DMG森精機

日本の東京都江東区にある工作機械メーカー

DMG森精機株式会社(ディーエムジーもりせいき、: DMG MORI Co.,Ltd.)は、世界最大手の工作機械製造会社[1][2]数値制御(NC)旋盤マシニングセンタ(MC)で強みを持つ。2013年9月までの旧社名は株式会社森精機製作所(もりせいきせいさくしょ)。ドイツ企業ギルデマイスターグループ(DMG)と2009年から資本提携を含む経営統合を始め、2015年に完全子会社化した[1]

DMG森精機株式会社
DMG MORI Co.,Ltd.
DMG森精機ロゴ
東京グローバルヘッドクォータ
東京グローバルヘッドクォータ
種類 株式会社
市場情報
東証プライム 6141
1981年11月20日上場
本社所在地 日本の旗 日本
135-0052
東京都江東区潮見2-3-23
北緯35度39分26.7秒 東経139度49分0.2秒 / 北緯35.657417度 東経139.816722度 / 35.657417; 139.816722座標: 北緯35度39分26.7秒 東経139度49分0.2秒 / 北緯35.657417度 東経139.816722度 / 35.657417; 139.816722
本店所在地 639-1160
奈良県大和郡山市北郡山町106番地
北緯34度39分20.7秒 東経135度47分4.6秒 / 北緯34.655750度 東経135.784611度 / 34.655750; 135.784611
設立 1948年昭和23年)10月26日
業種 機械
法人番号 1150001006212 ウィキデータを編集
事業内容 工作機械の製造・販売
代表者
資本金 511億円
発行済株式総数 125,095,913株(自己株式857,770株を除く)
総資産
  • 5,265億円
(2020年12月期)
従業員数
  • 連結:12,160名
(2020年12月31日現在)
決算期 毎年12月31日
主要子会社
外部リンク https://www.dmgmori.co.jp/
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本社は愛知県名古屋市に、グローバルヘッドクォータは東京都江東区潮見にあるが、2022年7月に奈良市に本社を移転して、リスク分散のため東京との2本社体制に移行する予定である[広報 1]

ヤマザキマザックオークマジェイテクトと共に日系四大工作機械メーカーの一つである。

概要編集

主にコンピュータ数値制御(CNC)旋盤やマシニングセンタの、ともに中型機を手掛けている。工作機械製造会社としての歴史は古くないが、機械工作の主流がNC加工へと移って以降に急伸した。

以下のように世界各地に開発・生産拠点を構えている。

歴史編集

1948年昭和23年)に奈良県大和郡山市で創業した。当初は繊維機械を製造していたものの、1958年(昭和33年)に工作機械製造へ進出し、1968年(昭和43年)には数値制御式(NC)旋盤の製造を始めた。

1990年代初頭には、工作機械業界での発言力を強める狙いもあって同業の大阪機工(現・OKK)の株式を買い占め、経営権を握ろうとしたことがあるが、激しい抵抗に遭ったため断念した。

2001年平成13年)5月には、独創的なCNC立形研削盤で知られていた太陽工機が傘下入りし、2002年(平成14年)には経営の行き詰まった日立精機の事業を吸収するなど、積極的に事業の拡大を図っているほか、2000年(平成12年)にはツガミの自動旋盤のヨーロッパにおける販売を受託する提携を行なっている。

2004年(平成16年)10月には、経営企画・営業などの本社機能を大和郡山市から愛知県名古屋市へ移転した。

本社機能移転の理由としては、

  1. 交通至便な名古屋駅前という立地は、全国各地からのアクセスが容易であり、千葉事業所からのアクセスも良いこと
  2. 主力の伊賀事業所から近く、ビジネス上も有利である上、伊賀事業所が名古屋と奈良事業所のほぼ中間に位置し、連携がスムーズに行えること
  3. かねてから経済的に好調な東海地方に取引先が多く、その東海地方には自動車セラミック電子航空機部品メーカーなどの納入先や鋳物などのサプライヤーが多数存在するため、成長の可能性や将来性が期待できること

などを挙げている。

2005年(平成17年)2月には、伊賀事業所付近に三重交通高速バスバス停留所(御代インター森精機前)が新設され、名古屋駅(名鉄バスセンター)から72分と、伊賀事業所への公共交通でのアクセスが非常に良くなったほか、愛知県常滑市中部国際空港が開港し、同空港から本社まで車で約35分、伊賀事業所まで車で約75分と便利になった。

2005年(平成17年)4月には、CNC旋盤における「ビルトインモータ・タレット」の開発において、2004年度日本機械学会賞(技術)を受賞した。2009年(平成21年)3月、ヨーロッパ最大手の工作機械メーカー、ギルデマイスターグループ(DMGブランド)と資本提携。2010年(平成22年)3月末には、ソニーの子会社であるソニーマニュファクチュアリングシステムズから計測機器事業を買収し、株式会社マグネスケールを設立した[広報 2]

団塊の世代定年退職、いわゆる2007年問題に対応するため、2004年度(平成16年度)から新卒者の採用を拡大したほか、学生に対する知名度を上げる狙いもあって、2005年(平成17年)10月7日からはテレビCMを放映している。

2013年(平成25年)3月、ギルデマイスターグループとの提携強化の一環として社名を「DMG森精機株式会社」に変更することを発表し、同年10月1日付けで変更した。なおギルデマイスター社(GILDEMEISTER AKTIENGESELLSCHAFT)も社名を「DMG MORI SEIKI AKTIENGESELLSCHAFT」に変更している[広報 3]

2014年(平成26年)7月、東京都江東区潮見にグローバルヘッドクォータ(グローバル本社)を開設した。

2015年(平成27年)3月25日までの株式公開買い付け(TOB)で目標にしていた保有割合50%を超え[3]、同年5月付けで独DMG MORI SEIKIを子会社化した[4]。これにより世界最大の工作機械メーカーとなった[5]

2015年(平成27年)4月1日には、アマダマシンツールより旋盤事業を譲り受けた[広報 4]

2016年(平成28年)8月、鳥人間コンテスト人力プロペラ機部門にバードマンハウス伊賀(DMG森精機のクラブチーム)として初出場して3位入賞(記録は17854.09m)。2017年(平成29年)8月、鳥人間コンテストに2年連続出場。現行ルール上初の往復で40kmを達成して初優勝[6]。2019年(令和元年)8月、前年のコンテスト中止を挟み、かつ往復距離が60kmに変更された中で周回を達成し、2回目の優勝を遂げた。

主要製品編集

  • CNC旋盤
  • 高速精密旋盤
  • ターニングセンタ
  • マシニングセンタ

事業所編集

関連会社編集

提供番組編集

現在
過去

単独提供番組編集

小林克也DJもしくはVJを担当する番組が多い。

広告編集

CM編集

  • 「ある冒険家の場合」篇ほか

モータースポーツ編集

サッカー編集

ヨット編集

  • 2018年、日本初のプロフェッショナル外洋セーリングチーム「DMG MORI SAILING TEAM」のオーナーとなる。白石康次郎が同チームのスキッパーを務め、単独無寄港無補給世界一周「ヴァンデ・グローブ」に挑戦している。

労働災害編集

社員の過労自殺編集

2020年5月、DMG森精機に技術職として勤めていた入社2年目の男性社員(当時24歳)が2018年12月に自殺し、奈良労働基準監督署2020年4月16日付で過労自殺として労災認定していたことがわかった[10]。死の直前には1か月の時間外労働が120時間を超え、精神障害が原因と認めた[11]

遺族の代理人弁護士によると、男性は2017年4月に新卒で入社し、2018年7月に東京から奈良県大和郡山市の事業所に転勤。工作機械の制御設計を担当し、事業所では工作機械ロボットのプログラムを作成、約55キロ離れた伊賀事業所(三重県伊賀市)でロボットにインストールする業務を行っていた[11]

2018年9月頃から労働時間が長くなり、亡くなる直前の1か月間の時間外労働時間は「過労死ライン」の月100時間を超える124時間に上った[12]。奈良県の事業所と三重県伊賀市の事業所を往復2時間かけて頻繁に車で往復し、午前7時頃から翌日午前3時頃まで働き続ける日もあった[10][11]
当時より制度上存在していた「勤務間インターバル制度」は実質機能していなかった[13]

上司からは「残業が60時間を超えると査定に響く」と言われるなど、パワハラともいえる事情もあったといい[12]、自殺の1か月前の深夜には「疲れたよ、死にたいよ」という独り言が自室のスマートスピーカーに録音されていた[11]
その後、責任の所在は明らかにされていない。

DMG森精機では、事案を認知した翌日(2018年12月14日)より、「勤務間インターバル12時間・12時間以上の在社禁止」という社内ルールを設け、過重労働を発生させない取り組みを再構築した。

更に、2020年1月1日からは、上述のインターバル制を「在社時間11時間未満・インターバル12時間」に強化するとともに、年間労働時間を2100時間までしか認めない新ルールの運用を開始した。

また、これらの制度の運用を徹底するために、入退室を管理するセキュリティゲートの設置、休日を含むインターバル時間外のPCの使用ロックなどの物理的な制約の導入のほか、労働時間を日々チェックする担当者の任命など、実効性を担保するための様々な施策を講じている[広報 6]

2021年1月には、『DMG森精機 健康経営宣言』を発表し、経営理念に掲げている「よく遊び、よく学び、よく働き」を体現する社員の、健康の維持・増進に向けて取り組んでいる[広報 7]

一方、男性が亡くなった2018年にも社長の森雅彦は『日本経済新聞』にて、
「月平均残業時間は2015年が34時間だったのに対し、2017年は20時間と短くなっています。年間総労働時間も2017年は2000時間強なので、2015年の2400時間に比べればだいぶ短くなりました。」[14]と、
また『朝日新聞』では「月の残業時間は20時間以内に抑えられている。残業を減らすには、上から呼びかけるしかない。先日も経営陣を集めた会議で「開発計画が遅れてもいいから残業はするな」と指示しました。」[15]とコメントしていた。

脚注編集

[脚注の使い方]

出典編集

  1. ^ a b 森雅彦(DMG森精機社長)×河合江理子(京都大学教授)「 異文化マネジメントを成功させるために必要なこと」ハーバード・ビジネス・レビュー(2021年1月5日)2022年6月2日閲覧
  2. ^ 石井宏樹 (2016年9月10日). “IoTで工場生産性向上 森精機と日本マイクロソフト 安全なデータ送信 共同開発”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 朝刊 9 
  3. ^ “森精機 独大手へのTOB成立”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 朝刊 11. (2015年4月1日) 
  4. ^ “DMG森精機は国内、欧州で好調 12月期決算”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 朝刊 9. (2016年2月11日) 
  5. ^ 「DMG森精機、独社へのTOB終了 出資比率52.54%に」日本経済新聞
  6. ^ 第40回鳥人間コンテスト2017大会新記録で初優勝!
  7. ^ "ポルシェ919のスポンサーにDMG森精機。カラー流出 page1/2". オートスポーツweb.(2014年3月4日)2015年11月23日閲覧
  8. ^ "WELCOME TO THE MACHINE" Aston Martin Red Bull Racing(2018年9月19日)2018年10月19日閲覧
  9. ^ 奈良クラブ2018シーズン パートナー・奈良クラブ公式サイト・2018年3月12日閲覧
  10. ^ a b “DMG森精機2年目社員の自殺「労災」 奈良労基署”. 日本経済新聞. (2020年5月12日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58992650S0A510C2CN8000/ 
  11. ^ a b c d “工作機械大手DMG森精機の社員自殺を労災認定 時間外労働が月120時間超え”. 毎日新聞. (2020年5月12日). https://mainichi.jp/articles/20200512/k00/00m/040/230000c 
  12. ^ a b “社員寮での男性自殺、労災と認定…直前1か月間「残業124時間」”. 読売新聞. (2020年5月15日). https://www.yomiuri.co.jp/national/20200513-OYT1T50352/ 
  13. ^ “2018年度 第71期第3四半期報告書”. DMG森精機株式会社. (2018年11月12日). https://www.dmgmori.co.jp/corporate/ir/ir_library/pdf/71yuho_3q.pdf 
  14. ^ “「有休取得増、残業減で効果実感」DMG森精機社長”. 日本経済新聞. (2018年3月23日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27498240Y8A220C1000000/ 
  15. ^ “「開発計画が遅れても、残業はするな」 DMG森精機社長”. 朝日新聞. (2018年6月18日). https://www.asahi.com/articles/ASL653TYGL65OIPE00G.html 

広報資料・プレスリリースなど一次資料編集

  1. ^ 2022年7月 創業地奈良へ本社移転 奈良と東京の二本社制導入のお知らせ DMG森精機(2022年3月22日)2022年6月2日閲覧
  2. ^ (株)森精機製作所のソニーマニュファクチュアリングシステムズ(株)の計測機器事業譲受に関する子会社化完了のお知らせ 株式会社森精機製作所・IRトピックス(2010年3月31日)
  3. ^ 10 月1 日、「株式会社森精機製作所」から 「DMG 森精機株式会社」へ DMG森精機プレスリリース(2013年9月30日)
  4. ^ 株式会社アマダ 旋盤事業譲受けについて”. DMG森精機株式会社 (2014年10月27日). 2014年10月28日閲覧。
  5. ^ "トヨタ自動車とパートナーシップを締結 -FIA 世界ラリー選手権(WRC)での協力関係で合意- " プレスリリース(2016年9月30日)2018年10月19日閲覧
  6. ^ 過重労働問題の再発防止に向けた取り組みについて”. DMG森精機株式会社 (2020年10月1日). 2020年10月1日閲覧。
  7. ^ 「DMG 森精機 健康経営宣言」心身ともに健康に働ける職場づくりをより一層推進”. DMG森精機株式会社 (2021年1月28日). 2021年1月28日閲覧。

外部リンク編集