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TVer(ティーバー)は、在京民放キー局5局が共同で立ち上げ、2015年10月26日よりスタートしたテレビ番組の広告付き無料配信サービスである[1]

概要編集

違法動画配信の防止・対抗を目的として創設された[2][3]スマートフォンタブレット向けのTVer専用アプリPC上のウェブブラウザを利用して、民放テレビ局が提供する番組を視聴することができる[1]。運営は、在京民放5社(日本テレビテレビ朝日TBSテレビテレビ東京フジテレビ)と、広告代理店4社(電通博報堂DYMPADK東急エージェンシー)が共同出資した、プレゼントキャストによる[4]

在京民放5社は、「日テレ無料TADA!」、「テレ朝キャッチアップ」、「TBS FREE」、「ネットもテレ東キャンペーン」、「FOD見逃し無料」といった、独自の見逃し配信サービスをそれぞれ運営しているが、「TVer」はこれらを一元的に集約させたポータルサービスとしての役割も担う[1]

配信は、放映から1週間程度の期間(次回放送がそれを超える場合は、遅くとも次回放送開始前まで[備 1])行われ、従来の放送と同じようにコマーシャルが挿入される形式となっている[2]。ただし、権利の関係で配信対象外となる番組もある[備 2]

ちなみに、一部の一社提供番組を配信する場合は、提供クレジットがテレビ放送と同じフォーマットで企業入りで配信されており、当サービスでも提供企業のコマーシャルのみに絞りこんで配信することがある。

サービス開始当初は、全国ネットでの放送番組(準キー局制作番組や系列BSデジタル局の番組を含む)を中心とした番組ラインナップであったが、2016年秋に準キー局の一部が参画し、番組の直接配信を開始したことにより、放送エリアが制限されているローカル番組の視聴も可能となった。

「TVer」ではradiko(プレミアムを除く)とは異なり、配信番組の視聴にあたって国内でのエリア制限は施されていないことから、配信対象番組で放送枠の移動がある場合は、必ず放送時間のところに「一部地域をのぞく」の表記が入る。これは系列局が無い地域かクロスネット局で同時ネットの対象から外れた番組において遅れネットか非ネットの時があるため。一方、海外での利用はできず、この点は同様である。

サービス開始当初の月間アクティブユーザー数の伸びは低調で、実際の利用状況は芳しくないとする調査結果があったが[5]、2018年3月期には月間動画再生数が3,871万回となり、前月の3,065万回を大幅に上回っている[6]

2019年8月26日には、公共放送である日本放送協会(NHK)が制作する番組[備 3]についても配信が開始される。広告放送が禁止されている同協会の性質上、NHKの番組をTVerで視聴する際にはコマーシャルは流されず、代わりに同局の番組宣伝などが流れる[7]。なお、TVerでのNHKの番組視聴は受信契約の対象外であると同協会広報局が回答している[8]

沿革編集

  • 2015年
    • 7月16日 - 番組無料配信サービスの提供を10月から開始すると発表[2]
    • 10月26日 - サービスの提供を開始する[3]
    • 11月19日 - アプリの累計ダウンロード数が100万を超える[9][10]
  • 2016年
    • 3月1日 - アプリの累計ダウンロード数が200万を超える[11]
    • 10月3日 - 在阪民放2社(朝日放送〈現:朝日放送テレビ〉、毎日放送)が参加[12]
    • 12月17日 - アプリの累計ダウンロード数が500万を超える[13]
  • 2017年
    • 3月25日 - 在阪民放1社(読売テレビ)が参加[14]
    • 12月17日 - アプリの累計ダウンロード数が1000万を超える[15]
  • 2018年
    • 3月 - 在阪民放1社(関西テレビ)が参加。
  • 2019年
    • 7月24日 - アプリの累計ダウンロード数が2000万を超える[16]
    • 8月10日 - 初のプロ野球中継ライブ配信(日本テレビ『Fun!BASEBALL!!』協力)を実施[17][18]
    • 8月26日 - 日本放送協会(NHK)が参加。これにより、NHKが制作する5番組から10番組の配信[備 3]が順次開始される[7][8]
  • 2020年
    • 1月下旬 - 在京民放5社が平日夕方に制作・放送しているニュース番組[備 4]のネット同時配信に関する技術実証を当サービスにて行う予定[19]

視聴方法編集

パソコンでの視聴はFlash Playerが必要。iOS及びAndroidは後述のプレーヤーアプリが必要。

対応状況(モバイル)編集

民放公式テレビポータル
「TVer」(ティーバー)
開発元 プレゼントキャスト
初版 2015年10月26日(4年前) (2015-10-26[20]
最新版 iOS版 : 3.0.1 / 2015年11月4日(4年前) (2015-11-04
Android版: 3.0.4 / 2015年12月1日(4年前) (2015-12-01
対応OS iOS版: iOS 7.0以上
Android版: Android 4.1以上
プラットフォーム iOS、Android
サイズ iOS版: 44.3 MB
Android版: 25 MB
対応言語 日本語
サポート状況 公開中
種別 動画視聴アプリ
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト https://tver.jp/info/app.html
テンプレートを表示

2015年12月時点において、「Android 4.1以降」 または 「iOS 7以降」 のモバイルOSを搭載したスマートフォンとタブレットに対応したアプリが提供されている[1][21][22]。なお、以下に記述するAndroidとiOSのモバイル端末は、上記のOS対応要件を満たした機種を想定しているものとする。

2015年10月のTVerの配信サービスのスタート時に、iPhoneというiOS搭載スマートフォンとAndroid搭載スマートフォンに対応したアプリが提供開始された[1]。スマートフォンへの対応に続いてタブレット端末に対するアプリの迅速な対応が図られ、11月4日に iOS搭載タブレットのiPad対応のアプリが提供開始された[21]。12月1日には Android版アプリのアップデートによってAndroidタブレットにも対応した[23][24]

対応状況(テレビ)編集

2018年1月15日から3月31日の期間限定で、ソニーのAndroid TV向けに提供された[25]

2019年4月15日からは『TVerテレビアプリ』がAndroid TVとAmazon Fire TV向けに正式リリースされた[26]

2019年8月26日からNHK制作番組の配信が開始されたが、テレビ向けアプリでの視聴に関しては対象外となっている[27]

評価と問題点編集

当サービスは前述のとおり利用者数を伸ばしているが、以下のような問題点も存在している。

  • 肖像権の関係から、ジャニーズ事務所の所属タレントが出演するバラエティ番組はほとんど配信されておらず、ジャニーズ事務所に関連する映像は、ドラマ番組(詳細後述)とコマーシャルのみに限られる。通常配信されている番組(ジャニーズ事務所所属タレントがメイン出演者ではないもの)でも、ジャニーズ事務所所属タレントのゲスト出演回は配信が行われない。
    • マツコの知らない世界』(TBSテレビ制作)など、テーマ毎にゲストが入れ替わるする番組に関しては、ジャニーズ事務所所属タレントが担当するテーマが入った回の場合、そのテーマを予告を含めて完全に削除したうえで、オープニング映像等を改めて制作したネットオリジナルのものを配信することで対処されている。
    • 一方、ドラマ番組は2017年頃[備 5]から緩和され、ジャニーズ事務所所属タレントの出演作品も配信されるようになっている[28]代わりに、一部の番組を除き、ジャニーズ関連コマーシャルの配信のみに絞り込む[備 6]ことで対処されている。
  • ドラマ番組は過去の作品も含めて積極的に配信されているが、アニメ番組やバラエティ番組の配信数は少なく、ごく一部のみに限られる傾向にある。なお、ドラマ番組であっても時代劇特撮、NHK製作番組のように配信がほとんど行われないものもある。
  • 地上波番組での告知は当該放送局系のインターネット配信サービスのものが多く、当サービスで配信されていることの告知が少ない。
  • サービス開始から配信局を順次増加させているが、ネットワークに属さないいわゆる独立放送局は2019年現在まで参加しておらず、独立局制作番組は本サービスでの配信が行われていない[備 7]

2019年(平成31年)4月29日午前0時から午前3時半頃にかけて、外部から不正アクセスを受け、アプリ及びウェブサイト上で画像の改竄や複数の番組タイトルの改変などが行われた。この事態を受けてTVerは事実を認めた上で公式に謝罪した[29]

備考編集

  1. ^ 肖像権の関係により、『秘密のケンミンSHOW』(読売テレビ制作)に関しては、芸能人が多数ゲスト出演する関係上、TVerでの配信開始以前から見逃し配信の対象に入るようになってからは、司会者のみで進行する総集編が別に次回の放送を休むときにに合わせて制作されており、特に拡大特別番組が放送される時は、必ず制作されている。そのため、当番組の通常の内容のみが次週の放送がなくても翌週までしか配信されず、翌週から次回放送の直前まで直近の総集編を再配信させる措置を取っている。総集編の次の週が休みの場合は、従来通りの措置である。
  2. ^ 主に近代オリンピックFIFAワールドカップなど、インターネットでの配信許諾を得られなかった映像の使用頻度が高めの放送回などが該当する。権利関係等の問題で配信できない映像・音声を含む場合、当該箇所のみ蓋かぶせ(無音で「この部分は都合により配信できません」などと表示)・カットされることがある。
  3. ^ a b 主に日本放送協会が運営している動画配信サービスNHKオンデマンド」の無料視聴番組が対象となる。
  4. ^ news every.』(日本テレビ)、『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)、『Nスタ』(TBSテレビ)、『ゆうがたサテライト』(テレビ東京)、『Live News it!』(フジテレビ)の5番組。
  5. ^ 2017年6-7月放送の『屋根裏の恋人』(東海テレビ制作、今井翼が出演)が見逃し配信された初期の例である。
  6. ^ 脇役以上の出演者にジャニーズ事務所所属タレントが一人もいなくても、端役以下にジャニーズJr.のメンバーが参加している放送回も含む。
  7. ^ 地上波テレビではネットワークに属する地方局が独立局製作番組を購入して放送したり、逆に独立局が地方局やキー局の番組を購入して放送する事例が多く見られる。

脚注編集

  1. ^ a b c d e 臼田勤哉 (2015年10月26日). “「民放5社による無料見逃し配信「TVer」が26日スタート”. AV Watch (Impress Watch). http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20151026_727414.html 2015年10月26日閲覧。 
  2. ^ a b c “民放5社、共同ネット配信”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2015年7月17日). http://www.asahi.com/articles/DA3S11863827.html 2015年11月27日閲覧。 
  3. ^ a b 佐藤美鈴 (2015年10月27日). “民放5社が無料見逃し配信サイト 違法動画に対抗”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). http://www.asahi.com/articles/ASHBV63J2HBVUCVL02C.html 2015年11月27日閲覧。 
  4. ^ 本田雅一 (2015年7月18日). “番組ネット配信「TVer」は"同床異夢"だった”. 東洋経済ONLINE (東洋経済新報社). http://toyokeizai.net/articles/-/77520 2017年1月16日閲覧。 
  5. ^ 金井篤史 (2016年11月22日). “【Inter BEE 2016】見逃し番組配信「TVer」の現状は?ワイズ・メディア代表・塚本幹夫氏がApp Apeのデータを紹介”. Fuller. 2017年1月16日閲覧。
  6. ^ 庄司亮一 (2018年4月11日). “TVer、3月の月間再生数が過去最高の3,800万回突破”. AV Watch. 2018年4月28日閲覧。
  7. ^ a b “NHK「TVer」に参加へ”. NHKニュース. (2019年8月23日). https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190823/k10012045911000.html 2019年8月23日閲覧。 
  8. ^ a b TVer経由のNHK番組の配信について”. NHK広報局(2019年8月23日作成). 2019年8月23日閲覧。
  9. ^ 滝沢卓 (2015年11月19日). “TVerアプリ、100万DL突破 ネットで番組配信”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). http://www.asahi.com/articles/ASHCM56MDHCMUCVL019.html 2015年11月27日閲覧。 
  10. ^ “民放5社の無料見逃し配信「TVer」アプリ累計100万ダウンロード突破”. AV Watch (Impress). (2015年11月19日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/731431.html 2017年1月16日閲覧。 
  11. ^ “民放テレビ見逃し配信「TVer」が200万ダウンロード達成”. AV Watch (Impress). (2016年3月1日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/746156.html 2017年1月16日閲覧。 
  12. ^ “民放の無料見逃し配信「TVer」に在阪の毎日放送/朝日放送参加。コンテンツ拡充”. AV Watch (Impress). (2016年10月3日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1022985.html 2017年1月16日閲覧。 
  13. ^ “民放テレビ見逃し配信「TVer」が500万ダウンロード。8割がスマホ/タブレット視聴”. AV Watch (Impress). (2016年12月19日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1035822.html 2017年1月16日閲覧。 
  14. ^ “TVerに読売テレビが参加。「そこまで言って委員会NP」などを見逃し配信”. AV Watch (Impress). (2017年3月24日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1051142.html 2017年3月24日閲覧。 
  15. ^ TVerのアプリダウンロード数が1,000万件突破。平昌五輪はgorin.jpと連携”. AV Watch. Impress (2017年12月18日). 2018年4月28日閲覧。
  16. ^ 2000万ダウンロード突破! スポーツもTVerで!”. 日本テレビ放送網株式会社・株式会社テレビ朝日・株式会社TBSテレビ・株式会社テレビ東京・株式会社フジテレビジョン(2019年7月24日作成). 2019年11月10日閲覧。
  17. ^ 日テレがプロ野球中継を「TVer」で初生配信 8・10巨人VSヤクルトなど4試合”. デイリースポーツ(2019年8月9日作成). 2019年8月11日閲覧。
  18. ^ 「TVer」で初のプロ野球中継の生配信が決定!”. テレビドガッチ(2019年8月9日作成). 2019年8月11日閲覧。
  19. ^ 在京⺠放5社による放送の同時間帯同時配信に関する技術実証について”. 日本テレビ放送網株式会社・株式会社テレビ朝日・株式会社TBSテレビ・株式会社テレビ東京・株式会社フジテレビジョン(2019年11月6日作成). 2019年11月10日閲覧。
  20. ^ “民放5社が本気で取り組んだ「TVer」は告知不足すぎ!? その使い勝手とネット上の反応は……”. おたぽる (サイゾー). (2015年10月28日). http://otapol.jp/2015/10/post-4431.html 
  21. ^ a b 臼田勤哉 (2015年11月5日). “「無料見逃し配信「TVer」アプリがiPad対応”. AV Watch (Impress Watch). http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20151105_729019.html 2015年11月25日閲覧。 
  22. ^ お知らせ|民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」”. 株式会社プレゼントキャスト (2015年12月2日). 2015年12月4日閲覧。
  23. ^ Android版「TVer」がタブレットに対応”. ガジェット通信. 東京産業新聞社 (2015年12月1日). 2015年12月5日閲覧。
  24. ^ 民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」”. Google (2015年12月1日). 2015年12月5日閲覧。
  25. ^ 臼田勤哉 (2018年1月16日). “テレビ見逃し配信「TVer」がテレビ対応。ソニーAndroid TVで期間限定リリース”. AV Watch. 2018年4月28日閲覧。
  26. ^ 見逃し番組配信アプリ「TVer」のテレビ版が登場、ソニーのブラビアやFire TVで視聴できる – TechCrunch Japan
  27. ^ NHKの一部番組の見逃し配信を開始”. 日本テレビ放送網株式会社・株式会社テレビ朝日・株式会社TBSテレビ・株式会社テレビ東京・株式会社フジテレビジョン(2019年8月23日作成). 2019年10月9日閲覧。
  28. ^ ジャニーズ、Netfrixなど動画配信サービス次々参入……木村拓哉も登場でファン騒然”. サイゾーウーマン (2018年7月26日). 2019年10月3日閲覧。
  29. ^ 「あなたの番です」が「あなたの番ナリ」に 民放公式テレビポータルサイト「TVer(ティーバー)」が不正アクセス認め謝罪

関連項目編集

外部リンク編集