ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス
『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』(ゼルダのでんせつ トワイライトプリンセス、英題:The Legend of Zelda: Twilight Princess)は、任天堂より発売された、Wii・ニンテンドーゲームキューブ用のアクションアドベンチャーゲーム。略称は「トワプリ」。
ジャンル | アクションアドベンチャー |
---|---|
対応機種 |
ニンテンドーゲームキューブ Wii |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
プロデューサー | 宮本茂 |
ディレクター | 青沼英二 |
プログラマー |
岩脇敏夫 森田和明 |
音楽 |
峰岸透 太田あすか 近藤浩治 横田真人 大島ミチル |
美術 |
滝澤智 中野祐輔 |
シリーズ | ゼルダの伝説シリーズ |
人数 | 1人 |
メディア |
GC:ニンテンドーゲームキューブ用8cm光ディスク Wii:Wii用12cm光ディスク |
発売日 |
Wii: 2006年11月19日 2006年12月2日 2006年12月7日 2006年12月8日 2009年8月27日 GC: 2006年12月2日 2006年12月12日 2006年12月15日 |
対象年齢 |
CERO:B(12才以上対象) ESRB:T(13歳以上) PEGI:12 OFLC:M USK:12(12歳未満提供禁止) GRB:12-[Wii] |
コンテンツアイコン |
CERO:犯罪 ESRB:Animated Blood, Fantasy Violence PEGI:Violence |
デバイス | Wii:ヌンチャク対応 |
売上本数 |
Wii 57万本[注 1] 452万本[注 2] GC 7万本[1] 143万本[3] Wii,GC合計 64万本[注 3] 885万本[4] |
その他 | GC:任天堂オンライン限定販売[5] |
概要
編集ゼルダの伝説シリーズ20周年の節目となる2006年にWii・ニンテンドーゲームキューブ(以下、GC)用ソフトとして発売。2002年にGCで発売された『風のタクト』のトゥーンレンダリングを用いたアニメ調のスタイルとは打って変わり、『時のオカリナ』の路線を踏襲したリアルな世界が形作られている。開発中は「120%の『ゼルダ』を」というキーワードが掲げられ、シリーズ最高傑作を目指して製作された[6]。GC版は日本では事実上最後のGC用ソフトとなった。
ゲームメディア大手の1UP.com、CVG、EGM、Game Informer、GamesRadar、IGNやアメリカの有力紙ワシントン・ポストなどでシリーズ最高傑作と評された[7][8][9][10][11][12][13]。またX-Play、GameTrailers、1UP.com、EGM、Spacey Awards、Game Informer、GameSpyをはじめとする多数の機関で最優秀賞である「Game of the Year」を獲得するなど、数々の賞を受賞した。また、Wiiチャンネル『みんなのニンテンドーチャンネル』内の「みんなのおすすめ」では、シルバーランクを獲得している。
本作の目玉として、Wiiリモコンを生かした新しい操作性が挙げられる。2011年発売の『スカイウォードソード』ではさらにその操作性を推し進めている。
2016年3月10日に、グラフィックをフルHD化したWii U用ソフト『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』が発売。以降、特記のない限りオリジナル版であるWii・GC版について記述する。
ストーリー
編集ハイラル王国の南に位置するトアル村では、自然の中で人々が穏やかに暮らしていた。そこに住む若者のリンクは、ある時、ハイラル城に献上品を届ける役を担うことになった。出発の当日、リンクは幼馴染のイリアたちと別れを惜しんでいたが、突然村に魔物が襲来し、イリアや村の子供たちがさらわれてしまう。急いで行方を捜すリンクは村のはずれで奇妙な黒い壁を発見するが、その壁の中に引き込まれて姿が狼へと変化し、そのまま気を失ってしまう。
気がつくと、狼となったリンクは牢獄の中で鎖につながれていた。そして目の前にはそれを見てあざ笑う謎の魔物の姿があった。その魔物・ミドナは、リンクを小馬鹿にしつつも鎖を切り、黒いローブを纏った女性の元へと導く。女性はミドナに促され、ハイラル王国に影の世界の王ザントが侵略してきた事、王女の降伏によってハイラルが「影の領域」になり、民が魂と化してしまった事を語る。そして顛末を語ったその女性こそが、ハイラル王国の王女ゼルダであった。
ゼルダと別れた後、リンクは光の四精霊の中の一体、ラトアーヌと出会う。影の領域から光の精霊たちを蘇らせてほしいとラトアーヌから頼まれたリンクは、求めに応じてフィローネの森に光を取り戻す。影から開放されたリンクは人間の姿に戻ったが、その身には緑の衣を纏っていた。蘇った精霊フィローネはリンクが神に選ばれし勇者であると語り、ハイラルの命運をリンクに託す。
こうしてリンクは、ある物を捜しているというミドナと共に冒険することになる。
世界設定
編集本作の舞台は、『時のオカリナ』で「時の勇者リンク」が7年後の未来で大魔王ガノンドロフを封印した後、本来の時代に戻ってきてから百数年後の世界という設定である。『時のオカリナ』のエンディングで少年リンクが、未来で起こる出来事を少女ゼルダ姫に話し、ガノンドロフの野望を未然に防いでいる(砂漠の処刑場でその顛末が語られる)。同じく『時のオカリナ』の続編と位置づけられる『風のタクト』とはパラレルワールドの関係となっており(『時のオカリナ』のエンディングでリンクが未来の話をしたことで時間軸の分岐が発生したため[14])、こちらは、『時のオカリナ』の未来世界でガノンドロフが封印され「時の勇者リンク」が去ってから数百年後の物語である。
時系列について、詳しくは「ゼルダの伝説シリーズ#時系列」を参照。
システム
編集従来シリーズからの新要素・変更点
編集- Wiiリモコンによる操作(Wii版のみ)
- Wii版ではWiiリモコンとヌンチャクの機能を活用した操作方法が取り入れられている。
- Wiiリモコンを振ることでリンクが剣を振り、Wiiリモコンで対象物をポインティングして射撃、ヌンチャクを振ることで素早く回転斬りを放つなど、従来の作品と比べてより直感的な操作でプレイできるようになった。また、謎解き音や、剣を振るなどした時の効果音はWiiリモコンの内蔵スピーカーから出力される。
- 乗馬中のアクション
- 剣・アイテムの使用など多くのアクションが乗馬中にも行えるようになった。一方、乗馬中にもダメージを受け、振り落とされることもある。また、馬に乗ってボスと戦う「馬上戦」のイベントもある。
- 魔法
- 本作ではリンクが魔法を使用しないため、従来シリーズのような魔法ゲージは存在しない。
- 剣技
- 走りながら剣を振れるようになるなど、操作に細かい改良が加えられた。
- 回転斬り
- Wii版はヌンチャクの回転方向に対応して回転斬りを行う。
- GC版は従来と同じく、Bボタンを長押しするかコントロールスティックを回転させてから攻撃することで回転斬りを行う。従来までは一度剣を振ってから溜め動作に入ったが、本作ではすぐに溜め動作に入るようになり、剣を振り始めるタイミングがBボタンを放した時に変更された。
- Z (L) 注目
- Wii版ではZボタン、GC版ではLボタンを押すと対象物に注目(ロックオン)する。
- これまでのシリーズと違い、敵に注目した際に自動で盾を構えるようになった。また、遠くの敵に対しては基本的に近接するまで注目できなくなったため、素早く接近して倒すか、弓などを用いて自力で遠くから狙いを定める必要がある。
- 獣リンク(ウルフリンク)
- 主人公のリンクは「トワイライト」(後述)に入ると、強制的に狼に変身してしまい、特定のイベントをクリアするまで自力では元に戻れなくなる。「マスターソード」の入手後は狼と人の変身が任意で行えるようになる(周辺に人がいない場合のみ)。
- 狼の姿の時は人の時よりも素早く移動できる他、深い砂地や雪原の上を沈み込まずに進む、狭い足場を次々に飛び移る、柔らかい地面を掘り進んで障害物の下をくぐるといったアクションも可能となる。また狼の鋭敏な「センス」の能力により、魂となった存在を目視したり、覚えた匂いを追跡することができる。攻撃手段は噛み付きが主となる他、ミドナの魔法によるサポートを得られる。「ポータル」(後述)を利用したワープも可能になる(ワープ機能はダンジョン内など一部では使用不可)。
- 一方、人の時に使用できていた各種アイテムは使えず、一部のドアを開けることもできない(ミドナが手伝ってくれる場合もある)。人間に近づくと多くの場合こちらを怖がって逃げ出したり、警戒して攻撃をしてくるなどの反応を示す。
- この姿では人間と会話できないが動物の言葉が分かるようになる(ほとんどの動物も正体がリンクだと認識している)。
- ミドナの話によると狼とは影の世界における神の使いのような存在であり、影の世界に危機が訪れると現れるとされている。
- 『大乱闘スマッシュブラザーズX』『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』では、獣リンクのフィギュアを見ることができる。
- 2016年3月10日には、本キャラクターのamiiboが発売された。
Wii版とGC版の相違点
編集用語集
編集- トワイライト
- ザントが影の結晶により光を奪った領域(元は光の世界の一部)で、遠くからは黒い壁と金色の雲で覆われているように見える。
- 光の世界の生物は影の者の力を借りない限り外から立ち入ることが出来ず、内部では影の存在以外の生物は魂だけの存在となる。リンクがこの領域に入ると獣(狼)になり、その領域の光を取り戻さない限り元の姿に戻ることはできない(「ポータル」を使って領域の外に出ることは可能)。
- ポータル
- 影の使者(後述)が召喚される際に上空に現れる、奇怪な文様のゲート。影の使者が倒された後は、狼リンクのワープ地点として利用できる。
- 作中で度々登場する魔物のボス「キングブルブリン」は角笛を吹くことでポータルを作り出す。
- 影の結晶石
- 光の精霊達が「黒き力」と呼んでいる石で、かつて聖地を魔力で治めようとした者達の魔力が封じ込められており、光の世界の生物が触れると異形の化け物と化す。
- ミドナが元々持っていた物も含めると全部で4つの欠片に分かれており、ザントによって本来の力を奪われたミドナは、この力でザントに対抗するためリンクと共に欠片集めに奔走する。ミドナが結晶石を使うと巨大な蜘蛛のような姿になる。
- 陰りの鏡
- 神々が光と影の世界を結ぶ鍵として用意した鏡で、砂漠の処刑場に安置されている。
- 影の世界に行く唯一の手段だが、ミドナたちが影の世界に来ることを防ぐため、ザントによって破壊され4つの破片に分かれてしまっている。
- 影の結晶石と同様に影の魔力が宿っているため、光の世界の生物が触れると異形の化け物と化す。
- この鏡を完全に破壊できるのは影の世界の一族に選ばれた長のみである。ザントは4つの破片にすることしかできなかった。
- 影の世界
- 影の住人達が暮らしている、リンクやゼルダが住む光の世界と対になる世界。かつて聖地を侵略しようとした者達が光の精霊により魔力を結晶石に封じられた後に追放された場所であり、ミドナを含む影の住人はその者達の末裔である。
- 普段は黄昏時の光のように輝く穏やかで平和な世界で、かつての祖先と違い温厚な民が多い。トワイライトはこの影の世界の領域を広げるためにザントが作り出したものであり、影の世界とトワイライトの領域の性質はほぼ似通っている。
- ソル
- 影の世界の生命の源である2つの球体。ミドナ曰く影の世界の守護神。ザントが居座る影の宮殿の奥に眠っている。この力がマスターソードに宿ると刀身が金色の光を放ち、一振りで黒い霧を振り払えるようになる。
登場人物
編集敵
編集雑魚敵
編集- ボコブリン
- 最もオーソドックスな敵で、物語の序盤から最終ダンジョンにかけて至る所に現れ、棍棒やナタで攻撃してくる。体の色は赤と青の2種類で、赤いほうは体力が高い。
- ブルブリン
- キングブルブリンの手下。棍棒や弓矢で攻撃してくる。撃ってくる矢は基本的に火矢なので、木の盾で防ぐと燃えてしまうが、ハイリアの盾で防いだり避けたりすると矢を拾って補給できる。また、ブルボーという猪に乗っていることも多い。
- デクババ
- 食虫植物型モンスター。普通の植物と同じように地面から生えているタイプと天井から生えているタイプがおり、いずれも噛みついてこちらの自由を奪いダメージを与え続ける。
- ヘビババ
- デクババと容姿はあまり変わらないが、茎を切られるとヘビのように這いながら襲ってくる。
- デクレシア
- 巨大な花のモンスター。近づいても攻撃されないが、上から落ちると飲み込まれてしまう。爆弾を飲み込ませることで倒せる。
- ババレシア
- デクババとデクレシアの要素を併せ持つ大型のモンスター。頭を倒すと本体の花が開くので、デクレシアと同じ方法でとどめをさせる。
- カーゴロック
- 小型の翼竜のようなモンスター。上空からリンクをしつこく追い回し、攻撃してくる。
- スモモチャンのミニゲームでも登場する。
- キース
- 蝙蝠のモンスター。普段は天井に張り付いているが、近づくと襲い掛かってくる。亜種として、炎に包まれた「ファイヤーキース」と冷気を帯びた「アイスキース」が存在する。
- グエー
- カラスのモンスター。群れで出現し、リンクを目がけて突っ込んでくる。全滅させると大量のルピーを落とす。屋根の上にいることが多い。
- グース
- ネズミのモンスター。暗い場所に潜み、近づくと飛び掛かってくる。
- ポゥグース
- 幽霊と化したネズミのモンスター。攻撃はしてこないが、リンクの体に張り付いて動きを鈍くする。霊体であるため、センスを使わないと見えない。
- スタルチュラ
- クモのモンスター。体の部分にドクロの模様がある大型と、そうでない小型の二種類が存在する。天井からぶらさがって待ち伏せしており、大型は足でこちらの攻撃を防ぎながら噛みついてくる。
- 発売前に公開された映像では、糸をリンクの全身に巻き付け、顔に向かって足を絡ませ続けてライフを奪う攻撃を行っていた。
- スタルウォール
- ツタのある壁に張り付いている小さなクモ。登ろうとするリンクを攻撃してくる。
- ハジケラ
- 床に潜っているムカデ。リンクが上に乗ると突き飛ばそうとする。
- タマケラ
- ハイラル平原を走り回る二本脚の丸い虫のようなモンスター。近づくと爆弾を撒いてくる。倒すと釣りエサとして使えるミミズを落とす。
- チュチュ
- スライムのようなモンスター。赤、青、黄、紫の4種のほか、全身が輝く「レアチュチュ」も存在する。また、合体して大きくなることもあり、黄色と青のチュチュが合体することで通常は出てこない緑チュチュになる。
- 倒した後に残るゼリーはビンに入れることができ、体力回復などの用途に使える。なお、今作では『風のタクト』のように調合してもらう必要は無い。
- チュチュケラ
- スライム型モンスター・シェルゼリーの中にいるモンスター。クローショットでシェルゼリーから引き出すか、爆弾矢で攻撃することで倒せる。
- 爆弾虫
- 丸い胴体をした昆虫。攻撃されると体を丸め、しばらくすると爆発する。巣穴から顔を出すだけで積極的な攻撃は仕掛けてこない。爆発する特性を謎解きに利用する場面もある。
- マグポール、タドポール
- マグポールは溶岩、タドポールは水中から現れるカエルのモンスター。どちらも石を吐いて攻撃してくる。他作品に登場する敵「オクタロック」の特徴を受け継いでいる。
- テクタイト
- 飛び跳ね回るアメンボのようなモンスター。赤と青の2種類が存在するが、能力の差はない。
- バリ
- クラゲのモンスター。近づくと放電し、触れると感電してダメージを受ける。体内の核のような物体が弱点。
- シェルブレード
- 二枚貝のモンスター。噛みついて攻撃してくる。貝柱が弱点。
- 爆弾魚
- 丸い体をした魚。爆弾虫と同様、攻撃されると爆発する。また、釣り竿で釣り上げることで水中爆弾を入手できる。
- スカル魚
- 骨だけの魚のモンスター。リンクを見つけると噛み付いてくる。釣り竿で釣ることができるが、釣果が記録されるアイテム「ウキ釣り日誌」には載らない。
- スタルフォス
- 骸骨剣士のモンスター。爆弾もしくはチェーンハンマーで完全に粉砕しないと復活する。
- スタルベビー
- スタルフォスやリンクより体が小さい骸骨のモンスター。集団で現れる。単体では一撃で倒せるほど弱い。
- スタルハウンド
- 骸骨犬。地中から出現して襲い掛かる。
- ポゥフィー
- 各地に出現するカンテラを持った小型の幽霊。手にした鎌を振り回して攻撃してくる。夜のフィールドや洞窟内など暗い場所で主に出現する。狼状態の能力「センス」を用いないと本体の姿が見えず倒せない。倒すと「ゴーストの魂」が手に入る。
- ポゥ
- 砂漠の処刑場に4体出現するカンテラを持った幽霊。ポウフィーと違って人型をしており、カンテラを振り回して攻撃してくる。倒すとポウフィーと同様に「ゴーストの魂」が手に入る。
- トーチスラグ
- 燃え盛るナメクジ型のモンスター。普段は天井に張り付いているが、リンクが近づくと落下してくる。タイミングを計れば「とどめ」で倒せる。
- ドドンゴ
- 黒い皮膚を持つ巨大なトカゲ。口から炎を吐く。本作ではヤモリのような姿となり、天井に張り付いて歩けるようになっている。『時のオカリナ』の時と違い、倒しても爆発はしない。
- ビーモス
- 回転する頭部を持つ柱のようなモンスター。リンクの姿を捉えると頭部の赤いコアから熱線を照射して攻撃してくるが、このコアを攻撃すれば停止する。外観の異なる茶と白の2種類が存在するが、能力の差はない。時の神殿では像を操ることで完全に倒せる。
- モルドワーム
- ゲルド砂漠に生息する怪虫。砂の中を潜行しリンクが近付くと飛び出して噛みついてくるが、砂から出ると無防備になる。大型の個体もいる。
- リーバ
- 地中から突然現れてくるモンスター。
- 毒ムイ
- 集団で現れる黒い小型昆虫。まとわりつかれると動きが鈍くなる。カンテラの火が苦手。
- ギブド
- 大剣を持つミイラのようなモンスター。こちらを見つけると恐ろしい声を張り上げて行動を封じた後、ゆっくり近寄ってきて高威力の大剣を振り下ろす。
- バブル
- 羽の生えたドクロのモンスター。近づくと動き出し、不規則に飛びながら体当たりしてくる。亜種として、炎をまとった「ファイヤーバブル」、冷気をまとった「アイスバブル」が存在する。
- ヒップループ
- 金属の仮面を被ったネズミ。正面からの攻撃は通じない。剥がした仮面は重りになる。
- デグヒップ
- 巨大なヒップループ。ヒップループと違って仮面を剥がすことが出来ない。
- リザルフォス
- 二足歩行のトカゲ型モンスター。剣と盾で武装している。時の神殿ではドクロの仮面をつけたリザルフォスも登場する。
- ダイナフォス
- リザルフォスの亜種。こちらは鎧を身に纏っていて耐久力が高い。
- ホワイトウルフォス
- スノーピークに生息する白い狼。雪の中から現れてリンクに飛び掛かってくる。
- フリザド
- 氷像のモンスター。近づくと氷の息を吐いて氷漬けにしてくる。本作では旧作の時よりもかなり大型で、チェーンハンマーか大砲の弾でなければ倒せない。倒すと数体のミニフリザドに分裂する。
- ミニフリザド
- 小さな氷塊のモンスター。触れると氷漬けになる。
- フリザフォス
- 氷の騎士。氷の槍を生成して攻撃してくる。落下した氷柱から変化する個体もいる。
- ゴーマ
- 時の神殿に出現する中型、及び小型のクモ。小型のものは幼生。他の作品ではボスとして登場しているが、本作では珍しく雑魚敵となっている。
- アモス
- 時の神殿に出現する石像のモンスター。近づくと動きだし、手にした斧で攻撃してくる。背中のコアが弱点で、倒すと暴走後に爆発する。
- タートナック
- 中ボスで登場するタートナックの雑魚版。中ボス版と比べて装備が異なり能力がやや劣る。
- ハイラル城や試練の洞窟で登場する。
トワイライトや影の世界の敵
編集- 影の使者
- 影の世界からの刺客。顔らしきものはあるが目・口・鼻などは無く、不気味な姿をしている。「ポータル」を通って異次元から召喚され、ハイラルを襲撃する。
- 戦闘では複数で登場し、全員を倒すまではその場を離れることができない。また、仲間が倒されて最後の1匹になると雄叫びを上げて仲間を蘇生させる能力を持っているため、完全に倒すには二体以上を同時に倒す必要がある。倒すとポータルを開いて退散する。その後はそのポータルのある場所にワープ出来るようになる。
- その正体はザントの力で魔物に変えられた影の世界の住人。影の使者に襲われた者も影の使者になってしまうという。
- 影の世界でソルを取り戻すと元の姿に戻り、正気に戻る。
- 影の魔物
- トワイライトに存在するブルブリンに似た特徴を持つ魔物。
- 影の生物
- 影の世界に生息する生物。ゲームでは、キースに似た飛行タイプ、小型の虫のようなタイプ、デクババに似た植物タイプの三種類が確認できる。
- 影の怪鳥
- 影の世界の巨鳥。影の使者と同じく顔の輪郭が不定形で、目も嘴も無い異質な様相をしている。
- トワイライト領域でタカ笛を吹くと登場し、笛を吹いた者の命令に忠実に従う。
- 影の蟲
- ハイラルの光の源である「光の雫」がトワイライトの魔力に取り憑かれ、魔物と化したもの。基本的にセンスを使わなければ姿が見えない。各地方に16匹(『HD』では12匹)いる影の蟲を全て倒せば、トワイライトに侵食された土地に光を取り戻すことができる。飛行する蟲や、地面にもぐる蟲もいる。
- 影の巨大蟲
- ラネール地方で、光の雫を15個(『HD』では11個)集めると最後の一匹としてハイリア湖に出現する巨大な影の蟲。巨体を活かした体当たりで攻撃してくる。
- ザントアイ
- 影の宮殿に出現するザントの兜を模した魔物。口から光弾を放つ。
- スフィアマスター
- 影の宮殿に出現する「ソル」を守る巨大な手の魔物。
中ボス
編集- ウーク
- 「森の神殿」の中ボス。森に棲むボスザル。影の力に飲み込まれて理性を失い、仲間のサルやリンクに襲い掛かる。
- 影の力を宿したブーメランを自在に操り、柱から柱へ素早く飛び回りながら距離を取って攻撃してくる。影の力を取り払うと、「疾風のブーメラン」を入手できる。
- 後にババラントとの戦いに爆弾を持って加勢してくれる。
- ダンゴロス
- 「ゴロン鉱山」の中ボス。鎧を身に纏った屈強なゴロン。ゴロン一族の宝と言い伝えられる弓矢を守っている。
- その高い防御力と体の重さで攻撃を寄せ付けない。戦闘時には、体を丸めて高速で転がり体当たりしてくる。戦いに勝つと「勇者の弓」がある部屋に入ることができるようになる。
- デグトード
- 「湖底の神殿」の中ボス。ジメジメした場所を好む巨大なカエルの魔物。神殿の天井にへばりついて生活する。
- 巨大な体を活かした天井からの落下攻撃を得意とする。また背中に背負った数多のオタマと呼ばれるデグトードの幼生達も戦闘に参加する。弱点は舌。倒すと「クローショット」を入手できる。
- ゴベラの剣
- 「砂漠の処刑場」の中ボス。地下深くに封印されていた邪悪な剣。素早い動きで侵入者に斬りかかる。
- 一見すると剣がひとりでに動いているようだが、剣を操っているのは悪魔のような姿の幽霊「ベリアント」である。しかし人間の目では正体を見破ることはできない。倒すと「スピナー」を入手できる。
- ハンマーナック
- 「雪山の廃墟」の中ボス。巨大なハンマーを豪快に振り回す、重鋼装の兵士。
- 狭い部屋の中が戦いの場となるため相手の攻撃を避けにくい。鋼鉄の鎧で体への攻撃を防ぐが尻尾が無防備であるため背後からの攻撃には弱い。倒すと「チェーンハンマー」を落とす。
- タートナック
- 「時の神殿」の中ボス。盾と鎧を身に着けた剣の達人。その剣技は攻防共に秀でており、リンクの連続攻撃を全て一本の剣で受け止める離れ業も見せる。
- 重装の際は巨大な大剣を振るいリンクの攻撃を盾で防ぐ。また、盾アタックや兜割りなどの奥義を使う。装甲を失った後はこれを投げ捨て、小回りの利く長剣に持ち替えて戦う。この剣で攻撃を防ぐことも出来る。倒すと「コピーロッド」を入手できる。
- ハイラル城や試練の洞窟では雑魚敵として登場するが、装備が異なり能力がやや劣る。
- ガーナイル
- 「天空都市」の中ボス。背中の羽で空を飛ぶ翼竜の剣士。空中を飛び回って敵を翻弄し、そこから急降下して素早く攻撃を打ち込む。倒すと2つ目の「クローショット」を入手して「ダブルクローショット」になる。なお同タイプの雑魚敵「リザルナーグ」も存在する。
- ファントムザント
- 「影の宮殿」の中ボス。ザントの作り出した実体のないホログラム。トワイライト領域を作る黒い霧が集まってできている。戦闘では異空間から影の魔物を召喚して戦わせる一方、ファントムザント本体は、瞬間移動を繰り返し離れた場所からエネルギー弾を撃ってくる。倒すと「ソル」を入手できる。
- キングブルブリン
- ハイラルを荒らし回るブルブリンの親玉で、イリアをさらった張本人。「強いものに従う」ということを信念とし、ガノンドロフに味方している。人間の言葉を話せる数少ないモンスターで、角笛を吹きポータルを作り出すこともできる。
- 戦闘では凄まじい怪力を発揮。巨大な猪・キングブルボーを駆りながら大斧を振り回して豪快に戦うが、動きは遅い。また、物語の中で何度も戦うことになる。
- エンディングでは、ブルブリンを引き連れてハイラル平原を走っている。
ボス
編集- 覚醒寄生種 ババラント(かくせいきせいしゅ - )
- 「森の神殿」のボスで、神殿の植物が影の結晶石の黒き力によって怪物と化した姿。毒の沼の中に生息している。前半はデクババのような触手を伸ばして噛み付き攻撃を行い、後半では巨大な本体が姿を現して毒霧噴射などの攻撃を仕掛ける。倒すと「影の結晶石」を入手できる。
- 覚醒火炎獣 マグドフレイモス(かくせいかえんじゅう - )
- 「ゴロン鉱山」のボスで、ゴロンの族長であるダルボスが影の結晶石の黒き力によって炎の怪物へと変貌した姿。体を覆う赤黒い炎はいかなる攻撃も寄せ付けず、戦闘時にはパンチや衝撃波などの技を使う。その力の強さ故にゴロン族の長老によって鉱山の奥深くに封印されていた。光る額の目に強い魔力を持っている。倒すと正気に戻り、「影の結晶石」を入手できる。
- 覚醒多触類 オクタイール(かくせいたしょくるい - )
- 「湖底の神殿」のボスで、謎の巨大魚が影の結晶石の黒き力によって凶暴化した姿。攻撃方法は前半は触手での巻き付き、後半は吸い込み攻撃を中心としたものである。ゼルダシリーズでは珍しい完全な水中戦で回復がほとんど出来ない。体長がとても長い上に水中の移動速度が速いため、張り付いて戦うのは容易ではない。倒すと「影の結晶石」を入手できる。
- 蘇生古代獣 ハーラ・ジガント(そせいこだいじゅう - )
- 「砂漠の処刑場」のボスで、ザントが古代獣の骨に影の力を与えて復活させた姿。巨大な蟻地獄の底に陣取り、火の玉を吐いたり、スタル兵士と呼ばれる亡霊を召喚したりして攻撃する。後半になると、ステージががらりと変わり、首だけで飛び回りながら攻撃してくる。
- 覚醒大氷塊 フリザーニャ(かくせいだいひょうかい - )
- 「雪山の廃墟」のボスで、獣人であるマトーニャが鏡の魔力によって大氷塊と化した姿。前半戦では地上で高速回転し、後半戦では空中から氷柱を落として攻撃する。氷塊は凄まじい硬度を誇り、並の武器では傷一つ付かない。中心にはマトーニャを乗せており、多くの氷柱で周りを囲み本体を守っている。倒すと正気に戻り、「陰りの鏡」の破片を入手できる。
- 覚醒甲殻眼 シェルドゴーマ(かくせいこうかくがん - )
- 「時の神殿」のボスで、ゴーマが鏡の魔力によって巨大な魔物と化した姿。天井に張り付いて背中の巨大な目玉から炎の光線を放つ他、たくさんの卵を産み落とす。体が硬い皮膚に守られ、並の武器では致命傷は与えられない。見た目は巨大なクモのようだが、本体は目玉の部分である。体に見合わぬ大きな目玉がついた小さいクモで「ゴーマアイ」と呼ばれる。倒すと「陰りの鏡」の破片を入手できる。
- 覚醒炎翼竜 ナルドブレア(かくせいえんよくりゅう - )
- 「天空都市」のボスで、天空都市を荒らしていた竜が鏡の魔力によってさらに凶暴化した姿。炎や突風で攻撃し、硬い甲冑で体を守る。後半戦では甲冑を全て脱ぎ捨てて身軽になり、戦場の空高くまで飛び上がる。倒すと「陰りの鏡」の破片を入手できる。
- 僣王 ザント(せんおう - )
- 「影の宮殿」のボスで、強力な魔術を扱う影の世界の支配者。過去のボスや中ボスとの対戦を応用した戦い方を求められる。最後には二刀流となり、暴れるように剣を振り回して高威力の攻撃を繰り出す。
- 大魔王 ガノンドロフ
- 「ハイラル城」のボスで、力のトライフォースと強力な魔力を持つゲルド族出身の砂漠の王。ゼルダに憑依する、魔獣ガノンに変身する、馬上戦を行うといった多様な形態と戦闘スタイルを見せる。ザントと同じく最後は剣を抜いて戦い、剣でリンクの攻撃を押し返す、回転切りを使うといった剣技のほか、身を翻して斬撃をかわす、肘打ちで防御を崩すといった技も見せる。
ダンジョン
編集- 森の神殿 (Forest temple)
- フィローネの森の奧にある。サル達を助けつつ、その力を借りて攻略していく。ツタや回転する橋など、植物と風の性質を利用した仕掛けが登場する。1階層しかないが、最初のダンジョンにしては本格的な造りとなっている。
- ボス:覚醒寄生種 ババラント
- ゴロン鉱山 (Goron Mines)
- デスマウンテンのゴロン族の鉱山。マグマを回避しつつ、鉱石の磁力を利用してゴロンの長老達から族長を封印した鍵をもらうことが目的。2006年度E3とNintendo World 2006 Wii体験会におけるベースダンジョンでもある。
- ボス:覚醒火炎獣 マグドフレイモス
- 湖底の神殿 (Lakebed Temple)
- ハイリア湖底にある。中央の広間にある巨大な階段を回転させ、水流を上手く誘導しながら先に進む。謎解きの難しさに加え、広大なフロアが6階層にも及び、体力の高い敵も登場するので難易度は高い。
- ボス:覚醒多触類 オクタイール
- 砂漠の処刑場 (Arbiter's Grounds)
- 雪山の廃墟 (Snowpeak Ruins)
- 時の神殿 (Temple of Time)
- 森の最奥に隠された聖域から行くことが出来る。現代では廃墟と化しているため、まだ神殿として形を保っていた過去の世界へと行く必要がある。1階から8階まで8階層にも及ぶ高い塔のような構造。行程はほぼ一本道であり、前半は塔の頂上を目指して登り、後半はある道具を活用して古代の像を操り来た道を引き返す。棘のついた棒や電気を帯びた柵など機械的な仕掛けが多い。神殿入り口では『時のオカリナ』の「時の神殿」、ダンジョン内では同作品の「デクの樹サマの中」のBGMのアレンジが使われている。
- ボス:覚醒甲殻眼 シェルドゴーマ
- 天空都市 (City in the Sky)
- 天空に存在する都市で、そのままダンジョンにもなっている。足場のある場所が限られているため、クローショットを多用して空中を次々と移動することになる。広大なフロアが8階層にもわたり構造も複雑なため、攻略にはかなりの時間が必要。このダンジョンでは最初からおばちゃんが仲間になっている。
- ボス:覚醒炎翼竜 ナルドブレア
- 影の宮殿 (Palace of Twilight)
- 影の世界の宮殿。前半は宮殿の奥にある光球「ソル」を入り口まで運び、後半は黒い霧を剣の光で振り払いながら進む。ダンジョンの規模は他の物に比べ小さいが宮殿内ほぼ全ての扉に鍵がかけてあるので、部屋数が少ない割に攻略は困難。トワイライト領域を創る闇と光を利用した仕掛けが登場する。
- ボス:僣王 ザント
- ハイラル城 (Hyrule Castle)
- 最後のダンジョン。ゼルダ姫を救うために王座の間を目指して進む。規模はそれほど大きくないものの、庭園、城内、城外と行動範囲は広い。タートナックなど過去の中ボスも多数登場する。BGMは『神々のトライフォース』におけるハイラル城内のBGMのアレンジが使われている。
- ボス:大魔王 ガノンドロフ
受賞
編集- Spike TV Video Game Awards
-
- Critic's Choice Video Game Award[15]
- X-Play
-
- Game of the Year
- Best Action Adventure Game[16]
- GameTrailers
- 1UP
-
- Game of the Year 2006
- Best Adventure Game
- Electronic Gaming Monthly
-
- Game of the Year 2006
- Best Level Design
- Best Battle System
- The 2007 Interactive Entertainment Association of Australia Awards
-
- IEAA Nintendo Game of the Year
- Best Selling Role Playing Game[19]
- The 2007 Game Developers Choice Awards
-
- Best Writing[20]
- Spacey Awards
-
- Best Game of 2006[21]
- Game Informer
-
- Game of the Year 2006
- the Game of the Month in the January 2007[22]
- GameSpy
-
- Game of the Year
- Console Game of the Year[23]
- Nintendo Power Awards 2006
-
- Game of the year
- Readers Pick Game of the year
- Game of the Year (Wii)
- Readers Pick Game of the Year (Wii)
- Game of the year (Gamecube)
- Readers Pick Game of the year (Gamecube)
- Best Graphics
- Readers Pick Best Graphics
- Readers Pick Best Music
- Best Adventure
- Readers Pick Best Adventure
- Readers Pick Best New Character (Midna)
- Best Story/Writing
- Readers Pick Best Story/Writing[24]
- Game Freaks 365 Game of the Year Awards 2006
-
- Overall Game of The Year
- VGcore 2006 Game of the Year Awards
-
- Game of the Year
- Nintendo Wii Game of the Year
- GameCube Game of the Year[25]
- Fort Wayne Reader The 2006 Console Game of the Year
-
- Overall Game of the Year
- Nintendo Wii Game of the Year[26]
- Rumor Reporter The games of the year
-
- Overall Game Of The Year
- Wii Game Of The Year
- Gamecube Game Of The Year[27]
- The 4cr Game of the Year Awards
-
- Game of the Year[28]
- Metacritic The Best Videogames of 2006
-
- Best Wii Game
- Best GameCube Game[29]
- ゴールデンジョイスティックアワード2016
-
- 任天堂ゲームオブザイヤー(HD)
スタッフ
編集ディレクターは『時のオカリナ』、『ムジュラの仮面』、『風のタクト』に続き青沼英二が、プロデューサーは宮本茂が担当した。音楽は『ムジュラの仮面』以来作曲・サウンドに関わってきた峰岸透が初のメインコンポーサーを務めた。
開発チームは、最終的には任天堂の中でも最大規模に近い100人強の人数となった。
開発経緯
編集本作は当初、『風のタクト』のトゥーンシェーディングの素材を活用したGC用ソフト『風のタクト2』として開発されていたが、米国市場の動向を踏まえ、作風を「リアルゼルダ」へと転換した[30]。
同時期に開発していた『夢幻の砂時計』がニンテンドーDSのタッチスクリーンを活かしたシステムだったのに対し、本作は新しい遊びが確立できない状態が続いていたが、2005年のE3終了後、ディレクターの青沼英二は宮本茂からWiiリモコンを使ったゼルダの開発の検討を持ち掛けられる。実際に弓矢の操作にWiiリモコンの操作を導入したところ新しい遊びが生まれたことを実感し、2006年末への発売延期とGC・Wiiの両機種での発売を当時の社長・岩田聡が決断した[31]。
また、開発当初、Wii版のリンクはGC版と同じく左利きの設定であったが、2006年6月のE3に本作を出展した際に多くの体験者がWiiリモコンを右手に持って振っていたことを踏まえ、より一体感を感じてもらうためにWii版は右利き設定となった[32]。ただ、一から作り直すとなると同年の年末の発売には間に合わないため、世界の全てを左右反転させることで対処した[33]。
本作はシリーズで初めてCERO:B(12才以上対象)に区分されており、コンテンツディスクリプターアイコンは「犯罪」となっている。理由は、ゲーム内において露店からこっそり商品を持ち出すこと(いわゆる万引き)が可能な場面、およびコリンがキングブルブリンにより棒の先につるし上げられるイベントシーンの2点が「犯罪」コンテンツに該当すると判断されたため[34]。
沿革
編集- 2004年(平成16年) - E3で本作を開発中であることを発表。紹介映像を公開。
- 2005年(平成17年) - E3で海外版の正式タイトル『The Legend of Zelda: Twilight Princess』を発表。E3出展作品内から選ばれる賞「Best Console Game」を受賞[35]。
- 2006年(平成18年)
- 2008年(平成20年)5月1日 - 本作の素材を活用したガンシューティングゲーム、『リンクのボウガントレーニング』が発売。
- 2015年(平成27年)11月13日 - この日に放映された「Nintendo Direct」内で、本作をHDリマスターしたWii U用ソフト『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセスHD』を発表。
- 2016年(平成28年)3月10日 - 『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』が発売。作中に登場する「ウルフリンク」のamiiboも同時発売。
ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD
編集ジャンル | アクションアドベンチャー |
---|---|
対応機種 | Wii U |
開発元 |
任天堂 Tantalus Media[36] |
発売元 | 任天堂 |
プロデューサー | 青沼英二[37] |
ディレクター | 佐野友美 |
プログラマー | Sean O'Sullivan |
音楽 |
近藤浩治 峰岸透 早崎あすか |
美術 | Paul Court |
人数 | 1人 |
メディア |
専用12cm光ディスク ダウンロード |
発売日 |
2016年3月4日[38][39] 2016年3月10日[40] |
対象年齢 |
CERO:B(12才以上対象)[40] ESRB:T(13歳以上)[38] PEGI:12[39] |
コンテンツアイコン |
CERO: 犯罪[40] ESRB: Animated Blood, Fantasy Violence[38] PEGI: Violence[39] |
デバイス | Wii U GamePad、Wii U PROコントローラー |
売上本数 |
約9万本[41] 117万本[42] |
その他 | amiibo対応[43] |
『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』(ゼルダのでんせつ トワイライトプリンセス エイチディー、英題:The Legend of Zelda: Twilight Princess HD)は、2016年3月10日発売のWii U用アクションアドベンチャーゲーム。開発はオーストラリアの企業Tantalus Mediaが手掛けている。
第一報は2015年11月13日放映のNintendo Direct内で発表された。Wii U向けに歴代のゼルダの伝説シリーズをHD化する実験の中から生まれたもので、『ゼルダの伝説 風のタクト HD』完成後に制作が始まった[44]。
後述のように、ゼルダの伝説シリーズ関連のamiiboへの対応ほか様々な変更・追加要素がある。
通常版・ダウンロード版・SPECIAL EDITION版の3種類が発売。SPECIAL EDITION版にはウルフリンクのamiiboとサウンドトラックが同梱されている。
Wii版・GC版からの主な変更点・新要素
編集- グラフィック・ゲームシステムの変更点
-
- フルHD表示に対応。テクスチャが高精細に描き直された。
- Wii U GamePadの操作に対応[45]。
- ジャイロセンサーでアイテムを操作できる(on/off切り替え可)。
- タッチスクリーンでシームレスに使用アイテムを変更できる。
- Rスティックでカメラアングルを自由に動かせる。
- Wii U GamePadにマップを表示できる。
- Wii U GamePadだけでもゲームプレイができる。
- Wii U GamePadの操作に特化させるため、Wiiリモコンには非対応になった[44]。
- アクションアイコンの配置やアイテム画面がWii U用に一新された。
- マップや各キャラクターの利き腕はGC版が基になっている。
- 辛口モード(後述)では、Wii版同様に左右反転された世界になっている。
- 乗馬や泳ぎ、ツタ・はしごの昇降などの操作性を改善。
- ゲーム内のナビゲーションや説明文などを一部変更[44]。
- サイフが満杯の状態でルピー入りの宝箱を開けたときにルピーを戻さなくなった[46]。
- 新要素
-
- amiiboとの連動要素の追加。
- 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズのamiibo「リンク」「トゥーンリンク」「ゼルダ」「シーク」「ガノンドロフ」を使用するとそれぞれ特殊な効果を発揮する。ガノンドロフ以外は1日1回のみ使用可能。
- メニュー画面で「ウルフリンク」のamiiboを読み込むとミニダンジョン「獣の試練」に挑むことができ、クリアするとお金が9999ルピーまで持てるようになる「底なしのサイフ」が手に入る。また、このamiiboに保存したデータは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に一部引き継げる[37][43]。
- 「辛口モード」の追加。世界が左右反転し、リンクが受けるダメージが2倍になる。
- 「ゴーストカンテラ」の追加。夜に出現する敵「ポウフィー」の居場所が昼でも分かるようになった。
- 「ハンコ」の入った宝箱がダンジョン内やフィールド上に多数配置されている。このハンコは任天堂が2017年11月8日まで運営していたSNS「Miiverse」への投稿時に利用できた。
- amiiboとの連動要素の追加。
その他
編集- オクタロック
- これまで全シリーズに登場していた敵キャラクター「オクタロック」だが、今作では登場しない(関係は不明だが、「オクタイール」という似た名前のボスキャラは登場する。また、石を吐いてきて、それを跳ね返して倒すというオクタロックの特徴は、「タドポール」と「マグポール」に受け継がれている)。
- シーク
- 本作では開発当初『時のオカリナ』のシークの登場が計画されており、専用のデザインも考えられていたが、最終的に見送られることになった。この時のデザインは、その後に発売された『大乱闘スマッシュブラザーズX』に登場するシークに生かされている[47]。
- マイニンテンドーピクロス ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス
- 任天堂の会員サービス「マイニンテンドー」の景品として、本作を題材にしたニンテンドー3DS用のパズルゲーム『マイニンテンドーピクロス ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』が2016年3月17日から配信されている。ゲーム内ではミドナが進行役を務める。
攻略本
編集- 任天堂公式ガイドブック ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス ISBN 978-4-09-106352-6 - 小学館(発売日:2007年2月3日)
- ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス パーフェクトガイド ISBN 978-4-7577-3390-9 - エンターブレイン(発売日:2007年2月2日)
- Nintendo DREAM 任天堂ゲーム攻略本 ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス ISBN 978-4-8399-2294-8 - 毎日コミュニケーションズ(発売日:2007年1月31日)
- ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス ザ・コンプリートガイド ISBN 978-4-8402-3772-7 - 角川グループパブリッシング(発売日:2007年1月31日)
漫画
編集- 姫川明『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』、小学館〈てんとう虫コミックス〉、全11巻
- 2016年2月8日 - 2022年1月31日にマンガワンにて隔週で連載された。当初は2007年4月より通例通り学年誌上で姫川によって連載される予定だったが、CERO:B(12才以上対象)となったことで中止された[48]。企画自体はHD版の発売とは無関係に進んでおり、連載開始時期が重なったのは単なる偶然とのこと[49]。
- 連載媒体が学年誌ではなくなったことで姫川のゼルダ漫画では初めて複数年に渡る長期連載となった。単行本も従来の単巻・上下巻構成ではなくなり、ナンバリングが振られている。
- 2016年6月24日発売、ISBN 978-4-09-142174-6
- 2016年12月28日発売、ISBN 978-4-09-142314-6
- 2017年5月26日発売、ISBN 978-4-09-142400-6
- 2017年12月27日発売、ISBN 978-4-09-142594-2
- 2018年8月28日発売、ISBN 978-4-09-142758-8
- 2019年3月28日発売、ISBN 978-4-09-143017-5
- 2019年8月28日発売、ISBN 978-4-09-143070-0
- 2020年3月27日発売、ISBN 978-4-09-143164-6
- 2020年12月25日発売、ISBN 978-4-09-143258-2
- 2021年9月28日発売、ISBN 978-4-09-143346-6
- 2022年3月28日発売、ISBN 978-4-09-143395-4
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e “任天堂株式会社 2007年3月期 決算参考資料” (PDF). 任天堂 (2007年4月27日). 2023年11月16日閲覧。
- ^ a b c “任天堂株式会社 2008年3月期 決算参考資料” (PDF). 任天堂 (2008年4月25日). 2023年11月16日閲覧。
- ^ 2020CESAゲーム白書 (2020 CESA Games White Papers). コンピュータエンターテインメント協会. (2020). ISBN 978-4-902346-42-8
- ^ “Wii U ソフトウェア|ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD”. 任天堂 2015年2月24日閲覧。
- ^ a b c d “Wii版とGC版の違いについて”. 任天堂. 2016年8月7日閲覧。
- ^ “社長が訊く Wii プロジェクト - Vol.5 『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』編”. 任天堂. 2016年7月8日閲覧。
- ^ Parish, Jeremy (2006年11月16日). “1up's Wii Review: Legend of Zelda: Twilight Princess”. 1UP.com. 2007年1月31日閲覧。
- ^ Robinson, Andy. “Legend of Zelda: Twilight Princess”. CVG. 2008年5月22日閲覧。
- ^ Parish, Jeremy (January 2007). “The Legend of Zelda: Twilight Princess review”. EGM 211: 56–58.
- ^ Reiner, Andrew. “The Legend of Zelda: Twilight Princess”. Game Informer. 2009年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年12月5日閲覧。
- ^ “Legend of Zelda: Twilight Princess Review. Wii Reviews”. 2008年11月12日閲覧。
- ^ Casamassina, Matt (2007年11月17日). “The Legend of Zelda: Twilight Princess Review”. IGN. 2007年3月19日閲覧。
- ^ “Zelda Brightens GameCube's Twilight Years” (2007年3月16日). 2008年10月17日閲覧。
- ^ “青沼英二さんロングインタビュー (2/5)”. ニンドリドットコム. 2007年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月8日閲覧。
- ^ Surette, Tim (2006年12月9日). “Oblivion nabs Spike TV top honors”. GameSpot. 2007年6月18日閲覧。
- ^ “BEST OF '06: Action/Adventure”. G4. 2007年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月19日閲覧。
- ^ “2006 GameTrailers Awards: Game of the Year”. GameTrailers (2007年1月11日). 2008年9月12日閲覧。
- ^ “2006 GameTrailers Awards: Best Action/Adventure Game”. GameTrailers (2007年1月9日). 2008年9月12日閲覧。
- ^ "2007 Awards Winners" (PDF) (Press release). IEAA. 26 February 2007. 2007年6月29日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2007年3月19日閲覧。
- ^ “7th Annual Game Developers Award”. Game Developers Choice Awards (2007年3月8日). 2007年3月19日閲覧。
- ^ “Spaceys 07 - Favorite Video Game”. Space (2007年). 2007年6月10日閲覧。
- ^ “The Legend of Zelda: Twilight Princess review”. Game Informer 165: 88, 102. (January 2007).
- ^ “GameSpy's Game of the Year 2006”. GameSpy. 2006年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月26日閲覧。
- ^ “Nintendo Power Awards 2006”. Nintendo Power. 2008年9月8日閲覧。
- ^ “2006 Game of the Year Awards”. VGcore. 2008年9月8日閲覧。
- ^ “The 2006 Console Game of the Year”. Fort Wayne Reader. 2008年9月8日閲覧。
- ^ “The Final Post Of The Year”. Rumor Reporter. 2008年9月8日閲覧。
- ^ “The 4cr Game of the Year Awards”. 4 color rebellion. 2008年9月9日閲覧。
- ^ “The Best Videogames of 2006”. Metacritic. 2008年9月27日閲覧。
- ^ “人は痛い思いが身に染みなくては、本質に近づけない――「ゼルダ」シリーズの青沼英二氏講演リポート (1/3)”. 2016年2月24日閲覧。
- ^ “人は痛い思いが身に染みなくては、本質に近づけない――「ゼルダ」シリーズの青沼英二氏講演リポート (2/3)”. 2016年2月24日閲覧。
- ^ “Wii Preview Q & A”. 任天堂. 2016年7月10日閲覧。
- ^ “人は痛い思いが身に染みなくては、本質に近づけない――「ゼルダ」シリーズの青沼英二氏講演リポート (3/3)”. 2016年2月24日閲覧。
- ^ ニンテンドードリーム2007年1月号106ページ「任天堂公式Q&A 任天堂の質問箱」より
- ^ “Game Critics Awards (2005)”. 2016年8月7日閲覧。
- ^ “A HD Remake Of Twilight Princess Is Being Developed In Australia”. 2016年1月21日閲覧。
- ^ a b 「続報 ゼルダの伝説 トワイライトプリンセスHD」『週刊ファミ通』2016年2/4号、92-93頁。
- ^ a b c “The Legend of Zelda: Twilight Princess HD for Wii U - Nintendo Game Details” (英語). Nintendo of America. 2017年12月27日閲覧。
- ^ a b c “The Legend of Zelda: Twilight Princess HD|Wii U|Games” (英語). Nintendo UK. 2017年12月27日閲覧。
- ^ a b c “ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD|Wii U”. 任天堂. 2017年12月27日閲覧。
- ^ “2016年 ソフト売上ランキング ファミ通調べ”. ゲーム売上定点観測 (2016年12月25日). 2023年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月16日閲覧。
- ^ 2023CESAゲーム白書 (2023 CESA Games White Papers). コンピュータエンターテインメント協会. (2023). ISBN 978-4-902346-47-3
- ^ a b “ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD:amiibo「ウルフリンク」”. 任天堂. 2016年3月7日閲覧。
- ^ a b c “HD化、新要素、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』へのこだわりに迫るインタビュー! Wii Uの新作『ゼルダ』情報も!?(1/3)”. ファミ通.com (2016年3月19日). 2019年4月10日閲覧。
- ^ “【ゼルダの伝説 トワイライトプリンセスHD】GamePadによる快適な操作 (YouTube)”. 2016年2月24日閲覧。
- ^ “ゼルダの伝説公式Twitter”. 2016年8月7日閲覧。
- ^ “スマブラ拳!!”. 任天堂. 2016年7月8日閲覧。
- ^ 姫川明公式サイトの制作日記2007.12.24
- ^ 姫川明公式サイトの制作日記2016.1.2