ココスジャパン

日本でココスを運営する企業

株式会社ココスジャパンCOCO'S JAPAN CO., LTD)は、東京都港区に本社を置く1978年昭和53年)設立のファミリーレストランチェーンである。日本国内でファミリーレストラン「COCO'S」(ココス)を展開する。ゼンショーグループの企業であり、グループレストラン事業の統括会社である日本レストランホールディングスの完全子会社。

株式会社ココスジャパン
COCO'S JAPAN CO., LTD.
本社が入居するJR品川イーストビル
種類 株式会社
市場情報
東証JQ 9943
1993年7月9日 - 2020年2月18日
本社所在地 日本の旗 日本
108-0075
東京都港区港南二丁目18番1号
JR品川イーストビル6F〜8F
設立 1978年昭和53年)4月5日
(株式会社ろびんふっど)
業種 小売業
法人番号 9010401054189 ウィキデータを編集
事業内容 ファミリーレストラン
代表者 代表取締役社長 一木直哉
資本金 31億9,890万円
発行済株式総数 17,268,273株
2019年9月30日現在)
売上高 574億3861万7000円
(2019年3月期)
営業利益 7億9828万8000円
(2019年3月期)
純利益 2億8740万1000円
(2019年3月期)
純資産 244億5216万5000円
(2019年3月31日現在)
総資産 302億1693万3000円
(2019年3月31日現在)
従業員数 409名(2017年3月31日現在)
支店舗数 584店舗
決算期 3月末日
主要株主 日本レストランホールディングス 100%
(2020年2月20日現在)
外部リンク www.cocos-jpn.co.jp ウィキデータを編集
特記事項:1987年昭和62年)に株式会社ろびんふっどから商号変更。
テンプレートを表示
ココス・ロードサイド型店舗
ココス茨木沢良宜店(現在は閉店済み。CASAから業態転換(事業譲渡)した店舗)
ココス友部店
ココス船越店(サンデーサンから業態転換(事業譲渡)した店舗)

概要 編集

COCO'S」(ココス)をブランドとして展開しているファミリーレストラン。

元々「COCO'S」は、アメリカのファーウェストサービスインク(現:ココスレストランズインク)が有しているチェーンレストラン事業のブランドネームであった(ココス・ベーカリーを参照)。日本では、茨城県食品スーパーカスミのフード・外食部門を手がけていた株式会社ろびんふっど(1978年設立、後にココスジャパンに商号変更)が、ファーウェストサービスインク社からのライセンシーの元で、提携先のコンセプトに基づくカリフォルニアスタイルのレストランとして、1980年(昭和55年)に1号店をオープンしたものである。カスミグループ時代は、関東各地(特に本部のある茨城県や隣県の千葉県の郊外幹線道路などへのドミナント出店)で多数の店舗を展開していた。当初のココスは完全なアメリカンスタイルの食事を提供するレストランであったが、徐々にメニューが変更され、ハンバーグなどを中心とする日本型ファミリーレストランへと転換していった。

事業再編 編集

2000年平成12年)にカスミは事業再編・スーパー事業へ特化し、ココスを含む系列のレストランと共にすき家などを運営するゼンショーグループへ売却された。ゼンショーの傘下となり本社を東京都港区へ移転した。ココスの製造・物流部門である「ココスカリナリーシステム」は茨城県土浦市から変更がない。カスミは2003年(平成15年)にイオングループ入りする。

ゼンショーグループ入り 編集

ゼンショーのグループに入ったことで、「ココス」はゼンショーのファミリーレストラン事業の中核として位置づけられた。ゼンショーによるM&Aもあって急速に規模を拡大する。

2002年(平成14年)にファミリーレストラン「CASA」の郊外型店舗120店を西洋フードシステムズ(現:コンパスグループ・ジャパン)から買収、うち105店をココスに転換。それまで手薄だった神奈川県や東海地区・関西地区の店舗網を得ることになった(西洋フードシステムズの社員・アルバイトも、希望者はそのままリニューアル店舗に継続採用された)。ゼンショーのスタイルを参考にし、少人数で効率よくまわす「速くて親切」のスタイルが確立され、常に人件費を削減しつつ急速に売り上げを伸ばしていった。[要出典]2006年(平成18年)に北海道にも進出し、2007年(平成19年)には同じゼンショーグループのサンデーサンの運営するファミリーレストラン「サンデーサン」のうち関西・中国・九州の52店舗をココスに転換し、中国地方(後述の通り広島県には再出店)・九州地方への出店を開始。旧サンデーサン店舗はココスジャパンの完全子会社の株式会社CSが運営していたが、2009年(平成21年)9月30日に株式会社CSを合併し、現在は直営店舗となっている。

2017年(平成29年)9月12日に鹿児島県へ初出店したことにより、全都道府県への出店を達成[1][2]

一部店舗では、朝食バイキングドリンクバー付き)[3]、朝食メニュー[4]を実施している。

ゼンショーグループ再編に伴い、2019年9月1日付で日本レストランホールディングスの連結子会社となり[5]2020年2月20日付で、株式交換により同社の完全子会社となった[6]

なおカスミグループ離脱後も継続してカスミ商品券を取り扱っていたが、2024年8月31日をもってカスミ商品券の取り扱いを終了する予定[7]

エリアフランチャイジー 編集

北陸全域・関西の一部及び岐阜県の地区では平和堂の子会社である株式会社ファイブスター滋賀県彦根市)が、四国地区(香川県を除く)をサニーマートの子会社である株式会社サニーフーヅ(高知県高知市)が、いずれもココスジャパンからのフランチャイズ方式で運営している

ファイブスター運営の店舗はココスジャパンのサイトの店舗紹介でファイブスター運営であることが明記されている。また、ファイブスター運営店舗は共通ポイントを取り扱わず[8][9]、代わりに独自ポイントを取り扱っている[10]

かつては、静岡地区は1980年代後半、ヤオハン(ヤオハン・ジャパンより商号変更、のち倒産。現:マックスバリュ東海)の事業多角化の一環として「ヤオハンココス」の名称でフランチャイズ進出(のちに一旦撤退し、再進出)したほか、中国地区においては1990年代イズミが子会社「広島ココス」によりフランチャイズで展開したのち1993年(平成5年)に一旦撤退。その後、サンデーサンから営業譲渡を受けた店舗の改装オープンによりココス店舗が復活している。なお、広島ココスは1993年(平成5年)にサンデーサンと合併し、当時からの店舗は複雑な経緯をたどっている。

エリアフランチャイジー加盟企業は、すべてニチリウグループに加盟するスーパーマーケットで、ココスジャパンの経営母体となったカスミもココスジャパンの経営から撤退した時点では加盟していた[注 1]

沿革 編集

  • 1978年 - カスミのフード部門として株式会社ろびんふっど設立。茨城県土浦市に「ろびんふっど」1号店(土浦店)を出店。
  • 1980年 - 米ファーウェストサービスインク社とライセンス契約、ファミリーレストラン「ココス」1号店(中貫店)を出店。
  • 1986年 - 焼肉レストラン「宝島」1号店(天川店)を出店。
  • 1987年 - 社名を株式会社ココスジャパンに変更。
  • 1988年 - メキシカンディナーレストラン「エルトリート」1号店(西葛西店)を出店。
  • 1998年 - 中華人民共和国北京市に「ココス」北京広安門店を出店。
  • 2000年 - カスミの本業特化のためほか数社と共に売却が決定。7月 ゼンショーの傘下へ。
  • 2002年 - 経営再建中の西洋フードシステムズ(現:コンパスグループ・ジャパン)よりCASAの郊外型店舗120店を48億円で譲受。
  • 2006年 - 親会社であるゼンショーグループの再編に伴い、「宝島」および「エルトリート」部門を簡易会社分割方式により子会社化(株式会社宝島・株式会社エルトリートジャパン)、両子会社の株式のそれぞれ50%および連結子会社であった「ビッグボーイジャパン」の全株式とはま寿司の保有株15%をゼンショーに譲渡。ココスは経営資源をファミリーレストラン事業に集約。
  • 2007年 - 同じゼンショーグループの株式会社サンデーサンの店舗のうち、関西・中国・九州の52店舗を運営していた株式会社CS(株式会社サンデーサンによるサンデーサン事業部門に係る会社分割によって設立された会社)を完全子会社化。これらの店舗を順次ココスへ転換。
  • 2008年 - 株式会社宝島・株式会社エルトリートジャパン・株式会社はま寿司の株式を全てゼンショーに譲渡。
  • 2009年 - 株式会社CSを吸収合併。
  • 2015年 - 7月1日付でエルトリートの5店舗をエイ・ダイニング(ゼンショーホールディングスの完全子会社)から譲り受ける[11]
  • 2016年 - キャンペーン用としてTwitterアカウントを開設[12]
  • 2017年 - 9月12日に鹿児島県初出店となる「鹿児島宇宿店」開店により、全都道府県の出店を達成。
  • 2019年9月1日 - ゼンショーグループ再編に伴い、株式会社日本レストランホールディングスの連結子会社となる。
  • 2020年
    • 2月18日 - ジャスダック上場廃止
    • 2月20日 - 株式交換により、日本レストランホールディングスの完全子会社となる。

運営のチェーン店 編集

  • ココス - ファミリーレストラン
  • ナチュラルグリルCARRO - ファミリーレストラン・独立店舗ではなく主にイオン内のテナントとして出店
  • メキシカンレストラン「エルトリート」

かつての主なグループ会社 編集

以下の3社はココスジャパンが出資する持分法適用関連会社だったが、2008年4月にいずれもゼンショーへ株式を譲渡している。

  • 株式会社宝島 - 焼肉レストラン
  • 株式会社エルトリートジャパン - メキシカンディナーレストラン[注 2]
  • 株式会社はま寿司 - 回転寿司チェーン店

主なスポンサー番組 編集

終了番組を含め、すべてテレビ朝日系列。かつては店舗が展開されていない地域でも差し替え無しでCMが放送されていた。

現行番組
終了番組

コラボレーション 編集

ドラえもん
ゼンショーグループ入り後に、イメージキャラクターとして2000年7月から2019年3月まで使用された。ドラえもんの声は2005年3月以前は大山のぶ代が、2005年4月以降は水田わさびが担当。過渡期ではCM映像は同じ(アニメ版第2作第1期の絵)で、声のみを差し替えたものも存在する。
あらいぐまラスカル
2019年夏[13][14]よりイメージキャラクターとして使用されている[15]
ラブライブ!シリーズラブライブ!ラブライブ!サンシャイン!!
描きおろしイラストの公開や限定グッズ付きメニュー・通販限定グッズの販売を実施(2016年2019年)。
ガールズ&パンツァー
主人公たちが通う架空の高校「茨城県立大洗女子学園」の所在地がココス発祥の茨城県であることから、コラボレーションを開催。描きおろしイラストの公開や限定グッズ付きメニュー・抽選プレゼントキャンペーンを実施。また、大洗店に限り限定コラボメニューやパネルなどによる店舗内外の装飾を実施(2017年、2018年、2020年)。
Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-
描きおろしイラストの公開や限定グッズ付きメニュー・抽選プレゼントキャンペーンを実施(2019年)。
アイドルマスター ミリオンライブ!
描きおろしイラストの公開や限定グッズ付きメニュー・抽選プレゼントキャンペーンを実施(2020年)。
バンドリ! ガールズバンドパーティ!
描き下ろしイラストの公開や限定グッズ付きメニュー・抽選プレゼントキャンペーンを実施[16](2020年)。
新世紀エヴァンゲリオン
映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開記念として、他のゼンショー系の店舗と共同で、コラボメニューの展開や限定グッズの配布などを実施[17][18][19][20]2021年)。
呪術廻戦
描き下ろしイラストの公開やコラボメニューを含む限定グッズ付きメニュー、抽選プレゼントキャンペーン、一部店舗によるオリジナルグッズの販売や特別装飾を実施[21](2021年・2023年)。
にじさんじ
描き下ろしイラストの公開やコラボメニューを含む限定グッズ付きメニュー、抽選プレゼントキャンペーン、一部店舗によるオリジナルグッズの販売や特別装飾を実施。(2023年)

脚注 編集

脚注 編集

  1. ^ なお、ヤオハンとイズミはココスの展開を撤退した後にニチリウグループも離脱している。
  2. ^ 2015年にエルトリート事業はココスに戻ってきた。

出典 編集

  1. ^ 流通ニュース (2016年1月8日). “ココス/未出店エリアを中心に、年10~20店程度出店”. 2017年7月20日閲覧。
  2. ^ 鹿児島宇宿店 [COCO'S] ココス ~おいしくたのしいレストラン~ | 店舗検索(ココス 2017年7月20日)
  3. ^ ココスの朝食バイキング(ドリンクバー付き) [COCO'S] ファミリーレストラン ココス(2016年8月6日閲覧)
  4. ^ 朝食メニュー [COCO'S] ファミリーレストラン ココス(2016年8月7日閲覧)
  5. ^ (変更)「親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」の一部変更について ココスジャパン 2019年3月19日
  6. ^ 株式会社ゼンショーホールディングスの完全子会社である株式会社日本レストランホールディングスによる株式会社ココスジャパンの完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ ゼンショーホールディングス 2019年11月7日
  7. ^ 「カスミ商品券」ご利用終了のお知らせ | お知らせ | ココス ファミリーレストラン [COCO'S]
  8. ^ よくある質問 サービスについて”. ココスジャパン. 2022年7月18日閲覧。
  9. ^ よくある質問 サービスについて”. ファイブスター. 2022年7月18日閲覧。
  10. ^ ファイブスター公式アプリ”. ファイブスター. 2022年7月18日閲覧。
  11. ^ 平成28年3月期 第2四半期決算短信 (PDF, 2015年11月04日発表 4ページ目 1.当四半期決算に関する定性的情報より)
  12. ^ 【公式】ココスキャンペーン(@cocos_campaign)の2016年1月12日のツイート
  13. ^ ココス公式Twitter2019年8月21日11時51分付のツイート「小学生以下のおこさま向けバースデーサービス」
  14. ^ ココス公式Twitter2019年8月23日13時10分付のツイート「小学生以下のおこさま向けぬり絵サービス」
  15. ^ ココス公式Twitter2019年10月23日18時00分付のツイート「ラスカル コラボレーションキャンペーン ラスカルSWEETS&おこさまメニュー」
  16. ^ ココス×バンドリ! ガールズバンドパーティ! キャンペーン”. [COCO'S]ファミリーレストラン ココス. 2021年8月10日閲覧。
  17. ^ ゼンショー×EVANGELION 外食5チェーン共同作戦”. ゼンショー. 2021年4月22日閲覧。
  18. ^ ASCII (2021年3月3日). “すき家、なか卯、ココスなどで一斉にエヴァコラボ!「コア包み焼きハンバーグ」も登場”. ASCII.jp. 2021年4月22日閲覧。
  19. ^ シン・エヴァンゲリオン「外食5チェーン共同作戦」始動、すき家・なか卯・はま寿司・ココス・ビッグボーイにコラボメニュー、クリアファイルや店内放送も/ゼンショーHD”. 食品産業新聞社 (2021年3月7日). 2021年4月22日閲覧。
  20. ^ ゼンショー×エヴァ「外食5チェーン共同作戦」CMが800万再生突破、仕掛人が語る狙いとは”. 食品産業新聞社 (2021年4月19日). 2021年4月22日閲覧。
  21. ^ ココス×呪術廻戦 お腹いっぱい!呪力いっぱい!キャンペーン”. ココス×呪術廻戦 お腹いっぱい!呪力いっぱい!キャンペーン|[COCO'S]ファミリーレストラン ココス. 2021年11月2日閲覧。

外部リンク 編集