打ち切り(うちきり)とは、継続的に行っている物事を取り止めることを指す。途中の段階での中止に用いられることが多い。

一般的な事例編集

  • 交渉関係:双方の意向が平行線を辿るなど、成立の見込みが無いと判断された場合。下記の契約における交渉でも同様である。国家間の交渉である外交交渉の決裂が、相手国への制裁措置、さらには戦争に至ることもある。
    • (例)電力会社と資源会社との間での一般炭価格交渉が平行線を辿り、合意価格が形成されないまま交渉打ち切り[1]
  • 契約関係:成績不振、負傷療養ないし死亡、不祥事、など何らかの理由により、契約の満了が不可能と判断された場合、予め定められた契約条項に従って解消する。
    • (例)サッカーチームとスポーツ用品メーカーとの契約期間が残っていたにもかかわらず、双方の合意で契約解消[2]
  • 行政関係:諸事情(悪天候などによる捜索活動が継続困難、費用高騰、世論の批判の高まり、など)により各種業務ないし事業を取り止めたり、一部ないし全ての対象者への支給を取り止めることも多い。
    • (例)4年以上前に行方不明となった航空機の捜索の継続を断念[3]
    • (例)自治体による法人に対する市民税減税措置を、国による実効税率引き下げにより終了[4]
    • (例)被災者が支援金や義援金受け取りを理由に福祉事務所から生活保護費支給を停止された[5]
  • 企業関係:融資先の経営状態が芳しくないなどの理由で金融機関が融資を引き上げたり、企業が子会社などへの支援を取り止めること。
    • (例)経営再建中の企業に対し、融資している一部金融機関が企業に不信感を抱いて、融資打ち切りも辞さない姿勢[6]
    • (例)赤字計上が続く子会社への支援を、親会社が取り止める[7]
  • 製品関係:開発が難航、商品の売れ行きの低迷、部品調達が困難、法改正による新規制をクリア出来ない、古いOSへの対応が困難、などにより、企画・開発や製造が取り止められること。また、これらのサポートも法律で義務付けられた期間などを経過したら終了となるケースが殆どである。
    • (例)人気は高いが、排気ガス規制を満たせないバイクが生産停止[8]
    • (例)スマートフォン向けアプリが、古いOSへの対応を終了させる[9]
  • 運輸関係:事故や災害などにより、本来の運行目的地に達することが不可能とされた場合、諸事情により途中で運行を取り止めること。
  • スポーツ関係:悪天候、日没、トラブルなどにより、本来の試合時間やイニング等を全うせずに試合を終了することや、未消化試合を残したまま大会を終了すること。

マスメディア編集

小説コラム漫画などの連載作品、定期取材記事、テレビラジオ番組CM、など、継続的に連載・放送(配信)することを予定していたものが突発的に終了することを指す。

打ち切りにより恒久的に公開されない封印作品となるケースもある。また、打ち切られた番組が放送されていた時間帯を「改編期までの間の繋ぎ」として放送する番組をつなぎ番組と呼ぶ。

代表的な事例編集

人気低迷
最も多いパターン。読者アンケート、聴取率または視聴率、番組スポンサーの商品売上などの低迷により判断される場合が多い。
視聴率よりも商業成績(主に冠スポンサーの商品売り上げ)に重視する子供向けのアニメ特撮番組に多くみられる。視聴率が低くても商業成績が絶好調の時は該当しないが、視聴率は好調でも商業成績が不振の時は該当する。
一社提供番組において、総合的な人気が低迷しても提供している企業の意向から打ち切らないこともあり、これらの番組が長寿番組にまで発展することもしばしばである。番組によっては、スポンサーが存続している間は業績が悪化しても打ち切りの予定は一切無い場合がほとんど。
  • (例)長寿番組が視聴率低迷を受けて、相次いで打ち切り[10]
資金・経営上の都合
制作費や出演料の高騰、出版・製作会社や広告代理店などの経営悪化(廃刊、廃業なども含む)により、陥る場合もある。
それと同様に、評価にかかわらず、スポンサー料の総額に対して、実際の制作費や出演料が高くついた赤字番組では、極端な不人気番組と同等の扱いを受けているため、それらの番組も、4月)と10月)の大型改編時の整理番組に指定される傾向にある。
放送機材の運用上の都合
ごく稀な事例として、ヘリコプターなど番組の製作に欠かせない希少な放送機材の運用上の都合により、それらの番組を打ち切ることがある[注釈 1]
スポンサーの降板・廃業
一社提供番組や、子供向けのアニメ・特撮番組の冠スポンサーに多くみられる。複数社提供に降格することがほとんどで、複数社提供の番組スポンサーの一部に過ぎないものは該当しないのがほとんど。
スポンサー企業の不祥事が原因などの要因により打ち切られることもある。『料理バンザイ!』(テレビ朝日系列雪印グループ雪印牛肉偽装事件の影響)や『POWERフレーズ』(日本テレビ系列みずほフィナンシャルグループみずほ銀行の大規模なシステムトラブルの影響)などが該当する。
契約満了
  • (例)経営悪化により、企業広告の契約更新を行わない事を決定[11]
引退・逝去など
原作者・出演者・要となる制作スタッフが退社ないし脱退、引退、逝去により、継続が不可能と判断された場合に行われる。
  • (例)司会者の芸能界引退に伴い、番組打ち切り[12]
  • (例)出演者の一人が自殺で急逝したため、番組打ち切り。しかも自殺の原因はその番組だった[13]
不祥事
原作者、出演者ないし制作スタッフが犯罪行為・やらせ捏造などの反社会的行為を犯した場合、倫理・社会通念上から重大な問題となり、存続が不可能と判断される場合が多い。
その他、不適切な発言や文字表現、番組収録中の不慮の事故、出演者に対するSNS上での誹謗中傷などが問題とみなされた場合でも同様のケースに至る場合もある。
場合によっては、番組関連書籍の絶版やソフトの廃盤に至る場合もある。
遅れネットの地域では発局での打ち切り決定以降、当該局での未放送回が放送されない場合もある。
具体例は、Category:不祥事により打ち切られた番組を参照。
重大な事件・事故・災害
被害者ないし被災者などへの配慮や、報道特別番組により番組編成が大きく変動して通常編成中での完結が困難になった場合、一部番組の放送を打ち切るケースも稀に見られる。
放送局(配信サイト)の都合
編成の関係などから、製作局では継続だが一部ネット局では遅れネットを含めて移行されずに終了することもある。このパターンはネットワークセールスからローカルセールスの時間帯に移動した時に多くみられる。
スポンサーの付き具合
地方の自社制作ラジオ番組でよくみられる。テレビ番組と異なり聴取率を調査出来る期間が年1回(調査期間は月曜日から日曜日までの一週間)と非常に限られているため、スポンサーの付き具合を重視する傾向にある。一定期間スポンサーが無い状態が長く続くか、製作局の放送対象地域外のスポンサーしか提供されなさそうな番組は放送終了の対象となる。
地方の一社提供ラジオ番組の多くが放送対象地域内の事業者による一社提供番組であるため、放送対象地域外スポンサーの一社提供番組がメイン提供の複数社提供に変更されることが多いのは、打ち切り回避させるための措置によるものである。
全国ネット番組の場合、ネットワークセールスのスポンサーがほとんど付かない場合は、全面的にローカルセールスに移行することもある。
逆に首都圏では2か月に1度(偶数月に)調査を行なっているため、反応がいいと改編期を乗り越えて続行となる。
ただし、ワイド番組コーナー単位でスポンサーを付けているため、スポンサーのない状態が長く続いても打ち切らずに続行することが多い傾向にある。

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 1961年から1963年までNHK総合テレビジョンで放送されたNHK自局制作の子供向け特撮番組の『魔法のじゅうたん』がそれにあたる。クロマキー合成に用いられる背景に全日本空輸所有のNHK専用ヘリコプターで撮影された映像が用いられており、それらの運用を翌年の東京オリンピックに集中させるため、人気低迷していないにもかかわらず打ち切りを余儀なくされた。
  2. ^ 火曜サプライズ』、『夜の巷を徘徊する』、『ダウンタウンなう』など。

出典編集

  1. ^ 一般炭価格交渉打ち切り 東北電とグレンコア、18年度分 日本経済新聞 2018年6月28日、同7月11日閲覧。
  2. ^ ミラン、今季限りでアディダスとの契約打ち切りを発表…来季からプーマか SOCCER KING 2017年10月25日、同7月11日閲覧。
  3. ^ マレーシア機の捜索打ち切り 2014年不明、解明困難に 東京新聞 2018年5月30日、同7月12日閲覧。
  4. ^ 名古屋市、法人市民税5%減税を打ち切り 日刊工業新聞 2018年2月12日、同7月12日閲覧。
  5. ^ 生活保護打ち切り 376世帯、義援金など理由 毎日新聞 2018年4月14日、同7月21日閲覧。
  6. ^ 地銀・信組17行が東芝への融資継続に反対 協調融資打ち切りで資金の一層悪化の可能性 産経新聞 2017年7月7日、2018年7月11日閲覧。
  7. ^ リコーのインド子会社、更生手続き申請=業績悪化で支援打ち切り 時事通信 2018年1月30日、同7月12日閲覧。
  8. ^ 愛されながらもバイク生産打ち切り、相次ぐのなぜ? 朝日新聞 2017年10月5日、2018年7月11日閲覧。
  9. ^ 「Pokémon GO」でiOS 11を利用できないデバイスのサポート打ち切りが発表 4Gamer.net 2018年1月11日、同7月12日閲覧。
  10. ^ 視聴率ボロボロだった『めちゃイケ』『みなさん』、打ち切り決めた「フジ局内の大事件」 Biz Journal 2017年11月3日、2018年7月11日閲覧。
  11. ^ NY繁華街の広告打ち切り 東芝、サザエさん降板決定 産経ニュース 2017年11月22日、2018年7月16日閲覧。
  12. ^ ノッチ「紳助社長にも本当に感謝」 番組打ち切りで撮影分はお蔵入りに シネマトゥデイ 2011年9月9日、2018年7月16日閲覧。
  13. ^ フジ「テラスハウス」打ち切り 配信も停止、木村花さん死亡で 共同通信2020年5月27日

関連項目編集