日   ABC Supply Company A.J. Foyt 225 ミルウォーキー・マイル ウィスコンシン州ウェスト・アリス   サム・ホーニッシュJr.   トーマス・シェクター   サム・ホーニッシュJr.   サム・ホーニッシュJr.
11 7月31日   Firestone Indy 400 ミシガン・インターナショナル・スピードウェイ ミシガン州ブルックリン   ブライアン・ハータ   タウンゼント・ベル   ブライアン・ハータ   ブライアン・ハータ
12 8月14日   AMBER Alert Portal Indy 300 ケンタッキー・スピードウェイ ケンタッキー州スパータ   ダニカ・パトリック   ダニカ・パトリック   ダン・ウェルドン   スコット・シャープ
13 8月21日   Honda Indy 225 パイクス・ピーク・インターナショナル・レースウェイ コロラド州ファウンテン   エリオ・カストロネベス   ダリオ・フランキッティ   サム・ホーニッシュJr.   ダン・ウェルドン
14 8月28日   Peak Antifreeze & Motor Oil Indy Grand Prix of Sonoma County インフィニオン・レースウェイ カリフォルニア州ソノマ   ライアン・ブリスコー   トニー・カナーン   トニー・カナーン   トニー・カナーン
15 9月11日   Peak Antifreeze & Motor Oil Indy 300 シカゴランド・スピードウェイ イリノイ州ジョリエット   ダニカ・パトリック   ダリオ・フランキッティ   ダン・ウェルドン   ダン・ウェルドン
16 9月25日   Camping World Watkins Glen Grand Prix ワトキンズ・グレン・インターナショナル ニューヨーク州ワトキンズ・グレン   エリオ・カストロネベス   スコット・ディクソン   スコット・ディクソン   スコット・ディクソン
17 10月16日   Toyota Indy 400 カリフォルニア・スピードウェイ カルフォルニア州フォンタナ   ダリオ・フランキッティ   ダン・ウェルドン   トーマス・シェクター   ダリオ・フランキッティ
  オーバル
  市街地/特設コース
  ロード

2005年の参戦チーム・ドライバー 編集

チーム シャシー エンジン No. ドライバー スポンサー 備考
  パンサー・レーシング ダラーラ シボレー 2   トーマス・エンゲ ロックスター ナッシュビルでの負傷のため2戦を欠場
  バディ・ラジアー エンゲに代わってミルウォーキーに参戦
  タウンゼント・ベル エンゲに代わってミシガンに参戦
4   トーマス・シェクター ペンゾイル
95   バディ・ラジアー 950 ESPN AM/ペンゾイル インディ500、ナッシュビル、ミシガン、ケンタッキー、シカゴランドのみ参戦
  マールボロチーム・ペンスキー ダラーラ トヨタ 3   エリオ・カストロネベス マールボロ/モービル1
6   サム・ホーニッシュJr. マールボロ/モービル1
 /  スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング パノス ホンダ 5   エイドリアン・フェルナンデス Investment Properties of America インディ500のみ参戦
8   スコット・シャープ Delphi
55   松浦孝亮 パナソニック/ARTA
  アンドレッティ・グリーン・レーシング ダラーラ ホンダ 7   ブライアン・ハータ XM Satellite Radio
11   トニー・カナーン 7-Eleven  
26   ダン・ウェルドン Klein Tools/ジム・ビーム
27   ダリオ・フランキッティ ArcaEx
  ターゲット チップ・ガナッシ・レーシング パノス トヨタ 9   スコット・ディクソン ターゲット もてぎでダラーラシャシーを使用
10   ダレン・マニング ターゲット ラジアーはミシガン戦の前に解雇されたマニングに代わって参戦。パンターノはラジアーに代わってロードコースで参戦
  ジャック・ラジアー
  ジョルジオ・パンターノ
33   ライアン・ブリスコー ターゲット
  A.J.フォイト・エンタープライズ ダラーラ トヨタ 14   A.J.フォイト4世 Conseco/ABC Supply Company セントピーターズバーグでパノスシャシーを使用。最後の6戦でシボレーエンジンを使用
シボレー   ジェフ・バックナム ABC Supply Company ソノマ、ワトキンズ・グレンのみ参戦
トヨタ 41   ラリー・フォイト ABC Supply Company インディ500のみ参戦
48   フェリペ・ジアフォーネ ABC Supply Company インディ500のみ参戦
48   スコット・メイヤー インディ500 ルーキーオリエンテーションに失格。フェリペ・ジアフォーネが代役で参戦
  レイホール・レターマン・レーシング パノス ホンダ 15   バディ・ライス Argent/パイオニア ブラックはプラクティスで負傷したライスに代わってインディ500のみ参戦
  ケニー・ブラック
16   ダニカ・パトリック Argent/パイオニア
17   ヴィットール・メイラ Centrix/Menards/Johns Manville
  ヴィジョン・レーシング ダラーラ トヨタ 20   エド・カーペンター United Auto Insurance
22   ジェフ・ワード インディ500のみ参戦
  プラヤ・デル・レーシング パノス トヨタ 21   ジャック・ラジアー Action Gaming インディ500のみ参戦
  ドレイヤー&レインボールド・レーシング ダラーラ ホンダ 24   ロジャー安川 Roll Coater
44   ジェフ・バックナム Investment Properties of America もてぎとインディ500のみ参戦
  シアゴ・メデイロス Roll Coater カリフォルニアのプラクティスでクラッシュ、出走せず
  ロス・レーシング ダラーラ シボレー 25   マーティ・ロス インディ500のみ参戦
  ニューマン・ハース・レーシング パノス ホンダ 36   ブルーノ・ジュンケイラ Centrix インディ500のみ参戦
37   セバスチャン・ボーデ Centrix インディ500のみ参戦
  チーバー・レーシング ダラーラ トヨタ 51   アレックス・バロン レッドブル
83   パトリック・カーペンティア レッドブル
  サム・シュミット・モータースポーツ パノス シボレー 70   リッチー・ハーン Meijer/コカ・コーラ インディ500のみ参戦
  ヘメルガーン・レーシング ダラーラ トヨタ 91   ポール・ダナ Ethanol/REMY/LifeFitness カイトはインディ500のプラクティスで背骨を負傷したダナに代わってシーズンの残りに参戦
  ジミー・カイト Ethanol
  カーブ/アガジャニアン/ベック・モータースポーツ ダラーラ シボレー 98   アリー・ルイエンダイクJr. CURB Records インディ500の予選落ち

ポイントランキング 編集

優勝から10位までは順に50-40-35-32-30-28-26-24-22-20のポイントが与えられ、それ以下は18位までは1ポイントずつ減少し、18位から24位まではすべて12ポイント、25位以下はすべて10ポイントが与えられ、最多リードラップに3ポイントのボーナスポイントを総合しタイトルが争われた。 シーズン序盤4戦で3勝と圧倒的な強さを見せたウェルドンが1シーズン最多の6勝を挙げチャンピオンに輝いた。

順位 ドライバー HMS
 
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INDY
 
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PIK
 
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CHI
 
WGL
 
FON
 
ポイント
1   ダン・ウェルドン 1* 6* 1 1 1 6 5 2* 21 5 2 3* 1 18 1* 5 6 628
2   トニー・カナーン 3 3 2 6 8 3 19 1 19* 4 4 20 3 1* 5 2 2 548
3   サム・ホーニッシュJr. 2 1 15 7 23* 2 18 12 2 1* 5 7 2* 17 3 7 5 512
4   ダリオ・フランキッティ 22 4 3 17* 6 8 2 4 1 2 8 18 7 8 12 3 1 498
5   スコット・シャープ 13 5 18 2 7 4 17 6 4 10 7 1 9 12 8 9 4 444
6   エリオ・カストロネベス 5 2 20 11 9 5 1* 8 5 16 21 5 4 21 2 12 9 440
7   ヴィットール・メイラ 4 11 5 15 2 9 20 3 16 9 14 2 5 9 7 18 3 422
8   ブライアン・ハータ 14 7 4 5 3 10 8 15 22 6 1* 19 12 13 14 8 11 397
9   トーマス・シェクター 11 17 17 10 20 1* 4 5 17 3 3 21 14 16 4 20 7* 390
10   パトリック・カーペンティア 7 9 8 13 21 16 3 14 3 7 9 12 10 4 9 10 15 376
11   アレックス・バロン 8 13 10 19 13 14 6 13 15 8 11 4 18 3 21 17 14 329
12   ダニカ・パトリック 15 15 12 4 4 13 10 9 7 19 20 16 8 20 6 16 18 325
13   スコット・ディクソン 16 12 6 21 24 11 22 18 6 13 19 23 16 7 19 1* 10 321
14   松浦孝亮 12 10 13 9 17 7 9 20 14 11 16 8 13 6 23 6 19 320
15   バディ・ライス 19 22 7 3 21 11 10 18 17 22 14 11 2 13 19 12 295
16   トーマス・エンゲ 21 20 16 DNS 19 19 7 11 23 11 6 5 20 13 8 261
17   ロジャー安川 17 18 11 18 18 15 16 22 11 15 18 17 15 11 15 15 16 246
18   エド・カーペンター 18 16 19 16 11 20 12 17 10 12 23 22 19 15 17 14 20 244
19   ライアン・ブリスコー 20 19 14* 12 10 12 21 21 8 DNS 10 13 20 19 22 232
20   A.J.フォイト4世 9 14 21 14 28 18 14 16 12 21 12 9 21 11 21 231
21   ダレン・マニング 6 8 9 8 29 17 15 7 20 20 186
22   ジミー・カイト 32 22 13 19 13 14 13 10 17 18 13 163
23   バディ・ラジアー 5 9 18 6 6 10 140
24   ジャック・ラジアー 16 17 15 DNS 16 17 81
25   ジェフ・バックナム 22 22 10 11 63
26   ジョルジオ・パンターノ 14 4 48
27   ポール・ダナ 10 21 20 44
28   セバスチャン・ボーデ 12 18
29   エイドリアン・フェルナンデス 14 16
30   タウンゼント・ベル 15 15
31   フェリペ・ジアフォーネ 15 15
32   シアゴ・メデイロス DNS 12
33   リッチー・ハーン 25 10
34   ケニー・ブラック 26 10
35   ジェフ・ワード 27 10
36   ブルーノ・ジュンケイラ 30 10
37   マーティ・ロス 31 10
38   ラリー・フォイト 33 10
  アリー・ルイエンダイクJr. DNQ 0
順位 ドライバー HMS
 
PHX
 
STP
 
MOT
 
INDY
 
TXS
 
RIR
 
KAN
 
NSH
 
MIL
 
MIS
 
KTY
 
PIK
 
SNM
 
CHI
 
WGL
 
FON
 
ポイント
結果
金色 優勝
銀色 2位
銅色 3位
4位・5位
水色 6位-10位
青灰色 完走
(11位以下)
リタイヤ
(Ret)
予選落ち
(DNQ)
茶色 撤退
(Wth)
失格
(DSQ)
スタートせず
(DNS)
空欄 欠場
(DNP)
エントリーせず
注釈など
太字 ポールポジション
斜字 ファステストラップ
* 最多リードラップ
(3ポイント)
ルーキーオブザイヤー
ルーキー
順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 DNS
ポイント 50 40 35 32 30 28 26 24 22 20 19 18 17 16 15 14 13 12 12 12 12 12 12 12 10 10 10 10 10 10 10 10 10 12
  • 同ポイントの場合は勝利数が多い方が上位となる。

エンジン・マニファクチャラー 編集

順位 マニファクチャラー ポイント
1 ホンダ 153 -
2 トヨタ 125 -28
3 シボレー 96 -57

シャシー・マニファクチャラー 編集

順位 マニファクチャラー ポイント
1 ダラーラ 164 -
2 パノス 125 -39

関連項目 編集

外部リンク 編集