ライムライト (映画)
『ライムライト』(Limelight)は、1952年製作のアメリカ合衆国の映画。チャールズ・チャップリン監督。上映時間137分。
ライムライト | |
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Limelight | |
![]() ポスター(1952) | |
監督 | チャールズ・チャップリン |
脚本 | チャールズ・チャップリン |
製作 | チャールズ・チャップリン |
出演者 | チャールズ・チャップリン |
音楽 |
チャールズ・チャップリン ラリー・ラッセル レイモンド・ラッシュ |
撮影 | カール・ストラス |
編集 | ジョー・インゲ |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 137分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
配給収入 |
1億540万円[1] ![]() |
日本では1953年に公開。1973年にリバイバル上映された。チャップリンが長編映画で初めて素顔を出した作品で、同時にアメリカでの最後の作品となった(本作のロンドンでのプレミアのためにイギリスに向かう最中に、アメリカの司法長官から事実上の国外追放命令が出たためである。詳細はチャールズ・チャップリンの項を参照のこと)。
ちなみにライバルのバスター・キートンとも本作で初めて共演している。これは、当時、キートンが経済的に困窮していることを伝え聞いたチャップリンが、何らかの助けになればと起用したと言われている。なお、「チャップリンがキートンの出演場面を大幅にカットした」との話があるが、それはまったく事実ではなく、キートンに注目をさせたかった彼の伝記作家が冗談で語ったことである。
タイトルのライムライトとは電球が普及する以前に舞台照明に用いられた照明器具で、名声の代名詞でもある。
キャッチコピー編集
美しきバレリーナに よせる心を秘めて 舞台に散った道化の恋… 名優の至芸と 愛の名曲でうたい上げる 感動のチャップリン・シンフォニー(73年のリバイバル時)
あらすじ編集
かつてイギリス一と言われた道化師のカルヴェロ。いまや中年を過ぎすっかり落ちぶれ酒浸りの日々を送っていた。
ある日カルヴェロは、自殺を企て意識不明で倒れていたテリーという美しいバレエの踊り子を助ける。テリーは姉が娼婦となって自分のレッスン代を払ってくれていたことを知ってから足がマヒしてしまった。すっかり失望して生きる気力を無くしていた彼女をカルヴェロは献身的に介抱し、もう一度バレエを踊らせる。
再び踊りはじめたテリーはダンサーの職を得、作曲家のネヴィルにも気に入られ新作バレエの第一ダンサーに抜擢される。一方のカルヴェロはカムバックに失敗し、逆にテリーに励まされる始末だった。
テリーに惚れ込んだネヴィルは彼女に愛を告白する。しかし彼女の想いはカルヴェロにあった。テリーはカルヴェロに結婚しようと言い出す。カルヴェロは年齢差や自らの境遇とテリーの順風満帆の現在を比べ、結婚話をばかげていると一蹴してしまう。カルヴェロは彼女の元を離れ辻音楽師へと落ちぶれてゆく。
カルヴェロと別れた後のテリーはヨーロッパ各地での興業でも絶賛される。その一方で第一次世界大戦が始まりネヴィルは出征してゆく。ロンドンに帰ったネヴィルはテリーを口説くが、彼女はまだカルヴェロのことが忘れられない。
ある日街角で偶然カルヴェロに再会したテリーは、もう一度彼を舞台に立たせるように手筈を調える。 再起の舞台で熱演するカルヴェロに観客は惜しみない拍手を送る。カルヴェロは熱演のあまり、予定よりも勢いよく舞台から転落。そのまま袖に運ばれる。転落した時に起こした心臓発作で残り僅かな時間を、鮮やかなライムライトの脚光を浴びて踊るテリーの姿を見ながら、カルヴェロは息を引取るのだった。
メインスタッフ編集
- 監督:チャールズ・チャップリン
- 製作:チャールズ・チャップリン
- 脚本:チャールズ・チャップリン
- 撮影:カール・ストラス
- 音楽:チャールズ・チャップリン、ラリー・ラッセル、レイモンド・ラッシュ
- 助監督:ロバート・アルドリッチ
キャスト編集
- カルヴェロ:チャールズ・チャップリン
- テレーザ・アンブローズ(テリー):クレア・ブルーム
- カルヴェロのパートナー:バスター・キートン
- ネヴィル:シドニー・チャップリン
- ポスタント:ナイジェル・ブルース
- ボダリンク:ノーマン・ロイド
- オルソップ夫人:マージョリー・ベネット
- アルレッキーノを演じるバレエダンサー:アンドレ・エグレフスキー
- メリッサ・ヘイデン:バレリーナ(劇中バレエのコロンビーヌの舞踊シーンにおいてクレア・ブルームに代わり踊った。)
- オープニング・シーンの少女:ジェラルディン・チャップリン
- オープニング・シーンの少女:ジョセフィン・チャップリン
- オープニング・シーンの少年:マイケル・チャップリン
- テレーザの医師:ウィーラー・ドライデン
- カルベロの医師:レオナルド・ムディエ
- ストリート・ミュージシャン:ロイヤル・アンダーウッド
エドナ・パーヴァイアンスがバレエシーンの観客役でエキストラ出演しているという説がある[2][3]が、撮影日誌などを調べたデイヴィッド・ロビンソン、大野裕之らは否定している。
日本語吹替編集
俳優 | 日本語吹替 | |
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TBS版 | BD版 | |
チャールズ・チャップリン | 高橋昌也 | 羽佐間道夫 |
クレア・ブルーム | 紀比呂子 | 田中敦子 |
バスター・キートン | 益田喜頓 | 田原アルノ |
シドニー・チャップリン | 西沢利明 | 小林親弘 |
ナイジェル・ブルース | 塩見竜介 | 宝亀克寿 |
ノーマン・ロイド | 国坂伸 | 田原アルノ |
マージョリー・ベネット | 高橋和枝 | 片岡富枝 |
ウィーラー・ドライデン | 大久保正信 | やまむらいさと |
- TBS版吹き替え - 初回放送1977年1月3日 21:02 - 23:45『月曜ロードショー』本編ノーカット(2016年発売の『チャップリン Blu-ray BOX』に収録)
- BD版吹き替え - 2016年発売の『チャップリン Blu-ray BOX』にTBS版と共に収録
なおブルーレイに収録されているTBS版吹き替えは一般の募集からラスト10分以降がカットされている不完全な状態のものしか見つからなかったため、キートンとチャップリンがコントを行うシーン以降は字幕で対応する仕様となっている。
主題歌編集
「テリーのテーマ(エタナリー)」 作曲チャールズ・チャップリン 第45回(1972年)アカデミー作曲賞受賞
舞台編集
2015年にシアタークリエにて、この映画を原作とした音楽劇『ライムライト』が上演された。演出は荻田浩一、上演台本は大野裕之が担当。主演は石丸幹二[4]。
参考文献編集
脚注編集
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)105頁
- ^ IMDb
- ^ McDonald, Conway, Ricci (1988). :The complete films of Charlie Chaplin. Secaucus, New York: The Citadel Press. ISBN 0-8065-1095-1
- ^ 音楽劇『ライムライト』公式ページ
- ^ チャップリン映画原作の音楽劇「ライムライト」再演決定、石丸幹二が続投(ステージナタリー)
外部リンク編集
- ライムライト - allcinema
- ライムライト - KINENOTE
- Limelight - オールムービー(英語)
- Limelight - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- 音楽劇『ライムライト』