TREE (CHAGE and ASKAのアルバム)

CHAGE and ASKAの14枚目アルバム
BIG TREEから転送)

TREE』(トゥリー)は、CHAGE&ASKA(現:CHAGE and ASKA)の14作目のオリジナル・アルバム1991年10月10日に発売された。発売元はポニーキャニオン

TREE
CHAGE&ASKAスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ポップ[1]
ブルース[1]
ジャズ[1]
AOR[1]
ファンク[1]
R&B[1]
テクノポップ[1]
ソウルミュージック[2]
時間
レーベル ポニーキャニオン AARD-VARK(1991年・1993年盤)
東芝EMI(1998年盤)
ヤマハミュージックコミュニケーションズ(2001年盤・2009年盤)
プロデュース CHAGE&ASKA
GO YAMAZATO
チャート最高順位
  • 週間1位(3週連続、オリコン
  • 1991年度年間2位(オリコン)
  • 1992年度年間24位(オリコン)
  • オリコン歴代アルバムランキング52位
ゴールドディスク
CHAGE&ASKA アルバム 年表
SEE YA
(1990年)
TREE
(1991年)
SUPER BEST II
(1992年)
『TREE』収録のシングル
  1. SAY YES
    リリース: 1991年7月24日
  2. 僕はこの瞳で嘘をつく
    リリース: 1991年11月21日
ミュージックビデオ
「僕はこの瞳で嘘をつく」 - YouTube
「SAY YES」 - YouTube
「夜のうちに」 - YouTube
「CATCH & RELEASE」 - YouTube
「BIG TREE」 - YouTube
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1993年12月17日はAPO-CDとして、1998年3月11日2001年6月20日CDとして、2009年10月21日SHM-CDとして再発売された。

背景・リリース 編集

前作『SEE YA』から、約1年1か月ぶりに発売されたオリジナル・アルバム[4]。決まっていた発売日を延期して、一度完成されていたアルバムに2曲(「CAT WALK」「tomorrow」)を加えて一部ボーカルの差し替えを行い、ミックスの再調整を経てようやく発売された。

1991年11月21日には「僕はこの瞳で嘘をつく」がシングルカットされ、アルバム収録曲のダイジェスト版「TREE Digest」がカップリングに収録された。

初回限定盤はスリーブ・ケース、ブックレット封入。2009年10月21日には、紙ジャケット・シリーズの一環としてSHM-CD仕様でヤマハミュージックコミュニケーションズより再発売された。

アートワーク 編集

ジャケットのデザインは写真家の西本和民が手がけ、西本は「BIG TREE」を聞いて、心の中にある“BIG TREE“を人の手で表現している。このジャケットを見たASKAは感銘を受けたことを公言している[5][6]

ツアー 編集

1991年9月から行われていた全国ツアー『CONCERT TOUR'91~'92 “SAY YES”』の最中に発売された作品であるが、1992年3月からは本作を引っ提げ、全国ツアー『CONCERT TOUR 1992 “BIG TREE”』が開催された。なお、両方のライブは人気によってライブチケットが入手困難となっていた[7][8]

受賞歴 編集

チャート成績 編集

シングル「SAY YES」の勢いが続いている最中に発売された本作は、オリコンによる初動売上枚数が99.6万枚でアルバムランキング1位となった。これは当時の同社調べのアルバム初動売上枚数としては歴代1位となる記録であった[10]

また「SAY YES」と本作は、同年10月21日付と10月28日付の2週にわたりシングル・アルバムチャートの両部門で1位を独占している。

1991年11月18日にはポニーキャニオン発表による出荷枚数が200万枚を超えた[10]

発売13週目となる1992年1月13日付のオリコンランキングにて、累計売上枚数が200万枚を突破した[11]。オリコン調査によるアルバム売上として、初の200万枚突破した作品となった[12][注釈 1]。累計売上枚数は最終的に235.1万枚(オリコン調べ)を記録し、自身のオリジナル・アルバムの中では最大売上である。また、2組ボーカルユニットとしてのアルバム売上で本作は歴代4位を記録している[13]

収録曲 編集

一覧 編集

#タイトル作詞作曲編曲時間
1.僕はこの瞳で嘘をつく飛鳥涼飛鳥涼十川知司
2.SAY YES飛鳥涼飛鳥涼十川知司
3.クルミを割れた日飛鳥涼飛鳥涼十川知司
4.CAT WALKCHAGECHAGE村上啓介
5.夜のうちに飛鳥涼飛鳥涼澤近泰輔
6.MOZART VIRUS DAY飛鳥涼CHAGE&ASKA飛鳥涼・澤近泰輔
7.誰かさん〜CLOSE YOUR EYES〜CHAGECHAGE十川知司
8.明け方の君飛鳥涼飛鳥涼十川知司
9.CATCH & RELEASECHAGECHAGE澤近泰輔
10.BAD NEWS GOOD NEWS青木せい子CHAGE十川知司
11.BIG TREE飛鳥涼飛鳥涼飛鳥涼・澤近泰輔
12.tomorrow飛鳥涼飛鳥涼佐藤準
合計時間:

楽曲解説 編集

  1. 僕はこの瞳で嘘をつく
    1991年11月21日に28枚目シングルとしてシングルカットされた。
  2. SAY YES
    1991年7月24日に発売された27枚目シングルであるが、本作ではアルバムバージョンとして収録されている。
    シングルバージョンとの違いは、ミキシングがやり直されて音圧が低くなり、曲のほぼ全編にリズムギターが導入され、間奏の最後にシンセサイザーの音色が追加されている点である。
  3. クルミを割れた日
    2002年に発売されたセルフカバー・アルバム『STAMP』に収録されている。実は本作には最後まで入れたくなかった曲だと言う。「コードひとつ、ふたつがメロディを殺してしまってるところがある。レコーディングした後にこの曲を外したいってギリギリまで抵抗したんだけど、まわりのスタッフにはそういう感覚はなくて、ただ、いい!と言う」[14]つまり、ASKA自身は曲が未完だと思っていたのにスタッフが推して収録された為、心残りがあったのである。その為『STAMP』にはASKAが未完とした部分をアレンジして完成させて収録している。
  4. CAT WALK
    4ビートのリズムパターンで展開しているマイナー曲調の楽曲。
    当初歌詞は恋愛ものを書こうとしていたが、ありきたりになる気がしたことから、"第三者がある状況を見て語る" という内容で書かれた[15]
  5. 夜のうちに
    恋愛中にふと思う、不安な気持ちになる瞬間を歌った楽曲[15]
  6. MOZART VIRUS DAY
    Aメロ・BメロをCHAGE、Cメロ・DメロをASKAが作曲した楽曲[15]
    歌詞は、曲のアイデアがどんどん浮かんでくる日を表現しており、それを "体の中にモーツァルト菌が入り込んだような状態" としている[15]
  7. 誰かさん〜CLOSE YOUR EYES〜
    CHAGEとASKA出演の国内信販「KCカード」CMソング。
    キミでもなく、アナタでもなく、あのコでもなく、"誰かさん" という言葉にして詞のイメージを拡げていったという[15]
    1994年に発売された2枚組アルバム『Yin&Yang』、1999年に台湾で発売されたベスト・アルバム倆角形 Duet Angle 20th anniversary』CHAGE SIDEにも収録されている。
  8. 明け方の君
    昔の恋が残像として蘇って来る様子を表現した楽曲であり、ASKAは「天気予報の恋人」「DO YA DO」「恋人はワイン色」などと一連の色をもった楽曲と位置付けている[15]
    1999年に台湾で発売されたベスト・アルバム『倆角形 Duet Angle 20th anniversary』ASKA SIDEにも収録されている。
    2010年にASKAがアルバム『君の知らない君の歌』でセルフカバーしている。
  9. CATCH & RELEASE
    ミュージック・ビデオが制作されている。
    釣りの行為であるキャッチ・アンド・リリースをタイトルにしており、この言葉を男女関係に置き換えて歌っている[15]
    1994年に発売された2枚組アルバム『Yin&Yang』にも収録されている。
  10. BAD NEWS GOOD NEWS
    仕事や時間に追われるといった"切羽詰った状態"を楽曲にしたもので、歌詞についてCHAGEは自身が想像したイメージと合わず、イメージに合わせるため青木に4・5回書き直してもらったと述べている[15]
  11. BIG TREE
    パナソニック CMソング。
    人の心に根ざしたものを表現したく、"木" がそびえ立つ風景を描いており、アルバムの核になるよう意識した楽曲である[15]
    チャゲアスのブームになったことで、ASKAは「チャゲアスの活動の歴史が語られる日が訪れると信じて、一世一代とも言える大きな曲を書いてみよう」という想いから作詞したことを公言している[5]。サビの「君はみたか」は、テレビドラマ『君は海を見たか』から影響されている[5]
    1994年に発売された2枚組アルバム『Yin&Yang』にも収録されている。
    1991年10月25日放送ニッポン放送ラジオドラマ『沈黙の艦隊』主題歌。
  12. tomorrow
    1994年に発売された2枚組アルバム『Yin&Yang』、2004年に発売されたバラッド集『THE STORY of BALLAD II』、2008年にアジア圏で発売されたベスト・アルバム『Asian Communications Best』にも収録されている。

参加ミュージシャン 編集

『TREE』(映像作品) 編集

TREE
CHAGE&ASKAミュージック・ビデオ
リリース
ジャンル ポップ
レーベル ポニーキャニオン
AARD-VARK
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
CHAGE&ASKA 映像作品 年表
太陽と埃の中で I

太陽と埃の中で II
(1991年)
TREE
(1991年)
Go to Eleven 〜GUYS〜
1992年
ミュージックビデオ
「TREE」DVD プロモーション映像 - YouTube
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本作関連のミュージック・ビデオ集が1991年11月21日VHSで、12月15日LDで発売された(現在は廃盤)。

2020年8月5日DVDとして、ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスから再発売された。

背景(MV) 編集

VHS盤はアルバムからリカットされたシングル「僕はこの瞳で嘘をつく」と同時発売された。

アルバム収録曲に加えて、ASKAがソロで発売した「はじまりはいつも雨」のMVも収録されている。

収録曲 編集

  1. SAY YES
  2. CATCH & RELEASE
  3. 夜のうちに
  4. 僕はこの瞳で嘘をつく
  5. BIG TREE
  6. はじまりはいつも雨

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ なおアルバムの出荷枚数として、日本初の200万枚突破した作品は松任谷由実の『天国のドア』である(詳細はリンク先を参照)。

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g アジアを代表するデュオ、CHAGE and ASKAが彼らの時代を創造した『TREE』 OKMusic 2019年9月18日配信, 2021年5月22日閲覧
  2. ^ CHAGE&ASKA 「僕はこの瞳で嘘をつく」を、ASKAは宮本武蔵『「五輪書』の「水の巻」を読んで書いた”という説 WHAT's IN? tokyo 2019年4月5日配信, 2021年5月19日閲覧。
  3. ^ The Record vol.442 p4 日本レコード協会 2020年10月13日閲覧
  4. ^ ALBUM|DISCOGRAPHY CHAGE and ASKA Official Web Site 2021年5月25日閲覧
  5. ^ a b c TOKYO FM「Terminal Melody」15回目放送 (3)~「BIG TREE」 ASKA Official Web Site 2021年5月22日配信, 2021年5月22日閲覧
  6. ^ 『TREE』歌詞ブックレット staffクレジット欄より。
  7. ^ CHAGE&ASKA 1992年5月3日 大阪城ホールでの勇姿 WHAT's IN? tokyo 2019年4月12日配信, 2021年6月1日閲覧。
  8. ^ 1990〜1999年|HISTORY CHAGE and ASKA Official Web Site 2021年5月25日閲覧
  9. ^ 第6回日本ゴールドディスク大賞 日本ゴールドディスク大賞 2018年11月23日閲覧
  10. ^ a b 「邦楽ヒットアルバム 200万枚時代が来た?」『日本経済新聞』1991年11月25日付夕刊、14頁。
  11. ^ コブクロが快挙! デュオ史上3組目のアルバム200万枚突破!! オリコン 2007年3月12日配信, 2020年6月4日閲覧
  12. ^ CHAGE&ASKA-ORICON STYLE WM ミュージック 2022年1月21日閲覧。
  13. ^ 【オリコン】コブクロ、アルバム作品別総売上枚数で2人組ボーカル歴代1位に! オリコン 2016年3月27日閲覧
  14. ^ 『STAMP』CHAGE and ASKA Official Web Site 『STAMP』楽曲コメント
  15. ^ a b c d e f g h i 『TREE』 CHAGE and ASKA Official Web Site 2021年5月19日閲覧

外部リンク 編集