いかづち (護衛艦・2代)

いかづちローマ字JS Ikazuchi, DD-107)は、海上自衛隊護衛艦むらさめ型護衛艦の7番艦。艦名は「」(稲妻が雷の閃光を意味するのに対して、雷鳴を意味する)に由来する。この名を受け継ぐ日本の艦艇としては旧海軍の雷型駆逐艦」、吹雪型駆逐艦」、海上自衛隊のいかづち型護衛艦いかづち」に続き4代目。

いかづち
JS Ikazuchi(DD-107).jpg
基本情報
建造所 日立造船舞鶴工場
運用者  海上自衛隊
艦種 汎用護衛艦(DD)
級名 むらさめ型護衛艦
母港 横須賀
所属 第1護衛隊群第1護衛隊
艦歴
発注 1996年
起工 1998年2月25日
進水 1999年6月24日
就役 2001年3月14日
要目
基準排水量 4,550[t]
満載排水量 6,100t
全長 151m
最大幅 17.4m
深さ 10.9m
吃水 5.2m
機関 COGAG方式
主機 IHILM2500ガスタービン × 2基
川崎スペイSM1C × 2基
出力 60,000PS
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
最大速力 30ノット
乗員 165名
兵装 62口径76mm単装速射砲 × 1門
Mk.15 Mod12 高性能20mm機関砲(CIWS) × 2基
90式艦対艦誘導弾 (SSM-1B)/ ハープーン4連装発射筒 × 2基
Mk.41 Mod6 VLS (VLA SUM) × 16セル
Mk.48 Mod4 VLS (ESSM 短SAM) × 16セル
HOS-302 3連装短魚雷発射管 × 2基
搭載機 SH-60J/K 哨戒ヘリコプター × 1/2機
C4ISTAR OYQ-9B 戦術情報処理装置
OYQ-103 対潜情報処理装置
レーダー OPS-24B 対空
OPS-28D 水上
OPS-20 航海用
81式射撃指揮装置2型-31 × 2基
ソナー OQS-5
OQR-2C 曳航式
電子戦
対抗手段
NOLQ-3-1 電波探知妨害装置
Mk.137 デコイ発射機 × 4基
その他 SLQ-25 対魚雷デコイ
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本記事は、本艦の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはむらさめ型護衛艦を参照されたい。

艦歴編集

「いかづち」は、中期防衛力整備計画に基づく平成8年度計画4,400トン型護衛艦2236号艦として、日立造船舞鶴工場で1998年2月25日に起工され、1999年6月24日に進水、2001年3月14日に就役し、第1護衛隊群第5護衛隊に編入され横須賀に配備された。

2002年環太平洋合同演習 (RIMPAC)に参加。

2003年2月3日から3月28日にかけて輸送艦しもきた」とともにテロ対策特別措置法に基づく海上輸送部隊としてタイ王国の建設用重機等の輸送任務に従事した。

2003年3月13日、第1護衛隊群第1護衛隊に編入された。

2005年7月26日、テロ対策特別措置法に基づき、補給艦はまな」と共にインド洋に派遣、同年11月まで任務に従事し、12月27日に帰国した。この派遣以降は2隻派遣体制となる。

同年7月30日、公開された映画「亡国のイージス」に護衛艦「うらかぜ」役で出演する。

2007年4月16日房総半島南方沖で護衛艦「きりしま」、「むらさめ」、「たかなみ」と共にインド海軍デリー級ミサイル駆逐艦マイソール」等と米印両海軍との初の3ヶ国共同訓練を実施した。

同年11月29日、東京晴海ふ頭中国人民解放軍海軍としては初の寄港中の駆逐艦「深圳」の乗組員が訪問する。

2008年3月26日、護衛隊改編により第1護衛隊群第5護衛隊に編入された。

同年4月20日新テロ特措法に基づき、補給艦「ましゅう」と共にインド洋に派遣、同年7月まで任務に従事し、9月4日に帰国した。

2009年11月9日、新テロ特措法に基づき、補給艦「ましゅう」と共にインド洋に派遣されたが、2010年1月15日に新テロ特措法が失効したことに伴い活動が終了し、2010年2月6日東京港晴海埠頭に帰国した[1]

2011年3月16日、編成替えにより第1護衛隊群第1護衛隊に編入された。

2012年5月11日第12次派遣海賊対処行動水上部隊としてソマリア沖に向けて横須賀から出航、僚艦となる護衛艦「さわぎり」とは途中で合流し約3週間後から任務を開始し[2]、同年7月1日には日中印の三カ国協同による護衛編隊が組まれる[3]。8月30日にはアタランタ作戦を実施している作戦部隊司令官エンリコ・クレデンディーノ伊海軍少将一行の訪問を受ける[4]。同年10月25日、横須賀に帰港した。

2015年3月18日、第21次派遣海賊対処行動水上部隊として護衛艦「むらさめ」と共にソマリア沖・アデン湾に向けて横須賀基地から出航[5]、同年7月まで任務に従事し、その帰国途上の8月19日にはマレーシア西方海域にてマレーシア海軍との親善訓練を実施し[6]8月30日に横須賀に帰港した[7]

2016年5月26日から5月27日に開催される伊勢志摩サミットの警戒監視のため、護衛艦「いずも」等と共に金城埠頭に入港した[8]

2018年8月5日、第31次派遣海賊対処行動水上部隊としてソマリア沖・アデン湾に向けて横須賀基地から出航した[9]2019年1月6日に32次隊の護衛艦「さみだれ」に任務を引き継ぎ、帰国途上の1月8日にはパキスタンカラチに寄港し、1月10日にはパキスタン海軍駆逐艦タリク」と親善訓練を実施した[10]。1月27日から1月31日までフィリピンマニラに寄港し、同港及び同周辺海空域においてフィリピン海軍と親善行事やC-90航空機及び沿岸警備艇「ネストー・レイノソ」と捜索救難訓練等を、コルベットエミリオ・ハシント」と戦術運動等の共同訓練を実施した[11]。2月9日、帰国[12]

2020年8月15日から18日にかけて、沖縄南方海空域において米海軍空母ロナルド・レーガン」ほか、艦艇数隻と共同訓練を実施した[13]

同年9月7日から10月17日にかけて「かが」とともに令和2年度インド太平洋方面派遣訓練に参加し、インド太平洋地域の各国海軍等との共同訓練等を実施する[14]。9月13日から17日の間は南シナ海においてオーストラリア海軍駆逐艦「ホバート」、補給艦「シリウス」と日豪共同訓練を実施[15]。9月24日にはコロンボ港周辺海空域においてスリランカ海軍哨戒艦ガジャバフ」と日スリランカ共同訓練(JA-LAN EX)を[16]、9月26日から28日の間はインド西方海空域においてインド海軍駆逐艦「チェンナイ」、フリゲート「タルカシュ」、補給艦「ディパック」及び航空機と日印共同訓練(JIMEX)を実施した[17]。10月9日には南シナ海において潜水艦「しょうりゅう」と対潜戦訓練を[18]、10月12日には同海域において米海軍駆逐艦「ジョン・S・マケイン」、補給艦「ティピカヌー」と日米共同訓練を実施した[19]

2021年9月18日から24日にかけて、沖縄南方海空域において護衛艦「ちょうかい」とともに日米共同訓練を実施した。米海軍からは空母「カール・ヴィンソン」、駆逐艦「チャフィー」、巡洋艦「レイク・シャンプレーン」、補給艦「ラパハノック」が参加し、防空戦、対潜戦、洋上補給、通信訓練等を実施した[20]

第1護衛隊群第1護衛隊に所属し、定係港は横須賀である。

歴代艦長編集

歴代艦長(特記ない限り2等海佐
氏名 在任期間 出身校・期 前職 後職 備考
1 江﨑哲夫 2001.3.14 - 2002.8.19 防大21期 いかづち艤装員長 大湊地方総監部管理部総務課長
2 田中博敏 2002.8.20 - 2003.9.21 防大21期 しらせ運用長 おおすみ副長
3 高草洋一 2003.9.22 - 2005.3.24 防大22期 情報本部 海上幕僚監部調査部調査課
調査第3班長
4 工藤修一郎 2005.3.25 - 2005.7.6 防大28期 やまぎり艦長  
5 毛利正人 2005.7.7 - 2005.11.23   呉地方総監部防衛部
第1幕僚室長 兼 第5幕僚室長
 
6 宮﨑 守 2005.11.24 - 2008.2.15   情報本部 海上幕僚監部副監察官
7 村田耕一 2008.2.16 - 2009.9.9 防大26期 海上幕僚監部指揮通信情報部
指揮通信課
護衛艦隊司令部幕僚
8 梅崎時彦 2009.9.10 - 2011.3.24 防大29期 護衛艦隊司令部幕僚 呉地方総監部監察官
9 鈴木雅博 2011.3.25 - 2012.12.3 防大29期 海上自衛隊第1術科学校
教官 兼 研究部員
はたかぜ艦長
10 宮路貴幸 2012.12.4 - 2014.3.23 防大33期 海上幕僚監部防衛部
装備体系課
てるづき艦長
11 外園和治 2014.3.24 - 2015.12.21 防大33期 護衛艦隊司令部 海上自衛隊第1術科学校教官
12 北口周右 2015.12.22 - 2017.7.19 かしま副長 自衛艦隊司令部
13 小泉正弘 2017.7.20 - 2017.11.1 防大43期 海上訓練指導隊群司令部付
14 櫻井 敦 2017.11.2 - 2019.3.19 艦艇開発隊 海上自衛隊幹部候補生学校第1学生隊長
15 水野達彦 2019.3.20 - 2020.4.7 防大46期 第4護衛隊群司令部幕僚 海上幕僚監部人事教育部補任課
16 杉山靖浩 2020.4.8 - 2021.8.31 きりしま砲雷長 兼 副長 むろと艦長 2021.1.1
1等海佐昇任
17 村田光崇 2021.9.1 - 自衛艦隊司令部幕僚

ギャラリー編集

脚注編集

  1. ^ 朝雲新聞インド洋補給支援 最後の2艦が帰国「誇りに思う」と首相2010年2月11日
  2. ^ カナコロ 海自護衛艦「いかづち」ソマリア沖へ、海賊対策で出港/横須賀 2012年5月11日
  3. ^ レコードチャイナ 日中印が船舶護衛で協力、中国の実用主義思想を反映 - 米メディア 7月5日
  4. ^ EU Naval Force Commander Visits Japanese Anti-Piracy Escort Ship
  5. ^ 派遣海賊対処行動水上部隊の交代について (PDF)
  6. ^ マレーシア海軍との親善訓練の実施について (PDF)
  7. ^ アデン湾における派遣海賊対処行動に従事した艦艇の入港について (PDF)
  8. ^ 海自最大の護衛艦も投入 全長248メートル、ヘリ5機が同時発着可能 三重・志摩沖を警戒” (2016年5月23日). 2018年10月16日閲覧。
  9. ^ 派遣海賊対処行動水上部隊の交代について (PDF)
  10. ^ パキスタン海軍との親善行事及び共同訓練の実施について (PDF)
  11. ^ フィリピン海軍との親善行事及び共同訓練の実施について (PDF)
  12. ^ アデン湾における派遣海賊対処行動に従事した艦艇の入港について 日米共同訓練について (PDF)
  13. ^ 日米共同訓練について (PDF)
  14. ^ 令和2年度インド太平洋方面派遣訓練の実施について (PDF)
  15. ^ 日豪共同訓練について (PDF)
  16. ^ 日スリランカ共同訓練(JA-LAN EX)について (PDF)
  17. ^ 日印共同訓練(JIMEX)について (PDF)
  18. ^ 対潜戦訓練について (PDF)
  19. ^ 日米共同訓練について (PDF)
  20. ^ 日米共同訓練について海上幕僚監部(令和3年10月1日) (PDF)

参考文献編集

  • 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
  • 世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)
  • 『世界の艦船』第750号(海人社、2011年11月号)

外部リンク編集