元町 (横浜市)
元町(もとまち、Motomachi, Yokohama)は、神奈川県横浜市中区にある地名。現行行政地名は元町1丁目から元町5丁目(字丁目)。住居表示未実施区域。郵便番号は231-0861[3]。町内の大部分を占め、150周年以上の歴史がある元町商店街は、横浜を代表する商業地の一つとして特に有名である。
元町 | |
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![]() 元町ショッピングストリート(石川町駅側)入口のフェニックスアーチ | |
北緯35度26分25.53秒 東経139度38分58.87秒 / 北緯35.4404250度 東経139.6496861度 | |
国 |
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都道府県 |
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市町村 |
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区 | 中区 |
面積 | |
• 合計 | 0.157km2 |
人口 | |
• 合計 | 1,443人 |
等時帯 | UTC+9 (日本標準時) |
郵便番号 |
231-0861[3] |
市外局番 | 045 (横浜MA)[4] |
ナンバープレート | 横浜 |
元町の位置 |
概要編集
1859年の横浜開港までは半農半漁の村落であったが、1860年2月の横浜開港に伴って立ち退いた旧横浜村住民がこの地に移住したことで「横浜元町」と呼ばれるようになる。明治維新の頃には外国人向けの商店街として栄え、「元町」と改称された。
開港後の山下町に外国人居留地が、山手に山手居留地がそれぞれ設けられ、両地区を結ぶ場所にあった元町通りは、居留者らが日常的に多く行き交うところとなり、外国人を相手にした商売が盛んに行われるようになる。明治が始まってしばらく経つ頃には居留者がさらに増え、セント・ジョセフ・インターナショナル・カレッジなどのインターナショナルスクールの開校や、当時は日本には珍しい喫茶店やベーカリー、洋服店、洋風家具店などが軒を連ね、文明開化を支えた。これが今の元町商店街の原型となる。
1970年代には、当時流行していたファッションスタイル「ニュートラ」に対抗する「ハマトラ」(横浜トラディショナルの略)というスタイルが同商店街のキタムラ、ミハマ、フクゾー、スタージュエリーなどにより生み出されるなど、独自の文化を色濃く残すエリアの一つである。
地理編集
町域の南・東側は山手丘陵地と隣接し、北側は堀川(運河)を挟んで山下町(横浜中華街)と隣接。山と運河に挟まれた平地部分を中心に元町商店街が形成されている。町域の東端に横浜高速鉄道みなとみらい線の元町・中華街駅があり、町域の西に隣接する石川町にはJR根岸線の石川町駅がある。
運河と並行して町内を3本の通り(運河側より元町海岸通り、元町通り、元町仲通り)が走っている。いずれの通りも非常に狭く、町内を走る道路の多くは一方通行に指定されている。
歴史編集
- 1860年(万延元年)1月:旧横浜村住民が移住。
- 同年2月:「横浜元町」に地名変更。
- 1869年(明治元年):元町厳島神社社殿建立。この頃よりフランス人アルフレッド・ジェラールが西洋瓦の生産を元町で始める。
- 1882年(明治15年):北村商店(キタムラの前身)が創業。
- 1888年(明治21年)3月:ヨコハマベーカリー(ウチキパンの前身)が元町に移転。
- 1910年(明治43年):元町2丁目にて洋菓子店・不二家創業(跡地には現在、Elegant洋装店がある)。
- 1923年(大正12年)9月:関東大震災発生。ジェラールの工場が倒壊。増徳院[注 1]が倒壊。町内の百段坂が崩落。
- 同年11月:小売商近沢レース店が開店。
- 1945年(昭和20年)5月: 横浜大空襲にて一帯が焼失。
- 1946年(昭和21年):スタージュエリーが創業。
- 1961年(昭和36年):チャーミングセールの名称として最初のセールが開催される。
- 1964年(昭和39年):近隣に石川町駅開業
- 1969年(昭和44年):ポンパドウルが創業。
- 1976年(昭和51年):この頃、ハマトラが発生。ブームとなる。
- 1984年(昭和59年)2月:堀川上空の首都高速神奈川3号狩場線が供用開始。
- 1985年(昭和60年):フェニックスアーチが完成。
- 2000年(平成12年)11月:元町クラフトマンシップ・ストリートにて第1回フードフェア開催。
- 2004年(平成16年)2月:元町・中華街駅開業。
- 2011年(平成23年)6月:日本で初めてのF1マシンの公道デモ走行が行われる。
世帯数と人口編集
2017年(平成29年)12月31日現在の世帯数と人口は以下の通りである[2]。
丁目 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
元町1丁目 | 279世帯 | 505人 |
元町2丁目 | 83世帯 | 168人 |
元町3丁目 | 140世帯 | 205人 |
元町4丁目 | 72世帯 | 128人 |
元町5丁目 | 263世帯 | 437人 |
計 | 837世帯 | 1,443人 |
小・中学校の学区編集
市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[5]。
丁目 | 番地 | 小学校 | 中学校 |
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元町1丁目 | 全域 | 横浜市立元街小学校 | 横浜市立港中学校 |
元町2丁目 | 全域 | ||
元町3丁目 | 全域 | ||
元町4丁目 | 全域 | ||
元町5丁目 | 全域 |
元町商店街編集
元町ショッピングストリート編集
元町1丁目から5丁目までの元町通りを中心とする商店街。
フェニックスアーチ編集
元町ショッピングストリートの両端にあるウェルカムゲートで商店街の目印となっている。1985年に建立、アーチの高さは10.5m。「翔べ光の中へ」という意味がある。
元町ライトフェニックス編集
チャーミングセールなど人出が多い時に、元町ショッピングストリート内で交通整理や案内などを行う女性のこと。それまでは男性警備員が交通整理を行っていたが、元町に訪れる人の多くが女性であるため、女性に交通整理を行わせるアイデアを元町SS会と横浜のイベント企画会社が共同で考え、元町の近くにあるフェリス女学院大学の女子学生をアルバイトとして採用し、1987年2月のチャーミングセールでデビュー。揃いの制服姿で交通整理を行う光景は元町ショッピングストリートの名物にもなっている。名前の由来は、商店街のシンボル「フェニックス」と光を意味する「ライト」を併せたもの。
元町クラフトマンシップ・ストリート編集
元町ショッピングストリートよりも1本山側の元町仲通りを中心とする商店街。元町仲通り、本牧通り、汐汲坂通り、代官坂通り、水屋敷通りの5本の通りで構成されている。1994年7月に元町仲通り会が発足し、2004年12月に「元町クラフトマンシップ・ストリート」という名称になった。
イベント編集
チャーミングセール編集
毎年2月末と9月末の2回、約1週間にわたって開催される元町ショッピングストリートを代表するバーゲンセールイベント。期間中は関東近郊のみならず全国からこのイベント目当てに大勢の人が訪れる。以前は「謝恩セール」という名称であったが、1961年に現在の「チャーミングセール」と言う名前が付けられた。 期間中は日本テレビやtvk、fm yokohamaなどでCMが流れる。
セントパトリックデー・パレード編集
毎年3月に開催されるアイルランドのお祭り(聖パトリックの祝日)。同国のシンボルカラーである緑の衣装を身に着けたパレード隊が元町ショッピングストリートを練り歩く。
モトマチ・ハロウィン編集
毎年10月31日に開催される。仮装した大勢の子供たちが元町ショッピングストリートに集まる。店舗の従業員も仮装して、子供たちにお菓子をプレゼントする。
フードフェア編集
元町クラフトマンシップ・ストリートで毎年10月頃に開催される食のイベント。第1回は2000年11月。
Red Bull Energy for Japan編集
ギャラリー編集
最寄り駅編集
脚注編集
- 注釈
- 出典
- ^ “横浜市町区域要覧”. 横浜市 (2016年3月31日). 2018年1月24日閲覧。
- ^ a b “横浜の人口 - 登録者数(市・区・町・外国人) - 町丁別世帯と男女別人口”. 横浜市 (2017年12月31日). 2018年1月24日閲覧。
- ^ a b “郵便番号”. 日本郵便. 2018年1月23日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2018年1月23日閲覧。
- ^ “小中学校等通学区域”. 横浜市 (2017年11月15日). 2018年1月24日閲覧。
- ^ “復興支援でF1マシン「元町」疾走、公道でのデモ走行は国内初/横浜”. カナロコ. (2011年6月5日) 2011年6月6日閲覧。
- ^ ヨコハマ・ふくまち.net~市内施設バリアフリー情報~
関連項目編集
- キタムラ(元町発祥) - ハンドバッグの老舗。
- スタージュエリー(元町発祥) - ジュエリーブランド。
- ポンパドウル(元町発祥) - ベーカリーチェーン。
- 不二家(元町2丁目にて創業)
- ハマトラ - 1970年代後半にブームとなった元町発祥のファッション。
- あぶない刑事 - 劇中に元町通り・元町プラザ・元町パセオ・スタージュエリー・霧笛楼・4℃(元町店)・YOSHIDA・森ブラザーが登場。
- たったひとつの恋 - ヒロインが当地の宝石店スタージュエリー社長の娘という設定。
- 大正活動映画撮影所
- 横浜ランドマークタワー - ランドマークプラザの3階に「元町ストリート」があり、元町ショッピングストリートにある店舗からキタムラ、スタージュエリー、タカラダなど数店舗が出店している。