国立健康危機管理研究機構

国立健康危機管理研究機構(こくりつけんこうききかんりけんきゅうきこう、英語: Japan Institute for Health Security[1]は、厚生労働省が所管する日本特殊法人2025年4月国立感染症研究所国立国際医療研究センターを統合して設立される[2]

国立健康危機管理研究機構
戸山庁舎正門、2007年3月
正式名称 国立健康危機管理研究機構
英語名称 Japan Institute for Health Security
略称 ジース(JIHS)
組織形態 特殊法人
戸山庁舎所在地 日本の旗 日本
162-8640
東京都新宿区戸山1丁目23番1号
北緯35度42分15.02秒 東経139度43分2.56秒 / 北緯35.7041722度 東経139.7173778度 / 35.7041722; 139.7173778 (国立健康危機管理研究機構)座標: 北緯35度42分15.02秒 東経139度43分2.56秒 / 北緯35.7041722度 東経139.7173778度 / 35.7041722; 139.7173778 (国立健康危機管理研究機構)
理事長 未定
活動領域 感染症(見込み)
総合病院(見込み)
看護学校(見込み)
前身 国立感染症研究所
国立国際医療研究センター
所管 厚生労働省
テンプレートを表示

科学的知見を、内閣総理大臣及び厚生労働大臣に報告する事が定められている。

概要 編集

2020年の新型コロナウイルス感染症パンデミックを契機として、国の機関であった国立感染症研究所と国立研究開発法人であった国立国際医療研究センターを統合する形で2025年に創設される。創設のための法案と同時期に成立した法律により、2023年9月に内閣官房内閣感染症危機管理統括庁も創設されている。

創設のための法案が国会で審議された際に、岸田文雄総理大臣は本機構を「日本版CDC」と呼称した。

創設後は、祖父江元が部会長を務める厚生労働省国立研究開発法人審議会高度専門医療研究評価部会[3]で業務評価を定期的に受ける。

著名な構成員(見込み)は、エイズウイルスの治療薬を開発した満屋裕明[4]や、C型肝炎ウイルスの培養系を開発しC型肝炎を治癒可能にすることに貢献した脇田隆字[5]などがいる。

創設の経緯 編集

  • 2020年(令和2年)1月 - 新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生した
  • 2020年(令和2年)9月4日 - 自由民主党の「感染症対策ガバナンス小委員会」において、元厚生労働大臣塩崎恭久の意向[6]を踏まえた「感染症対策ガバナンス小委員会提言」[7]が了承された。この提言に国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合して健康危機管理機構を創設することが盛り込まれた
  • 2021年(令和3年)10月4日 - 加藤の乱において塩崎恭久と行動を共にした岸田文雄総理大臣に就任した
  • 2022年(令和4年)6月15日 - 岸田文雄の高校の同窓生である循環器内科医永井良三が座長を務める新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議が報告書[8]を発表した
  • 2022年(令和4年)6月17日 - 岸田文雄は総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部を開き、永井良三の報告書を踏まえて国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合し、アメリカのCDC(疾病対策センター)の日本版を創設することを決定した[9][10]
  • 2023年(令和5年)3月7日 - 厚生労働省が創設に係る2つの法案(国立健康危機管理研究機構法案および国立健康危機管理研究機構法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案)を提出[11]
  • 2023年(令和5年)5月10日 - 法案の衆議院厚生労働委員会での審議開始[12]
  • 2023年(令和5年)5月12日 - 法案の衆議院厚生労働委員会での審議[13]
  • 2023年(令和5年)5月17日 - 法案の衆議院厚生労働委員会での審議、可決[14]
  • 2023年(令和5年)5月18日 - 法案の衆議院本会議での可決
  • 2023年(令和5年)5月25日 - 法案の参議院厚生労働委員会での審議開始[15]
  • 2023年(令和5年)5月30日 - 法案の参議院厚生労働委員会での審議、可決[16]
  • 2023年(令和5年)5月31日 - 法案の参議院本会議での可決。法案成立

創設時に期待されたこと 編集

国立感染症研究所脇田隆字所長が2023年の毎日新聞の取材で述べた期待されるメリットは次のようなものである[17]

  • 初期の感染症対策に重要な疫学情報や検体の迅速な収集が可能になる
  • 基礎的な研究開発のシーズを治療法などの臨床研究につなげ、開発を加速できる
  • 研究者が複数の機関とそれぞれ雇用契約を結ぶクロスアポイントメントが可能になれば、大学や企業との連携のハードルが下がり、人材育成や研究の幅も広がり、ベンチャーの立ち上げも可能になる

国立国際医療研究センターの國土典宏理事長が2023年のm3.comの取材で述べた期待されるメリットは次のようなものである[18]

  • 国立国際医療研究センターの病院やラボが全国ネットワークからの感染情報等に直接かつ迅速にアクセスできるようになる
  • 内閣官房の内閣感染症危機管理庁から情報が直に入ってくる

新型コロナウイルス感染症に対するmRNAワクチンが成功した経緯における最大の出発点であるカリコーらのノーベル賞論文[19]の査読者[20]であった東京大学の石井健が2023年の毎日新聞の取材で述べた期待は次のようなものである[21]

  • ファースト・フュー・ハンドレッド(FF100)[22]を詳細に解析し、迅速に診断治療や公衆衛生対策に生かすこと
  • 人材育成に投資することで臨床試験や薬剤開発ができるようにすること
  • 国立感染症研究所の持っていた機能と国立国際医療研究センターの持っていた機能が相乗効果を起こすこと
  • 事の本質を見据え、次のパンデミックで同じ轍を踏まないように準備すること

創設時の問題点 編集

理念と名称の問題 編集

  • 創設の論拠が意味不明

創設の論拠となっている永井良三の報告書[8]について、東京大学名誉教授の山田章雄は、第71回厚生科学審議会感染症部会で次のように述べた[23]

私はこの有識者会議(註:新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議のこと)の報告を読ませていただいたところ、確かにいろいろな問題があったことは事実ですけれども、その中で特に感染研(註:国立感染症研究所のこと)だとかNCGM(註:国立国際医療研究センターのこと)が今回の対応で問題があったという指摘は読み取れていません。にもかかわらず、司令塔組織が必要だというところは全くそのとおりだと思うのですけれども、そこの部分が拡大解釈されて、次の2つ目の対応案か何かの中に突如として感染研とNCGMをCDC化するというのが出てくるので、私は個人的には違和感を覚えています。

というのは、何かやるときには振り返って、ここに問題があって、これを解決するためにはこういうことをすればいいのだ、そういう線上で出てこなければいけないのに、感染研、NCGMの統合というのはそういう線上で出てきているようには私には思えません。かといって反対するわけではなくて、以前からCDC化が必要だというのは私自身も思っていました。ただ、そのときに足かせになるのは、感染研のFDA機能(註:アメリカ食品医薬品局の機能のこと)とNIH機能(註:アメリカ国立衛生研究所の機能のこと)と言われるものをどのようにするのか、そこをきちんと考えておかないと混乱を生ずると思っています。

一方、CDCに関しては、先ほど調委員からも御指摘がありましたように、年間1兆5000億円の予算並びに1万1000人の職員を抱えた巨大組織であるにもかかわらず、今回のコロナ対応では大失敗をして、国民から物すごい勢いで突き上げられて、ワレンスキー所長が職員にeメールを送って、今後改革をしていくというお話であると理解しています。したがって、どんなに大きな立派な組織であっても必ずしも危機対応がうまくいかない。だから、組織の中で何をするか、どういう組織にしていくかを常に考えながらやっていかなければいけないのだと思っています。

そのワレンスキー所長は、議会に対して1兆5000億円という年間予算をもらっているそうですけれども、今回自由に使える予算を確保するように議会に申し出るという報道も出ています。ということは、CDCですら自由な活動が例えばこういうエマージェンシーのときにできなかったのだということを如実に語っていると思います。したがって、組織だけをCDCをまねてつくっても全くそれによって今後の感染症対策が担保されるわけではなくて、こういうときにどさくさに紛れて組織をいじろうとするよりは、基本的に何が必要なのか、何が足りないのかをじっくり考えて、そのために必要なことをやっていけばよいと。

新型コロナウイルス感染症の疫学対応を担った東北大学教授の押谷仁は、以下のように発言した[24]

英国も公衆衛生や危機管理の機能を分離して強化してきた。今、感染研に求められているのは医療研究センターとの統合ではなく、CDC機能の強化でしょう

中央大学教授の野村修也は、以下のように発言した[25]

宣言の出し方や内容など政府対応の問題に踏み込まず、今後の制度改正にお墨付きを与えただけ。極めて不十分で検証とは呼べない

参議院議員の倉林明子は、2010年の新型インフルエンザの対応について行われたような丁寧な検証が新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議ではほとんど出来ていないと国会で述べた[15]

新型コロナウイルス感染症対策分科会長の尾身茂は、著書『1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録』において、報告書には事実と異なる部分があることを指摘した[26]

一方、永井良三は、2023年2月3日の日本公衆衛生協会の講演において、「有識者会議、えらくメディアから評判が悪く」「メディアの勉強不足なんだろう」「お前たち何も分かっていない」「一時間も議論すれば分かるわけです」「あのくらいで良かったんじゃないかと今でも思っております」などと主張している[27]

  • 医薬品の品質管理についての誤った認識に基づいて創設されている

国立感染症研究所はワクチンなどの生物学的製剤についての国家検定を行政機関として所管している。すなわちアメリカのFDAに相当する機能を担っている。塩崎恭久は、「さして先端技術等が求められることもない検定」という理解を根拠として、合併に伴い国家検定の所掌を国立感染症研究所からPMDAという実験室を持たない官僚組織へ移管することを、厚生労働省の猛反発を受けながらも2020年9月の自民党の提言に盛り込んだ[6]。自民党の提言にも「必ずしも世界最先端の知見を必要としない国家検定」という表現が含まれている[7]。しかしながら、薬害エイズ事件[28][29][30]は薬事行政が最新の学術動向を踏まえきれなかったことにより起きた事件であり[31]、厚生労働省の担当課長はそのことで業務上過失致死罪の刑事罰すら受けている[32]。また、自民党が提言を出した数ヶ月後に初めて実用化した新型コロナウイルスワクチンが全く新規のモダリティのものであったことは、検定や審査制度の整備に先端技術の理解や予測が重要であることを示している[33]。すなわち、医薬品の検定についての自民党の認識は完全なる間違いである。2023年5月の国会では、国家検定をPMDAへ移管することの危険性について多くの国会議員が質問した[14][15][16]

  • 通称の「CDC」は合併により生み出されるものと無関係

本家CDCであるアメリカのCDCは、国立国際医療研究センターのような病院機能を持っていない。岸田文雄総理大臣は「日本版CDCを創設することにより、基礎から臨床までの一体的な研究基盤」と国会で述べたが[34]、そもそもアメリカのCDCには基礎から臨床までの一体的な研究基盤が存在しない。衆議院議員仁木博文は、国立健康危機管理研究機構を「岸田版CDC」と表現した[35]。また、参議院議員川田龍平は、米国CDCとは比較するのも申し訳ないほど小さな組織であり、機能も実態も異なるものなので、CDCと呼称することをやめるよう国会で主張した[15]

  • 感染症対策を目的としなくなる可能性がある

「国立健康危機管理研究機構」という名称には「感染」という言葉は含まれていない。全国知事会の伊藤賢一は第71回厚生科学審議会感染症部会において「もう少し感染症というものを前面に押し出した組織のお名前にしていただいていいのではないかと個人的には考えています」と述べたが[23]、その意見は取り入れられなかった。 浅沼一成厚生労働省審議官は、将来的に感染症以外の業務を対象にしていく可能性について、「将来どのようになっていくかというのは、またその時々で御議論をまたなければ」と2023年5月10日の衆議院厚生労働委員会において答弁し、否定はしなかった[12]。創設法案が衆参両院で可決した2023年5月31日には、東尚弘東京大学教授が「国民の脅威になるのは感染症だけではない。感染症以外の病気も調査し、健康上の課題を見渡すような機能も持たせてほしい」と早速主張した[36]m3.comによると、国立国際医療研究センターの國土典宏理事長自身も「国立健康危機管理研究機構という名称には、感染症という言葉は入っていないことにも注目していただきたい……感染症にとどまらず、幅広い健康危機への対応体制を強化できればと思っています」とインタビューで発言している[18]

組織の問題 編集

  • 通常の指揮命令系統や情報伝達機構が制度設計の時点で崩壊している

岸田文雄は国立健康危機管理研究機構の創設と同時に内閣官房内閣感染症危機管理統括庁を感染症対策の司令塔として創設することも決定した。国立健康危機管理研究機構は厚生労働省に所管されるはずのものだが、この内閣官房の内閣感染症危機管理統括庁は国立健康危機管理研究機構に科学的知見を提供させることができると法的に定められた[11]。すなわち、国立健康危機管理研究機構には事実上2つの上部機関が存在する。つまり、制度設計の時点で国立健康危機管理研究機構が内閣官房と厚生労働省の板挟みになっており、通常の指揮命令系統や情報伝達機構が感染症対策について存在し得なくなっている。参議院議員の天畠大輔は「一機の飛行機に二つの異なる操縦桿が付いているようなものであり、墜落するのは確実」と国会で述べた[15]

  • 科学的知見と政策との距離が遠くなる

国立感染症研究所は国の組織であり、厚生労働省の一部であった。国立健康危機管理研究機構の創設によって国立感染症研究所の専門家は厚生労働省と別組織に属することになり、距離は遠くなる[15]。また、米国CDCとは異なり、国立健康危機管理研究機構には政策の立案権限は与えられていない。加藤勝信厚生労働大臣は、政府が国立健康危機管理研究機構の見解とは離れた政策を決定した場合においても、「(国立健康危機管理研究機構から)異論が出てくるということはない」と2023年5月10日の国会で述べている[12]

人事の問題 編集

  • ほとんどの構成員は感染症を専門としていない

ほとんどの構成員が属していた国立国際医療研究センターは、基本的には全疾患を対象にする総合病院であり、感染症のみを対象とした機関では全くない。国立国際医療研究センターが今後も「総合病院として進化し続け」ると宣言するプレスリリースを2023年6月1日に出していることから[37]、国立国際医療研究センターの総合病院としての機能は維持されると思われる。すなわち、国立健康危機管理研究機構の構成員のほとんどは感染症を専門としていないことになる。

  • 構成員の地位や使命感やモチベーションは低下する

特殊法人化により国立感染症研究所の所員は公務員の立場を失うことから、国内的にも国際的にも地位は低下する。給与等の待遇が改善されでもしない限り、構成員の使命感や資質といったものは少なくとも長期的には低下する。長崎大学特区長の森田公一は、第71回厚生科学審議会感染症部会において「これまでは感染研の職員は国家公務員であったので、いろいろなベネフィットがあったわけですけれども、これらの海外での活動が不利益を被らないような方策も考えておいていただきたい」と述べた[23]

国立国際医療研究センターの構成員は公務員ではなかったが、感染症以外の分野で研鑽を積んできたほとんどの構成員にとっては、肩書きに感染症対策を使命とするようなものが突然加わることになる。参議院議員川田龍平は、国立国際医療研究センターにとって合併は寝耳に水の話であり、病院長すら事前に聞いていなかったことを2023年5月25日の参議院で明らかにしている[15]。衆議院議員松本尚は、国立国際医療研究センターは「常時感染症の専門病院となるべき」とする意見があることを国会で述べている[12]

予算の問題 編集

  • 予算は減少し、国際的なランキングは下落すると見込まれる

2000年頃の大学改革によって国から離れた国立大学が予算の削減により国際ランキングをほぼ例外なく大幅に下げていることから[38]、同様に国から離れ予算が減っていくであろう国立健康危機管理研究機構の国際的な相対的地位は今後ほぼ確実に下がる。国立感染症研究所は2023年においても研究費の97%[15]は競争的研究費であって基盤的研究費は皆無であり、電気代が払えないため冷凍庫の電源を切ることすらあるとされる[39]

実効性の問題 編集

  • 2020年に出来たことが今後は出来なくなる可能性がある

2020年の新型コロナウイルスのパンデミックにおいて、日本は高齢化が進んでいるにもかかわらず諸外国と比べると対応に比較的成功したと言われている[40][41]。日本のコロナ対応の経過は、パンデミック初期における志村けんの死亡の衝撃[42]保健所の奮闘[43]、メディアの頑張り[44]菅義偉前総理大臣のワクチン推進[45][46]等の影響を受けているため、その原因を国立感染症研究所や国立国際医療研究センターだけに帰するべきでは全くないが、

国立感染症研究所が、例えば、

  • 世界的に見ても早い時期に検査マニュアルを整備して全国展開したこと[47]【迅速性】
  • 少人数の疫学体制[48]にもかかわらず、押谷仁[49][50]西浦博[22]あるいは新宿区歌舞伎町関係者[51][52]などと共に、世界的に見ても比較的早い時期に有効な疫学的知見を見つけ続けたこと[53][54][55]【迅速性】
  • 前例のない速さで開発された新しいモダリティのワクチンについて検定体制を整えていたこと[56]【迅速性】

および、国立国際医療研究センターが、例えば、

  • 幅広い事態に臨機応変に対応できる総合病院であったこと[57][37]【事前準備】
  • 予めECMOを本格的に導入していたこと【事前準備】
  • 感染症について全国的な発信を以前から積極的に行っていた医師を有していたこと[58][59]【事前準備】

は、日本の対応において重要な意味を持っている。

大きな機構に統合されることにより諸権限が奪われ情報発信量等が極端に低下した法人は各省庁に数多く存在することから、国立健康危機管理研究機構の内部が同じ経過をたどり、非自立的な機能不全状態に陥る可能性はある。仮に機能不全の状態にまでならなかったとしても、2020年に日本が実現できた、ヒト-ヒト感染の存在すら定かではなくパンデミックになるかどうかも不明だったごく初期の時期の三連休の初日の土曜日にマニアックなサイト[60]で紹介された配列情報をもとに準備を開始し、三連休明け初日の火曜日に実検体の陽性検出に成功し、それから1週間程度で検査態勢を全国に高速展開したようなこと[47]は、上部組織の内閣官房厚生労働省および天下り理事会の全ての承諾や連絡を現場の担当者が待たなければならないような組織になった場合、明らかに不可能である。新しいパンデミックでは過去と全く同じ対応は決して行われないが[61]、迅速性の必要がなくなることはないため、これは大きな問題である。意思決定のプレイヤーが多くなることのデメリットを補うような何らかの工夫が行われる兆候はまだない。

仮にパンデミック時に国立健康危機管理研究機構の機能不全を補うため専門家会議のような新しい組織を急ぎ作っても、それが上手くいく保証はない。2020年の専門家会議には、クメール・ルージュやかつての中国共産党と交渉しアジア西太平洋地域でのポリオ撲滅を達成した尾身茂[62]や、C型肝炎ウイルスの培養系を確立することでC型肝炎を治癒可能な病気にした立役者である脇田隆字[5]のような世界的に見ても仰ぎ見られるような[63]人材がいたが、次のパンデミックにおいてそのような人材が日本に存在する可能性は高くはない。

つまり、次のパンデミックでは、国立健康危機管理研究機構が機能不全に陥いり、臨時に作った組織も上手くいかず、福島第一原発事故直後のような機能不全[64][65]が政府内に起こり、2020年に他の先進国で見られたようなもっと大きな悲劇[66]が日本に起こるかもしれない。

  • 2020年に出来なかったことが今後出来るようになる見込みはまだない

国立健康危機管理研究機構を創設した理由として、治療薬ワクチンの開発の遅れが報道されている[67]。しかし、以下の二つの問題により、創設してもそれが日本で上手くいくようになるとは限らない。

臨床研究のレベルの問題 編集

日本において有効な治療薬とワクチンを開発するためには、多くの医療機関が参加する大規模な臨床研究が可能な環境が日本において整備される必要がある。現状ではこのような環境は明らかに整っていない。例えば、2010年頃にノバルティスのディオバンという循環器内科の薬について独立に5つの大規模臨床研究が行われたが、5つ全てが研究不正を犯したという現実が日本にはある(ディオバン事件[68]。これらの研究不正により1兆円規模の医療費不正支出が行われ、厚生労働省の検証委員会[69]まで設置された。しかし、事件の本丸とも呼ばれた[70]循環器内科医は全く責任をとっておらず、1兆円規模の医療費不正支出については誰も1円も補償していない。2020年のパンデミックの際には、プラセボを設定することに医師会が前向きにならず、日本の臨床研究はアビガンシクレソニドについてのコンパッショネートな観察研究[71][72][73]ばかりになり、ランダム化比較試験(RCT)が遅れた[74]永井良三によると、第2次世界大戦の総括が日本で不十分であったことと、1960年代と1970年代の学生紛争産学協同が否定されたことが臨床研究の明治時代的現状の原因である[75]

内閣府の予算配分の問題 編集

2020年の日本の新型コロナワクチンの緊急開発において、最大の100億円近い公的資金が内閣府所管のAMEDから交付されたのは、感染症とは縁の少ない循環器内科医の森下竜一[76]が主導する[77][78]アンジェス社である。平均年齢54歳の従業員39人からなるアンジェス社[79]に2020年に突如投入されたワクチン開発研究費の額[80]は、国立感染症研究所[81]と国立国際医療研究センター[82]の研究費の総額をも上回っていた。アンジェス社はワクチン開発から事実上すぐに撤退しているが、交付金の返還は1円も行っていない。AMEDがこのような交付をした理由は全く明らかにされおらず、誰の責任も問われていない。須田桃子は、内閣府について「大型プロジェクトの運営主体として、かつ「科学技術の司令塔」として、本来あるべきチェック機能が十分に備わっているとは考えにくい」と主張している[83]

BSL4施設の状況 編集

村山庁舎は、理研筑波研究所と並びバイオセーフティーレベル4 (BSL4、当時はP4施設と呼ばれていた)の実験施設として設計され、1981年(昭和56年)に完成していたが、両施設とも近隣住民や武蔵村山市からの反対により、運用は当面の間BSL3までとされ、BSL4が要求される研究は行えなかった[84]

2014年の西アフリカエボラ出血熱流行に伴い、エボラ出血熱感染が疑われる患者の詳細な検査や治療薬の開発のため、2014年11月より厚生労働大臣が武蔵村山市長と協議を開始[85]。翌2015年8月7日に村山庁舎が日本で初めてBSL4施設に指定された[86]

ただしこの際のBSL4施設稼働については、将来的な移転を市が条件としていたことと、村山庁舎の老朽化が指摘されていたことから、厚生労働省は2020年8月5日、武蔵村山市に対しBSL4施設の移転を検討開始することを伝えた[87]

研究機構関係者一覧 編集

不祥事 編集

新薬スパイ事件

1983年、前身の国立予防衛生研究所において、新薬スパイ事件と抗生物質不正検定事件が発生。職員が逮捕され、所長と抗生物質部長が引責辞職した。

収賄

2010年、前身の国立感染症研究所において、総務部会計課係長が収賄を行った[88]

論文捏造

  • 2006年、前身の国立感染症研究所において、エイズ研究センターの複数の論文に対する内部告発の存在が報道された[89]
  • 2015年、前身の国立感染症研究所において、エイズ研究センターやウイルス第三部の複数の論文に不自然な改変や酷似画像があることが指摘された(匿名Aによる論文大量不正疑義事件)。
  • 2020年、前身の国立感染症研究所において、元ウイルス第三部研究員の過去の論文に不正問題があることが週刊文春で報道された[90]

関連事項 編集

  • 陸軍軍医学校跡地でもある敷地内で1989年に発見され、敷地内の設備で保管されている人骨は、引き続き国の責任で管理される[14]
  • 創設のための法案が成立した際の厚生労働省医務技監福島靖正は、宮崎美子のデビューのきっかけを作ったことで知られる[91][92]
  • 2023年、前身の国立感染症研究所の戸山庁舎の一般公開に反ワクチン活動家が来場し、脇田隆字所長の意見は自分と同じだとSNSで無断発信した。所長はその無断発信を否定するプレスリリースを数日後に発表した[93][94]

出典 編集

  1. ^ 感染症対応の日本版CDC、来年4月設置決定 略称は「JIHS(ジース)」”. 産経ニュース (2024年4月9日). 2024年4月9日閲覧。
  2. ^ 「国立健康危機管理研究機構」来年4月に設立へ 厚生労働省”. NHK (2024年4月9日). 2024年4月9日閲覧。
  3. ^ 国立研究開発法人審議会 (高度専門医療研究評価部会)”. www.mhlw.go.jp. 2023年6月5日閲覧。
  4. ^ 満屋裕明. “私が研究者になるまで”. 国立研究開発法人 科学技術振興機構. 2023年6月10日閲覧。
  5. ^ a b 【音声配信】特集「議事録、PCR検査、東京の感染者増加~専門家会議・座長を務めた脇田隆字氏に聞く」▼2020年7月6日放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」22時~)”. TBSラジオ FM90.5 + AM954. 2023年6月6日閲覧。
  6. ^ a b 感染症国家ガバナンスの大改革”. やすひさの独り言. 塩崎恭久. 2023年6月5日閲覧。
  7. ^ a b 新型コロナウイルス関連肺炎対策本部感染症対策ガバナンス小委員会提言”. 自由民主党. 2023年6月10日閲覧。
  8. ^ a b 新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた 次の感染症危機に向けた中長期的な課題について”. 内閣官房. 2022年10月17日閲覧。
  9. ^ 令和4年6月17日 新型コロナウイルス感染症対策本部(第93回) | 総理の一日”. 首相官邸ホームページ. 2023年6月10日閲覧。
  10. ^ 新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に備えるための対応の方向性”. 新型コロナウイルス感染症対策本部. 2023年6月10日閲覧。
  11. ^ a b 第211回国会(令和5年常会)提出法律案”. www.mhlw.go.jp. 2023年6月9日閲覧。
  12. ^ a b c d 会議録情報 第211回国会 衆議院 厚生労働委員会 第12号 令和5年5月10日”. kokkai.ndl.go.jp. 2023年6月24日閲覧。
  13. ^ 会議録情報 第211回国会 衆議院 厚生労働委員会 第13号 令和5年5月12日”. kokkai.ndl.go.jp. 2023年6月24日閲覧。
  14. ^ a b c 会議録情報 第211回国会 衆議院 厚生労働委員会 第14号 令和5年5月17日”. kokkai.ndl.go.jp. 2023年6月27日閲覧。
  15. ^ a b c d e f g h 会議録情報 第211回国会 参議院 厚生労働委員会 第15号 令和5年5月25日”. kokkai.ndl.go.jp. 2023年6月24日閲覧。
  16. ^ a b 会議録情報 第211回国会 参議院 厚生労働委員会 第16号 令和5年5月30日”. kokkai.ndl.go.jp. 2023年6月27日閲覧。
  17. ^ 感染抑制研究、道半ば 感染研・脇田隆字所長、コロナ3年の「反省」”. 毎日新聞. 2023年6月12日閲覧。
  18. ^ a b 「日本版CDC」見据え「NN会議」で準備開始 - 國土典宏・NCGM理事長に聞く◆Vol.1”. 医療維新 | m3.com. 2023年6月12日閲覧。
  19. ^ Karikó, Katalin; Buckstein, Michael; Ni, Houping; Weissman, Drew (2005-08). “Suppression of RNA Recognition by Toll-like Receptors: The Impact of Nucleoside Modification and the Evolutionary Origin of RNA” (英語). Immunity 23 (2): 165–175. doi:10.1016/j.immuni.2005.06.008. https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1074761305002116. 
  20. ^ Ishii, Ken J.; Akira, Shizuo (2005-08). “TLR Ignores Methylated RNA?” (英語). Immunity 23 (2): 111–113. doi:10.1016/j.immuni.2005.08.003. https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1074761305002414. 
  21. ^ 次の「コロナ」に即応できる? 新専門家組織の課題は? | これ大事!いま知りたい医療ニュース | 高野聡”. 毎日新聞「医療プレミア」. 2023年7月28日閲覧。
  22. ^ a b 新型コロナからいのちを守れ! -西浦博 著/川端裕人 聞き手|単行本|中央公論新社”. www.chuko.co.jp. 2023年6月7日閲覧。
  23. ^ a b c 第71回厚生科学審議会感染症部会 議事録”. www.mhlw.go.jp. 2023年6月5日閲覧。
  24. ^ 青野由利 (2022年6月25日). “土記:日本版CDCの勘違い”. 毎日新聞. 2023年6月7日閲覧。
  25. ^ 尾身氏「聴取たった7分」のコロナ検証報告書 「お手盛り」批判も”. 毎日新聞 (2022年6月15日). 2023年6月7日閲覧。
  26. ^ 日経BOOKプラス (2023年9月22日). “<9/25新刊>『1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録』”. 日経BOOKプラス. 2023年10月2日閲覧。
  27. ^ (日本語)『公衆衛生1207https://www.youtube.com/watch?v=hWGkpeAFI2o&t=4407s2023年6月6日閲覧 
  28. ^ (日本語) 川田龍平ヒストリー History of Ryuhei Kawada (1/2), https://www.youtube.com/watch?v=vXrZeqGvwFg 2023年6月18日閲覧。 
  29. ^ (日本語) 川田龍平ヒストリー後半 History of Ryuhei Kawada (2/2), https://www.youtube.com/watch?v=1EEi-_7OVIs 2023年6月18日閲覧。 
  30. ^ 郡司篤晃. “安全という幻想 : エイズ騒動から学ぶ |聖学院大学出版会”. 2023年6月24日閲覧。
  31. ^ 土井脩、他. “薬害教育関連資料”. 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団. 2023年6月13日閲覧。
  32. ^ HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に汚染された非加熱血液製剤を投与された患者がエイズ(後天性免疫不全症候群)を発症して死亡した薬害事件について,厚生省薬務局生物製剤課長であった者に業務上過失致死罪の成立が認められた事例”. www.courts.go.jp. 2023年6月12日閲覧。
  33. ^ 井上貴雄. “先を読み、備える”. Drug Delivery System. 2023年6月8日閲覧。
  34. ^ 第211回国会 参議院 内閣委員会 第10号 令和5年4月20日”. kokkai.ndl.go.jp. 2023年6月6日閲覧。
  35. ^ 第211回国会 内閣委員会 第7号(令和5年3月17日(金曜日))”. www.shugiin.go.jp. 2023年6月5日閲覧。
  36. ^ 添島香苗 (2023年5月31日). “日本版「CDC」設立法が成立 「本家」と異なる組織になる?”. 毎日新聞. 2023年6月8日閲覧。
  37. ^ a b NCGMにおかかりの患者さん 及び NCGMへの入職をお考えの方々へ(国立感染症研究所との統合によって創設される国立健康危機管理研究機構に関連して)(PDF:415KB)”. 国立国際医療研究センター. 2023年6月5日閲覧。
  38. ^ 日本の知、どこへ|日本評論社”. www.nippyo.co.jp (2022年6月). 2023年6月6日閲覧。
  39. ^ 感染研の法人化反対/宮本徹氏「命・健康に関わる」/衆院厚労委”. www.jcp.or.jp. 2023年6月5日閲覧。
  40. ^ ビルゲイツ (2022年6月25日). “パンデミックなき未来へ 僕たちにできること”. ハヤカワ・オンライン. 2023年6月6日閲覧。
  41. ^ 令和4年度地域保健総合推進事業「新型コロナウイルス感染症対応記録」”. 日本公衆衛生協会. 2023年6月8日閲覧。
  42. ^ 小池都知事、志村けんさん死去で「最後の功績も大変大きいものがある」発言に賛否”. スポーツ報知 (2020年3月31日). 2023年6月7日閲覧。
  43. ^ 保健所の「コロナ戦記」 TOKYO2020-2021 関なおみ 光文社新書”. www.kobunsha.com. 2023年6月6日閲覧。
  44. ^ 新型コロナから守ってくれてありがとう 小学生5人組、メディアなどに感謝状:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2023年6月14日閲覧。
  45. ^ 日本放送協会. “菅とコロナ~ワクチンに賭けた菅の決意~”. NHK政治マガジン. 2023年6月10日閲覧。
  46. ^ パンデミックの先に:「もどかしかった」情報の遅れ 菅氏が痛感したコロナ対策の教訓/下”. 毎日新聞. 2023年6月10日閲覧。
  47. ^ a b 令和2年度 希少感染症診断技術研修 新型コロナウイルス 病原体検出マニュアルについて”. 国立感染症研究所. 2023年6月7日閲覧。
  48. ^ 「先進国の日本」で直面した大きな壁 - 鈴木基・感染研感染症疫学センター長に聞く◆Vol.1”. 医療維新 | m3.com. 2023年6月8日閲覧。
  49. ^ 新型コロナウイルスに我々はどう対峙すべきなのか(No.3) 新たなフェーズに入った日本での対応はどうあるべきなのか”. 東北大学 (2020年2月15日). 2023年6月12日閲覧。
  50. ^ COVID-19のパンデミックはなぜ起きたのか? パンデミックは防ぐことはできなかったのか?”. 独立行政法人国立病院機構仙台医療センター 第20回みちのくウイルス塾 (2021年7月17日). 2023年6月13日閲覧。
  51. ^ (日本語) 【新型コロナ】吉住区長×ホストクラブ手塚氏×西村大臣(その1)/「歌舞伎町の受け止めと対応」コロナ対策トークvol2, https://www.youtube.com/watch?v=mUHcIreDFFo 2023年6月9日閲覧。 
  52. ^ 堀元海、中島丈晴、松浦美紀、高橋愛貴、白井淳子、寺西新、カエベタ亜矢「新型コロナウイルス感染症に対する新宿区保健所の取り組み」『日本公衆衛生学会総会抄録集(CD-ROM)』80th、2021年、508頁。 
  53. ^ 日本国内の新型コロナウイルス感染症第一例を契機に検知された中国武漢市における市中感染の発生”. www.niid.go.jp. 2023年6月6日閲覧。
  54. ^ Closed environments facilitate secondary transmission of coronavirus disease 2019 (COVID-19)”. medrxiv. 2023年6月7日閲覧。
  55. ^ 新宿区繁華街におけるいわゆる「接待を伴う飲食店」における新型コロナウイルス感染症の感染リスクに関する調査研究(中間報告)”. www.niid.go.jp. 2023年6月6日閲覧。
  56. ^ 検定合格情報”. 国立感染症研究所. 2023年6月7日閲覧。
  57. ^ 新型コロナウイルス感染症の教訓”. NCGM. 2023年6月14日閲覧。
  58. ^ 忽那賢志の記事一覧 - 個人”. Yahoo!ニュース. 2023年6月6日閲覧。
  59. ^ 第10回 忽那はなぜYahoo!で記事を書き始めたのか”. 臨床ニュース | m3.com. 2023年7月19日閲覧。
  60. ^ Novel 2019 coronavirus genome” (英語). Virological (2020年1月11日). 2023年6月27日閲覧。
  61. ^ 感染症危機管理に関する所感|齋藤智也”. note(ノート) (2022年11月18日). 2023年6月7日閲覧。
  62. ^ 尾身茂. “WHOをゆく | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院”. www.igaku-shoin.co.jp. 2023年6月7日閲覧。
  63. ^ NHKスペシャル「新型コロナウイルス 出口戦略は」 WHOの進藤奈邦子の発言”. NHK (2020年5月10日). 2023年6月8日閲覧。
  64. ^ 菅内閣の会議乱立と「責任の所在」の曖昧さ:経済産業委員会質疑報告① | 5期目だ!野党だ!!永田町通信 平成21年10月~平成24年12月 | コラム | 高市早苗(たかいちさなえ)”. www.sanae.gr.jp. 2023年6月8日閲覧。
  65. ^ 谷藤悦史. “組織乱立、菅政権に求める簡素化 ―危機管理の政治をどう構想するか”. yab.yomiuri.co.jp. 2023年6月27日閲覧。
  66. ^ 最悪の予感──パンデミックとの戦い”. ハヤカワ・オンライン. 2023年6月8日閲覧。
  67. ^ 毎小ニュース:社会 新型コロナで反省 新組織設立へ”. 毎日新聞. 2023年6月7日閲覧。
  68. ^ 偽りの薬 バルサルタン臨床試験疑惑を追う』河内敏康, 八田浩輔、毎日新聞社、2014年11月。ISBN 978-4-620-32282-7OCLC 900809554https://www.worldcat.org/oclc/900809554 
  69. ^ 高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会”. www.mhlw.go.jp. 2023年6月9日閲覧。
  70. ^ https://twitter.com/KamiMasahiro/status/329842137283837952”. Twitter. 上昌広. 2023年7月9日閲覧。
  71. ^ 忽那賢志. “第7回 「コロナ禍におけるアビガン」という俺たちの胸に咲いた一輪の花 その2”. 臨床ニュース | m3.com. 2023年6月24日閲覧。
  72. ^ COVID-19 肺炎初期~中期にシクレソニド吸入を使用し改善した 3 例”. 日本感染症学会 (2020年3月9日). 2023年6月10日閲覧。
  73. ^ 長田昭二. “「劇的な回復ぶりに驚きました」新型肺炎に効く既存薬はどれ? 13人の感染者を診た医師の報告”. 文春オンライン. 2023年6月9日閲覧。
  74. ^ 杉浦亙(国立国際医療研究センター臨床研究センター長)(日本語)『第4回TRSシンポジウム―新型コロナウイルス感染症対策関連研究開発事業の成果報告会―セッション5:創薬のための基盤開発https://www.youtube.com/watch?v=Rrs8VaBdOyg&list=PLs9G0NfKQc5t0kIXhHXHP5bdGcEDfZc_2&t=6129s2023年6月8日閲覧 
  75. ^ 「日本の臨床研究は明治時代」、永井自治医大学長”. 医療維新 | m3.com. 2023年6月10日閲覧。
  76. ^ (日本語)『『バイオRadio』2011.1.8.https://www.youtube.com/watch?v=uMOeqPWy6rI&t=18s2023年6月12日閲覧 
  77. ^ (日本語)『第4回TRSシンポジウム―新型コロナウイルス感染症対策関連研究開発事業の成果報告会―セッション6:ワクチン開発https://www.youtube.com/watch?v=ffmJ8ypr-FE&list=PLs9G0NfKQc5t0kIXhHXHP5bdGcEDfZc_2&t=1270s2023年6月12日閲覧 
  78. ^ 【追及・大阪万博】万博総合プロデューサーが連日開いていた「東京の一等地で深夜0時までの豪華誕生パーティ」の中身と参加者(週刊現代) @gendai_biz”. 現代ビジネス (2023年5月24日). 2023年6月7日閲覧。
  79. ^ アンジェス 基本情報”. 日本経済新聞 電子版. 2023年6月27日閲覧。
  80. ^ 【研究者データ】”. 日本の研究.com. 2023年6月9日閲覧。
  81. ^ 国立感染症研究所”. 日本の研究.com. 2023年6月8日閲覧。
  82. ^ 国立国際医療研究センター”. 日本の研究.com. 2023年6月8日閲覧。
  83. ^ “「科学技術の司令塔」の変質と日本の研究力衰退”. 学術の動向 26 (5): 5_63–5_67. (2021). doi:10.5363/tits.26.5_63. https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/26/5/26_5_63/_article/-char/ja/. 
  84. ^ 藤野基文 (2014年11月17日). “エボラ出血熱:国立感染研村山庁舎の施設稼働で協議”. 毎日新聞. オリジナルの2014年12月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141214020141/http://mainichi.jp/select/news/20141118k0000m040061000c.html 2014年11月18日閲覧。 
  85. ^ “【エボラ出血熱】実験施設稼働に向け協議へ 塩崎厚労相が武蔵村山市長と合意”. 産経ニュース. (2014年11月17日). http://www.sankei.com/life/news/141117/lif1411170029-n1.html 2014年11月18日閲覧。 
  86. ^ 日本経済新聞社 (2015年8月7日). “「BSL4」施設、国内初の指定 国立感染症研・村山庁舎”. 2016年2月6日閲覧。
  87. ^ 東京 武蔵村山市の病原体扱う施設 移転先など具体的に検討へ NHKニュースWeb、2020年8月5日
  88. ^ 感染研汚職、元職員に有罪 東京地裁判決 2020年10月4日付
  89. ^ エイズワクチン論文を訂正 国立感染研”. web.archive.org. 朝日新聞 (2006年8月12日). 2022年10月16日閲覧。
  90. ^ 「週刊文春」 (2020年3月26日). “「不正実験データ」で感染研所長が論文取り下げを要求”. 文春オンライン. 2020年11月11日閲覧。
  91. ^ 「週刊文春」編集部 (2020年10月28日). “宮崎美子“奇跡の61歳”をビキニにさせたのは厚労省No.2だった”. 週刊文春 電子版. 2023年6月13日閲覧。
  92. ^ 集中出版 (2023年5月25日). “第55回 厚労省ウォッチング 福島氏勇退が取り沙汰される中、迫井氏が再浮上”. SHUCHU PUBLISHING. 2023年6月13日閲覧。
  93. ^ 感染研所長、SNSの一部投稿に異例の「見解」 コロナワクチン巡り”. 毎日新聞. 2023年11月2日閲覧。
  94. ^ 日本放送協会 (2023年11月1日). “国立感染症研究所所長 “SNSなどに意図と異なる発言内容” | NHK”. NHKニュース. 2023年11月2日閲覧。

関連項目 編集