村井駅
村井駅(むらいえき)は、長野県松本市村井町南にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)篠ノ井線の駅である[1]。
村井駅 | |
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駅舎(2024年10月) | |
むらい Murai | |
◄広丘 (3.0 km) (2.0 km) 平田► | |
所在地 | 長野県松本市村井町一丁目36-14 |
所属事業者 |
東日本旅客鉄道(JR東日本) 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所属路線 |
■篠ノ井線[1] (■■中央本線直通含む) |
キロ程 | 59.9 km(篠ノ井起点) |
電報略号 | ムイ←ムヰ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- |
2,129人/日(降車客含まず) -2023年- |
開業年月日 | 1902年(明治35年)12月15日[2] |
備考 |
業務委託駅[3] みどりの窓口 有 標高:628.8 m[4] |
歴史
編集年表
編集- 1902年(明治35年)12月15日:国鉄中央線塩尻 - 松本間開通時に開設[1]。一般駅[2]。
- 1922年(大正11年):駅舎改築[5]。
- 1982年(昭和57年)10月31日:専用線発着を除く車扱貨物取扱廃止[6]。
- 1985年(昭和60年)3月14日:荷物扱い廃止[2]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR東日本・JR貨物の駅となる[2]。
- 2005年(平成17年)12月17日:自動改札機稼動開始。
- 2014年(平成26年)4月1日:東京近郊区間に編入される[7]。
- 2017年(平成29年)4月1日:ICカード「Suica」の利用が可能となる[8]。
- 2022年(令和4年)3月1日:新駅舎の建設を開始[9][10]。
- 2024年(令和6年)
駅構造
編集元島式ホームの単式ホーム2面2線を有する地上駅である。 東西を結ぶ連絡通路を有する橋上型の地上駅。かつては島式2線ホームで複数の側線も有する地上駅[4]。ホームと駅舎は跨線橋で連絡している。ホームの高さは、鉄道車両の変遷などで嵩上げや改築がされているが、基礎部分に開業当時のレンガ積みホームの名残を今でも側面から見ることができる。駅舎は1922年に建設された木造のものであった[5]。しかし新駅舎の建設に伴い解体され仮設駅舎での営業になった。仮駅舎は旧駅舎に建てられたが工事の関係から移転し南側に、2024年10月8日から自動改札機が新駅舎に移転した。2024年10月26日より利用開始の新駅舎は橋上型で、2026年度までに西側にも駅前広場が整備されていく。また、東側に上り専用の単式ホームが新設され、2024年10月8日の始発列車以降は従来の島式ホームは上り線側の乗降扱いを取りやめ下り専用となり、2面2線の単式島式混合型になった。これは従来のホームが狭く島式ホームこそ故に拡張が困難だったことが要因である。
以前はまれにホッパ車が側線に留置され、バラストが保管されていたことがあった。
松本駅管理の業務委託駅で、ステーションビルMIDORIが駅業務を受託しており[3]、Suica対応の自動改札機、みどりの窓口が設置されている。
のりば
編集番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■篠ノ井線 | 上り | 塩尻方面 |
2 | ■篠ノ井線 ■中央本線 |
下り | 松本方面 |
(出典:JR東日本:駅構内図)
-
旧駅舎(2021年7月)
-
改札口(2021年7月)
-
ホーム(2021年7月)
貨物取扱・専用線
編集JR貨物の駅は、通年休止駅(車扱貨物臨時取扱駅)となっており、2014年3月時点で定期貨物列車発着は消滅している[12]。
かつては、駅の東側にJX日鉱日石エネルギー松本油槽所があり、その荷役設備へ至る専用線(荷役線)が2本分岐していた。この専用線は油槽所への石油輸送に使用されているため、当駅には南松本駅からの1日2往復の専用貨物列車が停車し、貨車の連結・解放を行っていた。ただしタンク車の発駅は根岸駅で、南松本駅で別の列車から継走されていた。
2011年3月に貨物取り扱いが終了[4]。油槽所は解体され、跡地は松本国際高等学校となっている。
また共同石油や大協石油松本油槽所荷役設備へ至る専用線も分岐していた。また、民営化前は駅舎南側に貨物ホームが設置されていた。
貨車の入換作業はJR貨物関連会社のジェイアール貨物・信州ロジスティクスが受託している。構内には同社松本営業所村井分室があり、コンテナを改造した小さな詰所が置かれていた。小屋状の貨車移動機用機関庫もあったが、2020年頃に撤去、残った側線も新駅舎建設に伴い、2022年3月までに全て撤去された。
利用状況
編集JR東日本によると、2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は2,129人である[利用客数 1]。
2000年度(平成12年度)以降の推移は以下の通り。
乗車人員推移 | ||
---|---|---|
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
2000年(平成12年) | 2,271 | [利用客数 2] |
2001年(平成13年) | 2,221 | [利用客数 3] |
2002年(平成14年) | 2,222 | [利用客数 4] |
2003年(平成15年) | 2,145 | [利用客数 5] |
2004年(平成16年) | 2,098 | [利用客数 6] |
2005年(平成17年) | 2,047 | [利用客数 7] |
2006年(平成18年) | 1,980 | [利用客数 8] |
2007年(平成19年) | 1,773 | [利用客数 9] |
2008年(平成20年) | 1,744 | [利用客数 10] |
2009年(平成21年) | 1,665 | [利用客数 11] |
2010年(平成22年) | 1,670 | [利用客数 12] |
2011年(平成23年) | 1,709 | [利用客数 13] |
2012年(平成24年) | 1,708 | [利用客数 14] |
2013年(平成25年) | 1,746 | [利用客数 15] |
2014年(平成26年) | 1,701 | [利用客数 16] |
2015年(平成27年) | 1,776 | [利用客数 17] |
2016年(平成28年) | 1,776 | [利用客数 18] |
2017年(平成29年) | 1,783 | [利用客数 19] |
2018年(平成30年) | 2,014 | [利用客数 20] |
2019年(令和元年) | 2,019 | [利用客数 21] |
2020年(令和 | 2年)1,741 | [利用客数 22] |
2021年(令和 | 3年)1,846 | [利用客数 23] |
2022年(令和 | 4年)1,983 | [利用客数 24] |
2023年(令和 | 5年)2,129 | [利用客数 1] |
駅周辺
編集建物に囲まれており駅舎は線路を東側と西側に跨る橋上駅舎である。南側に路線バスやタクシーが発着する交通広場がある。かつては駅の東南に大きな2階建ての自転車置場があった。駅前に、若山牧水夫人であった若山喜志子(塩尻市出身)の歌碑(村井駅の一駅一名物)があり[4]、駅前電話ボックス裏に築庭紀念が埋まっていた。松本空港や牛伏寺の最寄り駅ではあるが、これらの利用者は少ない[5]。牛伏寺直行の定期路線バスはないが空港の近くを通るバス路線はある。松本駅と塩尻駅のほぼ中間地点に位置し、通勤通学客利用が多い[5]。
また駅舎前に立ち食い蕎麦屋「イイダヤ軒」があるが、駅舎工事に伴い休業している[13]。
従来、西側には宅地が広がっていたにもかかわらず西口はなかったが、2024年10月26日から新駅舎の東西自由通路の供用開始とともに西口が一般開放された。
東口
編集- 国道19号
- イオンタウン松本村井
- 八十二銀行村井支店
- 松本信用金庫村井支店
- 長野県信用組合村井支店
- ナガノトマト本社・本社工場 - 地元の繭生産者が組合方式で設立した製糸工場「共栄社村井」を発祥とする企業である[1]。
- 北国西街道(善光寺西街道) 村井宿 - 道路や一部の建物に昔の面影があるが、現在では道沿いの住宅地となっている。若山喜志子の歌碑がある。
- まつもと医療センター松本病院[4]
- 松本国際高等学校
- 信州塩尻自動車学校
西口
編集バス路線
編集- 当駅発着の路線バスは全て東口にあるロータリーの「村井駅」バス停に発着する。
隣の駅
編集脚注
編集記事本文
編集- ^ a b c d 古川修司「昭和90年・信州:街かど温故知新/5 村井駅 鉄路が運ぶ繭と活気」『毎日新聞』毎日新聞社、2015年1月7日。
- ^ a b c d 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、205頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b “駅業務委託|駅ビジネス事業|事業紹介”. ステーションビルMIDORI. 2022年4月1日閲覧。
- ^ a b c d e 信濃毎日新聞社出版部 編『長野県鉄道全駅』(増補改訂版)信濃毎日新聞社、2011年7月24日、77頁。ISBN 9784784071647。
- ^ a b c d 「駅すてーしょん 村井(篠ノ井線)」『交通新聞』交通新聞社、1997年1月22日、2面。
- ^ 「日本国有鉄道公示第142号」『官報』1982年10月30日。
- ^ 『Suicaの一部サービスをご利用いただける駅が増えます』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2013年11月29日。オリジナルの2019年2月14日時点におけるアーカイブ 。2020年3月24日閲覧。
- ^ 『Suicaをご利用いただける駅が増えます』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2016年12月2日。オリジナルの2019年3月27日時点におけるアーカイブ 。2020年3月24日閲覧。
- ^ 「村井駅舎3月1日着工 松本市とJR 6年秋の完成予定」『市民タイムス』2022年1月28日。オリジナルの2022年1月28日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「東西結ぶ半橋上駅舎起工 松本 JR村井駅 利便性向上」『中日新聞』中日新聞社、2022年3月2日、朝刊、14面。
- ^ 村井駅東西自由通路及び待合・学習スペースの供用開始について
- ^ 『貨物時刻表 平成26年3月ダイヤ改正』、鉄道貨物協会、2014年。
- ^ 『駅そばイイダヤ軒 村井駅前店 【村井駅周辺整備事業に伴う一時閉店のお知らせ】』(PDF)(プレスリリース)イイダヤ軒、2021年3月31日 。2021年6月27日閲覧。
- ^ “一般路線バス 寿台線”. アルピコ交通. 2022年6月7日閲覧。
- ^ “西部地域コミュニティバス”. 松本市. 2022年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月7日閲覧。
利用状況
編集- ^ a b “各駅の乗車人員(2023年度)”. 東日本旅客鉄道. 2024年7月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月12日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月24日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月7日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2022年度)”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月11日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 駅の情報(村井駅):JR東日本