三原駅

広島県三原市城町にある西日本旅客鉄道の駅

三原駅(みはらえき)は、広島県三原市城町一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)のである[1]三原城本丸跡を横切るように建てられている[1]三原港まで当駅から300 mと近い。

三原駅
南口(2018年4月)
みはら
Mihara
地図
所在地 広島県三原市城町一丁目1-1
北緯34度24分2.4秒 東経133度4分59.5秒 / 北緯34.400667度 東経133.083194度 / 34.400667; 133.083194座標: 北緯34度24分2.4秒 東経133度4分59.5秒 / 北緯34.400667度 東経133.083194度 / 34.400667; 133.083194
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
電報略号 ミハ
駅構造 高架駅
ホーム 2面2線(新幹線)[1]
2面4線(在来線)[1]
乗車人員
-統計年度-
5,050人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日 1894年明治27年)6月10日[2]
乗入路線 3 路線
所属路線 山陽新幹線
キロ程 270.2 km(新大阪起点)
東京から822.8 km
新尾道 (11.5 km)
(39.6 km) 東広島
所属路線 G X 山陽本線
駅番号 JR-G16(広島方面)
JR-X20(福山方面)
キロ程 233.3 km(神戸起点)
JR-G17/X19 糸崎 (2.4 km)
(9.5 km) 本郷 JR-G15
所属路線 Y 呉線
駅番号 JR-Y31
キロ程 0.0 km(三原起点)
(5.1km) 須波 JR-Y30►
備考
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南口の一部のみ接写(2018年4月)

乗り入れ路線

山陽新幹線と、在来線における当駅の所属線である[4]山陽本線、および当駅を起点とする呉線が乗り入れており、後者は竹原・呉方面を回り、海田市駅で山陽本線に合流して広島駅に至る。山陽本線の駅番号については、糸崎駅と当駅では福山方面と広島方面それぞれに割り当てられており、広島方面はJR-G16、福山方面がJR-X20である。呉線の駅番号はJR-Y31。在来線はICOCAの利用エリアに含まれている。

事務管コードは▲800601を使用している[5]

歴史

当駅開業前は隣駅の糸崎駅が「三原駅」を名乗っていた。

山陽新幹線の建設に当たって、福山 - 広島間の中間駅は尾道に設置する案と三原に設置する案があったが、いずれか1つを選択する予定になっていた。三原駅には線形的には乗り入れ可能でも市街地の用地買収が困難であり、一方で尾道駅には地形的に新幹線を乗り入れできないが、約2.5 km北に建設予定のバイパス道路沿いに新駅を建設する構想があってこちらが有力とされていた。

ところが当時の三原市長の長尾正三が巻き返しにかかり、新幹線ルート上の地権者や住民3,828人の新幹線誘致同意の署名を取り付けて、1969年(昭和44年)1月に国鉄本社に持参した。これにより用地買収に問題が無いとわかり、在来線駅に新幹線駅を併設できる方が望ましいこと、福山 - 広島間の中間に近くなることなどから、国鉄の判断は逆転して三原駅が選択されることになり、新幹線開通と同時に新幹線三原駅が実現することになった。新尾道駅の開業が実現するのはそれから13年後の1988年(昭和63年)のことであり、工事費62億円は地元負担となっている[6]

年表

駅構造

 
在来線駅構内(2014年3月)
 
新幹線ホームは三原城の天主台跡に隣接している(2018年4月)

在来線は島式ホーム2面4線、新幹線は16両編成対応(ホーム長410m)の相対式ホーム2面2線を持つ高架駅である[17][8]。新幹線保線区が設置されており、当駅の下り寄りに保線区への分岐が設置されている[17]

改札口は1階にある在来線改札口1か所のみで、新幹線専用の改札口は設置されていない。新幹線を利用する際は乗換改札口を通る必要があり、そのためには在来線コンコースに入ることになる。

駅長が配置された直営駅で、かつ管理駅[3]として山陽線の入野駅 - 本郷駅間、呉線の風早駅 - 須波駅間を管理している。かつては、同区間を管轄する三原地域鉄道部の事務所が当駅構内にあったが、2018年6月1日の組織改定で廃止されている[13]

のりば

のりば 路線 方向 行先 備考
在来線ホーム
1 Y 呉線 - 竹原方面[18]  
2 G 山陽本線 下り 西条方面[18]  
3 G X 山陽本線 上り 福山方面[18] 一部1・2番のりば
4
新幹線ホーム
6   山陽新幹線 下り 広島方面[18]  
7 上り 岡山方面[18]  
  • 基本的には上記のように使われているが、呉線から直通してくる山陽本線上り列車に限り、1・2番のりばからも発車する(1番のりばから出ることが多い)。
  • 本項ではJR西日本公式サイトの全域路線図[19]に従いラインカラー・路線記号を表記しているが、当駅は広島シティネットワークエリア外のため、駅掲示時刻表においてはアルファベットのないラインカラーシンボルが使われている。
  • 山陽本線下り本線は2番のりば、上り本線は4番のりばであり、上り岡山方面に運転される列車と当駅通過列車(貨物列車等)はこの2線を通る。3番のりばは岡山方面からの折り返し列車専用である(呉線からの直通列車が使用することもある。また2019年3月16日ダイヤ改正より、1日2本広島方面から直通する糸崎行きも使用開始)。
  • 高架化後、5番のりばは欠番となった。
  • 線路配置上、呉線から到着、出発できるのは1 - 3番のりばである。山陽本線、下り西条方面から到着できるのは3・4番のりば、出発できるのは1 - 3番のりばである。上り岡山方面から到着できるのは1 - 3番のりば、出発できるのは1 - 4番のりばである。
    • 山陽本線下りはすべて2番のりば、呉線の下りはすべて1番のりばを使用する。
  • 1番線には当駅が起点となる呉線の0キロポストが設置されている。
  • 新幹線で当駅留置運用が1本設定されている。
  • 3・4番のりばの駅名標の両面と1・2番のりばの駅名標の2番線側の面は隣駅が「ほんごう」・「いとざき」と記載されており、1・2番のりばの駅名標の1番線側の面は隣駅が「すなみ」・「いとざき」と記載されている。

高架化以前

1番線は駅舎に面した単式ホームで、広島側には切欠きホームの0番のりばがあり、3・4番のりばは島式ホーム、5番のりばは単式ホームであった。1番のりばと3番のりばの間には通過線が、5番のりばの北側尾道寄りには保線車両用の引込み線が存在した。

高架化工事着工前の三原駅在来線プラットホーム
のりば 路線 方向 行先 備考
0 呉線 - 竹原方面 切欠きホームのため、呉線以外からは入線不可
1  
山陽本線 上り 福山方面 広島方面へも出発可能
3・4 下り 西条方面 優等列車が停車
上り 福山方面 広島方面へも出発可能
5 優等列車が停車

駅構内の施設

ダイヤ

新幹線

1975年3月10日に山陽新幹線が全線開通した当時は、東京駅 - 博多駅(一部広島駅)間運転の「ひかり」が設定されていた。

1980年10月1日改正以降、停車本数が毎時2本となる時間帯が徐々に増やされた。これは、従来の「ひかり」に加えて、新大阪駅 - 博多駅間運転の「こだま」のどちらかが運行されることになったためである。

1986年11月1日改正以降は山陽新幹線区間の「こだま」を増発し、「ひかり」の停車本数が順次削減された。その後1997年11月29日改正をもって、岡山駅での「のぞみ」と「こだま」の接続改善により、「ひかり」の停車はいったん廃止された。

それ以降、基本的に「こだま」が1時間あたり1 - 2本停車するのみだが、2006年3月18日ダイヤ改正から「ひかり」の停車が復活した。当駅始発の東京行き「ひかり」[20]、ひかりレールスター(2便)。 また2013年3月16日ダイヤ改正より「ひかり441号」博多行きは当駅に停車し、次の東広島駅を通過する。当該列車は改正前日の15日までは広島行きであった。また従来の「ひかり」停車駅に加え、新岩国駅に停車する。

在来線

2021年3月13日現在、1時間あたり下り広島方面は1本、上り岡山方面は3本設定されている。2011年3月12日以降上り列車は岡山行きだったものも含めて多くが次の糸崎行きに見直された。また、姫路発当駅止まりの普通列車は朝晩に1本ずつあるが、当駅からの姫路行き普通列車は晩の1本のみである。

駅弁

駅構内で浜吉が駅弁・うどんを販売している。以前、うどんは在来線1番線 - 4番線すべてに店舗があったが、のちに3、4番線の店舗は閉鎖され、1番線・2番線の店舗のみとなった。

主な駅弁は下記の通り[21]

  • 漫遊弁当
  • 元祖珍辨たこめし
  • 浮城弁当
  • 広島名物あなごめし
  • 松茸牛すき弁当(7 - 11月販売)
  • 二代目あなごあいのせ重
  • 春彩すき焼き弁当(12 - 6月販売)

利用状況

「広島県統計年鑑」によると、近年の1日平均乗車人員は以下の通りである。

年度 1日平均
乗車人員
1987年(昭和62年) 10,700
1988年(昭和63年) 10,930
1989年(平成 元年) 11,247
1990年(平成02年) 11,937
1991年(平成03年) 12,268
1992年(平成04年) 12,791
1993年(平成05年) 12,365
1994年(平成06年) 10,614
1995年(平成07年) 10,317
1996年(平成08年) 8,947
1997年(平成09年) 8,477
1998年(平成10年) 8,180
1999年(平成11年) 7,677
2000年(平成12年) 7,437
2001年(平成13年) 7,150
2002年(平成14年) 6,828
2003年(平成15年) 6,819
2004年(平成16年) 6,850
2005年(平成17年) 7,001
2006年(平成18年) 6,845
2007年(平成19年) 6,791
2008年(平成20年) 6,753
2009年(平成21年) 6,458
2010年(平成22年) 6,326
2011年(平成23年) 6,259
2012年(平成24年) 6,233
2013年(平成25年) 6,347
2014年(平成26年) 6,134
2015年(平成27年) 6,351
2016年(平成28年) 6,363
2017年(平成29年) 6,354
2018年(平成30年) 6,198
2019年(令和 元年) 6,203
2020年(令和02年) 4,676
2021年(令和03年) 4,558
2022年(令和04年) 5,050

駅周辺

バス路線

南口

のりば 運行事業者 路線名(愛称)・系統・行先 備考
都市間高速バス
1 エトワールセト号新宿駅西口・新宿南口(バスタ新宿 夜行便
中国バス 10 エアポートリムジン:本郷支所前・広島空港  
一般路線バス
2 鞆鉄道
  • 28・28-1 三原福地線:鳴滝登山口
  • 29・29-1 三原福地線:上福地
「28・28-1 三原福地線」は終点で尾道駅前方面に連絡
3 芸陽バス
  • 幸崎線:すなみ荘前
  • 三原竹原線:中通
  • 小泉循環線:あやめヶ丘・甲原橋方面
  • 三原本郷循環線本郷駅前・三原警察署
 
4
  • 三原本郷循環線:本郷駅前・三中前方面 / 法常寺下方面
  • 田野浦線:青葉台
  • 三原本郷線:本郷駅前
 
5
  • 三原本郷循環線:法常寺下・三原警察署前方面
  • 頼兼循環線:宮浦中央・法常寺下方面
 

西口

のりば 運行事業者 路線名・系統・行先 備考
一般路線バス
6 中国バス 60・60-1 三原甲山線:甲山営業所  
芸陽バス 三原徳良線:徳良  
7 中国バス
鞆鉄道
70 三原深線:深下組  

航路

駅の南にある「三原港フェリーターミナル」から、佐木島小佐木島因島生口島生名島に向かう旅客船・フェリーが運航している。かつては四国今治)、大三島(井口)へも運航されていたが、しまなみ海道の開通後、廃止または休止された。

付記

  • 国指定史跡の三原城址の上へ設置されており、駅構内より天主台への入り口もあり、石垣などの遺構も駅構内に多く残る。
  • 姫路相生播州赤穂長船方面から岡山駅を越えて運行される山陽本線普通列車は大半が当駅で折り返す。管轄上は広島支社管内の駅であるが、西条方面よりも岡山方面の方が、本数が多い(西条方面からの列車は全て糸崎駅止であり、当駅以東に乗り越す場合、当駅または糸崎駅で、始発の岡山方面行き列車に乗換)。岡山方面(糸崎止含む)はラッシュ時が毎時5 - 6本、日中毎時3本であるが、西条方面は日中毎時1本の運行である。また、2017年のダイヤ改正までは岡山 - 福山間の快速列車「サンライナー」が1日1本、当駅まで運転されていた。
  • 高架化前の駅付近は開かずの踏切が多かった。ちなみにロープの手動踏切であった。
  • 高架化後、山陽本線は駅西側の路線が高架化前よりルートがかなり変更された。現在は、高架のまま西に一直線に進み、トンネルで山の中をショートカットしているが、高架化以前はトンネルはなく、山の南側を迂回うかいするルートをとっていた。高架化により、当駅 - 本郷駅の営業キロは10.1 kmから9.5 kmに短縮された。そのため、当駅以西は起点の神戸駅からの距離標が営業キロに0.6を足した値になっている。
  • 在来線ホームの接近放送のメロディーは、2003年頃より「かもめの水兵さん」が使用されるようになった。2008年3月15日のダイヤ改正からは宮島口駅新山口駅などと同様に広島支社標準の接近メロディー(1・2・3番線は「広島駅2・7番線」、4番線は「広島駅4・9番線」のメロディーの音色違い)をベースとした詳細放送が使用されていた。なお現在(2010年3月ダイヤ改正時点)は、1 - 4番線とも「かもめの水兵さん」の接近メロディーをベースとした詳細放送が使用されている。
  • しまなみ海道開通時には今治桟橋と当駅を結ぶ高速バスしまなみライナー三原線が開設されたが、数か月で廃止された。
  • 数年前までトンネル西側の新倉町辺りで、廃線跡を見ることができた。現在は宅地開発に伴い撤去されている。
  • 原爆投下直後、山陽本線は当駅で折り返し運転を行っていたが、呉線は海田市駅まで運行していた[22]
  • 当駅から下関駅まで、CTCによって広島において集中管理されている旨が書かれている。
  • 1987年度の共通一次試験社会科地理において、当駅周辺の地図を用いた問題が出題された。その際、実際の地名と分かって当駅周辺に詳しい受験生が有利にならないよう、当駅の駅名が「みはま」とされていた。

隣の駅

※新幹線の停車駅は各列車記事を参照のこと。

西日本旅客鉄道(JR西日本)
  山陽新幹線
新尾道駅 - 三原駅 - 東広島駅
G X 山陽本線
糸崎駅 (JR-G17/JR-X19) - 三原駅 (JR-G16/JR-X20) - 本郷駅 (JR-G15)
Y 呉線
三原駅 (JR-Y31) - 須波駅 (JR-Y30)

脚注

出典

  1. ^ a b c d 『週刊 JR全駅・全車両基地』 49号 福山駅・宇部新川駅・忠海駅ほか80駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年7月28日、19頁。 
  2. ^ a b c d e f g 石野 1998, p. 225.
  3. ^ a b 災害発生から86日。山陽線三原~白市間開通に喜びの声”. いまできること こくみん共済. 2021年11月17日閲覧。
  4. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年10月、[要ページ番号]頁。ISBN 4-533-02980-9 
  5. ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
  6. ^ 髙松良晴 2011, pp. 95–97.
  7. ^ 石野 1998, p. 274.
  8. ^ a b 国鉄新幹線建設局 1977, p. 407.
  9. ^ 石野 1998, p. 238.
  10. ^ a b 鉄道ジャーナル』第24巻第9号、鉄道ジャーナル社、1990年9月、100頁。 
  11. ^ 「連続立交化が完成」『交通新聞』交通新聞社、1991年7月29日、1面。
  12. ^ 『データで見るJR西日本 2001』- 西日本旅客鉄道
  13. ^ a b 沿革」(PDF)『データで見るJR西日本 2018』、西日本旅客鉄道、2018年、203頁、2023年5月5日閲覧 
  14. ^ 岡山・福山エリア 8路線82駅への「駅ナンバー」の導入について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2020年7月28日https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200728_04_ekinumber.pdf2020年7月28日閲覧 
  15. ^ JR西日本、岡山・福山エリア&広島エリアに「駅ナンバー」順次導入”. マイナビニュース (2020年7月28日). 2022年3月2日閲覧。
  16. ^ a b 三原駅|駅情報:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2021年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月7日閲覧。
  17. ^ a b 国鉄新幹線建設局 1977, p. 405.
  18. ^ a b c d e 三原駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年2月22日閲覧。
  19. ^ JR西日本全域路線図” (PDF). JRおでかけネット. 2016年4月21日閲覧。 (PDF)
  20. ^ ダイヤ改正以前までは新大阪行き「こだま」として運行されていた列車を、東京まで延長したもの。
  21. ^ 『JTB時刻表 2024年3月号』JTBパブリッシング、2024年、55,219頁。 
  22. ^ 広島原爆投下後の放送(※2014年7月22日のWebアーカイブより) - Radiofly Wiki

参考文献

関連項目

外部リンク