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解説編集

マックス・モズレーロビン・ハードらが立ち上げたマーチ・エンジニアリング最初のフォーミュラ1カー、701は冒険を避けた手堅い造りであった。711はこれとは一転して個性的な車両に仕上がった。

 
特徴的な711のフロントウイング

車体設計をフランク・コスティン、シャシーをハードという分担で開発。全体的に丸みを帯びたスタイルと、エンジン全体を覆ったリヤカウルはコスティンが設計したF2マシン、プロトスに似たものである[1][2]。フロントウイングは楕円形をした独特のもので、フロントノーズ先端から支柱を伸ばして取り付けられる。「ティートレイ」と呼ばれた[3]このフロントウイングの形状はイギリスの戦闘機、スピットファイアを基としたものである[4]

エンジンは従来のコスワースDFVのほか、プロトタイプ・スポーツカーに使用されているアルファロメオの3リッターV8エンジンも使用された。

戦績編集

 
アルファ・ロメオのエンジンを搭載した711を走行させるデ・アダミッチ(1971年ドイツグランプリ)
1971年

ワークスはDFV搭載車をロニー・ピーターソン[5]アレックス・ソーラー=ロイグ、アルファ・ロメオエンジン搭載車をアンドレア・デ・アダミッチナンニ・ギャリが使用。

DFV車はピーターソンが優勝こそなかったものの2位4回、3位1回という好成績を挙げ、ドライバーズランキングでジャッキー・スチュワートに次ぐ2位となった。アルファ・ロメオ車はデ・アダミッチがアメリカGPで記録した11位が最高で、ギャリはシーズン途中からDFV車に乗り換えた。オーストリアGPでニキ・ラウダがDFV車に乗ってデビューしたが、リタイヤに終わった。

このほか複数のチームが711を購入。この中でフランク・ウィリアムズのチームがアンリ・ペスカロロのドライブによりイギリスGPで4位、オーストリアGPで6位と活躍した。

1972年

ウィリアムズが引き続き711を使用。ドライバーはカルロス・パーチェ。スペインGPで6位、ベルギーGPで5位入賞を果たした。

成績編集

(key)

チーム エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 ポイント 順位
1971 STPマーチ・レーシングチーム フォードコスワース DFV F RSA
 
ESP
 
MON
 
NED
 
FRA
 
GBR
 
GER
 
AUT
 
ITA
 
CAN
 
USA
 
33(34) 3位
  ピーターソン 10 Ret 2 4 2 5 8 2 2 3
  ソーラー=ロイグ Ret Ret DNQ Ret Ret
  ギャリ NS 11 Ret 16 Ret
  ラウダ Ret
アルファロメオ Typo33 V8   アダミッチ 13 Ret Ret NC Ret Ret 11
  ギャリ DNQ Ret 12 12
  ピーターソン Ret
ジーン・メイソン・レーシング フォードコスワース DFV   バーバー DNQ NC Ret Ret NC
クラーク・モーダウント・ガスリー・レーシング   ボイトラー Ret Ret NC Ret NC
フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズ G   ペスカロロ Ret 8 NC Ret 4 Ret 6 Ret NS Ret
1972 チーム・ウィリアムズ・モチュール フォードコスワース DFV G ARG
 
RSA
 
ESP
 
MON
 
BEL
 
FRA
 
GBR
 
GER
 
AUT
 
ITA
 
CAN
 
USA
 
15* 6位
  パーチェ 17 6 17 5 Ret Ret NC NC Ret 9 Ret
ジーン・メイソン・レーシング   バーバー NC 16
  • DNQは予選不通過。
  • NCは規定周回数不足。
  • *マーチ・721が獲得した12ポイントを含む。

脚注編集

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  1. ^ 『オートスポーツ』 1971年4月号、28頁。
  2. ^ 『カーグラフィック』 1971年4月号、164頁。
  3. ^ History of Formula 1 - Grand Prix Cars - March 711”. Grand Prix History. 2015年2月9日閲覧。
  4. ^ 『F1速報PLUS』 VoL.35、三栄書房、2014年、60頁。
  5. ^ フランスGPのみアルファ・ロメオエンジン搭載車に搭乗。

外部リンク編集