女と味噌汁』(おんなとみそしる)は、1965年に平岩弓枝が『別冊小説新潮』に書き下ろした同名小説の映像化作品。

女と味噌汁
ジャンル テレビドラマ
平岩弓枝
演出 橋本信也→山本和夫
出演者 池内淳子
山岡久乃
長山藍子
製作
プロデューサー 石井ふく子
制作 TBS
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1965年6月20日 - 1980年1月6日
放送時間21:00 - 21:54
放送枠日曜劇場
放送分54分
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1965年からTBS系列の東芝日曜劇場枠でシリーズ化された人気テレビドラマとなり、1980年までに年2〜3本ベースで制作・放映され、全38話の映像が現存している。

1968年には映画としても製作されているが、主役の池内淳子山岡久乃長山藍子の3人は共通して同一のキャスティングで出演している。

テレビドラマ 編集

作品概要 編集

新宿弁天下界隈で名を馳せる芸者のてまり(池内淳子)は、死去した母の借金を背負ったまま芸者になったが、いつしか自分の小料理屋を持つことを夢見ている。その夢を叶えるべく、妹分の小桃(長山藍子)と共に座敷を上がった後、毎晩のように弁天池脇にライトバン初代マツダ・ボンゴ)で祖母から教わった味噌汁とおにぎりの店を出す日々を過ごしていた。そんなてまりと芸者仲間を取り巻く男達と花柳界を巡る人間模様を描く、基本的に一話完結型のラブロマンスドラマ。花柳界に身を投じた女の人生観から捉える結婚・出産・死別といった局面の描き方は、1965年から1980年まで足かけ15年もの長きに亘って一定の安定した視聴率を記録し、池内が『20%女優』との異名を得るきっかけを作った。

なお、東芝日曜劇場の単発ドラマとしての最後の作品『おんなの家』最終回にてまりと小桃が出演している。東芝日曜劇場最多出演女優である池内淳子だが、同作もまた同枠のシリーズ最多放映作品(全38回)である。

出演 編集

はなのやで働く人々 編集

  • 室戸千佳子(てまり):池内淳子(全シリーズに出演)
  • 小桃:長山藍子(全シリーズに出演)
  • 村井すが(はなのやのおかみ):山岡久乃(全シリーズに出演)
  • 小せん:佳島由季 (全シリーズに出演)
  • 染丸:桂由季子(その1~9・11・13に出演)
  • ぴん子(その12では小豆):結城美栄子 - (その8・12・17~21・23・24・26~38に出演)
  • 金とき:一の宮あつ子 - (その12~38に出演)

はなのやを取り巻く人々 編集

  • 咲村智一郎(千佳子の腹違いの弟):大丸二郎 - (その4・7~11・22・26・28・29に出演)
  • 春駒:大鹿次代

料亭とライトバンの常連客など 編集

スタッフ 編集

  • 作:平岩弓枝
  • 演出:橋本信也(第1作~第24作)→山本和夫(第25作~第38作)
  • 音楽:平井哲三郎
  • 舞踊指導:藤間勘紫乃 / 花柳梅静
  • 小唄:三枡延八重 / 三枡延はま
  • 制作協力:テレパック東通
  • 衣装制作:銀座きしや
  • プロデューサー:石井ふく子
  • 製作著作:TBS

放送日程と主なゲスト 編集

「女と味噌汁 その○○」(○○には話数が入る)のタイトルで放送(1作、2作を除く) またシリーズの常としてサブタイトルはない。

話数 放送日 演出 ゲスト 備考
1 1965年06月20日 橋本信也 佐藤英夫長谷川裕見子加藤和恵 白黒放送、「女と味噌汁」のタイトルで放送
2 1965年09月12日 川崎敬三萬代峯子松本典子金田龍之介 白黒放送、「続 女と味噌汁」のタイトルで放送
3 1966年01月09日 河内桃子木村功 白黒放送
4 1966年04月24日 原保美南美江
5 1966年08月07日 児玉清加藤嘉塩沢とき小林勝彦
6 1967年01月15日 京塚昌子山本學三崎千恵子 東芝日曜劇場10周年記念作品でTBSのドラマ番組初のカラーVTR作品
7 1967年04月09日 伊志井寛成田光子磯野洋子 白黒放送
8 1967年07月23日 大出俊
9 1968年01月14日 藤田まこと林隆三 カラー放送
10 1968年04月28日 尾上松緑東郷晴子 白黒放送
11 1968年08月18日 川口恒英太郎(初代)、茅島成美 白黒放送、北海道でのロケ収録有り
12 1969年01月05日 加東大介田中春男円谷文彦 本作以後すべてカラー放送
13 1969年04月20日 平幹二朗、萬代峯子、青山哲也
14 1969年09月07日 藤岡琢也市川春代丹羽研二
15 1970年01月11日 緒形拳中原ひとみ永井秀明
16 1970年05月10日 山村聡大空眞弓山本陽子津嘉山正種 東芝日曜劇場700回記念番組、上野でのロケ収録有り
17 1970年10月04日 菅野忠彦夏桂子
18 1971年01月03日 水前寺清子松村達雄瑳川哲朗
19 1971年04月18日 瑳川哲朗、小坂一也
20 1971年07月25日 長谷川哲夫寺田路恵下元勉石山葎雄
21 1971年10月03日 佐良直美、長谷川哲夫
22 1972年01月09日 小鹿みき
23 1972年06月11日 二谷英明雪代敬子
24 1972年11月19日 堺正章
25 1973年02月04日 山本和夫 井上順坂上忍弓恵子
26 1973年07月08日 井上順、中原ひとみ、坂上忍、上村香子
27 1973年11月11日 山口崇、井上順、中原ひとみ、坂上忍
28 1974年05月12日 勝呂誉沢田雅美
29 1974年10月06日 藤間紫、山本學、丘さとみ サンフランシスコでのロケ収録有り、二週連続放送
30 1974年10月13日
31 1975年04月06日 宇津井健杉浦直樹、井上順、坂上忍、中原ひとみ、下川辰平
32 1975年10月05日 小野寺昭鷲尾真知子河村弘二
33 1976年04月04日 篠田三郎仲谷昇
34 1976年10月10日 菅原謙次前田吟遠藤周作
35 1977年10月30日 林与一岡本信人
36 1978年05月07日 尾藤イサオ千秋実
37 1979年01月07日 尾藤イサオ、千秋実
38 1980年01月06日 竹脇無我、千秋実

映画 編集

1968年2月14日公開。監督:五所平之助。カラー・シネマスコープ作品。製作:東京映画 、配給:東宝

封切りは「駅前シリーズ」の22本目『喜劇 駅前開運』(監督:豊田四郎、主演:森繁久弥)との併映だった。

基本的にはテレビドラマの設定を踏襲し、いくつかのエピソードのゲストをキャスティング変更してワンストーリーに仕上げている。

あらすじ 編集

器量と気っ風の良さで知られる芸者のてまりは、いつしか自分の店を持つことを夢見て、妹分の小桃と座敷を上がった後にライトバンで味噌汁とおにぎりの店を営んでいた。

健気に生きている2人にも、やはり花柳界に生きる女の定めのように様々な男たちと行き交いすれ違う。

上司とのいざこざに悩み酔いつぶれた挙句てまりの家へ転がり込むサラリーマンの桐谷、久々の再会を果たした同級生の2人のうち、地味な下駄屋を継いで恵まれていないように見えた小川と親の会社で役員となり豪遊村田、そしててまりを娶ろうと心に誓う、眼科医の太田など、てまりにはなかなか心の休まる日が訪れない。

そんな中、咲村と名乗る男が北海道からてまりの弟と名乗って訪れ、小桃は一目惚れしてしまう。

出演 編集

スタッフ 編集

舞台 編集

テレビドラマ放映中の1969年から1975年にかけて断続的に舞台作品化されており、てまり、すが、小桃の三人は同一のキャスティングで出演している。

  • 明治座 1969年9月 秋の新派祭
  • 明治座 1973年2月 春の演劇祭
  • 明治座 1974年2月 春の演劇祭
  • 名鉄ホール 1974年3月 早春特別公演
  • 名鉄ホール 1975年11月 十一月特別公演

備考 編集

  • 2010年9月26日に死去した池内の追悼作品として、2010年10月4日 15:55からTBSテレビで『女と味噌汁 その38』が放送された。
  • TV版・映画版ともにビデオ・DVDなどとして商品化されていない。
  • 2015年12月16日から2016年2月5日まで、BS12 トゥエルビにて全38話の再放送が行われた。
  • テレビドラマ版のテーマソングは毎回録り直されたものであり、テンポやアレンジ、長さが異なっている。また、弁天池のセットはその9以後ほぼ毎回登場し、シリーズ途中からその傍でライトバンを出店している。

外部リンク 編集

女と味噌汁 | ドラマ・映画 | BS無料放送ならBS12(トゥエルビ)