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シェンムー』は、セガ・エンタープライゼス(後のセガゲームス。以下「セガ」)が開発した日本アクションアドベンチャーゲームシリーズである。本編の2作目まで発売している未完の作品。オープンワールドゲームの元祖とも呼ばれるゲームシリーズ[1]。ディレクター[2]は当時セガに所属していた鈴木裕

シェンムーシリーズ
ジャンル アクションアドベンチャー
開発元 SEGA-AM2
Ys Net
主な製作者 鈴木裕(ディレクター)
1作目 シェンムー 一章 横須賀
1999年12月29日
最新作 シェンムーI&II
2018年11月22日
スピンオフ作品 シェンムー街
公式サイト 公式サイト
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目次

概要編集

その作りこまれた作品世界に裏付けられた自由度の高さから新ジャンルFREE(Full Reactive Eyes Entertainment)と称している。フラグ立て式のアクションアドベンチャーゲーム。オープンワールドゲームの元祖とも呼ばれた。

発売当時、膨大な量の対象物に対して何らかのアクションを取れるのは画期的なことであった。

主人公芭月涼のモーションキャプチャーは涼の声優を務めた松風雅也が実際に行っている[3]他、バトルモードのモーションキャプチャーと武術指導は日本の八極拳道場協力の下行われている[4]など、現実感のある演出、街をぶらつく脇役まで声のある完全フルボイス、全ての町並み、キャラクター、イベントシーンを実機ポリゴンで表現。天候が刻々と変化し、朝から夜に至るまでの時間の経過、登場キャラクター達が「生活習慣プログラム」によって日々を営む世界観は、各方面から評価された。

『シェンムー』では、今日一般的に見られるような形でのQTEが導入された。鈴木裕は、「ゲームプレイと映画の融合」を提供し、「Quick Time Event」という言葉の製作者と評価されている[5]。なお、本作の説明書では「クイック・タイマー・イベント」と呼ばれていたが、この後は「クイックタイムイベント」として、あらゆるハードやソフトで同様のシステムが取り入れられていくこととなる[6][7]

シリーズ編集

日本展開
  • シェンムー 一章 横須賀(DC)1999年12月29日発売
  • US Shenmue(英語音声版/DC)2001年7月5日発売
  • シェンムーII(DC)2001年9月6日発売
  • シェンムー・ザ・ムービー(映画館/VHS/DVD)2001年9月劇場公開、12月ソフトリリース
  • シェンムー街(Mobage)2010年12月2日にサービス開始(サービス終了)
  • シェンムーI&II(PS4)2018年11月22日発売
  • シェンムーIII(PS4・PC)2019年11月19日発売予定
海外展開
  • Shenmue(一章/US/DC)2000年11月6日発売
  • Shenmue(一章/EU/DC)2000年12月1日発売
  • Shenmue II(EU/DC)2001年11月発売、日本語音声、英語字幕
  • Shenmue II(US/Xbox)2002年10月発売、シェンムー・ザ・ムービーDVD同梱
  • Shenmue II(EU/Xbox)2003年3月発売、シェンムー・ザ・ムービーDVD同梱
  • Shenmue I & II(PS4・Xbox One・PC)2018年8月21日発売
  • Shenmue III(PS4・PC)2019年11月19日発売予定

日本ではシリーズ1作目となる『シェンムー 一章 横須賀』が1999年12月に発売(以下、『I』と略記する場合あり)。その後、『一章 横須賀』の英語音声版となる『US Shenmue』が2001年7月、第2作の『シェンムーII』が2001年9月に発売された。また、ドリコレ(廉価版)の『シェンムーII』が2003年3月に2800円で発売されている。いずれもドリームキャスト(DC)用のゲームソフトとして発表(2018年にリリースされたリファインバージョン『シェンムーI・II』の詳細については、#シェンムーI&IIを参照)。

『シェンムー 一章 横須賀』の映像を編集した『シェンムー The Movie』が2001年9月に一般映画館で劇場公開され、2001年12月にはDVDとVHSでリリースされている。

海外においては、アメリカではドリームキャストで『Shenmue(一章)』が2000年10月に発売され、『Shenmue II』についてはドリームキャストではなくXboxで2002年10月にリリースされた。日本ではXbox版『Shenmue II』は発売されていない。ヨーロッパでは2000年12月に『Shenmue』、2001年11月にドリームキャスト版『Shenmue II』、2003年3月にXbox版『Shenmue II』がそれぞれ発売されている。ヨーロッパのドリームキャスト版『Shenmue II』のみ日本語音声、英語字幕。また、海外版『Shenmue II』には『シェンムー The Movie』のDVDが同梱されているが、日本語版とは異なり、特典映像は収録されていない。

日本版の初回生産分の特典として、『一章 横須賀』にはサウンドトラックCD「Shenmue Juke Box」が、『II』には「バーチャファイター4パスポート VF.NET」(DCで『バーチャファイター4』無印版のVF.NETが利用できるブラウザソフト)と「バーチャファイターヒストリー」(同シリーズ歴代作品のオープニングムービーなどを収めたDC用GD-ROM)の2枚が同梱された。

2015年より鈴木裕が独自に『I・II』の続編『シェンムー3』の開発をスタート、2019年にリリース予定(詳細については#シェンムー3再始動」を参照)。

ストーリー編集

主人公の芭月涼の父親が、過去に中国から持ち帰った対となる二枚の石鏡(龍鏡・鳳凰鏡)を巡って物語が進行する。

ゲーム制作者である鈴木裕は、シェンムーのシナリオが全11章構成である事を明らかにしている。『シェンムー 一章 横須賀』は「シェンムーの入門編」として予定されていた一章を三倍程のボリュームに膨らませたもの。『シェンムーII』は二章をカットした上で、三章から六章まで物語の一部を収録しているが、ヒロインの莎花(シェンファ)とタイトルにもなった莎木(シェンムー)という名の大樹が登場した直後に唐突に終わっており、ストーリーは未完。更に、発売前に重要人物として発表されながら、『シェンムーII』にも登場していないキャラクターが存在する。

1998年発売のドリームキャスト版『バーチャファイター3tb』同梱のスペシャルディスクではシェンムーの予告編ムービーで列車の中でシェンファが手を触れずに超能力で周りの敵を吹き飛ばすシーンがあり、最初からファンタジー要素も予定されていたらしい。

なお、カットされた二章は香港行きの船内での物語であったと言われている[8]。そのクライマックスとなる敵とのバトルシーンや、『II』に登場しなかった主要人物の物語、『一章』のキャラクターと『II』のキャラクターの関係性等を描いた2ページ短編マンガがゲーム雑誌『ドリマガ』に短期集中掲載された。『シェンムーII』ゲームの開始直後の港にいる親子連れとの会話の内容から、涼が船内で子供を助けるストーリーがあったという事が分かる。

一章 横須賀編集

時は1986年11月29日。横須賀の郊外にある柔術道場・芭月武館で異変が起きていた。道場主の息子である芭月涼(はづき りょう)が自宅に戻ると、道場内では道場師範である父の芭月巌(はづき いわお)と、豪華な中華服を着た謎の男・藍帝(ランテイ)が一触即発の状態でにらみ合っていた。「鏡をよこせ」と詰め寄る藍帝の要求を頑なに拒否する巌だが、圧倒的実力差で倒され、助けに入ろうとした涼も簡単に押さえ込まれてしまう。涼を殺すと脅され、遂に鏡のありかを答える巌だが、「お前が殺した趙孫明(チョウ・ソンメイ)を覚えているな」と、そのままとどめを刺されてしまう。そして藍帝は龍の刻まれた「龍鏡」を手に、その場を去る。

復讐を誓った涼の元に、香港の朱元達(シュ・ゲンタツ)という人物より、巌宛の手紙が届く。「鏡を狙う者あり、緊急の時は陳大人(チン・タイジン)を頼れ」。藍帝に関する手掛かりの一切を持たない涼は、陳大人を探し始める。

道場の隠し倉庫から、藍帝に奪われた鏡の片割れ「鳳凰鏡」を見付けた涼は、かつて父と親交のあった華僑の主導者・陳大人に行き着く。一度は「命を粗末にするな」と涼を止めた陳大人だったが、涼の固い決意を知ると朱元達の居場所を知る香港の桃李少(トウ・リショウ)老師を訪ねるよう紹介状を書き、渡航する手はずを整えてくれる。こうして涼の長い旅が始まった。

シェンムーII編集

香港へ到着した涼は、いきなり全財産の入ったリュックを盗まれてしまう。賊を追い、鳳凰鏡の入ったリュックを取り返した涼だが、現金は全て抜き取られた後だった。宿銭すらなくした涼は途方に暮れるが、現地で知り合った女性・ジョイに宿とバイト先を紹介してもらい、滞在費稼ぎと桃李少老師探しを行なうことになる。

様々な試練を経て桃李少こと、紅秀瑛(コウ・シュウエイ)と出会えた涼だが、彼女もまた無謀な復讐をしようとしている涼に朱元達の居所を教えようとはしなかった。仕方なく彼女の元で武術の修行をしていた涼だが、ストリートギャングの刃武鷹(レン・ウーイン)の力を借り、朱元達が九龍城に身を隠しているとの情報を手に入れる。

レンと共に九龍城に乗り込んだ涼は、朱元達を狙う斗牛(トギュウ)率いる黄天会の妨害を受けつつも、何とか朱元達を助け出す事に成功。朱元達より、趙孫明とは藍帝の父である事、龍鏡と鳳凰鏡が清王朝の財宝に至る手掛かりだという二つの情報を得るが、黄天会にいた藍帝には逃げられてしまう。

藍帝を追って桂林の白鹿村へ一人で向かう涼は、その途中で莎花(シェンファ)という少女と知り合う。その案内で白鹿村に着いた涼だが、彼女の養父が鏡を作った一族の関係者だと判明する。長い間泊まり込んで石工の仕事をしているというシェンファの父に会うため、村から離れた洞窟に入った2人を待っていたのは「私の役目は終わった。鳳凰を携えし者(=涼)と共に行け」というシェンファ宛の置手紙と宝剣「七星剣」、巨大な龍鏡・鳳凰鏡の石の彫刻だった。

登場人物編集

主要キャラクター編集

『I』から登場編集

芭月涼(はづき りょう)
松風雅也
1968年11月29日生まれのO型。身長176cm、体重65kg。18歳。射手座。
主人公。高校三年生。父が殺されて以降は学校には通っていない。進路については、「大学に行くなら空手部のある大学がいいな」などと答えている。
茶色の革ジャンA-2)とジーンズを愛用している。母は既に亡くなり、芭月流柔術の達人である父を持つ。常に眉頭がビシッと上がり、無愛想でぶっきらぼうだが正義感が強く、勇敢な性格。父親の死の謎、そして殺された父親の仇をとるため、藍帝の行方を追う。無鉄砲なところがあり、しばしばトラブルに巻き込まれる場面も目立つ。『一章』では手紙に書かれた中国語が判らないため中国語が読める人物を探すエピソードがあったが、『II』では普通に中国語で会話ができる。
当初は武術の達人には劣り、修羅場をくぐった人間にもてこずったりしたが、次第に腕を磨いて、様々な人間から武芸を教わったことで裏社会の人間にも通用する武術の強さを身に着けた。
原崎望(はらさき のぞみ)
声:安めぐみ
1968年8月23日生まれのAB型。身長164cm、体重47kgで18歳。乙女座。
涼の同級生。花屋アイダの看板娘。父の仇をとろうと奔走する涼を心配するが、彼女も事件に巻き込まれることになる。『一章』終盤、父のいるカナダに渡る事になり、涼とほぼ時を同じくして日本を去る事になる。その際に涼にお守りを渡した。
早田稲(はやた いね)
声:好村俊子
1922年8月9日生まれのA型。身長155cm、体重48kgで64歳。獅子座。
通称・稲さん。芭月家住み込みのお手伝い。優しく温かい古き良き女性の鏡。いつも涼のことを心配している。
福原正幸(ふくはら まさゆき)
声:八戸優
1960年8月9日生まれのO型。身長173cm、体重68kgで26歳。獅子座。
通称・福さん。芭月道場に住み込んでいる巌の弟子。やや抜けているところはあるが、性格は優しく涼の良き相談相手。バーにいる女性に恋している。
陳貴章(チン・キショウ)
声:酒井哲也
1956年2月10日生まれのA型。身長175cm、体重70kgで30歳。水瓶座。
貿易商を営んでいる父・陳躍文のそばで経営を学びながら、ボディガードも努めている。燕青拳を習熟する。近頃になって藍帝のいるチャイニーズマフィアと関わりのある組織「マッドエンジェルス」が横須賀港を荒らすようになり、最終的に涼と二人で70人を超えるマッドエンジェルスを撃破、固い絆で結ばれることとなる。当初は涼と共に香港に向かう予定だったが、チャイの襲撃から涼を庇って負傷した為に旅立てなかった。
陳躍文(チン・ヨウブン)
声:並木伸一
1926年10月10日生まれのA型。身長160cm、体重70kgで60歳。天秤座。
通り名は陳大人(チン・タイジン)。華僑でも指折りの実力者で貿易商を営んでいる。涼に香港行きのチケットを渡す。
トム・ジョンソン
1959年11月23日生まれのB型。身長179cm、体重80kgで27歳。射手座。
横須賀でホットドッグ屋台を営む陽気な黒人。涼とはマイベストフレンドな関係。『一章』の終盤でアメリカに帰国する。
三橋五郎(みはし ごろう)
声:櫻井孝宏
1969年7月9日生まれのA型。身長180cm、体重80kgで17歳。蟹座。
横須賀港でケチなカツアゲをしているチンピラ。通称・ゴロー。カツアゲをしていたところを涼に敗れ、以後は主人公を「アニキ」と慕うようになる。出会いがしらの「ちぃ〜っす!」という挨拶が特徴的。ストーリー中に堅気に戻って結婚することを報告してくる。
マーク・キンバリー
声:ケビン・クライン
1957年7月21日生まれのO型。身長179cm、体重79kgで29歳。蟹座。
横須賀港でフォークリフトの運転手として勤務している黒人。弟はマッドエンジェルスによって殺害されている。常に冷静で感情が見られず物静か。時折、台詞に英語を混ぜて話すが、その部分は字幕が表示されない。マッドエンジェルスと対立している陳大人と関わっていると勘違いされ、マッドエンジェルスのメンバーから暴行を受けてしまう。涼にはマッドエンジェルスに関する情報を教えている。
芭月巌(はづき いわお)
声:藤岡弘
1940年5月3日生まれのA型。身長175cm、体重80kgで46歳。牡牛座。
芭月武館の道場主。藍帝に殺害され、息子の涼に「愛すべき友を持て」との言葉を遺す。過去に趙孫明という男を孟村で殺したのが事件の発端らしいが真相は不明。

『II』から登場編集

紅秀瑛(コウ・シュウエイ)
声:出口佳代
1960年5月24日生まれのA型。身長168cm、体重52kgで26歳。双子座。
別名は桃李少(トウ・リショウ)。若い女性ながらも老師(中国語で「先生」の意)と呼ばれる八極拳の達人で、本気で襲い掛かる涼や斗牛までも簡単にあしらう実力を持つ。道教や中国文学にも造詣が深く、文武廟で広く教えを説く。兄である紅紫明がいたが、彼女が幼い頃両親を殺した悪人の復讐の為に旅に出たため、彼女は一人ぼっちになり孤児院で過ごしていた。その経験により、彼女の表情は少し悲しげであり、口数も少ない。
刃武鷹(レン・ウーイン)
声:萩原匠
1967年12月4日生まれのAB型。身長175cm、体重65kgで19歳。射手座。
若くしてビバリーヒルズワーフを根城にしているストリートギャング「ヘヴンズ」の頭を務める青年。金に対する執着心が強い。一見して冷徹だが、一度仲間と認めた者にはとことん面倒を見る。他人から指図されるのを嫌う。涼をあしらいながらも、危機に陥った涼に手を差しのべるなど優しい一面も持つ。しかし、その行動は全てお宝の為である。ヘヴンズのメンバーからは「レンさん」と呼ばれている。
ウォン
声:渡辺久美子
1973年8月21日生まれのB型。身長150cm、体重35kgで13歳。獅子座。
本名は倪賢翁(ゲイ・ケンオウ)。「ヘヴンズ」のメンバーで鍵開けが得意の少年。物心ついたころから両親がいなかった孤児なので、生きる為にスリやカッパライをして生計を立てている。初対面時に涼のリュックを盗むが、涼に懐いてからは様々な手助けをするようになり、以後、涼の事を「おにいちゃん」と呼んでくる。
ジョイ
声:夏樹リオ
1968年8月16日生まれのB型。身長162cm、体重50kgで18歳。獅子座。
金髪に染めた髪に露出の激しい服装で、真っ赤なスポーツバイクをヘルメットも着用せず乗り回す。一見すると西洋的な顔立ちだが、香港人女性。涼を一目で気に入ったらしく、なにかと付け回してはおせっかいを焼いてくる。思ったことは何でも口にするストレートだが裏表がなく本当は心優しい性格。ヘヴンズとはくされ縁。
貴章とは昔から知り合いだが、本編中でそれが判るのは本筋に関係ない隠しイベントのみである。
薫芳梅(クン・ファンメイ)
声:大谷育江
1972年3月3日生まれのB型。身長156cm、体重42kgで14歳。魚座。
紅秀瑛の元で手伝いをしている女の子。秀瑛を尊敬しており、また秀瑛の過去を知っている。秀瑛と同じ孤児院で育つ。やがて、涼に恋心を抱くようになる。
朱元達(シュ・ゲンタツ)
声:北村弘一
1920年2月26日生まれのAB型。身長165cm、体重53kgで66歳。魚座。
涼の父である巌の親友。藍帝の過去を知る唯一の人物。その為、蚩尤門に狙われる。
玲莎花(レイ・シェンファ)
声:一章、II:石垣はづき、III:照井春佳
1970年9月9日生まれのA型。身長155cm、体重43kgの16歳。乙女座。
ヒロイン。莎木の花が咲いた頃に生まれたため「莎花」と名付けられた。桂林の山奥にある白鹿村で養父と二人で暮らしている純粋な少女。大自然の中でのびのびと育った彼女は、山野の植物や動物に関する知識が豊富である。『一章』で度々涼の夢に出てくる。『II』ではタンポポの種を手をかざすだけで飛ばす能力を見せるが、それが当たり前のことだと思っている。

敵キャラクター編集

『I』から登場編集

藍帝(ランテイ)
声:櫻井孝宏
1955年8月13日生まれのA型。身長185cm、体重80kg。31歳。獅子座。
腕に刺青があり、緑色の豪華な中華服を身にまとう武術の達人。中国の巨大マフィア組織「蚩尤門」の最高幹部の一人。涼の父親を殺害した理由は、朱元達曰く、彼が趙孫明という武術家の息子で、芭月巌が孫明を殺害したために仇打ちのためとされているが、実際に巌が孫名を殺害したのか、またその理由については不明。
チャイ
声:二又一成
生年月日や年齢、星座は不明。血液型AB型、身長160cmで体重55kg。
「蚩尤門」に属している藍帝の部下。その外見は人間離れしており、老人のような姿形で猫背のように身を低くして移動するが、驚異のジャンプ力と素早さ、格闘センスを持つ強敵。『一章』のラストボスであり、ゲーム内では『一章』のラストの戦闘で涼に倒され、海に落ちたのが最後の登場だが、ゲーム雑誌『ドリマガ』に掲載されたセガ公認の2ページ漫画では、香港に渡る船の中で女の子を人質として涼と戦っている(そのとき助けた少女とその母が『II』の冒頭シーンに登場する母娘である)。
テリー・ライアン
声:石川ひろあき
1952年3月17日生まれのA型。身長185cm、体重85kg。34歳。魚座。
新横須賀港を牛耳っている「マッドエンジェルス」のボス。卑劣な性格。陳たちを港から追い出し、香港ルートを手に入れて蚩尤門に取り入ろうと画策する。『一章』終盤に望を人質に涼を脅し、取引に邪魔な貴章を倒させようと目論む。しかし二人に70人もの手下を全滅させられ、最後は卑怯な手で貴章を倒そうとしたが涼に阻止され、敗れた。
チャーリー・グラント
声:江川央生
1942年7月29日生まれのO型。身長172cm、体重63kg。44歳。獅子座。
「マッドエンジェルス」の幹部の一人。バイク集団を率いて夜の港で暴れている。
ハリー・トンプソン
声:ドミニク・アレン
1955年4月24日生まれのAB型。身長178cm、体重87kg。31歳。牡牛座。
「マッドエンジェルス」の幹部の一人。外国人船員たちをまとめあげている。
トニー&スミス
「マッドエンジェルス」に属しており、コンビで行動することが多い。幾度も涼を陥れようとする。

『II』から登場編集

斗牛(トギュウ)
声:熊谷正行
1938年5月6日生まれのB型。身長220cm、体重180kgで48歳。牡牛座。
チャイニーズマフィアである「黄天会」のボスで、「蚩尤門」に属している藍帝の部下。熊のような巨体で涼達を追い回す。『II』の実質的ラストボスだが、重すぎて持ち上がらない巨体ゆえにザコ敵には非常に有効だった投げ技の類が全く効かず、かなりの強敵となる。
ユアン
声:櫻井孝宏
1962年4月4日生まれのAB型。身長170cm、体重49kgで24歳。牡羊座。
斗牛の部下でゲイ。自身の部屋に斗牛の写真を置いており、好意を寄せている。ナイフ収集が趣味で九官鳥を飼っている。化粧をしており、オカマ口調、耳にピアスをしている。口癖はエレベーターに乗る時にボタンを押す一言の「ポチッと」。弱点は汚いもの。
海外版ではユアンの性別は男性から女性に変更されており、それに伴い声優も女性が担当している。日本語音声、英語字幕のヨーロッパ版の『Shenmue II』でも女性を起用している。
白虎(びゃっこ)
年齢不明。10月22日生まれのA型。身長183cm、体重72kg。天秤座。
「黄天会」の拠点・黄天楼の地下闘技場で涼と闘うことになる謎多き覆面ファイター。斗牛やユアンと違い、嘘はつかない硬派な人物。

その他のキャラクター編集

『I』から登場編集

伊藤直之(いとう なおゆき)
1968年5月14日生まれのO型。身長177cm、体重61kgで18歳。牡牛座。
涼の友達。バイクを所有しており、それが物語のある場面で重要な役割を果たす。
三島恵(みしま めぐみ)
声:木村こてん
1981年3月25日生まれのB型。身長110cm、体重28kgで5歳。牡羊座。
近所に住む幼稚園児。母親に内緒で捨て猫を神社で飼っている。
山岸成夫(やまぎし しげお)
1911年2月27日生まれのAB型。身長169cm、体重68kgで75歳。魚座。
桜ケ丘に住む老人。芭月巌のことをよく知っており、場合によっては涼に技を伝授してくれる。
高城隆史(たかしろ たかし)
1957年4月17日生まれのAB型。身長180cm、体重69kgで29歳。牡牛座。
「マッドエンジェルス」のタトゥーを彫っている彫り師。何かと涼の身体にタトゥーを彫ろうとしてくる。
関根エツ子(せきね えつこ)
声:夏樹リオ
1966年10月18日生まれのB型。身長160cm、体重45kgで22歳。天秤座。
旅行会社「アジア旅行社」の店員。勤務態度がとても悪く、涼の払った香港行きのチケット代を持ち逃げする。
ジミー・ヤン
声:中田博之
1956年9月9日生まれのB型。身長169cm、体重52kgで30歳。乙女座。
旅行会社「アジア旅行社」の社長。「マッドエンジェルス」と裏で繋がっている。
水木省三(みずき しょうぞう)
1919年4月28日生まれのA型。身長156cm、体重42kgで67歳。牡牛座。
新横須賀港に住み付いている謎多き浮浪者。マッドエンジェルスから助けられた事を機に、涼に様々な技を伝授する。
湯川元専務
声:本人
セガの常務。体験版ディスクでは重要な役割を果たす。本編では一定の条件を満たすと宝寿司とバー「YOKOSUKA」で会うことができる。

『II』から登場編集

劉漢輝(リュウ・カンキ)
1943年9月30日生まれのAB型。身長170cm、体重71kgで43歳。天秤座。
紅秀瑛の元で働く道士。冷静沈着で物静か。涼に様々な技書をくれたり、技を伝授したりしてくれる。
クールJ
声:梁田清之
1968年11月15日生まれのAB型。身長185cm、体重130kgで18歳。蠍座。
ヘヴンズのメンバー。本名はクライス・ジェームス。サングラスにモヒカン頭の巨漢。風貌に似合わず、涼にアドバイスをするなど優しい面が多々見られる。
サム
声:小森創介
1971年4月25日生まれのO型。身長165cm、体重52kgで15歳。牡牛座。
ヘヴンズのメンバー。本名は劉孫界(リュウ・ソンカイ)。レンを慕う。
ラリー
声:咲野俊介
1970年6月10日生まれのA型。身長171cm、体重58kgで16歳。双子座。
ヘヴンズのメンバー。本名は羅李功(ラ・リコウ)。長髪。レンを慕う。
張書勤(チョウ・ショキン)
声:長島雄一
1942年11月8日生まれのA型。身長172cm、体重65kgで44歳。蠍座。
朱元達の部下。拷問を受けても口を割らないなど忍耐強く、自分の身を危険に晒してでも朱元達を救おうとする忠誠心も持ち合わせている。
洪徳林(コウ・トクリン)
声:中村秀利
1951年6月29日生まれのA型。身長178cm、体重79kgで35歳。蟹座。
ワンチャイの荷物運びのアルバイトの相棒。彼からはあるイベントの最中にだけ「喧嘩アッパー」という技を教えてもらえる。訛りが激しく、普段はおっとりしているが仕事になると地味に人使いが荒い。だが、本質は悪い人間ではない。
玄周善(ゲン・シュウゼン)
声:丸山詠二
1918年9月9日生まれのO型。身長162cm、体重52kgで68歳。乙女座。
多くの人々の尊敬を集める菜珍街の光武館の道場主。武術家。彼から4つの武徳の1つ「戒」を教わる。
白宗泉(ハク・ソウセン)
1949年11月9日生まれのO型。身長185cm、体重103kgで37歳。蠍座。
昔は武術家だったが、今は大道芸人として設計を立てている37歳。彼の師匠である周善は、彼が落ちぶれてしまったのは自分のせいだと言い、今も後悔している。
陶健民(トウ・ケンミン)
声:辻村真人
1911年3月22日生まれのO型。身長151cm、体重43kgで75歳。牡羊座。
紅南街の徳蓬公園でいつも太極拳の修練を重ねている老人。武術家。彼から4つの武徳の1つ「功」を教わる。
孔張愉(コウ・チョウユ)
声:伊藤和晃
1936年11月8日生まれのB型。身長165cm、体重59kgで50歳。蠍座。
福仙街の理髪店の店主。実は武術家の一人で、彼から4つの武徳の1つ「胆」を教わる。
李桂香(リ・ケイカ)
声:坂本千夏
1911年1月8日生まれのB型。身長147cm、体重43kgで76歳。山羊座。
紅南街の恩田楼にすむ頑固な老婆。あまり人を信じようとしない。涼に特定の者同士しか知りえない、いくつかの茶碗を特定の置き方をすることで、見知らぬ者同士に合図を送る秘密の暗号「茶碗陣」を教えてくれる。また、4つの武徳の情報を提供する。
ヤン
1931年6月15日生まれのA型。身長165cm、体重65kgで55歳。双子座。
九龍城にある安見漢方という漢方薬屋の店主。情報屋でもあり、元は朱元達の部下だった。
紅紫明(コウ・シメイ)
声:浅野まゆみ
生年月日や年齢、血液型などは不明。13歳時は身長150cm、体重41kg。
紅秀瑛の兄。両親の敵を討つために妹を置き去りにして「蚩尤門」に入ったが、その後の消息は不明。

システム編集

本作では街中を探索して主人公の父を殺害した宿敵の情報を集めるアドベンチャー部分と、突発的にボタン入力を求められるQTE(クイック・タイマー・イベント)、そしてバトルシーンからなる。

情報収集編集

イベントが発生し、その目的を達成するため街中を周回するNPCから情報を集めて物語を進めていく。得た情報は場合によってはメモ帳に自動的に書き込まれ、場合によっては直球的なヒントが表示されるため、これを細かくチェックしていれば、まずゲーム本編で詰まることはない。

また、街中の人物は老人から小さな子どもまで、全員がフルボイスで主人公に応答してくれる。この応答は現在進行中のイベントによって逐一異なり、次にプレイヤーがどこへ行ったら良いか的確なヒントを与えてくれる(ただし相手の場合や状況によって返答は異なる)。

『シェンムーII』では人によっては目的地まで案内してくれるようになっており、その人物をロックオンすると自動的にプレイヤーキャラクターも追従する。追従している最中はカメラを動かすことで周囲の情景を見ることもでき、ロックオンを外して自由に行動することもできる。

また、宿敵を倒すという目的をすっかり忘れてサブイベントに興じることが可能である。例えば缶ジュースを(生身の人間ならばありえないことだが)何十本もがぶ飲みする、子どもの見ている横でガチャガチャを大量に購入する、朝から晩までゲームセンターに入り浸る、などがあるが、ゲーム内では常に時間が流れており、ある日付までにゲームを終了しないとゲームオーバーとなってしまう。

街中を歩いている人物たち(『一章』で300人以上いる[9])の大半はストーリーに直接絡んではこないが、全員に名前と生年月日、職業といった細かい裏設定が当てられている。

QTE編集

クイック・タイマー・イベント、通称QTEは情報収集中に突発的に発生するイベントシーンでボタン入力を求められるシステムである。画面中央に入力すべきボタンアイコンが点滅表示される。また、シェンムーIIでは、画面が一瞬停止し、入力すべきキーが表示される、コマンドQTEがある。入力を間違えたり、時間切れになると、ある一定の地点まで戻されて再挑戦できるか、ストーリー展開に変化が出る場合がある。

バトルモード編集

ゲームを進めていくとプレイヤーの行く手を阻む者と対決しなくてはならなくなる箇所がある。この場合、画面下に体力ゲージが表示され、コマンド入力による対戦格闘のバトルモードに突入する。

このバトルモードは、一部を除いてゲーム難易度は高くない。適当にボタン連打をしていても何度か挑戦すれば誰でもクリアーできるように調整されている。また、この対戦格闘モードでは『バーチャファイター』の技が多く収録されている。

バトルモードで使える技は多く、情報収集中に手に入れた秘伝の技書を手に入れることで新しい必殺技を体得することができる。また、公園や道場、倉庫といったフリーの練習エリアで偶然入力したキー操作で新たな必殺技を我流で習得する場合もある。バトルモード用の技には熟練度が設定されており、繰り返し使い続けることで性能がアップする。

防御に関しては、ボクシング的に腕や足などで敵の攻撃を受けるタイプではなく、タイミングよく防御ボタンを入力すると「受け流す」物である。

ミニゲーム編集

本作の世界は1980年代中期の横須賀、香港を資料に基づいてできる限り再現したものであるとされている。そのため、街並みは極めて現実的であり、ゲーム中にいくつか存在する施設でミニゲームをプレイすることができる。

ゲームセンター編集

ゲーム中にはゲームセンターが存在し、その筐体にお金を投入して実際にプレイすることができる。

ゲームセンター内では「スペースハリアー」「ハングオン」(この2作はほぼ完全移植されたもの。なお、スペースハリアーはゲームのるつぼ、ハングオンはゴッチテクノロジーが移植を担当)「ダーツ」といったゲームがあるほか、このゲームの特徴でもあるQTEシステムをミニゲーム化した「QTEタイトル(ABXボタンを使用)」「エキサイトQTE(主に十字キー及びABXYボタン)」などがプレイできる(主に十字キー及びABXYボタンとあるのは コントローラのLRトリガーが未使用であるものの、プレイ中誤って引いてしまうことにより失敗判定を受け残数が減ることがあるため)。なお「ダーツ」においてはゲームセンター以外でもプレイ出来る施設が存在する。

ゲームセンター以外の施設において「スロットマシン」であったり、イベントの進行条件を満たすことによりプレイ可能なミニゲームも存在する。加えて『シェンムーII』ではミニゲームに「アウトラン」、「アフターバーナーII」(この2作もゲームのるつぼが移植を担当し、(BGMの音色を除き)完全移植されたものとなっている)などプレイ出来るゲームが追加されている。

フォークリフト編集

『一章』でのみプレーできる。実際にフォークリフトを運転して荷物を運ぶものと、早朝の一日一回だけプレーできるフォークリフトレースの二種類。

荷物運びでは運んだ荷物の数に応じて給料が支払われる。なお、このイベントの発生までは毎朝自宅の玄関で手に入る500円のみが収入源であり、その中でやりくりしなくてはならない。

バイク編集

『一章』のみ。後半のイベントで強制スタートとなる。大型のバイクに乗って制限時間内にゴールを目指すというもの。ストーリーに直接関わるミニゲームのため、クリアできない場合はゲームオーバーとなる。

賭博編集

賭博(ギャンブル)は『II』で追加されたミニゲームである。

基本的な「サイコロ賭博」は大小ちんちろりんなど、いくつかのルールが導入されており、賭場によってルールが若干異なる。「落とし玉」は釘が打ち付けられた台の上のほうから玉を落とし、定められたゴールに玉が入れば勝ちとなる。これも台の種類やルール、掛け金、景品など賭場によって大きく異なる。

また、アクション要素のある賭博としてアームレスリングもある。ボタン連打に加え、まれに出るQTEを成功させることでゲームを有利に展開させることができる。

この内「落とし玉」はアルバイトでプレイヤーが親になってプレーすることができる。落とし玉アルバイト中は街行く人に声をかけて呼び込み、客と対戦する。雇い主が帰ってきたときに残っていたもうけの半分をアルバイト代としてもらうことができる。もちろん負け続けていればバイト代はもらえない。

ストリートファイト編集

賭博の一種で『II』で追加された。

通常のバトルシーンで、勝利すれば掛け金をもらうことができる。中には極端に回避率の高い格闘家を時間内に倒すなど変則的な条件が設けられている場合もある。

荷物運び編集

『II』では唯一全うなアルバイトである。『一章』には存在しない。

他の人物と力を合わせ、重い荷物をほんの数メートル手前から奥に運ぶという内容である。相方の指示にあわせて十字キーを入力する条件反射ゲームだが、後半になると難しいキー入力を求められる。運んだ個数に応じて給料をもらうことができる。

本の虫干し編集

『II』のイベントの一つとして強制プレイさせられるミニゲームの一つ。倉庫に山積みになった本を外に持ち出し、崩さないように所定位置まで運んで虫干しの手伝いをするというもの。急ぎすぎても転んで本を崩してしまうし、随所にはQTEが仕組まれており、これに失敗しても本を落としてしまう。落とすと時間のロスとなってしまうため、いかに素早く本を落とさずに完遂させるかがポイントである。

木の葉つかみ編集

『II』のイベントの一つとして強制プレーさせられるミニゲームの一つ。舞い落ちる木の葉を人差し指と中指でキャッチする。無数に落ちてくる木の葉の中から一つをアナログスティックで追いかけ、タイミングよくボタンを押すとキャッチできる。失敗しつづけているとストーリーが進まない。

開発編集

総監督は『スペースハリアー』『アウトラン』『アフターバーナーII』『バーチャファイター』などのアーケードヒット作を生み出した鈴木裕。建築設計士、ハリウッドスタジオジブリなど多種多様な場から人材を起用し、空前の大規模プロジェクトとなる。

当初は「バーチャファイター」シリーズのRPGとしてセガサターンで開発されており[10]実際、かなりのパートが出来上がっていたが、セガがドリームキャストへメインハードを移行した為、シェンムーもドリームキャストへ移行される。当時はセガのハードがソニー・コンピュータエンタテインメントプレイステーションに押されてだんだん劣勢になりつつあり、これを覆すキラータイトルとして期待が寄せられ、セガハード系のゲーム雑誌を中心に大々的に取り上げられた。

他に例を見ない大プロジェクトだったため、開発費も、『シェンムー 一章 横須賀』発売までで少なくとも50億円程度[11]、『シェンムーII』で20億円以上を必要とし、当時のギネス・ワールド・レコーズに「最も制作費が使用されたテレビゲーム(70億円)」として記載された[12]。後に「グランド・セフト・オートIV」が開発費約1億ドル(約100億円)で更新している[13]

また、「実際の商品」とタイアップしたのも特徴的である[14]。ゲーム内には飲料メーカー[15]の自動販売機が多数立ち並んでおり、実際にゲーム内で購入することができる[16]

評価編集

日本国内における販売本数は、『シェンムー 一章 横須賀』が50万本を越える[17]、『シェンムーII』が15万本程度[18]。全世界における販売本数は、『シェンムー 一章 横須賀』が120万本[19]、『シェンムーII』が47万本(DC & Xbox[20][18])と制作費の割には振るわなかった。

『II』が売れなかった要因としては、「ハード自体が既に末期であった(セガによるDC撤退アナウンスから7ヶ月後の発売だった)」「『一章』ほどの宣伝を行わなかった」「『一章』のストーリーがボリューム不足であった為、『II』の内容に不信感が持たれた」などが挙げられる。

発売に際してはプラットフォームとするドリームキャスト本体発売当初から、ハードを引っ張る超大作として大々的な宣伝キャンペーンが行われ、文字通りギネス級な開発費と発売の延期に次ぐ延期により開発期間を費やしたため、期待通りに完成をみなかったプロダクションや振るわなかったセールスもあり、そのゲーム内容そのものよりも商品企画としての失敗例として批判的な評価をあびることもしばしばである。

他方では「アニメーション神戸作品賞」や「文化庁メディア芸術祭 インタラクティブ部門優秀賞」を受賞した。

日本国外ではその斬新なスタイルのゲーム性が評価され、Academy of Interactive Arts & Sciences賞の「2000年度・最も革新的なテレビゲーム」に選ばれた。

後の展開編集

前述のとおり、シェンムーの物語は未完であり、更なる展開が第3作目『シェンムー3(III)』で用意されていたが、様々な要因で開発は休止され、約15年間の空白期間が訪れることとなる。一時は『3』とは別にオンラインゲームとして『シェンムーオンライン』という作品の制作が進んだ時期もあったが、実現していない(ソーシャルゲーム『シェンムー街』については後述)。

シェンムーオンライン編集

2004年8月にパソコン用MMORPG(オンラインRPG)『シェンムーオンライン』の開発が発表され公式サイトも設置された。2004年10月にはクローズドベータテストが韓国で実施されたが、2005年8月には開発会社が変更になるなどトラブルが発生していることが明らかにされ、いつごろ発売されるかは不透明であった[21]

2006年以降、「『シェンムーオンライン』でシェンムーの物語を完結させる手段も考慮している」というコメントが海外メディアによって伝えられるようになった。2006年7月に行われた鈴木裕による中国メディア向けプレゼンテーションでは、『シェンムーIII』の物語に該当するイメージCG映像が公開された。また、『シェンムーオンライン』の開発は日本のセガAMプラス研究開発部(鈴木裕直轄チーム)が開発しており、同年末に中国でテスト運営を開始する予定との告知がされたが、2007年にはセガが中国オンラインゲーム事業からの撤退を発表[22]。現在に至るまでテスト運営は開始していない。

シェンムー街編集

2010年10月7日、『モバゲータウン』を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)は、シェンムーシリーズの新作となるタイトル『シェンムー街』を同日にオープンしたPC向けソーシャルサービス『Yahoo!モバゲー』において同年冬に配信することを発表した。当初はDeNAのみが発表するに留まったが、同11月1日に『モバゲータウン』および『Yahoo!モバゲー』にて今冬に配信されることが正式発表された。同日より『モバゲータウン』にて事前登録受付が開始されている。『シェンムー街』はシリーズの外伝的位置づけとなるソーシャルゲームで、鈴木が2008年11月に設立したYS NETが開発を手掛け、セガが全体監修を行い、配信はサン電子が担当する。基本プレイ無料でアイテム課金制。2011年12月26日をもってサービスを終了した。

PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD編集

『シェンムーIII(3)』の再始動(後述)が発表された後となる2015年10月、カプコンセガグループセガゲームスおよびセガ・インタラクティブ)、任天堂バンダイナムコエンターテインメントのゲームキャラクターが共演するクロスオーバー作品PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』にシェンムーの芭月涼が参戦することが発表された。芭月涼の声はオリジナル版のキャストである松風雅也が担当する[23]

空白期間における主な出来事編集

鈴木裕自身は過去のインタビューで繰り返し『シェンムーIII』を制作したいと語っており、セガ上層部からの許可が出ればすぐにでも開発が再開できる状況にあると言っている。また、「シェンムーの物語はIIIで完結させたい」と発言していたが、『シェンムーオンライン』の開発がストップした事で益々「III」開発は遠のいた。2007年8月にはKikizo Gamesのセガ担当記者がシェンムーについてこうコメントしている[24]

「シェンムーオンライン」は失敗に終わり、鈴木氏はさらに苦しい立場に置かれ、現状では、シェンムー3の計画はまったくない。2年前にKikizoが「シェンムーIIIが開発中」と報道した時点では、あの記事の内容は正しかったが、ご存知のとおり、セガに関しては状況が大幅に変わっており、結果的に記事にしたことは実現しなかった。自分としては、ぜひ実現してほしいと願って書いたのだが、それが裏目に出たようだ。あれ以後は、すぐに実現しないことは記事にしないことにしている。

2010年2月、ソニックシリーズの1作『ソニック&セガ オールスターズ レーシング』のプレイアブルキャラクターとして芭月涼が登場。シェンムーシリーズとしては初のスピンオフ登場作品となった。

2014年2月19日23:31のGame*SparkへのDOG COMICの投稿によると、米国特許商標庁(USPTO)にセガが登録している『シェンムー』の商標が失効されていることが、USPTOのサイトで確認されたとの事。

シェンムー3再始動編集

シェンムーIII
ゲーム:シェンムーIII
対応機種 PlayStation 4 / Windows
※ Win版はSteamクライアント必須。
必要環境 (Windows版。以下最低限のもの。推奨環境は後日公開予定)
OS: Windows 7/8/10(64bit版のみ)
CPU: Intel Core i5-4460 (3.40 GHz)
メモリー: 4GB
GPU: NVIDIA GeForce GTX 750Ti 2GB
DirectX 11
ストレージ: 100GB以上
サウンドカード: DirectX 9.0c互換
ブロードバンドインターネット接続必須
開発元 YS NET
ネイロ
スタジオフェイク
発売元 Deep Silver
プロデューサー 鈴木裕
セドリック・ビスカイ
ディレクター 鈴木裕
岡安啓司(サブディレクター)
平井武史(クリエイティブディレクター)
キャラクターデザイン 宮脇謙史
シナリオ 吉本昌弘
音楽 井内竜次
プレイ人数 1人
発売日 2019年11月19日予定
テンプレート - ノート

2015年、鈴木裕が独自に『シェンムーIII(3)』のディレクションを再開することになった(経緯は後述)。
発表当初における『3』についての基本的な情報は下記の通りとされた[25](発売時期など、後に変更されたものもあるので後述の「開発略史」も参照のこと)。

  • 企画はYS NETが行う(シェンムーのIPは2015年4月1日からIPを保有するセガホールディングスからライセンス許諾を得る形で利用する)。
  • 実開発は株式会社ネイロが[26]、販売はDeep Silverが全世界で担当[27]。なおネイロの代表取締役である平井武史は『シェンムー』のメインプログラマーだった。
    • 開発には非公式にファンメイドで『シェンムー』のHDリマスター版を作っていた「Kid Nocon」なる人物も加わっている模様[28]
  • リリースするプラットフォームはPC(使用OSはWindowsを予定。Steamクライアント内での稼働)とPS4の予定。
    • Windowsの必要動作環境はテンプレートを参照。
  • 当初、完成時期は2017年12月ごろを目指すとしていた。
  • 主人公・芭月涼の声は日米版共にオリジナル版のキャストである松風雅也(日)とコーリー・マーシャル(米)が担当予定。ヒロイン・玲莎花の声は新規にオーディションを行った上でキャスティング。

また、鈴木裕はインタビューでシェンムー3でも物語は完結しないことを明言している[29]

開発略史

※日付は現地時間や日本時間が混在しているため、およそその目安。

  • 2015年6月16日 - E3 2015ソニー・コンピュータエンタテインメントが会場で催したカンファレンスにおいて「応援の一環」として「鈴木裕が『シェンムーIII(3)』を制作するため、Kickstarterを用いたクラウドファンディングを開始する」事を発表。直後に鈴木の会社であるYS NETがプロジェクトページをオープンし、(同年7月18日(北米時間)まで約1ヶ月間のファンディングを開始。開始からわずか1時間44分で100万ドルに達し、「最も短時間で100万ドルを集めたビデオゲーム」としてギネスワールドレコーズに認定された[30]。約8時間半後には当初の最低目標額である200万ドルに到達[31]。これにより、『シェンムー3』の開発は正式に開始される事となった。
  • 2015年7月17日、555万ドルを突破。ビデオゲームカテゴリーとしてはそれまでTOPだった五十嵐孝司の『Bloodstained: Ritual of the Night』の出資額を上回り、Kickstarter史上もっとも資金を集めたビデオゲームとなる[32]
  • 2015年7月18日、ファンディング終了、この時点での出資総額は633万3295ドル(当時のレートで約7億8500万円)となった[33]
  • 2015年9月17日‐PayPalを使った追加ファンディング(開発費支援)を開始。7月のファンディング時は英語による支援方法しかサポートされていなかったため、主に日本語圏へのフォローとして行われる。期限は同年12月31日24:00まで。支援された額は前回の約633万ドルから上積みされるので、ストレッチゴールは650万ドルに設定(なおPayPalはクレジットカード以外の決済方法も使えるので、カードを所有していないファンも支援が行える。当初はカードの有無に関わらず決済通貨は米ドルのみだったが、後にカード決済ならば日本円でのファンディングも可能となった)。
  • 2016年1月7日‐追加ファンディングの金額が日本円換算で2,400万円突破。これによりストレッチゴールの650万ドル(アドバンスドバトルシステムに「ラグドールリアクション」搭載)達成。ファンディング期間は更に延長が決まり、次のストレッチゴールは700万ドルに設定。
  • 2017年6月 - 『シェンムー3』公式サイトほかにて公開した「開発スケジュール情報」動画にて、鈴木裕が発売を当初の予定から約1年延期、2018年下半期に再設定すると発表。
  • 2017年8月 - 『シェンムー3』の全世界における販売権をドイツKoch Media社のゲームセクションである「Deep Silver」がYS Netより獲得する[27]
  • 2018年5月11日 - 発売日を2018年下半期から再延期、2019年に設定すると発表[34]
  • 2018年5月24日 - 日本における玲莎花役の声優が照井春佳に決定、ボイス収録を開始[35]
  • 2018年7月20日 - 追加ファンディングによりストレッチゴールの700万ドル(アドバンスドバトルシステム「AIバトル」搭載)達成。次のストレッチゴールは750万ドルに設定。
  • 2018年8月21日 - ドイツのゲームイベント「gamescom」にて、発売日が「2019年8月27日」と発表される[36](どの地域における発売日なのか、具体的な発表は無し)。
  • 2018年11月22日 - ファンディングが事実上終了。最終的な出資総額は717万9510ドル(当時のレートで約8億1128万4630円)、総支援人数は81087人と発表された。

シェンムーI&II編集

2018年、全世界で順次リリースされた、『一章 横須賀』(I)と『II』を一本にカップリングしたコンピレーションソフト。ゲームUIなど、細かい点で現代のゲームハード仕様に合わせたデザインにリファインされている(下記参照)。

日本における第一報は2018年4月14日に行われた[37]。その後、海外ではPS4、PC (Steam)、Xbox Oneで8月に、日本では同年11月22日にPS4のみでリリースされた。

主なリファインポイントは次の通り

  • グラフィック画質の向上、映像アスペクト比を16:9(いわゆる「2K」HDワイド画面)に対応。
  • 操作方法はオリジナルのとおり方向キーでも、現在のゲームでは主流であるアナログ左スティックでも、どちらでも常時使用可能であり、プレイヤーはリアルタイムで選択可能(当初は「Classic」モードおよび「Modern」モードを選択する形で使用する仕様になっており、変更にはワンクッションの操作が必要であった)。
  • (一部の例外を除き)どこでもセーブが可能に。

脚注編集

  1. ^ https://jp.ign.com/shenmue12/28094/preview/iii
  2. ^ https://jp.ign.com/shenmue-3-ps4/22354/news/iii4
  3. ^ 『シェンムー I&II』発売記念! 松風雅也、櫻井孝宏など出演者&冲方 丁、光吉猛修など制作陣から到着したコメントを公開!”. ファミ通.com (2018年11月30日). 2019年5月5日閲覧。
  4. ^ シェンムー~莎木~ 武術監修”. 開門拳社. 2019年5月5日閲覧。
  5. ^ Waters, Tim (2011年2月8日). “Full Reactive Eyes Entertainment: Incorporating Quick Time Events into Gameplay”. Gamasutra. 2011年2月8日閲覧。
  6. ^ Provo, Frank (2000年1月11日). “Shenmue Review”. GameSpot. 2014年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月5日閲覧。
  7. ^ Hamilton, Kirk (2012年11月7日). “What Do You Know, All This Time And We've Got 'QTE' Wrong”. Kotaku. 2014年12月5日閲覧。
  8. ^ カットされた第二章が何かしらの形で『シェンムーIII』に収録される!?
  9. ^ https://jp.ign.com/shenmue12/23814/feature/iii
  10. ^ [GDC 2014]いかにして「バーチャファイターRPG」は「シェンムー」になっていったのか。鈴木 裕氏が語る「シェンムー」開発秘話”. 4Gamer (2014年3月20日). 2019年5月6日閲覧。
  11. ^ GDC 2011レポート 鈴木裕氏が語るアーケード筐体開発秘話 「ハングオン」から「シェンムー」まで鈴木氏がファンの質問に本音で解答”. GAME Watch (2011年3月4日). 2018年2月8日閲覧。
  12. ^ https://web.archive.org/web/20081223061212/http://gamers.guinnessworldrecords.com/records/multi_format.aspx
  13. ^ https://web.archive.org/web/20080612004125/http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000009052008&cp=2
  14. ^ シリーズを通じて涼がTIMEX製の腕時計を着用している、『一章』では涼が住友銀行の口座を持っており通帳が作中に登場する、『II』ではZippoの収集(偽物も登場する)ができたり終盤にHITACHI製のテープレコーダーが登場するなど。
  15. ^ 『一章 横須賀』は日本コカ・コーラ、『II』はサッポロビール飲料(後のポッカサッポロフード&ビバレッジ)が提供した。
  16. ^ これらのタイアップは海外版『Shenmue』と逆輸入版にあたる『US Shenmue』では一部、『シェンムーI&II』では全て架空の企業やブランドに置き換えられている。
  17. ^ 『シェンムー街』の制作発表会が開催、往年の名作がソーシャルゲームにファミ通.com
  18. ^ a b Shenmue 2 (Dreamcast) - Overview
  19. ^ Microsoft Announces Leading Sega Games for Xbox
  20. ^ http://www.vgchartz.com/game/2032/shenmue-2/?region=All
  21. ^ [韓国ゲーム事情#385]「シェンムーオンライン」に問題発生?、4Gamer.net、2005年8月3日。
  22. ^ セガ、中国におけるオンラインゲーム事業から撤退--現地化ができなかったのが原因か、4Gamer.net、2007年6月7日。
  23. ^ 『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』芭月涼(『シェンムー』)など新たな登場キャラクターを一挙公開、ファミ通.com、2015年10月7日。
  24. ^ Shenmue update、KIKIZO FORUMS、2007年8月1日。
  25. ^ 「シェンムー3」制作プロジェクトKickstarterで開始、株式会社YS NET、2015年6月15日。
  26. ^ 『シェンムーIII』開発スタッフ募集!!、株式会社ネイロ、2015年6月15日。
  27. ^ a b 『シェンムーIII』のパブリッシングはDeep Silverが担当―全世界のリリースをカバー”. gamespark. 株式会社イード (2017年8月17日). 2017年8月19日閲覧。
  28. ^ Shenmue_3のツイート(/650337291781566464)
  29. ^ 鈴木裕氏、Twitch配信で『シェンムー3』について語る。「物語は3で完結しない」こと明言(AUTOMATON、2015年6月29日)
  30. ^ http://www.guinnessworldrecords.com/news/2015/6/shenmue-3-e3-announcement-kickstarts-crowdfunding-videogame-world-record-385887
  31. ^ 「シェンムー3」開発決定 目標200万ドルを8時間半で達成、ITmedia ニュース、2015年6月16日。
  32. ^ 『シェンムー3』への出資額が555万ドルを突破 Kickstarterのビデオゲーム部門で史上最高額を記録、ファミ通.com、2015年7月17日。
  33. ^ http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/09/news089.html
  34. ^ 発売日についてのお知らせ | Shenmue3
  35. ^ 莎花役の声優決定! & ボイス収録レポート! | Shenmue3
  36. ^ シェンムーIII』2019年8月27日発売、ファミ通.com、2018年8月21日。
  37. ^ 【セガフェス】「サクラ大戦」が完全新作で復活! 「シェンムーI&II」がPS4で復活!、Game Watch、2018年4月14日。

関連項目編集

外部リンク編集