国立中山大学

台湾の国立大学

国立中山大学(こくりつちゅうざんだいがく、英語: National Sun Yat-sen University、公用語表記: 國立中山大學)は、台湾高雄市鼓山区蓮海路70号に本部を置く台湾国立大学である。1980年に設置された。

国立中山大学
2017 NSYSU maingate.jpg
大学正門
大学設置/創立 1980年
学校種別 国立
設置者 教育部
本部所在地 台湾高雄市鼓山区蓮海路70号
学生数 9,029
キャンパス 西子湾キャンパス
東沙諸島
学部 文学部
理学部
工学部
社会科学部
管理学部
海洋科学学部
研究科 文学大学院
理学大学院
工学大学院
社会科学大学院
管理学大学院
海洋科学大学院
ウェブサイト http://www.nsysu.edu.tw/
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大学の略称はNSYSU、地元では「西子湾」の愛称で親しまれている。台湾総合大学システムおよび台湾EUセンター7大学連盟の一校。

概観編集

大学全体編集

 
大学本部棟
 
理学部

国立中山大学(NSYSU)は1980年に設立された国立総合大学され、指定国立研究大学7校の一つ、世界有数の海沿いの大学として知られ、[1]また東アジアの主要な海事教育機関ビジネススクールの一つ。[2][3]2030年にはすべての授業が英語で開講される大学になる。[4]産官学連携の伝統があり、強力な官界および財界関係で有名。現役教員が官僚シンクタンクの経験者になる人が多く、大学には政府系シンクタンクの機能がある。現在では6学部・約60の研究科・約70の研究所東沙諸島の研究拠点含む)を擁している、全国トップレベルを誇るキャンパスがあり、大学院修了者が多くの公務員、政治家、CEOのほか、20数人の国会議員を輩出している。

中山の名の由来
本学の創設提唱者は元中山大学の同窓生達とモスクワ中山大学の卒業生の蔣経国。「中山」の名は、孫文の号からの命名である。

学風および特色編集

NSYSUは「台湾の大阪」と呼ばれる最大港湾都市高雄市にあり、[5]海洋と商業を重視する学風によって、大学生が水泳を必修化している。台湾初の海洋科学部の発祥の地であるだけでなく、台湾で唯一キャンパス内で水上運動ができる、大阪大学とヨット定期戦関係を結んでいる大学です。また、学風に近いの海沿いの大学・米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)とは特な姉妹校関係を結だ、[6][7] NSYSUとUCSD合同シンポジウムは2015年以降毎年高雄とラホヤで交互に開催されている。[8]米国在台湾協会(AIT)は2021年6月の公式声明で:

この大学(NSYSU)は、台湾の一流高等教育機関であり、米国と台湾の関係を促進する上でAITの最も堅実なパートナーです。[9]

教育および研究編集

すべての中山大学は国家主義教育(中山大学モデル)に基づいて当初採択されたが、現在、海洋学および物理学を特徴とする、教育学英文学経済学電気工学等々も台湾で上位に入る等、数学研究分野が群を抜いて強いが、また国際認証 (CFA協会認定証券アナリストAACSBISO 9002ISO 14001)を獲得している。21世紀以来も国際化を重視して、台湾で最初に博士号を取得した中国人留学生とブルキナファソ人留学生はNSYSUの中国及びアジア太平洋研究科の修了生だった。[10][11]

主要な世界大学ランキングに基づくと、NSYSUは頻繁に台湾の160の大学の中でトップ10にランクされている。[12][13][14][15]2022年の『QS世界大学ランキング』では、世界で412位、アジアで73位、台湾で総合8位にランクされ[16]、2021年の『タイムズ・ハイアー・エデュケーション』では、世界で801-1000位、アジアで172位、台湾で総合10位にランクされている。[17]EMBAコースは2017年の『フィナンシャル・タイムズ』によって、NSYSUは台湾で唯一の世界トップ100に選ばれた。また、2019年のEduniversal世界トップビジネススクールの1つにランクされ(台湾3位)。[18]

強い分野ランキング編集

  • 海事管理-世界24位、アジア1位 (Eduniversal)[19]
  • 海洋学- 世界トップ150位、台湾2位 (ARWU)[20]
  • 数学-世界トップ100位、台湾1位 (ARWU)[21]
  • 石油化学工学-世界51位、台湾1位 (QS)[12]

年表編集

組織編集

組織は学部の下に研究センター、大学院研究科、学科で構成されている。中国語版の正確なリストを参照のこと。

学部・大学院研究科編集

 
海洋科学学部の棟
 
海洋科学学部の棟
文学部・文学大学院
中国文学科、外国語文学科、音楽学科、劇場芸術学科、芸術管理研究科、清代学術研究センター、哲学研究科、外語語文トレーニングセンター、中国語教育センター
理学部・理学大学院
化学科、物理学科、生物科学科、応用数学科、バイオ医学研究科
工学部・工学大学院
電機工学科、機械機電工学科、情報工学科、材料光電工学科、材料科学研究科、環境工学研究科、光電工学研究科、通信工学研究科、半導体テクノロジー研究センター、電信研究センター
管理学部・管理学大学院
財務管理学科、情報管理学科、企業管理学科、人材資源管理研究科、公共事務管理研究科、コミュニケーション管理研究科、医療管理研究科、中小企業研修センター、都市発展環境計画研究センター、都市研究・地方開発研究センター、金融管理研究センター、中国人生活スタイル研究センター、直販学術研究開発センター
海洋科学学部・海洋科学大学院
海洋資源学科、海洋環境工学科、海洋生物研究科、海洋地質科学研究科、海底技術研究科、海洋物理研究科 、海洋事務研究科
社会科学部・社会科学大学院
中国及びアジア太平洋研究科(元大陸研究科と中山学術研究科を合併)、経済学研究科、教育研究科、政治経済学科、社会学科、教職養成研究センター、台湾研究センター、東南アジア研究センター、世論調査研究センター、国際NGO研究センター、国際労働資源政策研究センター

研究拠点編集

中小規模にもかかわらず、NSYSUは常に優れた研究力を持つ。「Asia Pacific Ocean Research Center」は世界的な黒潮研究センターであり、世界中で最も高度な海流発電技術を保有している。[23]また、「Electronic Commerce and Internet Society Research Center」は、欧州委員会の第7回フレームワークプログラム(FP7)SSH-NCPのために選ばれた台湾の唯一の社会科学研究センター。

2017年現在、NSYSUには68の研究センターがあり、最も重要な主要センターを含む以下のものがある:

トップレベル
  • Asia Pacific Ocean Research Center
  • Electronic Commerce and Internet Society Research Center
  • Large-scale multi-antenna system Research center
  • Functional Crystalline Amorphous Complex Research Center
  • Medical Science and Technology Center
  • Centre for Humanities Innovation and Social Practices
全学レベル
  • Sun Yat-sen Research Center for Social Science
  • Multidisciplinary and Data Science Research Center (MDSRC)
  • Management Studies Research Center
  • Engineer Technology Research & Promotion Center
  • Frontier Center for Ocean Science and Technology
  • Center for the Humanities

特徴的な政府系シンクタンク編集

 
西湾学院の棟
日本研究センター
財団法人交流協会(現:日本台湾交流協会)、学術界及び民間の努力により、NSYSUは南台湾で唯一の日本研究センターを設置し、台湾の日本研究を強化し、研究者に意見交換・交流のチャンスを提供することなどを図っている。[24]
李登輝政府研究センター
退任総統の名前を冠した大学の学術部門として台湾で初めて設置され、李登輝元総統の政策や思想などについて研究が進めるほか、南方政策のシンクタンク的役割を担うことを期待するとした。さらに、公共政策に関する指導者を育成。[25]
市場調査と世論調査センター
センターは南台湾で最も重要な社会科学研究センターと世論調査機関。NSYSUの調査センターと国立政治大学の選挙研究センターは、台湾の主要な2つの大学ポーリング研究機関としてリストされている。[26]

データ・キャンパス編集

モットー編集

「博学、審問、慎思、明辨、篤行」

西子湾 (寿山)編集

 
キャンパスのタイワンザル

台湾八景の一、高雄港軍事基地の横に位置し、自然豊な、世界で屈指の野生動物生息地、海岸と山に囲まれたの天然要塞の地形のキャンパスを擁する[27]、「台湾一のキャンパス」とも言われている[28]。環境特性は,山岳生態系海洋生態系サンゴ礁の地質を含め。キャンパスのビルのほかに、海水浴場、埋立で造成されたスタジアム西子湾隧道と、日本統治時代から残っている歴史的な場所もある。

キャンパスは繁華街に近いが、騒音から遠く離れており、外につながる道路は4つしかなく、すべての車線が山と海に近い。NSYSUの教員と学生は、野生動物と昼夜を問わず生活して、多くのタイワンザルオウムパラスリスキョンがいる。しかしながらサルが食べ物を奪い、寮や教室に侵入する事態がほぼ毎日のように起こる。ちなみに、大学海域は絶滅危惧種Polycyanthus chiashanensisに生息し、その数はわずか約50体。[29]

キャンパスビルディングと西子湾海水浴場

アクセス編集

西子湾駅が近く、西子湾キャンパスから西子湾隧道経由で徙歩10分。

日本統治時代の史跡編集

旧寿山館・皇太子駐蹕之処編集
 
「寿山館」写真

1923年(大正12年)4月21日から22日まで、裕仁皇太子殿下が高雄港に渡って金剛丸を視察した。この時は東宮行啓で、皇太子殿下新築の打狗山賓館(高雄泊御所)に宿泊した。4月29日の皇太子殿下の誕生日を祝うため、台湾総督の田健治郎乃はホテルを「寿山館」と改名し、その由来は「人山並寿」による。中華民国が台湾に接収された後、寿山は軍事管制区となり、その後寿山館は解体された。跡地は今はNSYSUの教職員寮区となっている。[30][31]

詳細は中国語版「寿山館」を参照
旧寿山洞編集

1928年(昭和3年)10月に完工し、当時の西子湾海水浴場と高雄市の繁華街を結ぶ「寿山洞」と呼ばれる。今はNSYSUと哈瑪星を結んでいる。

旧高雄観光館編集

1937年(昭和12年)、大日本帝国海軍は西子湾に2階建ての和洋折衷の建物「高雄観光館」を建設した。中華民国は台湾を接収した後、蔣介石総統行館の一つとなった。蔣介石総統と宋美齢夫人は南下するたびに必ずこの館に宿泊した。1980年に大学側に移管され、1999年には別名「西湾芸廊」を与え、2004年には高雄市定古跡に指定された。[32]

詳細は中国語版「西子湾蔣介石行館」を参照

東沙諸島編集

国立中山大学東沙環礁研究ステーションの所在地。

大学関係者編集

陳菊、元監察院院長、元台湾高雄市長
蘇嘉全、元台湾立法院院長、元内政部部長
歴代学長
学長氏名 上任
初代 李煥 (第12代行政院長首相に相当する。) 1980
第2代 趙金祁 1984
第3代 林基源 1987
第4代 劉維琪 1996
第5代 張宗仁 2002
第6代 楊弘敦 2008
第7代 鄭英耀 2016
有名な出身者
NSYSUの出身者には、監察院院長の陳菊、立法院院長の蘇嘉全、米ペンシルバニア州下院議員のデイビッド・H・ロウ、およびeBayの副社長である林奕彰(ジョン・リン)など、フォーチュン・グローバル500の大企業のかなりの数のCEOが含まれる。[33]
立法委員(国会議員):趙天麟鄭朝明陳麗恵江玲君邱志偉鍾紹和侯彩鳳徐志明許栄淑黄昭順郭金生頼振昌李昆沢劉俊雄林志隆林益世羅世雄潘孟安王清連王清連余陳月瑛
詳細は中国語のリストを参照

情報セキュリティ事件編集

NSYSUは、2019年11月に重大な情報セキュリティ事件を起こした。中国からの海外のハッカーが長期的にクロスサイトスクリプティングを使用して、NSYSUの社会科学部と海洋科学部の85人の教員の電子メールボックスをモニターするために侵入していた。[34][35]

主な被害者(政治学、中台関係、公共政策学者)が政府系シンクタンクであるので、侵入は国家安全保障を害する可能性がある。[36]

日本との関係編集

NSYSU位は泛緑連盟が長期にわたって執政している台湾の最も親日的な都市高雄市にあり、台湾で唯一「大親日家」の李登輝元総統にちなんで名付けられた大学研究センターがある。また、南台湾で唯一日本政府が協力して設置した日本研究センターがある。さらに、キャンパス内に日本統治時代の史跡もある。長年、日本人教職員を招いて授業を行ったり、日本人のノーベル賞受賞者を招いての講演をしたりした[37]。博士課程修了者の中には日本の大学で教鞭を取っている者もいる。

姉妹校編集

現在、NSYSUと姉妹校関係を結んでいる日本大学は以下の通り:

大阪大学・台湾中山大学ヨット定期戦編集

 
国立中山大学ヨット部(NSYSU Sailing Club)

2017年(平成29年)から、国立中山大学ヨット部と大阪大学ヨット部は「ヨット定期戦」を開始した。両者は日本、台湾の大学ヨット部で共に強豪と呼ばれている。これも両国のヨットスポーツ交流の第一例となる。将来、NSYSUは阪大、オックスフォード大学ケンブリッジ大学メルボルン大学などの世界名門校とのセーリング競技を企画推進している。[38][39][40]

TCUS-台湾総合大学システム編集

Taiwan Comprehensive University System:

附属学校等編集

関連項目編集

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ 黃慕萱,書目計量與學術評鑑—國內七所研究型大學論文發表概況分析。引文分析與學術評鑑研討會論文集(臺北,2004),135-152。
  2. ^ ShanghaiRanking's Global Ranking of Academic Subjects 2019 - Oceanography | Shanghai Ranking - 2019
  3. ^ University and business school ranking in Taiwan
  4. ^ 首例!中山大學10年計畫 力推全英文授課 - 生活 - 自由時報電子報
  5. ^ 台日四大城 日本人的理解:台北=東京 高雄=大阪 | 網搜奇趣蛋 | Oops | 聯合新聞網
  6. ^ http://secretariat.nsysu.edu.tw/proceedings_docs/administrative/ad97_2_07.pdf
  7. ^ 中山大學與標竿學校UCSD簽訂合作備忘錄
  8. ^ Archived copy”. 2013年2月24日閲覧。
  9. ^ https://www.facebook.com/AIT.Social.Media/posts/10159193638248490
  10. ^ 全台首位 陸生博士出爐 - 地方新聞 - 中國時報
  11. ^ 臺灣邦交國布吉納法索 來臺摘博士第一人(中山新聞)
  12. ^ a b QS World University Rankings”. 2021年4月2日閲覧。
  13. ^ National Sun Yat-Sen University World University Rankings THE
  14. ^ World University Rankings - 2020”. 2021年4月2日閲覧。
  15. ^ National Sun Yat-Sen University”. 2021年4月2日閲覧。
  16. ^ | QS World University Rankings 2022
  17. ^ World University Rankings | 2021 Times Higher Education (THE)
  18. ^ Ranked N° 1 National Sun Yat-Sen University - College of Management in Taiwan among the 4 palms
  19. ^ M.S in Marine Affairs National Sun Yat-Sen University
  20. ^ ShanghaiRanking's Global Ranking of Academic Subjects
  21. ^ 2015世界大學學術排名 中山大學穩居全球500大 - 國立中山大學 National Sun Yat-sen University”. 2015年8月26日閲覧。
  22. ^ 中山大を創設するとき、成功大学は「国立」ではなかった。
  23. ^ NSYSU Annual Report 2016-17
  24. ^ http://cfjs.nsysu.edu.tw/
  25. ^ NSYSU Establishes the Lee Teng-Hui Center for Governmental Studies - National Sun Yat-sen UniversityNational Sun Yat-sen University
  26. ^ 國立中山大學中山大學民調中心
  27. ^ 照亮世界的新光 諾貝爾物理獎得主天野浩ISSLED閉幕演講 - 國立中山大學National Sun Yat-sen University
  28. ^ 趙美貞,〈中山大學在高雄復校六年有成〉,收入國立中山大學校友會編,《國立中山大學的回顧與展望》(臺北:1986年11月11日),頁乙二四。
  29. ^ Zoological Studies" 51(2):213-221 (2012) {zoolstud.sinica.edu.tw/Journals/51.2/213.pdf}; 中華民國行政院 農業委員會 林務局 (conservation.forest.gov.tw/directory) 106年3月29日公告 修正「保育類野生動物名錄」.
  30. ^ 《鞠園》文史與集郵論壇(UTF-8) • 檢視主題 - 高雄壽山館可能位置[リンク切れ]
  31. ^ 壽山歷史回顧 Archived 2015-01-02 at the Wayback Machine.
  32. ^ 蔣公行館西灣藝廊 - 國立中山大學藝文中心 Art Center National Sun Yat-sen University”. 2013年2月19日閲覧。
  33. ^ https://www.computextaipei.com.tw/en_US/forum/speakerDetail.html?activityID=40D8D93387A2AEC59D43687DF11C48F7&agendaNum=C64A370489B654D9&speakerNum=371&type=item
  34. ^ 中山大學驚傳師生電子郵件被監控長達3年,起因是駭客濫用Open WebMail漏洞,其他學校也應留意相關系統安全 | iThome
  35. ^ 中山大學爆資安漏洞!85位教職員電郵遭入侵3年 - Yahoo奇摩新聞
  36. ^ 兩岸關係學者電郵遭駭 中山大學交叉比對揪出可疑帳號 | 大學研究所 | 文教 | 聯合新聞網
  37. ^ 2014年の最後の2ヶ月間に、鈴木章天野浩が次々にNSYSUを訪れた。
  38. ^ 第一回 大阪大学・台湾中山大学ヨット定期戦 結果報告 - 大阪大学体育会ヨット部
  39. ^ 台湾中山大学 第二回定期戦 - 大阪大学体育会ヨット部
  40. ^ 培育水域運動人才 中山「西子灣新海域中心」 動土 | 高屏離島 | 地方 | 聯合新聞網

外部リンク編集

座標: 北緯22度37分29秒 東経120度15分58秒 / 北緯22.62472度 東経120.26611度 / 22.62472; 120.26611