メインメニューを開く

インディチャンプIndy Champ[1])は、日本競走馬。主な勝ち鞍は2019年安田記念(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)、東京新聞杯(GIII)。馬名の意味は「インディカーの年間王者に輝いた、母親と同名のレーサーにちなんで」[2]

インディチャンプ
安田記念 優勝レイ インディチャンプ.jpg
2019年6月2日 第69回安田記念表彰式
欧字表記 Indy Champ[1]
香港表記 冠軍車手
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2015年2月21日(4歳)
ステイゴールド
ウィルパワー
母の父 キングカメハメハ
生国 日本の旗 日本北海道安平町
生産 ノーザンファーム
馬主 (有)シルクレーシング
調教師 音無秀孝栗東
競走成績
生涯成績 13戦7勝
獲得賞金 3億6179万0000円
(2019年12月11日現在)
 
勝ち鞍
GI 安田記念 2019年
GI マイルCS 2019年
GIII 東京新聞杯 2019年
テンプレートを表示

戦績編集

デビュー前編集

2015年2月21日に北海道安平町ノーザンファームで誕生[1]。一口馬主法人「シルクホースクラブ」から総額3,500万円(1口7万円×500口)で募集された[3]。育成はノーザンファーム空港牧場のA1厩舎で行われた。A1厩舎への移動自体も他の育成馬よりは遅く、調教を進めると疲れが出るなど、順調にトレーニングが行えない時期もあった。しかし、厩舎スタッフの「急いでも仕方ない」との考えからじっくりと育成され、次第に良い動きを見せるようになる[4]

2歳(2017年)編集

栗東音無秀孝厩舎に入厩。2017年12月28日の阪神芝1400mの新馬戦で鞍上松若風馬でデビュー。12月20日の追い切りでは坂路で4ハロン52秒4、ラスト1ハロン12秒7の好時計を計測し、同年の皐月賞3着馬ダンビュライトと互角の走りを見せた[5]。レースでは単勝1.5倍の断然人気に支持されると、先行抜け出しの競馬で2着アモーレジョディーをクビ差退け、新馬勝ちする[6]

3歳(2018年)編集

2戦目(3歳500万下)の最終追い切りでは同厩舎の実力馬ミッキーロケットと併せて馬なりで先着し、ミッキーロケットに騎乗していた和田竜二を驚嘆させている[7]。レースでは出遅れて最後方からの競馬となるも、直線で鋭い瞬発力を発揮して一気に全馬を抜き去ってデビュー2連勝を飾った[8]

次戦の毎日杯には同じく2戦2勝のブラストワンピースに次ぐ2番人気で出走。序盤で折り合いを欠いて後方に下がり、直線で馬群を縫うように追い込むも3着止まりで初の敗戦を喫した[9]。マイルに距離を戻したアーリントンカップでは過去2戦とは異なって先行策をとるが、最後に失速して4着に終わる[10]。春の重賞2戦で賞金加算に失敗したことで、目標としていたNHKマイルカップへの出走は叶わなかった[11]

6月16日の小豆島特別(1000万下)で福永祐一が初騎乗する。結果は逃げたエイシンティンクルを僅かに捉えられず2着となるが、福永はレース後に厩務員に対して「この馬、走るわ。ずっと乗り続けたい」と話し、手応えを感じ取っていた[12]。翌月の有松特別(1000万下)を勝利し、休養に入る[7]

 
元町ステークス出走時
(2018年12月16日、阪神競馬場)

12月16日の元町ステークス(1600万下)で復帰。後方待機から直線で軽く仕掛けられると鋭い末脚を発揮し、3馬身差の楽勝でオープン入りする[13]。福永はレース後のコメントで「来年はこの馬で一緒にGIに行けたらと思っている馬です。これからが楽しみです」と期待を述べた[14]

4歳(2019年)編集

古馬初戦の東京新聞杯では重賞未勝利の身ながら1番人気に支持される。スタートではタイミングが合わずに出遅れるも、リカバーに成功して中団からレースを進める。直線に入っても手応えがよく、鞍上の想定よりも早めに先頭に立ってしまったことでソラを使ってしまうが、追い上げてきた2着レッドオルガを半馬身差抑えて優勝。レース後、福永は「まだ伸びしろがあります。GIで期待していた馬ですが、その期待が確信に変わるレースでした」とコメントした[15]

続く2戦目のマイラーズカップでは同期の2歳王者ダノンプレミアムに次ぐ2番人気に推されるも、道中イレ込んで折り合いを欠き、直線では出走馬中2位タイの上がり3F32.1秒の末脚で追い込むも4着に敗れた。

 
第69回安田記念パドック
(2019年6月2日、東京競馬場)

ノーザンファームしがらきへの短期放牧を経て春の大一番、安田記念に出走。体重の増減こそ無かったものの、軽めの調整で太め残りだった前走とは異なり、一週前から坂路で強めの負荷がかけられ、状態は上向いていた[16]。連勝中のアーモンドアイと前出のダノンプレミアムが2強として人気を集める中、同馬も4番人気に支持される。好ダッシュから3~5番手で道中を進み、直線に向くと馬場の真ん中に進路をとって追い出しを開始。逃げ粘るアエロリットをゴール手前でかわすと同時に、大外を上がり最速で追い込んできたアーモンドアイの強襲をしのぎ切りGI初制覇。レース後、鞍上の福永は「馬の状態も良かったですし、自分がきちんと騎乗すればいい勝負ができると思っていましたが、期待以上に馬がよく応えてくれました」と同馬を讃えた[17]。(詳細は第69回安田記念を参照)

秋は毎日王冠から始動。GI馬5頭が集まる中、3番人気に支持される。好スタートから2番手で道中を進み、直線では逃げるアエロリットに馬なりで並びかけて一時は先頭に立つ姿を見せるも追い比べになってからやや伸び脚を欠き3着に敗れた。福永はスタートや折り合いについて「成長を感じる」とコメントしたが[18]、音無師は「太かった(プラス6キロ)こともあるけど、いったん先頭に立ちながら何もできないまま3着に終わったのは距離が長かったんだろう」と距離を敗因に挙げた[19]。(詳細は第70回毎日王冠を参照)

続いて出走したマイルチャンピオンシップには前走まで7戦連続でコンビを組んだ福永祐一が騎乗停止処分を受けたため、池添謙一とのコンビで挑んだ[20]。一週前の追い切りでサンライズノヴァを4馬身突き放すなど状態は前走の時と比べて格段に向上[19]。3番人気で迎えた同レースでは好位5番手を追走。直線前半では馬場の中央から外の1番人気ダノンプレミアムに馬なりで並びかけると、ラスト1ハロンで一気に突き放して勝利。春の安田記念に続いてGI連勝となり、2015年モーリス以来史上7頭目となる同一年春秋マイルGI制覇を果たした[21]

マイルチャンピオンシップに先立って10月末に香港ジョッキークラブからの招待を受諾していた[22]インディチャンプは予定通り第29回香港マイルに参戦。鞍上には本年が日本競馬初参戦ながら滞在2ヶ月でGⅠ/JpnⅠ3勝を含む重賞7勝のダミアン・レーンを迎えた。香港到着時には「イレ込みが目立った」[23]という本馬はスタートで出遅れ最後方からの競馬に。道中はインから位置取りを押し上げるも、馬群に包まれながら迎えた直線では内から抜けることも外に出すこともできずに進路を失う。残り1Fを切ってようやく開いた内に突っ込んだものの末脚が振るわず7着に敗れた。レーンは「ゲートに入ったら少しナーバスになっていた」とコメント[24]、音無師は「これにめげず海外を制したい」と今後の挑戦に意欲を見せた[25]

競走成績編集

以下の内容は、netkeiba.comの情報[12]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2017.12.28 阪神 2歳新馬 芝1400m(良) 14 8 14 001.50(1人) 01着 R1:23.2(35.2) -0.0 0松若風馬 55 (アモーレジョディー) 462
2018.01.13 京都 3歳500万下 芝1600m(良) 10 2 2 002.90(2人) 01着 R1:37.2(33.8) -0.2 0岩田康誠 56 (レッドサクヤ) 464
0000.03.24 阪神 毎日杯 GIII 芝1800m(良) 10 3 3 005.10(3人) 03着 R1:46.8(33.6) -0.3 0岩田康誠 56 ブラストワンピース 460
0000.04.14 阪神 アーリントンC GIII 芝1600m(良) 13 2 2 003.50(2人) 04着 R1:33.6(34.7) -0.2 0岩田康誠 56 タワーオブロンドン 454
0000.06.16 阪神 小豆島特別 芝1600m(良) 9 8 8 001.90(1人) 02着 R1:32.0(33.2) -0.0 0福永祐一 54 エイシンティンクル 460
0000.07.08 中京 有松特別 芝1600m(稍) 13 1 1 001.50(1人) 01着 R1:34.2(35.2) -0.3 0福永祐一 54 (クリアザトラック) 452
0000.12.16 阪神 元町S 芝1600m(良) 11 3 3 001.80(1人) 01着 R1:34.6(33.2) -0.5 0福永祐一 56 (メサルティム) 460
2019.02.03 東京 東京新聞杯 GIII 芝1600m(良) 15 2 2 002.70(1人) 01着 R1:31.9(33.5) -0.1 0福永祐一 56 (レッドオルガ) 460
0000.04.21 京都 マイラーズC GII 芝1600m(良) 10 3 3 004.70(2人) 04着 R1:32.8(32.1) -0.2 0福永祐一 56 ダノンプレミアム 470
0000.06.02 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 16 3 5 019.20(4人) 01着 R1:30.9(32.9) -0.0 0福永祐一 58 アエロリット 470
0000.10.06 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 10 4 4 005.00(3人) 03着 R1:44.8(34.4) -0.4 0福永祐一 58 ダノンキングリー 476
0000.11.17 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 17 3 5 006.40(3人) 01着 R1:33.0(33.9) -0.2 0池添謙一 57 (ダノンプレミアム) 472
0000.12.08 沙田 香港マイル G1 芝1600m(良) 10 2 002.90(2人) 07着 計不 0D.レーン 57 アドマイヤマーズ 計不
  • 競走成績は2019年12月11日現在

血統表編集

インディチャンプ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ステイゴールド
1994 黒鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Fiower
父の母
ゴールデンサッシュ
1988 栗毛
*ディクタス Sanctus
Dronic
ダイナサッシュ *ノーザンテースト
*ロイヤルサッシュ

ウィルパワー
2007 鹿毛
キングカメハメハ
2001 鹿毛
Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
*マンファス *ラストタイクーン
Pilot Bird
母の母
*トキオリアリティー
1994 栗毛
Meadowlake Hold Your Peace
Suspicious Native
What a Reality In Reality
What Will Be
母系(F-No.) (FN:3-l) [§ 3]
5代内の近親交配 Raise a Native5・5(母内)=6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ インディチャンプ 5代血統表2019年2月4日閲覧
  2. ^ インディチャンプ 5代血統表2019年2月4日閲覧
  3. ^ インディチャンプ 5代血統表2019年2月4日閲覧
  4. ^ インディチャンプ 5代血統表2019年2月4日閲覧

脚注編集

注釈編集

出典編集

  1. ^ a b c インディチャンプ|JBISサーチ(JBIS-Search)
  2. ^ 競走馬登録馬名簿・馬名意味. 2019年2月4日閲覧
  3. ^ インディチャンプの新馬データ. netkeiba.com. 2019年2月4日閲覧
  4. ^ 2019年02月03日 東京新聞杯 G3. 競走馬のふるさと案内所. 2019年2月13日閲覧
  5. ^ 【阪神新馬戦】インディチャンプ、脚の回転が速い”. スポーツニッポン (2017年12月27日). 2019年11月22日閲覧。
  6. ^ 【2歳新馬】阪神5R インディチャンプが先行抜け出す. サンケイスポーツ(2017年12月28日付). 2019年2月4日閲覧
  7. ^ a b 音無厩舎ミッキーロケットの後継エースにふさわしいインディチャンプの逸話/トレセン発秘話. netkeiba.com(2019年1月30日付). 2019年2月4日閲覧
  8. ^ 【3歳500万下】(京都6R)~インディチャンプが殿一気でデビュー2連勝 [News]. ラジオNIKKEI(2018年1月13日付). 2019年2月3日閲覧
  9. ^ 【毎日杯】インディチャンプも初黒星 上がり最速で追い上げるも3着. スポーツ報知(2018年3月24日付). 2019年2月4日付
  10. ^ アーリントンC】インディチャンプ4着…岩田「ラストは脚がなくなった」. サンケイスポーツ(2018年4月14日付). 2019年2月4日閲覧
  11. ^ 【東京新聞杯】インディチャンプ 満点デモ 自己ベスト50秒3!絶好調アピール. デイリースポーツ(2019年1月31日付). 2019年2月4日閲覧
  12. ^ a b インディチャンプ”. netkeiba.com. Net Dreamers co.LTD. 2019年2月4日閲覧。
  13. ^ 【元町S】インディチャンプが上がり33.2 極上のキレで差し切る. Sports Bull(2018年12月16日付). 2019年2月4日閲覧
  14. ^ 【元町S】(阪神) インディチャンプが人気に応えて快勝”. netkeiba.com (2018年12月16日). 2019年11月22日閲覧。
  15. ^ 【東京新聞杯レース後コメント】インディチャンプ福永祐一騎手ら. netkeiba.com(2019年2月3日付). 2019年2月4日閲覧
  16. ^ 【JRA】インディチャンプ福永騎手「高速決着になっても問題ない」/安田記念共同会見”. netkeiba.com (2019年5月29日). 2019年11月17日閲覧。
  17. ^ 【安田記念】春のマイル王はインディチャンプ! アーモンドアイ3着に敗れる/JRAレース結果. netkeiba.com(2019年6月2日付). 2019年6月2日閲覧
  18. ^ 【毎日王冠】安田記念V以来のインディチャンプは3着 福永「成長を感じる」. スポーツ報知(2019年10月6日付). 2019年10月8日閲覧
  19. ^ a b 【マイルCS】充実の秋インディチャンプ、マイル完全王者へ万全”. サンケイスポーツ (2019年11月11日). 2019年11月17日閲覧。
  20. ^ 【マイルCS】インディチャンプは池添と新コンビ結成 福永が騎乗停止のため” (日本語). スポーツ報知 (2019年11月12日). 2019年11月17日閲覧。
  21. ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【マイルCS】3番人気インディチャンプが安田に続きVで真のマイル王!” (日本語). サンスポZBAT!競馬. 2019年11月17日閲覧。
  22. ^ インディチャンプ、香港マイル招待受諾” (日本語). サンスポZBAT!競馬 (2019年10月26日). 2019年12月11日閲覧。
  23. ^ 【香港マイル】インディチャンプ態勢整った 初コンタクトのレーンも“合格点”” (日本語). netkeiba.com (2019年12月5日). 2019年12月11日閲覧。
  24. ^ 【香港マイル】インディチャンプ7着 レーン「ゲートに入ったら少しナーバスになっていた」” (日本語). スポニチ Sponichi Annex (2019年12月8日). 2019年12月11日閲覧。
  25. ^ インディチャンプ7着、今後も海外挑戦/香港マイル” (日本語). JRA-VAN Ver.World (2019年12月9日). 2019年12月11日閲覧。
  26. ^ a b インディチャンプの血統表. netkeiba.com. 2019年2月4日閲覧
  27. ^ ウィルパワー | 競走馬データ. netkeiba.com. 2019年2月4日閲覧

外部リンク編集