トムス・エンタテインメント
株式会社トムス・エンタテインメント(英: TMS ENTERTAINMENT CO.,LTD.)は、日本のアニメ制作会社(同社では自社を「アニメーションの総合プロデュース会社」と規定している)。株式会社セガの完全子会社で、日本動画協会正会員。日本のアニメ制作会社としては、東映アニメーションに次いで二番目に歴史が古い。
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![]() 本社 | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | |
略称 | TMS、トムス |
本社所在地 |
![]() 〒164-0001 東京都中野区中野3丁目31番1号 北緯35度42分8.3秒 東経139度39分54.5秒 / 北緯35.702306度 東経139.665139度座標: 北緯35度42分8.3秒 東経139度39分54.5秒 / 北緯35.702306度 東経139.665139度 |
設立 |
1946年(昭和21年)10月22日 (アサヒ手袋製造株式会社) 1964年(昭和39年) (株式会社東京ムービー) |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 |
2011101042663 ![]() |
事業内容 | アニメーションの企画・製作・販売・配給および輸出 |
代表者 | 代表取締役社長 竹崎忠 |
資本金 | 1億円(2021年3月31日現在)[1] |
発行済株式総数 |
3909万546株 (2017年3月31日現在)[2] |
純利益 |
9億9158万0000円 (2021年3月期)[1] |
純資産 |
159億4905万2000円 (2021年3月31日現在)[1] |
総資産 |
219億0283万5000円 (2021年3月31日現在)[1] |
従業員数 |
240人 (2021年3月31日現在) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | 株式会社セガ 100% |
主要子会社 | #グループ会社参照 |
関係する人物 | #関連人物参照 |
外部リンク |
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概要編集
『ルパン三世』シリーズ(日本テレビ系)、『それいけ!アンパンマン』シリーズ(同)や『名探偵コナン』シリーズ(同)などを制作していることで知られ、分社化・合併・社名変更などを経て現在の「トムス・エンタテインメント」となった。その為、制作した作品の制作クレジット表記は時期によって「東京ムービー」、「東京ムービー新社」、「キョクイチ東京ムービー」、「トムス・エンタテインメント」と変遷している。なお、最終的に社名が現在のトムス・エンタテインメントに変更された2000年(平成12年)以降も、「東京ムービー」の名はアニメ制作ブランド名として2011年(平成23年)頃まで残り続けた。
また、近年[いつ?]、デジタルリマスター化の際などにクレジット表記をそれまでの古い表記(東京ムービーなど)から、トムス・エンタテインメント名義に変更する事例もある(特徴の節も参照)。
なお、同社の英語表記「TMS」は、東京ムービー新社(Tokyo Movie Shinsha Co., Ltd.)が著作権表記に用いた略称と同じものであり、周年カウントについては旧・東京ムービーがアニメを制作開始した1964年(昭和39年)を起点としている(「沿革」で後述)。
沿革編集
- 1946年(昭和21年)10月22日 - 名古屋市瑞穂区にてアサヒ手袋製造株式会社を設立。同年、商号を旭一編織株式会社に変更。
- 1947年(昭和22年) - 株式会社旭一に商号変更。
- 1957年(昭和32年) - 旭一シャイン工業株式会社に商号変更。名古屋証券取引所に上場。
- 1958年(昭和33年) - 名古屋市昭和区に本社移転。
- 1961年(昭和36年) - シャインミンク株式会社を札幌に設立しミンク事業に進出。
- 1962年(昭和37年) - 毛皮事業を開始。
- 1964年(昭和39年) - 株式会社東京ムービーを設立。
- 1974年(昭和49年) - 旭一シャイン工業がシャインミンクを統合しミンク事業部とする。本社を名古屋市西区に移す。
- 1975年(昭和50年)、東京ムービーが子会社テレコム・アニメーションフィルムを設立。
- 1976年(昭和51年) - 東京ムービーから営業部門を分社化し株式会社東京ムービー新社を設立。東京ムービーは直接制作部門となる。
- 1980年(昭和55年) - 旭一シャイン工業が名古屋市中区錦に本社を移転。
- 1989年(平成元年)4月 - 旭一シャイン工業がウォッチマングループに買収される。繊維事業からアミューズメント事業へ業態を転換。
- 1991年(平成3年) - 旭一シャイン工業が株式会社キョクイチに商号変更。名古屋市中区錦にゲームセンター「AGスクエア」栄店をオープンしアミューズメント事業に進出。
- 1992年(平成4年) - キョクイチがセガ・エンタープライゼスおよび株式会社セガトイズと業務提携。セガグループ入りする。キョクイチは赤字続きで累積損失は12億円に。
- 1993年(平成5年)、東京ムービーが解散する。
- 1994年(平成6年) - キョクイチが名古屋市中区栄に社屋移転。
- 1995年(平成7年)11月 - キョクイチがセガの子会社だった株式会社東京ムービー新社を吸収合併し、東京支店を設立。東京ムービー事業本部を発足させる。またマルチメディア事業に進出。合併はセガの意向であり、買収の資金もセガからの増資で得た資金によるもの。
- 1996年(平成8年) - シンガポール現地法人設立。また株式会社大王振興(後の株式会社オーペス)を子会社にする。
- 1997年(平成9年)7月 - 鉄鋼メーカーだった矢作製鉄株式会社(後の株式会社ヤハギ)を買収。
- 1998年(平成10年)3月 - ヤハギ株を売却し、資本提携を解消。
- 2000年(平成12年)1月1日 - 株式会社トムス・エンタテインメントに商号変更。
- 2003年(平成15年) - 繊維事業から完全に撤退。以降はアニメーション制作とアミューズメント施設運営を事業の二本柱としていたが、2008年にアミューズメント施設運営を子会社の「AGスクエア」に分離(その後、セガグループに吸収合併され会社としては消滅。詳細はリンク先を参照)したため、現在はアニメーション制作・映像ライセンスビジネス・コンテンツビジネスの三事業を軸としている。
- 2004年(平成16年) - 東京支社を東京本社に改組。
- 2005年(平成17年) - セガサミーホールディングスが51%の株式を取得。子会社となる。
- 2006年(平成18年)
- 2008年(平成20年)
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)3月 - 子会社として株式会社スタジオさきまくら[5]を設立。
- 2012年(平成24年)
- 4月1日 - 株式会社スタジオさきまくらを吸収合併。
- 11月26日 - 本店所在地を東京都中野区中野三丁目(旧・エイムクリエイツ本社ビル)に移転。
- 2013年(平成25年)
- VFX・CGプロダクション「ジーニーズアニメーションスタジオ」に資本参加。
- 12月1日 - 制作スタジオを東京都中野区上高田から本店と同じ場所に移転。
- 2014年(平成26年)10月12日 - 旧・東京ムービーがアニメ制作を開始してから50周年を迎えた事を記念し、記念イベント「トムスFes.」を東京・よみうりホールで開催。『ルパン』・『コナン』など長年に渡って制作し続けた作品や『ヴァンガード』・『弱虫ペダル』など近年の制作作品に出演した声優たち総勢25人が登壇、トムスアニメ50周年の祝辞を述べた。
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)7月 - アスミック・エース、シンエイ動画、ジェイアール東日本企画、住友商事の4社と共同で企画を立案したプロジェクト「あにめのめ」第1弾『甘々と稲妻』が放送開始(同年9月まで放送)。
- 2017年(平成29年)3月1日 - 資本金を88億1686万6000円から1億円に減資[2]。
- 2019年(平成31年/令和元年)
- 2021年(令和3年)
- 4月1日 - セガがセガグループを吸収合併した事に伴い、セガの完全子会社となる[9]。
- 7月 - 他社制作作品のプロデュース事業強化を主目的とした「UNLIMITED PRODUCE プロジェクト」を開始。第1弾としてNETFLIX作品『バイオハザード: インフィニット ダークネス』(アニメ制作・Quebico)の製作プロデュースを担当。
特徴編集
制作スタジオ編集
所在地は東京都中野区中央5丁目49番4号。社内の制作スタジオは7つ存在する(2021年現在[13])が、2010年代頃よりトムスが出資している作品の映像クレジットで、トムス社と共に同社の制作スタジオ名も併記される様になった。スタジオ名には数字もしくは数由来の語句が入っている。なお他の会社がメインで出資、もしくは共同で制作している場合は会社名のみでスタジオ名表記は無い。
スタジオNo. | 通称 | 代表的な制作作品 |
---|---|---|
第1スタジオ | TMS/第1スタジオ (旧称:V1Studio) |
『名探偵コナン』(劇場版は16作目から) 『信長の忍び』シリーズなど |
第2スタジオ | だぶるいーぐる | 『バキ』シリーズ、『ナナマル サンバツ』、『ソラとウミのアイダ』 および遊技機用アニメ映像など |
第3スタジオ | 3xCube | 『それいけ!アンパンマン』など |
第4スタジオ | Die4studio | 『Dr.STONE 龍水』 |
- 第5~第7スタジオは公式には制作作品を公表していない。以下は通称のみが知られるスタジオ。
- 2018年現在[14]
-
- トロワスタジオ - 『ルパン三世 グッバイ・パートナー』など
- 制作8班(8PAN) - 『弱虫ペダル』シリーズ、『Dr.STONE』など
- ローグ・スタジオ - 『スペースバグ』(実制作は外部)など
- 過去に存在したスタジオ
-
- 777 Studio - 『幕末義人伝 浪漫』
- Po10tial - 『LUPIN the Third -峰不二子という女-』
作品履歴編集
グループ会社編集
現在編集
- テレコム・アニメーションフィルム
- トムス・フォト
- マーザ・アニメーションプラネット
- リバプール
- トムス・ミュージック
- トムス・ジーニーズ
- TMS MUSIC (UK) LIMITED(英国)
- TMS MUSIC (HK) LIMITED(香港)
- TMS ENTERTAINMENT USA,INC.(米国、非連結)
過去編集
- ヤハギ - 株式を売却。
- オーペス - MBOにより独立し、後にエッグボックスへ商号変更したが、2019年2月破産手続開始決定。
- AGスクエア - セガアミューズメント施設事業部、セガビーリンクと統合してセガ エンタテインメント(後のGENDA SEGA Entertainment)となった。
- スタジオさきまくら[5] - トムス・エンタテインメントに吸収合併。
- トクシス - マーザ・アニメーションプラネットへ事業を譲渡し、2019年3月に解散した後、同年6月に清算結了[15][16][17]。
- アルテメイト - 2020年3月に解散した後、2021年6月に清算結了。音楽事業はギャンビットへ譲渡され、舞台事業からは撤退[18][19][20]。
脚注編集
- ^ a b c d “第75期(2021年3月期)決算公告 (PDF)”. 株式会社トムス・エンタテインメント. 2021年7月6日閲覧。
- ^ a b 第71期(平成29年3月期)決算公告 (PDF) トムス・エンタテインメント
- ^ アミューズメント事業の譲渡の契約解消に関するお知らせ トムス・エンタテインメント ニュースリリース、2008年9月29日
- ^ セガサミーホールディングス株式会社による株式会社サミーネットワークス、株式会社セガトイズ及び株式会社トムス・エンタテインメントの株式交換による完全子会社化のお知らせ セガサミーホールディングス 2010年8月27日
- ^ a b 命名は出﨑統。諏訪道彦 (2011年5月12日). “持ってるコナン君!?”. スワッチのアニメ日記. 讀賣テレビ放送. 2014年6月4日閲覧。なお、「さきまくら」は出﨑統本人のペンネーム。
- ^ “セガグループの再編及び新会社設立のお知らせ” (PDF) (プレスリリース), セガホールディングス, (2015年2月12日) 2019年7月6日閲覧。
- ^ “グループ内組織再編とそれに伴う一部子会社の名称変更に関するお知らせ” (PDF) (プレスリリース), セガサミーホールディングス, (2015年2月12日) 2019年7月6日閲覧。
- ^ “モンキー・パンチ逝去に関するお知らせ(訃報)NEWS RELEASE” (PDF) (プレスリリース), トムス・エンタテインメント, (2019年4月17日) 2019年7月6日閲覧。
- ^ “当社グループにおける組織再編(会社分割及び吸収合併)に関するお知らせ” (PDF) (プレスリリース), セガサミーホールディングス, (2021年1月29日) 2021年4月1日閲覧。
- ^ 昭和のアニメ、高画質で再登場
- ^ 『元祖天才バカボン』、『ルパン三世』、『それいけ!アンパンマン』シリーズが該当する。
- ^ 例として『ガンバの冒険』では東京ムービーに加え原作の出版社も変わったために、OP・EDで突然フォントや画質が変化したり、ぼかしがかけられるなど継ぎ接ぎだらけになっている
- ^ “会社情報>事業内容”. トムス・エンターテインメント. 2021年7月20日閲覧。
- ^ “インタビュー トムス・エンタテインメント 鈴木義治社長”. 文化通信社. 2020年12月19日閲覧。
- ^ 解散公告 トクシス 2019年4月1日
- ^ 株式会社トクシス 事業承継に関するお知らせ マーザ・アニメーションプラネット 2019年3月8日
- ^ 株式会社トクシス 国税庁法人番号公表サイト
- ^ 会社解散のご挨拶 アルテメイト 2020年3月
- ^ 解散公告 アルテメイト 2020年4月1日
- ^ 株式会社アルテメイト国税庁法人番号公表サイト
関連人物編集
役員編集
2022年8月現在。
アニメーター・演出家編集
脚本・文芸編集
音響編集
プロデューサー編集
制作進行・担当編集
- 松田拓也
- 大竹貴琳
- 小塚郁
- 坂井広樹
- 廣田桂祐
- 小原ひらり
- 谷岡杏奈
- 永山夏帆
- 大島花梨
- 鈴木麻央
- 堤三佐子
- 金箱智子
- 福島和
関連項目編集
- 東京ムービー - 東京ムービーおよび東京ムービー新社の概要・沿革についてはこの項目を参照。
- トムス・エンタテインメントの作品一覧
- ウォッチマン - TMSがセガに買収された時には、当社とは無関係となっていた。
- ドキばぐ - 同社執行役員の小澤繁夫が出演している。
同社スタッフ・OBが独立・起業した会社編集
現在編集
- イマジン - キャラクターデザイン・作画監督・演出を務めた酒井明雄が設立。
- ブレインズ・ベース - プロデューサーを務めた小沢十光が設立。
- ユーフォーテーブル - 制作進行、制作プロデューサーを務めた近藤光がステップ映像を経て設立。
- 遊歩堂 - 制作を務めた松本真が設立。
- マーヴィージャック - 制作を務めた大野雅義が設立。
- アンサー・スタジオ - プロデューサーを務めた徳永元嘉が設立。
- EMTスクエアード - プロデューサーを務めた宮本秀晃が設立。
- プラチナビジョン - プロデューサー務めた大石祐道がブレインズ・ベースを経て設立。
- マル画ファクトリー - 制作進行を務めた山本清がスタジオキャブ、シオンを経て設立。
過去編集
外部リンク編集
- 公式サイト
- トムスショップ
- トムス・エンタテインメント (@TMSent_jp) - Twitter
- TMSアニメ公式チャンネル - YouTubeチャンネル(55周年記念チャンネルとして開設されたが55周年終了に伴い名称変更して継続)
- とむすファミリーチャンネル - YouTubeチャンネル