えりも町
えりも町(えりもちょう)は、北海道南部、日高振興局管内にある町。1町で幌泉郡をなしている。北海道主部における最南端である襟裳岬がある。
えりもちょう えりも町 | |||
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国 |
![]() | ||
地方 | 北海道地方 | ||
都道府県 | 北海道(日高振興局) | ||
郡 | 幌泉郡 | ||
市町村コード | 01609-8 | ||
法人番号 |
2000020016098 ![]() | ||
面積 |
284.00km2 | ||
総人口 |
4,516人 [編集] (住民基本台帳人口、2020年12月31日) | ||
人口密度 | 15.9人/km2 | ||
隣接自治体 | 様似郡様似町、広尾郡広尾町 | ||
町の木 | エゾヤマツツジ | ||
町の花 | エリモシャクナゲ | ||
他のシンボル | - | ||
えりも町役場 | |||
町長 | 大西正紀 | ||
所在地 |
〒058-0292 北海道幌泉郡えりも町字本町206番地 北緯42度0分58.7秒東経143度8分54.3秒 ![]() | ||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||
ウィキプロジェクト |
町名の由来は、アイヌ語で「エンルム」(岬の意)。[1]
林野庁が1953年(昭和28年)以降、襟裳岬の治山事業を開始した。2001年(平成13年)に緑化の取り組みがNHK総合「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」で放送された。
地理編集
北海道南部、日高山脈の南端に位置する町。南端部には襟裳岬がある。
- 山 : 豊似岳(1105m)、観音岳(932m)、オキシマップ山(895m)、ルチシ山(754m)
- 河川 : 猿留川、歌別川(以上二級河川)、ニカンベツ川、アベヤキ川、南武家川、幌泉川、コロップ川、上歌別川、下歌別川、キスケ川、在田川、アアツ川、シトマン川、ガロウ川、牧場の川、咲梅川、丹根内川、登川、チャツナイ川、オニトップ川、ビタタヌンケ川
- 湖沼 : 豊似湖、悲恋沼
- 岬 : 襟裳岬
- その他 : 百人浜
気候編集
春と夏は濃霧(海霧)が発生しやすいため、8月(最暖月)の平均最高気温が19.8°Cと、日本全国の気象官署・アメダス(富士山頂を除く)では釧路町知方学と並び最も低い。更に、観測史上最高気温ですら26.7°C(2020年8月29日)と、真夏日はおろか夏日の観測すら稀であり、北海道の中でも特に夏の気温が低い地域のひとつである。一方で、冬は北海道にしては珍しく-10°C以下の気温を一度も観測しない年が多々ある。これらのことから、北海道の中でも年較差の小さい地域である。このように夏は冷涼で、冬は比較的温和であることから、ケッペンの気候区分では西岸海洋性気候(Cfb)に属す。また、非常に風の強い地域で、最も風の強い襟裳岬では、風速10m/s以上の日が平均で年間268.7日ある。
えりも町えりも岬(えりも岬地域気象観測所)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 10.1 (50.2) |
7.0 (44.6) |
11.8 (53.2) |
14.4 (57.9) |
19.3 (66.7) |
22.3 (72.1) |
25.5 (77.9) |
26.7 (80.1) |
26.2 (79.2) |
23.3 (73.9) |
18.2 (64.8) |
13.6 (56.5) |
26.7 (80.1) |
平均最高気温 °C (°F) | 0.1 (32.2) |
−0.5 (31.1) |
1.8 (35.2) |
5.9 (42.6) |
9.8 (49.6) |
13.1 (55.6) |
16.9 (62.4) |
19.8 (67.6) |
18.5 (65.3) |
14.5 (58.1) |
9.1 (48.4) |
3.3 (37.9) |
9.4 (48.9) |
日平均気温 °C (°F) | −2.0 (28.4) |
−2.5 (27.5) |
−0.3 (31.5) |
3.3 (37.9) |
6.9 (44.4) |
10.6 (51.1) |
14.7 (58.5) |
17.5 (63.5) |
16.4 (61.5) |
12.2 (54) |
6.5 (43.7) |
1.0 (33.8) |
7.0 (44.6) |
平均最低気温 °C (°F) | −4.3 (24.3) |
−4.7 (23.5) |
−2.2 (28) |
1.1 (34) |
4.7 (40.5) |
8.6 (47.5) |
12.8 (55) |
15.6 (60.1) |
14.5 (58.1) |
9.9 (49.8) |
3.9 (39) |
−1.3 (29.7) |
4.9 (40.8) |
最低気温記録 °C (°F) | −11.5 (11.3) |
−12.1 (10.2) |
−10.2 (13.6) |
−4.8 (23.4) |
−0.5 (31.1) |
3.4 (38.1) |
6.0 (42.8) |
10.5 (50.9) |
7.6 (45.7) |
2.3 (36.1) |
−5.1 (22.8) |
−11.0 (12.2) |
−12.1 (10.2) |
降水量 mm (inch) | 29.4 (1.157) |
17.3 (0.681) |
37.8 (1.488) |
60.4 (2.378) |
100.7 (3.965) |
85.1 (3.35) |
130.8 (5.15) |
125.0 (4.921) |
128.8 (5.071) |
104.4 (4.11) |
83.1 (3.272) |
45.2 (1.78) |
957.1 (37.681) |
平均降水日数 (≥ 1.0 mm) | 7.2 | 5.2 | 7.7 | 8.7 | 10.1 | 9.1 | 11.3 | 10.1 | 10.4 | 10.9 | 12.9 | 9.4 | 112.7 |
平均月間日照時間 | 140.6 | 161.9 | 196.7 | 186.0 | 174.1 | 121.9 | 92.1 | 115.0 | 153.4 | 173.3 | 124.1 | 118.5 | 1,757.6 |
出典: 気象庁 (平均値:1981年-2010年、極値:1978年-現在)[2][3] |
隣接している自治体編集
沿革編集
- 1669年(寛文9年)松前藩の藩士、蛎崎蔵人が商場を置く。その後昆布の漁場として栄える。
- 1880年(明治13年) 戸長役場が設置される。
- 1889年(明治22年) 襟裳岬灯台が点灯。
- 1906年(明治39年) 戸長役場を廃止し、二級町村制が施行され、幌泉村役場を設置する(村名は幌泉村とする)。
- 1959年(昭和34年)1月1日 町制施行(幌泉町となる)
- 1970年(昭和45年)10月1日 えりも町と改称する。
- 1980年(昭和55年) 開基100年記念式典が行われる。
地名の変遷編集
経済編集
産業編集
立地企業編集
- えりも食品株式会社
農協・漁協編集
- ひだか東農業協同組合(JAひだか東)えりも事業所...信用事業なし
- えりも漁業協同組合
金融機関編集
- 日高信用金庫えりも支店
- 北海道信用農業協同組合連合会ひだか東代理店えりも事業所
郵便局編集
- えりも郵便局(集配局)
- 庶野郵便局(集配局)
- えりも岬郵便局
- 日高目黒郵便局
宅配便編集
- ヤマト運輸:千歳主管支店
- えりもセンター
- 浦河・様似センター(浦河町)
- 佐川急便:静内営業所(新ひだか町)
公共機関編集
警察編集
- 浦河警察署えりも本町駐在所、えりも岬駐在所、庶野駐在所
消防編集
- えりも支署
地域編集
人口編集
えりも町と全国の年齢別人口分布(2005年) | えりも町の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― えりも町
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 |
えりも町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
教育編集
- 高等学校
- 中学校
- 町立1校(えりも)
- 小学校
- 町立5校(えりも、えりも岬、庶野、東洋、笛舞)
- 大学の施設
- 北海道大学理学研究科地震火山観測研究センター
交通編集
鉄道・バス編集
鉄道はなし。最寄駅は日高本線の様似駅で、列車に接続してジェイ・アール北海道バス日勝線が運行。札幌方面高速バス「高速えりも号」が運行される。なお、日高本線は、2021年4月1日付けで鵡川駅 - 様似駅間の廃止が予定されている[4][5]。
タクシー編集
- 日交ハイヤーえりも営業所
道路編集
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事編集
国指定文化財編集
- 国名勝 ピリカノカ(アイヌの聖地的な場所)襟裳岬(オンネエンルム)
- 国史跡 猿留山道(さるる・さんどう)<平成29年11月答申、指定は平成30年3月頃)
えりも町指定文化財編集
- 蝦夷一覧 - えりも町水産の館蔵
- 住吉神社境内江戸時代建立の石碑群
- 襟裳神社境内江戸時代建立の石碑群
- 不動明王 - 法光寺
- 一石一字塔
- 當世武大明神
- 目黒神社境内江戸時代建立の石碑群
- 猿留山道と蝦夷時代建立石碑2体
観光編集
祭り編集
- えりもうに祭り 4月下旬
- えりも海と山の幸フェスティバル 10月第一日曜日
- えりもの灯台まつり 8月14日 - 16日
その他編集
黄金道路編集
えりも町庶野から十勝総合振興局広尾町に至るまでの国道。 日高山脈と太平洋に挟まれた断崖絶壁に走る道路で、黄金を敷き詰めるかの如く建設に金がかかった事から「黄金道路」と呼ばれる。黄金道路上にあるえりも黄金トンネル(えりもおうごんトンネル)は延長4,941 mあり、北海道内の道路トンネルで最も長い。
風力発電編集
強い風をいかし、風力発電がおこなわれている。 出力400kWの風車が2基設置。北海道初の民間風力発電所でもある。
レーダーサイト編集
出身有名人編集
ゆかりのある人物編集
- 鈴木陽子 - 元えりも町国民健康保険診療所 所長
えりも町が舞台の作品編集
脚注編集
- ^ アイヌ語地名リスト
- ^ “平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2019年2月閲覧。
- ^ “観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2019年2月閲覧。
- ^ “日高線(鵡川・様似間)の廃止日繰上げの届出について” (PDF) (プレスリリース), 北海道旅客鉄道, (2021年1月5日), オリジナルの2021年1月5日時点におけるアーカイブ。 2021年1月5日閲覧。
- ^ “鉄道事業の一部廃止の日を繰上げる届出について” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省北海道運輸局, (2021年1月5日), オリジナルの2021年1月5日時点におけるアーカイブ。 2021年1月5日閲覧。